「それにしても、お前の行動パターンは相変わらずだな」
「そうか?」
その日、雨宮は町を見渡しながら、幹部だと思われる存在の探索を行っていた。
彼の肩にはボストンバッグがあり、そこから顔を出しているモルナガは記憶を無くす前から行っていた行動に対して呆れるように言う。
「まぁ、俺達以外のメンバーの事についてはまるで記憶にない状況だから少しでも分かれば良いけどな」
「そんな簡単に「あれ、雨宮さん」んっ、その声は」
後ろから聞こえた声に振り替えると、なぜか体操服を身に纏った響と、見た事のない赤いジャージの男性がいた。
「響君、彼は?」
「あっはい。
この人は雨宮連さんと言って、私がよく通っている喫茶店の店員さんです」
「そうか、俺の名前は風鳴弦十郎だ。
よろしく頼む」
「はい、よろしくお願いします」
見た所、とても鍛えられている事が分かり、握手した感触だけでも、ソーマ以上の怪力があると連は警戒していると
「んっ?」
すると、何か気になったのか風鳴さんが連を見つめる。
「雨宮君」
「はっはい」
その目から感じる視線に対して、正体がばれてしまったのかという焦りが出そうになるが、ポーカーフェイスを心がけていると
「君のバックには猫がいるようだが、俺の気のせいか?」
「あっあぁ」
どうやら、視線はモルナガのようだったので一瞬だけ力が抜ける。
「はい、そうですよ。
こいつはモルナガと言って、今、俺達で飼っている猫です」
「うわぁ、凄く綺麗な黒猫ですね!!」
「うわぁ、何するんだこの子は!!
くすぐったいだろう、にゃあ」
モルナガの事に気付いた響は思わずモルナガを撫でていた。
最初は鬱陶しがっていたモルナガだが、何やら手慣れた動きでモルナガを撫でているとすぐに甘えるような声を出し始めた。
「響君もここの所、忙しかったし、少し良い気分転換になっているようで、何よりだ」
「それで、風鳴さんと立花さんって、どういう関係なんですか?
なんだか全然接点がないようですが」
「むっ、そうだな。
俺の仕事先で会った子なんだ」
「仕事先?」
「あっはい、そうなんですよ!
私、バイトをする事になっていて、あっ勿論怪しい店じゃないんですよ!
でも未来には秘密にしておいてください」
「まぁ別に良いけど」
「あっそれじゃあ、私達、もうそろそろ行きますので!!」
「そうか、気を付けて」
そう言い、響達が走り去っていく姿を見ながら、バックから出てきたモルナガは見つめる。
「あいつがお前の言っていた響っていう子か。
確かに純粋だな」
「まぁな、それにさっきの人、とても良い人そうだ」
「確かにな僅かな記憶で見ていた俺達の知っている大人とは全然違う。
これだったら、心配なさそうだな」
「だと良いけど」
雨宮はそう言いながら、これからどうするかを悩んでいると
「おらぁ、さっさと運べ運べ!!」
「んっ、なんだぁ?」
突然聞こえてきた声に驚き、見てみると、そこには暴走したバスが道を走っていた。
何が起きているのか、状況の把握ができなかった雨宮はそう言いながら、見てみると、バスの中では乗客だと思われる人物と身体に穴がついた謎の集団、そしてリーダーだと思われる存在がいた。
「あいつはディーチ!?」
「知っているのか」
「まぁな、パワー馬鹿で足も早いし、打たれ強い。
単純な身体能力だけを言ったら、幹部の中でも一番の強さを誇るけど、その変わりとんでもない馬鹿な幹部だ」
「それじゃあ、あれは」
「さぁな、けど、放っておけないという顔をしているだろ」
「当たり」
そう言って、モルナガはバックから飛び出すと、近くの建物へと入り込むと同時に連はVSチェンジャーとレッドダイヤルファイターを装填する。
【RED!】 【0・1・0!怪盗チェンジ!】
「怪盗チェンジ」
【ルパンレンジャー!】
その言葉と共に、ルパンレッドへと変身した雨宮と共に、走り出したモルナガは一瞬だけマスコットを思わせる本来の姿から、さらには少し大きめのバスへと変わった。
「思った通りだぜ。
ダイヤルファイターの範囲だったら、バスにもなれるようだな、おいジョーカー、バスの運転は」
「任せろ、レッドダイヤルファイターでの運転でスピードには慣れている」
「それは頼もしいぜ!」
ルパンレッドの言葉を聞き、笑みを浮かべながら、モルナガカーのエンジンは始動すると共に走り出す。
「あぁ、なんだ、あの不細工な車は?
こっちに来ているようだが、構わねぇ、邪魔だから撃てぇ!!」
「気をつけろ、あいつらはボーダマンと言って、集団での戦闘に慣れている。
まぁ幹部の中でも教育ができていないディーチの奴らだったら問題ないぜ」
「モルナガ、風を出しながらいけるか?
被害を抑えたい」
「おっと、分かったぜ。
ならば、行くぜ」
その言葉と共にモルナガカーの身体は一瞬光ると同時にその背後から現れた紳士を思わせる恰好をしたペルソナが手に持ったレイピアを構えると
「威を示せ!ゾロ!」
その声と共に現れたゾロはレイピアを振るうと、ディーチが走らせているバスが突然現れた風によって、止められてしまう。
「うわぁがぶぅ!!」
止められた事により、ボーダマンの手に持っていた銃が次々とディーチの身体に当たっていく。
「何をするだぁ!!」
その事に怒りを露にしたディーチは立ち上がるが、目の前に迫っていたモルナガが肉球が見えていた。
「ラッキーパンチ!」
「嘘だろ!?」
想像を遥かに超えた威力にやられたディーチはそのままバスから無理矢理降ろされる。
それに驚きを隠せないボーダマンに対して、ルパンレッドは次々とVSチェンジャーを使い、倒していく。
「よし、とりあえずは乗客の安全の確認はできたぜ。
あとは、あの馬鹿ディーチを止めるだけだ」
「あぁ」
その言葉と共に、道路に出てみると、ディーチはルパンレッド達を睨みつけた。
「よくも、俺の邪魔をしてくれたなぁ!
覚悟はできているんだろうなぁ!」
そう言ってディーチが取り出したのは仮面だった。
「あいつまさか」
「ほら、飛んでけぇ!!」
「「ええぇ!!」」
ディーチが行った方法とはまさかのアイテムを遠くへと投げ飛ばす事だった。
あまりの事で驚きを隠せない二人は、ディーチを見る。
「お前、馬鹿だろ」
「へっそれはどうかな」
そう言って、ディーチは余裕の笑みを浮かべていた。
何か企んでいる様子で、警戒をしているとドゴンッという音と共に、何かが吹き飛ばされた。
「まさか、奴が何か」
急いで見てみると遠くから吹き飛ばされてきたのは機械の骨がむき出しになっている存在が空から吹き飛ばされ、ディーチの隣にいた。
「えっ?」
「あの、ルパンレッドさん、無事ですか」
「あっあぁ、もしかしてお前が」
後ろを振り向くと、そこにはシンフォギアを身に纏った響がその場に立っていた。
「えっいやぁ、助けに来たのは私ですけど、吹き飛ばしたのは別の人でして」
何やら迷った様子で返答する響だが
「とりあえずは危ない所を助けてもらって、感謝する」
「えっ」
「どうした?」
ルパンレッドの言葉を聞いて、少し呆けた響を見つめると
「いえ、師匠のおかげですので」
「そうか、だけど、行けるか」
「勿論です」
「ちぃ、てめぇら、出ろ出ろ!!」
そう言ったディーチの言葉に合わせるように、後ろのマンホールから次々とボーダマンが現れる。
「へへっ、どうよ、この数は」
「数ねぇ」
「なんだ、びびって、声が出ないのか。
だけどまだがぁ!?」
ディーチは自慢するように言おうとした瞬間、マンホールから現れたボーダマンはディーチを踏んでいる事を気付かず、大慌てに逃げていた。
そうしているとマンホールから出てきたのは、ルパンブルーとルパンイエローだった。
「まったく、こっちの営業を妨害しおって」
「覚悟してもらおうか」
「ブルーさんにイエローさんも!!」
「けっ」
「えぇ!」
響は合流した二人を見て、喜ぶように手を振るが、気に入らないようにイエローは唾を吐く動作をした。
「とりあえずは」
それを合図に、ルパンレッドは指を鳴らす。
それにより、その場を走っていたボーダマン達は一瞬だけ、動きを止め
「ルパンレッド!」
「ルパンブルー」
「ルパンイエロー」
名乗りをあげた3人はそのままVSチェンジャーをディーチ達に構えた。
「「「怪盗戦隊ルパンレンジャー」」」
「なっ」
「予告する、あんたのお宝、頂くぜ!!」
「盗れるもんなら、盗ってみやがれぇ!!」
その言葉にきれたディーチを合図に手に持った鉄パイプを地面に叩きつけると、怯えたボーダマン達は各々別方向へと逃げ出す。
「立花、行くぞ!!」
「っはい!!」
その言葉と共にルパンレッドは目の前にあるカードを握りしめる。
同時に後ろから現れたのはイザナギではなく、巨大な岩の腕が現れる。
「これは」
「合わせろ」
「はい!」
何が起きているのか分からない響はルパンレッドの言葉に驚くが、自然と出てきた言葉を言うように、ゆっくりと息を吸い
「「アースガルズ!」」
二人の声が合わさるのと同時に巨大な腕はボーダマン達と謎の転生者を瞬く間に吹き飛ばした。
「はあぁ!
なんだよ、これ、聞いてないぞ」
「さて、お主からは聞きたい事があるからな」
「大人しくしていろ」
そう言い、二人はディーチにVSチェンジャーを構えるが
「捕まってたまるかよ、ドレイク!!」
その言葉と共に背後から現れたペルソナから出てきた雷が町に襲い掛かり、アースガルズを使い、その攻撃を防ぐ。
「奴は」
「逃げ足だけは早いようじゃな」
周りを見渡すと既に逃げた後なのか雷の焼き跡しか残っていなかった。
「さて、こいつの特典を」
そう言おうとした瞬間
「なっシャドウだと」
「シャドウって、そう言えば」
その光景は前に見た事のあるシャドウが姿を変える光景によく似ており、瞬く間に巨大な機械の骸骨の怪物へと変わっていた。
「おぉっと、これはなかなかの大物じゃないかよ!!」
「あっ丁度良かった」
その言葉が聞こえ、その方向を見てみると、グットストライカーが飛んでおり、ルパンレッドはすぐにグットストライカーを取る。
「行くぜ」
【GET SET! LEDY?飛べ!飛べ!飛べ!】
【GO・GO・GO・GOOD!!】
その音声と共にグットストライカーは巨大化すると共に、レッドダイヤルファイターも巨大させ、ルパンレッドはレッドダイヤルファイターへと乗り込んだ。
「あれ?」
「えっ行くぞって言われたので」
「そういう訳じゃなかったけど」
レッドダイヤルファイターに乗り込んでいたルパンレッドは一緒に乗り込んでいた響を見てしまった。
「まぁ良いじゃないかよ。
こういうのもグッときたぜ!!怪盗ガッタイム!」
グットストライカーの声を合図に、変形していき、ルパンカイザーへと変身すると共に、前回に身に纏っていたマントはなく、腰には学生服を思わせるローブがあり、イエローダイヤルファイターの回転カッターは刀を思わせる形へと変形する。
「完成、ルパンカイザー!」
「これは、また変わっているな」
前回と変わった形に驚きを隠せなかったが、それでも敵はその驚きを逃さないように襲い掛かる。
だが、刀に纏った雷を振り払うと、機械は一瞬で動きを止めた。
「あれ、これって前に出たのとそっくりだけど」
「あぁ」
「これは驚いた。
こいつ、ジョーカーのペルソナの力を取り入れているようだぜ」
「うわぁ、猫が喋った!!」
「猫じゃないし!!
とにかく、さっさと決めるぜ!!」
「いいねぇ、ビリビリにグッとした一撃を決めるぜぇ」
その言葉と共にルパンカイザーの目の前に半透明のVSチェンジャーが出てくる。
「グットストライカー!
ビリビリに痺れちまえショット!!」
その一言と共に、VSチェンジャーの銃口を中心に雷が集い始まり、一点に集まるのと同時に引き金を引く。
「永遠にアドゥ」
その一言と共に、VSチェンジャーから出てきた光は敵を貫き、同時に爆散する。
「やったぁ!」
「気分は上機嫌、じゃあねぇ」
その言葉と共に、響は地面に置いていかれると共に、残りのメンバーはそのままダイヤルファイターを使い、その場から退散していく。
「それにしても、なんなんだ、このダイヤルファイターは?
俺達の力を現実世界に出すだけじゃなく、ジョーカーの力も強くさせるなんてな」
「俺も記憶が未だに取り戻せていないからな。
とりあえず、今度のターゲットは」
「あぁ、ディーチだな」
今回の戦闘において、暴れていたディーチ。
その退散時に行った能力は、間違いなくペルソナであった。
その事も含め、彼らの次のターゲットはディーチに決まった瞬間でもあった。