特典を盗む怪盗 R   作:ボルメテウスさん

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il ya quelque temps de G~Gの少し前~

その日、連は海鳴町で散歩をしていた。

 

新しく引っ越してきた町での地形把握は、ルパンレンジャーとしての活動時には重要な情報の為、彼は歩いていた。

 

「そう言えば、久しぶりだな。

一人で歩くというのは」

 

連はそう考えながら、今は空になっているバッグ、そして誰もいない影を見つめながら呟く。

 

連はこの世界においては単独行動は実は少なく、歩くのがだるいと言って影の中に入っている忍や常に行動を共にしている相棒モルナガと一緒に行動していた。

 

だが、今日は忍は店の部屋でドーナツを食べており、モルナガは高巻にプレゼントするために店でアルバイトを行っていた。

 

その事もあり、その日は珍しく一人珍しく町を歩いていた。

 

「なんというか、珍しいな」

 

そう言いながら、町を眺めながら一人だけの日常に驚きを感じていた。

 

ふと、海が見える公園があり、公園の椅子に座る。

 

公園からそう遠くない場所に建てられているドームを見つめる。

 

もう少しで開催される予定である「QUEENS of MUSIC」の会場という事もあり、今でもその準備を行う為に多くの作業員が出入りしていた。

 

「気になるのかしら?」

 

「えっ?」

 

ふと、ドームを見つめていると、後ろを見ると黒いコートを身に纏った女性が立っていた。

 

「まぁ、気になると言ったら気になります。

知り合いが出る予定だと」

 

「知り合い。

確かに気になるわね」

 

そう言いながら女性は何を思ったのか連の隣に座った。

 

「あなたはなんでここに?」

 

「仕事の息抜きにね。

もうすぐ行う大仕事の為にも」

 

「仕事?

会場関係の人ですか?」

 

「ぷっ、えぇそうね。

確かに関係者と言ったら関係者ね」

 

連の反応で何か面白かったのか、女性は思わず笑う。

 

「それにしても、本当に驚きよね。

ノイズがあれだけ騒がれた町の隣でまさかこんな事をするとはね」

 

「まぁ、だからこそかもしれませんね。

ノイズの脅威は未だにね」

 

「災害だから、仕方ないかもしれないけど」

 

「まぁそうですけど」

 

そう言いながら、月を見つめる。

 

あの戦いの最中、連はどれぐらいの人を救えたのか。

 

助けられなかった人もきっと数多くいる。

 

そんな思いを見つめながら

 

「男の子だったらしゃんとしなさい。

ほら」

 

そう言って、女性は手に持っていたコーヒーを渡す。

 

「どうも」

 

「本当に変わっている子ね。

あなた、QUEENS of MUSICには興味あるかしら?」

 

「えぇ、勿論」

 

「だったら、楽しみにしておきなさい。

私の歌を聴かせるから」

 

「えっ?

まさか会場関係者って、そっち?」

 

「あら言ってなかったかしら?

というよりも知られてなかった方に驚いたわ」

 

そう言いながら呆れながらも

 

「マリア・カデンツァヴナ・イヴよ」

 

「えぇ、楽しみにしていますよ」

 

その言葉と共にマリアはその場から立ち去った。

 

「さて、楽しみもできた事だし、とりあえずは「なにっ!!」っ!」

 

そんな言葉と共に聞こえてきたのは、マリアが謎の車に詰められている光景だった。

 

同時に連はすぐに走り出した。

 

「くっそ」

 

だが、あと少しで間に合わず車を走り出した。

 

「ちっ」

 

すぐに公園の近くにある森に入り、そのまま怪盗衣装を身に纏い、そのまま車を追っていく。

 

「弦十郎さん、聞こえるか!」

 

そのまま、怪盗衣装から取り出したスマホを耳元に当てる。

 

『どうしたんだ、連君?』

 

「今、少し変な奴が通った。

悪いけど、俺の携帯からGPSで場所を調べて、カメラで状況を知らせてくれないか?」

 

『詳細は分からないが、分かった』

 

その言葉と共に10秒もしない内に驚きの声が出た。

 

『連君、よく聞け。

その暴走している車には歌手のマリアが誘拐されている。

すぐに救出はできるか?』

 

「問題ない」

 

その言葉と共に建物の天井から降り立つと共に、手に持っていたダイヤルファイターを扉に添える。

 

すると、ダイヤルファイターのあらゆる物の扉を開ける力が発揮され、ロックされていた扉が開く。

 

「なにっ!?」

 

運転していた犯人は驚きの声を出したが、連はすぐに誘拐されていた人物を抱きかかえると共にもう片方のドアから飛び出す。

 

「ぐぅ」

 

「一体何が?」

 

起こっている状況に対して、多少の混乱を見せながらもゆっくりとマリアは見つめる。

 

「歌手を攫いに来た怪盗と言った所かな?」

 

「なら、もうちょっとロマンチックにお願いできないかしら?」

 

「次回の機会があったら。

でも今は」

 

そう言い、連は手に持ったVSチェンジャーにレッドダイヤルファイターを挿入する。

 

【RED!】 【0・1・0!怪盗チェンジ!】

 

鳴り響く音と共に、レッドダイヤルファイターを回し、その持ち手を変え、転生者に向ける。

 

「怪盗チェンジ」

 

その一言と共に引き金を引く。

 

【ルパンレンジャー!】

 

同時に連の身体は、ルパンレッドへと姿を変わる。

 

「まさか、ルパンレッド!」

 

マリアは目の前の怪盗の正体に驚きながらも、見つめる。

 

「予告する、あんたのお宝、頂くぜ!」

 

「俺の邪魔をするなぁ!!」

 

その言葉と共に車の中から飛び出した転生者が持っていたのは弓だった。

 

油断できない状況の為、すぐに走り出すと、転生者はすぐに弓から矢が放たれた。

 

「早い、でもな」

 

矢の速さに驚いたが、すぐにその場を避けて走り出す。

 

だが

 

「がぁ!」

 

「嘘でしょ!」

 

避けたはずの矢がなぜかルパンレッドの肩を貫く。

 

「ぐぅ」

 

すぐに矢を抜き、何が起きたのか呆然としている。

 

「矢の軌道が変わったっ!!」

 

「なに?」

 

マリアの一言に驚いている間にも転生者は次々と矢を放っていく。

 

すぐにワイヤーを使い、その場を大きく離れるが、矢は大きく向きを変えて、ルパンレッドに迫っていた。

 

「追尾かよ!!」

 

その効果に驚きながら、ルパンレッドは走りながらも避ける手段を考える。

 

(どうする!?

あの様子だとどこまで追いかけてくるか分からない。

このまま放っておいても、いずれ追いつく)

 

「無駄だぁ!

俺の矢はどんな相手だろうと必ず当てる!!」

 

「・・・当たる。

だったらっ!!」

 

その言葉と共にルパンレッドはすぐに方向転換するように動いた瞬間、矢はルパンレッドに当たり、吹き飛ばされた。

 

「ルパンレッドっ!!」

 

「くくっやったぞ!!

あとはマリアを手に入れるだけ。

まぁまずは動けなくしないとなぁ」

 

そう言い、弓を再び構えようとした時だった。

 

「おい、まだ終わっていないぞ」

 

転生者は、その言葉を聞いた瞬間に震えた。

 

ゆっくりと声がした方向を見るとそこには、確かに吹き飛ばしたはずのルパンレッドが立っていた。

 

「なっどうなっているんだぁ!」

 

その言葉と共に転生者は再び弓を構え、放とうとしたが、それよりも早くルパンレッドは手に持ったダイヤルファイターをVSチェンジャーに装填し、引き金を引いた。

 

弓から放たれた矢はまっすぐとルパンレッドに向かったが、その前に現れた巨大な盾によってその攻撃は封じられる。

 

「なっ!?」

 

「ペルソナ、ガンレックス。

そしてそれが憑依したダイヤルファイター、シザー&シールドダイヤルファイターだ」

 

「なっまさかっ!!」

 

「あの力で防いだの」

 

絶対追尾の力を持つ矢はルパンレッドの攻撃を避けながら確実に当たる攻撃の前に素早さが武器であるルパンレッドは確かに苦戦を強いられた。

 

だが、その解決は簡単だった。

 

それは当たれば良いという事だった。

 

そこで召喚したのは、盾と剣を持つペルソナガンレックスだった。

 

当たる直前に盾だけが前に出て、その攻撃を受け、外に吹き飛ばされるが致命傷にはならなかった。

 

「なっなんだよ、それはああぁ!!」

 

その言葉と共に、転生者は次の矢を装填し、次々と放っていく。

 

同時にルパンレッドは背中にあった巨大なブーメランを投げ、盾を構えながら走り出した。

 

「確かに確実に当たる矢は脅威だ。

だが、必ず当たるという事は牽制もない。

お前はこれまでその能力に頼りすぎている」

 

「ひぃ!!」

 

その言葉通り、矢は百発百中の制度でルパンレッドに向かっていった。

 

だが、同時に全ての狙いが真っ直ぐすぎた為、ルパンレッドは盾を前に出し、構えるだけでも全ての攻撃を防ぐ事ができた。

 

「くそぉ!!」

 

すぐに狙いをルパンレッドから人質になっているマリアに向けるが、投げられていた巨大なブーメランによって、転生者は吹き飛ばされる。

 

「がっ!!」

 

瞬間、弓矢を手放した転生者が目にしたのは、盾を手放し、VSチェンジャーを構えているルパンレッドの姿だった。

 

「永遠にアドゥ」

 

その一言と共に引き金は引かれ、転生者は光へと吸い込まれた。

 

同時に転生者が手に持っていた弓矢は消え、ルパンレッドの元へ行く。

 

「無事か」

 

「えぇ、感謝するわ怪盗」

 

安全を確認すると共に、既に警察がこちらに向かっていた。

 

「それじゃあ、俺はこれで「あぁ待って」んっ?」

 

呼び止められたルパンレッドは振り返ると、マスク越しでマリアはそのままキスをした。

 

「これは助けてくれたお礼よ」

 

「・・・はい」

 

突然の事で目を点にした連だが、すぐにそのまま離れた。

 

「・・・怪盗していて、キスされるとはな」

 

そうして警察に後のことを任せた後、連は先程キスされた衝撃から戻って来れないままゆっくりとジュレに戻ってきた。

 

「ただいま」

 

そう言いながら、ジュレに入ると

 

「ぎゃあぁぁ!!」

 

「凄い、ジャパニーズオーシャンサイクロンスープレックスホールドをこんな所で見れるとは!!」

 

「というか、どうなっているのこれぇ!!」

 

店に入ると、既に怒りで我を忘れている忍が客だと思われるピンク髪の女性?に向けて見た事のない技をかけている光景だった。

 

「・・・なにこれ」

 

その光景を見つめて、連は静かに呟く。

 

 

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