特典を盗む怪盗 R   作:ボルメテウスさん

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その日、響と未来、そして翼は共に出かけていた。

奏以外と出かけていなかった翼にとっては新鮮な気持ちで一緒に出かけており、楽しんでいた。

「翼さん、ここです!!
私達のお薦めのお店のカフェは」

「ここがか?」

「はい、お値段がとってもお手軽で美味しくて話題なんですよ」

「そうか、では」

そう言い、店へと入店した。

「いらっしゃいませ」

「あれ、雨宮さんじゃない?」

そこに出てきたのはこれまで見たことのない青年だった。

「あぁ、最近バイトで入った喜田川だ。
なるほど、なかなかに面白い組み合わせの色だ」

「あはは、また変わった店員さんですね」

「ふむ、だが店の雰囲気は良さそうだ」

「むっ?」

「?」

翼の声を聞くと、喜田川は驚きで目を見開いた。

「えっもしかして、ばれちゃった!?」

「そっそうなのか?」

「???」

「あの喜田川さんどうしました?」

「いや、すまない。
そこにいる青い髪の女性の声がどこかで聞いた事のあるような気がして」

「あははは、そうです「どうしたの、祐助」へっ?」

未だに勘違いしている喜田川をそのまま流そうとしたが、そんな響が聞こえたのは、今、まさに後ろにいる翼の声だった。

「どうしたの?」

「「えっえぇ!!」」

「あぁなるほど、杏とそっくりだったのか」

「「???」」


Pour attraper la main du vampire jaune~黄色い吸血鬼の手を掴むのは~

「ルパンブラック」

 

「まぁ、今日は挨拶だけだからね。

初のお披露目だから、ここから去らせて貰うね」

 

その言葉と共に、ルパンブラックはその場から去ろうとした瞬間、ルパンレッドの横に立っていたルパンイエローの姿はなくなり、その手に持ったルパンソードを構えていた。

 

「イエロー!」

 

「やれやれ、戦う気はないのだけどね」

 

そう言い、その手に持った赤いレーザーブレードで受け止める。

 

だが、ルパンイエローはその行動を読んでいたように、もう片方の手に持っているVSチェンジャーを使い、ルパンブラックに向けて、次々と銃弾を放っていく。

 

銃弾は真っ直ぐとルパンブラックに迫っていたが、ルパンブラックのマントが鋭い槍となって、全ての銃弾を弾き返すと共に、ルパンブラックはそのままルパンイエローを蹴り上げる。

 

「ちっ」

 

「イエロー、無茶を「邪魔だっ!」うわぁ」

 

すぐに止めようとしたモルナガの声を振り払い、ルパンイエローはすぐに走り出す。

 

「ねぇ、どうなっているの?」

 

「とにかく撤退するしかない」

 

その言葉と共にルパンレッドの背後から現れたアルセーヌは手に集めた闇をルパンイエローとルパンブラックの間に向けて放った。

 

一瞬の闇が、その場を支配すると共にルパンブラックが視界を回復した時に見えたのは戦闘によって破壊された跡しかなく、ルパンレンジャー達の姿は消えていた。

 

「逃げられたか。

けど、面白い事も分かった。

これから、楽しみだ」

 

そう言い、ルパンブラックはその手に持っているVSチェンジャーのブラックダイヤルファイターを起動させ、その場を去っていた。

 

ルパンレンジャー達が離脱後、ジュレに戻ってきた一同は双葉達を屋根裏で休ませていた。

 

「おい、なんであんな無茶をしたんだ」

 

モルナガは戦いを終えた後、大量のドーナツを食べている忍に向けて放った。

 

「なんじゃ、敵を攻撃するのに何か理由があるのか?」

 

「あの場で戦ったら、せっかく救出した春達にも危険だったんだぞ!」

 

「それが?」

 

モルナガの言葉を心底興味がないように呟くと共に、ドーナツを食べる。

 

「お主らが仲間を大事にするのは構わぬ。

だけど、儂は儂の目的で動いている。

あくまで目的が一緒なだけでお前達の仲間になったつもりはない」

 

「なっ」

 

「儂は寝る」

 

その一言と共に忍はその場で姿を消し、店の机がどかされ、男性陣の敷かれている布団のみだった。

 

「なんなんだ、あいつはっ!

というか、なんなんだ!!」

 

「話では吸血鬼だと聞いていたが、あそこまで冷たい奴だったのか」

 

先程までの忍の態度が気に入らなかったのか、竜司と喜田川は思わず呟く。

 

「奴は元々はある目的の為に俺達と共に行動している。

俺も、人の事は言えないからな」

 

そう自身の事を含めて呟くソーマに対して竜司はすぐに目を向ける。

 

「一緒じゃねぇよ。

お前はなんだかんだ助けてくれてるし、良い奴じゃないか」

 

「俺はそんなできた人間じゃない。

悪いが、もう休ませて貰う」

 

その言葉を最後に、ソーマはそのまま寝転がった。

 

「個性の強いチームだとは思ったがここまでとはな」

 

「なぁ、お前は忍とは付き合いは長いのか?」

 

「まぁ、少しな」

 

「だったら、なんで入ったのか教えてくれないか?

悪い事じゃないんだったら「ごめん、それは忍自身から止められているんだ」あいつ自身が?」

 

「何やら深い事情なのか」

 

「あぁ」

 

それを聞くと竜司はそのままため息を吐く。

 

「分かった。

俺も似たような事があったから、そこまでは言わない」

 

「悪いな。

それと、少し外の風に当たってくる」

 

その一言と共に雨宮は裏口から散歩に出かけていった。

 

外へと出て行くと、春という事もあり、過ごしやすい風であり、ゆっくりと通り過ぎる光景を眺めながら、とある場所へと訪れる。

 

「懐かしいな」

 

「あれから1年じゃな」

 

「うわっ!?」

 

その場所へとたどり着くと、雨宮の影から現れたのは寝ているはずの忍だった。

 

「忍、寝ていたんじゃ」

 

「あんなの、あの馬鹿共の話を聞かない為じゃ」

 

笑みを浮かべながら、忍はその壁を見つめる。

 

「一応聞くけど、なんであの時に無茶な攻撃を行ったんだ?」

 

「叩くのならば、今しかない。

そう思っただけじゃよ」

 

その言葉と共に忍は背を壁に当てながら、真っ直ぐと雨宮を見つめる。

 

「どのような力でも手に入れたばかりでは完全には使えない。

だが、時間が経てば、その力の使い方が分かり、厄介な事になる。

ならば、少しでも可能性がある、あの時にしか始末するしかない」

 

「それは、お前の経験か?」

 

「ふっ、どうじゃろうな。

かつて、この身になった時かもしれないがな」

 

そう言って、自虐するように笑みを浮かべる。

 

「まぁ、最も、その力は既に無くなっているようなもんじゃがな」

 

「・・・」

 

その言葉を聞くと忍の元へと近づき

 

「約束しただろ。

ソーマもお前の大切な物は必ず取り戻る。

俺は記憶取り戻して続けているから、お前達も絶対に取り戻す」

 

「当たり前じゃ。

あの時の約束は守ってもらうぞ」

 

その言葉を聞くと共に、彼らはかつて出会った場所を見つめる。

 

「おやおやぁ、まさかこんな夜更けに、珍しいお嬢ちゃんがいるじゃないですかぁ!」

 

「あぁ?」

 

気味の悪い声が聞こえ、忍は睨み付けると、そこには神父服を纏った白髪の男が立っていた。

 

「なんじゃ、貴様は?」

 

「俺ちんは異教徒を始末する必殺お仕事人な神父さんフリードでぇす!

何やら、とっても邪魔な怪盗を始末して欲しいとい依頼があったのでぇ、遊びに来ましたぁ」

 

「面倒な奴じゃな」

 

そう言い、その瞳は先程まで見せなかった冷たい目でフリードを睨み付けると共に、その手にはVSチェンジャーではない武器を取り出そうとするが

 

「忍」

 

「・・・分かっておる分かっておる」

 

雨宮の言葉を聞き、取りだそうとした武器を影の中へと捨てて、手の中にVSチェンジャーを収め、構える。

 

「あれぇ、あれあれ?

武器はそんなおもちゃですかぁ!?

だったら、俺様ちゃんはこれを使わせて貰いますねねぇ!!

 

その言葉と共に出てきたのは、刀身が光っており、周りが昼だと思わせる程の光を発していた。

 

「この伝説の剣で、悪党の怪盗と吸血鬼ちゃんを倒させて貰いますぜぇ!!」

 

「伝説の剣じゃと?

興味ないな、使い手がお前のような下品な奴だと、宝の持ち腐れじゃな」

 

その言葉と共に、手に持ったVSチェンジャーにイエローダイヤルファイターを装填する。

 

【YELLOW!】【1・1・6】【怪盗チェンジ!】

 

「「怪盗チェンジ!」」

 

【ルパンレンジャー!】

 

その音声と共にルパンレンジャーへと変身すると共にフリードへと構える。

 

「予告する、あんたのお宝、頂くぜ!」

 

「俺様ちゃんのお宝を?

いやぁん、泥棒さんにはお仕置きだよ!!」

 

その言葉と共にフリードの姿は一瞬で消えるが、ルパンレンジャー達は瞬時に前に走り出し、後ろへと振り返り、VSチェンジャーの引き金を引く。

 

銃弾は次々と放たれ、その先には姿を消したはずのフリードの姿があった。

 

「ちぃ」

 

「奇襲をするならば、別の所にするんだな」

 

「速く動いて、単純な奴は動きは分かりやすいんじゃな」

 

「まだまだ、準備運動ですからぁ!!」

 

そう言い、地面を思いっきり叩きつけると共に、周りに石がまき散らされ、視界が遮られてしまう。

 

遮られた視線を違いに庇うように背中合わせになった2人は周りを見つめる。

 

「きゃはぁ!

このエクスカリバーちゃんはパワーやスピードは勿論の事、幻覚や形を変える、さらには祝福に支配となんでもありのとんでもな剣なんだよぉ!」

 

「ちっ、いちいち五月蠅い奴だ」

 

「ついでに音を遮るのか?

さっきから奴の把握が難しいな」

 

1秒の小さな時間の間に2人の身体は次々と傷だらけになっていた。

 

動きが単純に読めた奇襲とは違い、フリードの支離滅裂な思考と似た攻撃によって動きを読む事が難しくなっていた。

 

「ほらほらぁ、もっと傷つけるぜぇ」

 

「ちっ、時間をかけるのも面倒じゃ、レッド」

 

「なんだ?」

 

「お主のペルソナで一気に片付けるぞ」

 

「アルセーヌや他のペルソナじゃ「何を言っている、儂がいるんじゃろ」忍」

 

「なんじゃ?

店の常連だけができて、一緒に戦ってきた奴は信用できないのか?」

 

「確かにな、でもな」

 

「んっ?」

 

「別に一緒に戦ったからじゃない、仲間だから、信用しているんだ」

 

そう言って、ルパンレッドはルパンイエローに手を伸ばす。

 

「・・・そうか。

まぁ良いじゃろ、今の所はお主とソーマぐらいは仲間として見よう」

 

その言葉を受け取ると共にルパンイエローはルパンレッドの手を掴む。

 

「仲良く無理心中ですか!!

解釈ごめん!!」

 

「悪いが、死ぬ気なんて、さらさらないんじゃよ

 

その言葉と共に違いの手を強く握りしめる。

 

それはまるで決して離さないように強く握りしめると共に、互いのスーツから溢れ出る血が宙で舞い上がる。

 

「はぁ?」

 

「貴様、確か神父じゃったよな。

だったら、こいつが似合いじゃないか?」

 

「ジャンヌ!」

 

その言葉と共に背後から現れたのは黒い鎧を身に纏った白髪の女性が現れると共に、その腰にある剣を振り上げる。

 

「はぁ、なんですかそれは!?」

 

「あいにくと正義の味方だが、性格は最悪なんじゃよ、儂は。

という事で、痛みと共に、罪を償うんじゃな」

 

その言葉を聞いた瞬間、先程まで戦いを優勢に戦っていたはずのフリードの血の気が引きその場を去ろうとした。

 

だが、彼の前に現れたのは煉獄の炎とも思われる壁が現れ、彼の身体は槍で貫かれる。

 

一本、二本と次々と突き刺さっていき、その身体はまるでキリストの処刑を思わせる姿になる。

 

「があぁっあがぁ!!」

 

同時に襲いかかるのは、全身を燃やされるような熱さと、貫かれた痛みが広がる。

 

「がぁ、ぎやぁ!!」

 

痛みで既に言葉が出ない程に、白目になりながらも、気絶しては痛みで起きあがり、死んでは、あまりの痛みで再び生き返る。

 

まさに生き地獄を繰り返し、ルパンレッドとルパンイエローは構える。

 

「「永遠にアドゥ」」

 

その一言と共にVSチェンジャーから放たれた銃弾はフリードを貫き、特典を奪い取る。

 

同時に気絶したフリードは地面に叩き落とされた。

 

「おい、大丈夫なのか?」

 

「お前が加減したんじゃろ。

これでも優しいぐらいじゃよ、儂は」

 

「本当かよ。

とにかく警察まで連れて行くか」

 

そう言い、フリードをそのまま警察まで連れて行き、夜明けを迎えようとしていた。

 

「まったく、面倒な仕事が増えてしまったもんじゃ」

 

「まぁ、良いじゃないか。

これで少しはあいつに殺された人も報われる」

 

「お前は、本当に記憶を無くしている時も、取り戻しても変わらないんじゃな」

 

そう言って、真っ直ぐと人を助ける雨宮を見て

 

「儂も」

 

「んっ?」

 

「なんでもない」

 

小さく呟いた忍の声は聞こえず、すぐに聞き返そうとした雨宮だが、誤魔化される。

 

「さっさと寝ないとやばいんじゃないか?

もう2時じゃよ」

 

「なっ、明日は店があるのに」

 

「かかっ、とっと帰るぞ」

 

慌てる様子の雨宮を見た忍は笑みを浮かべながら、歩き出す。

 

「あぁ、本当に、無くす前と無くした後が変わっているのは儂ぐらいなもんじゃな」

 

そう、忍はかつての自身に睨まれているような奇妙な感覚と心地よい暖かさを胸に、ジュレへと戻っていく。

 

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