「ねえ、いいだろう?私は今手を離せないんだ。だから私の代わりに――」
「分かりましたよ。しかし態々私が行くほどのことでしょうか?何なら向こうに居るゼットン星人たちにたのんでも――」
「いや、ここは君に任せたい。この重要な仕事は私の腹心の君にね」
「そういうことなら向かいましょう」
「ああ、頼んだよ“二代目”」
◇ ◇ ◇
「ふふふ…見つけたわよサツキくん」
「しかも怪獣と一緒…」
「さて、このまま合流して好感度上げるのもいいけど――」
「まだこっちに気づいてないみたいだし、絶好の撮影チャンスよね!」
「二人ともいい写真を撮ってあげるからね~~」
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ
◇ ◇ ◇
何か視線のようなものを感じるのは気のせいだろうか?
「どうかしましたカ?」
「ううん、なんでもないよキングジョーさん」
自分達は近所のスーパーの前についた。時間は夕暮れ時近くだからか、人でにぎわっている。
「混んでるな。目当ての菓子が見つかればいいのだけど」
「お任せくだサイサツキ様。邪魔な客が居たらサツキ様の手を煩わせる事無く葬りさりマスヨ」
「お願いだから物騒な事はしないでくださいね」
なんて会話をしていると。
「ここが地球ね…」
という声と共に、『門』の前に1人の女性が立っていた。猫耳のような髪型に頭に尖ったサングラスを着けている。
初めて見る顔だけど、この人多分怪獣だよね…この髪型にサングラス。どっかでみたような。あっアレかな?
「メフィラス星人?」
「ん?アンタなんで私のこと知ってるのよ?」
相手もこっちの方に気づいた。
「ええ…怪獣図鑑で見たものの面影が…。あのウルトラマンと戦ったメフィラス星人ですよね?」
「えっ…え、ええそうよ。そのメフィラス星人だけど」
ちょっと焦ったような態度が気になったけど、この人はメフィラス星人で間違いないようだ。
「それで何をしにきたんですか?もしかしてお菓子目的ですか?」
「そんな子供みたいな目的じゃないわよ!こっちは重要な仕事で来てるの!」
いかん怒らせてしまったようだ。そういえばこの『門』から宇宙人が出てきたのは初めてだった気がする。となると目的は何だろうかもしかして地球侵略?怪獣達は大体温厚な性質だったけど宇宙人となると勝手が違うのかも…
「あの…じゃあその重要な仕事ってなんですか?」
「なんであんたみたいな子供に教えなきゃならないの?あんたに構ってる暇があるならとっとと用を済ませたいのよ」
なんか雰囲気が悪いな…コミュニケーションに失敗しちゃったかな。
「そんなこと言わないでください。もしかしたら力になれるかもしれませんよ?」
「くどいわね。あんたが力になれるわけないでしょ!」
「黙って聞いていればさっきからサツキ様に失礼デスネ…」
あっキングジョーさんが居るのを忘れてた…メフィラス星人さんに負けず劣らず険悪な雰囲気を纏っている…
「えっ、ペダンのロボット!?どうしてこんな所に!?」
「サツキ様、私に一言命じてクダサイ。そうすれば…」
そうすれば何!?怖いよ!
「やめてくださいキングジョーさん!ここスーパーの前ですし物騒な真似は勘弁してください!」
「むっスーパー?この星の商店ってこと?」
「えっはいそうですけど…」
メフィラス星人さんの雰囲気が変わった。険悪なものから元の感じに戻ったようだ。
「じゃあ…あれはあるかしら?」
あれ?
「この星でラッキョウと呼ばれている植物よ」
「えっメフィラスさんラッキョウを探していたんですか?」
「そうよ。それでこのスーパーにラッキョウはあるの?」
「たぶん野菜コーナーにあると思いますけど」
「そうね。気が変わったわ。あんたそこまで案内しなさい」
「この態度…サツキ様、やはりこのモノを消すべきデハ…?」
「キングジョーさんは大人しくしててください。分かりました自分もスーパーに用事があるので案内しますね」
◇ ◇ ◇
「誰かと思ったらあれはメフィラスの所の妹さん…相変わらずだらしない身体してるわねー。まあ撮るけど!」
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ
◇ ◇ ◇
自分たちはスーパーの中に入って野菜コーナーに向かった。少し探すとラッキョウがあった。
「ここですよ」
「よくやったわ。これで私も仕事を達成できるわ」
とメフィラスさんは買い物かごにありったけのラッキョウを詰めていく。
「そんなに買うんですか!?」
「また来るか分からないし取り敢えずこれだけ買うのよ。」
「そうですか…」
「サツキ様、私たちも目的の物を買いに行った方はいいのデハ?」
「そうだね。パチパチするお菓子を探しに行こう」
自分たちもお菓子コーナーに行くことにした。
◇ ◇ ◇
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ
「さーて、撮るものも撮ったし、私もサツキくんの所に合流しよっと」
◇ ◇ ◇
お菓子コーナーを探すこと数分。自分は良さげな菓子を見つけた。
「パチパチパニックか。エレキングが満足するといいけど…」
「こんにちは。サツキ君」
おや、ミコさんだ。彼女も買い物だろうか。
「こんにちは。買い物ですか?」
「そうよ。サツキ君は何を買いに来たの?」
「お菓子です。友達と一緒に食べるんです」
主にエレキングが食べるけど。
「そっかー。友達のために買いに来たんだね。ちなみその友達って男の子?女の子?」
「女の子ですけど…」
「それじゃあ今度その子紹介してくれないかな?」
「別にいいですけど、その子人見知りだから仲良くなれるか分かりませんよ」
「ふふっありがとう。サツキ君は優しいのね」
そんな会話をしてからミコさんと別れてメフィラスさんの所に戻って来た。
メフィラスさんはラッキョウが積み込まれた袋を両手に持って待っていた。
「遅かったわね」
「知人と話してたもので」
「まあいいわ。今日はその…ありがとう地球人」
「自分は皐月です」
「そう。まあ感謝はするわ。それじゃあね」
そういってメフィラスさんは『門』の向こうに去っていった。
ラッキョウをどうするのか分からないけど、重要な仕事なんだしメフィラス星人にとってラッキョウは貴重なものなのだろうか?
それはともかくとして自分たちも帰路に着くことにした。
「サツキ様。先ほどは黙っていましタガ、あのミコという女性危険なサムシングを感じマス。今度会ったら殲滅の許可ヲ」
「物騒な事は止めてって言ってるよね!?ミコさんは安全だから!」
◇ ◇ ◇
「それで、地球産のラッキョウは手に入ったかい?」
「はい、この通りです」
「よし。よくやったね。ここでの暮らしを続けていると中々他の星の物は手に入らないからね」
「初代に喜んでいただけて私も嬉しいです」
「ではこれでミッションコンプリートだ。ところで…」
「はい?」
「サツキ君には会ったかな?」
「?なぜ彼のことを?」
「いや、君はゼットン星人の報告を知らないのか?」
「ああ!あの地球人が?」
「そう。今回の計画のキーパーソンさ」
「そうですか。私の見たところただの地球人にしか見えませんでしたが…」
「そうか…まあいい。さて、さっさとあのグレイブゲートをどうにかする方法が見つかればいいのだがね…」
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