光の巨人のいない世界で怪獣娘達との話   作:クォーターシェル

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お久しぶりです。今回は歩輪気様のリクエストを元に書いてみました。


24話 父の日

すこし時間が飛んで今は6月である。明日は父の日だ。諸国では様々な日にばらけているが少なくとも今生のこの国ではこの時期に父の日がある。

前世では父の日に父親にプレゼントをしたがどうかは曖昧だが、今生では父の誕生日がよく分からないし、日頃の感謝も込めて父にプレゼントをしようと思う。

さて、何をプレゼントするかだが、結構お小遣いを貰っているとはいえ、小学生の貯金にも限界があるし、ここは花をプレゼントしよう。ベストかどうかは分からないけどベターな物ではあるだろう。

という訳でプレゼントする花は何にするのかだが、ここは花に詳しそうな知り合いに聞いてみよう。

 

「なにか良さそうな花はないかって?」

 

「そうなんです」

 

この深緑色の被り物とスカートを着けた女性はケンドロス。ウルトラマンレオに登場した怪獣である。植物の怪獣なら花にも詳しいかもしれないと思い呼んだのだ。

 

「父にプレゼントをしたいので、おすすめの花を教えて欲しいんですけど」

 

「なるほどな。じゃあちょっと待っててくれない?趣味で育てている花をいくつか持ってくるから」

 

「ありがとうございます」

 

ケンドロスは快く引き受けてくれた。これは良いものが期待できそうだ。ケンドロスが『門』の方に消えて暫くすると、いくつかの花が入った籠を抱えてケンドロスが出てきた。

 

「お待たせ!色々持って来たよ!」

 

「ありがとうございます!なんて花を持って来たんですか?」

 

するとケンドロスは赤い花を出す。

 

「まずはこれ!剣輪草っていうんだよ」

 

「わあ、綺麗な花ですね」

 

「でしょ?でもこれだけじゃないんだよ!」

 

そう言うとケンドロスは頭に剣輪草という花を差す。すると、

 

「うわっ」

 

剣輪草が鋭い刃物に変化したのだ。

 

「どう?これが剣輪草の真価。金属のように固くなって武器になるんだ」

 

「すごい!すごいけど…正直ちょっと…」

 

「なんで!?」

 

「だって普通に危ないですし…、武器になると言われても」

 

「えー、回転させて丸鋸みたいにしたり、ブーメランみたいに飛ばしたりできるのに?」

 

そんなこと言われてもこれは要らないかな…社会人は企業戦士ともいうけど本当に戦う訳でもないし…

 

「あの、できれば他の花にしてもらえませんか…?」

 

ケンドロスは不服そうな顔をして、

 

「しょうがないなー、故郷の花だったのに…じゃあこれはどう?」

 

と今度は黒い花を差しだしてきた。

 

「これは?」

 

「メージヲグって花。これはねー」

 

その時後ろか呻き声が聞こえた。振り返ってみると、

 

「ヴアアア…」

 

「うわっー!」

 

そこには醜い顔のゾンビが立っていた。

 

「恐怖心からくる幻を見せるの」

 

「いらないです!」

 

「そう…」

 

ケンドロスがメージヲグをしまうとゾンビは消えた。

 

「もうちょっといい感じの花はないんですか…」

 

「いい感じの花?じゃあこれは?」

 

と今度はユリのような花を見せてくる。

 

「この花は?」

 

「これはギジェラっていうの!」

 

ギジェラ…これまたどこかで聞いたような…?

花を見ていると花から花粉が噴き出した。

なんだ…?なんか、ふわふわとしか感覚につつまれる。

あれ…なんカ…スゴイ、キモチイイ…

 

「この花の花粉は人間を幸せにするらしいんだけど、おーい。聞いてる?」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

はっ!自分はなにを!?

 

「あっやっと気が付いたね!なんかボーっとしてた感じだったけど良かった」

 

そうだ、自分は花のおすすめをケンドロスに尋ねていたのだ。なんか記憶が曖昧だけど。

 

「さっきからろくな花がないような…もっと他にはないんですか?」

 

「えーと、まだ他にも色々あるけど…ジュラン、チグリスフラワー、ジャギラ、アブトシア、ソリチュラ、プラーナ、ホオリンガ……」

 

「なんか…もういいです…」

 

決めた!普通に花屋から旬の花を見繕ってもらおう。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「父さん!今日は父の日だからこれ!」

 

「おお、ありがとう!」

 

結局お父さんにプレゼントしたのは、ユリ、クチナシ、バラなど花を混成した花束だった。

 

「いつもお仕事頑張ってくれてありがとう!」

 

「はは、こちらこそありがとうサツキ。ところで庭に見慣れない花が咲いているんだが何か知らないか?」

 

この後ケンドロスが偶然持込み、庭に繁殖しようとしていた外来種を家族総出で駆除することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

それは皐月の前に『門』が現れて数ヶ月程、施設から引き取られる前のことだった。

 

「ふふふ…ここが地球か…うまく組織を出しぬいてやったぞ」

 

「流石○○○○ちゃんやることが汚いー!」

 

「それでここからどうするのだ?」

 

人が寝静まった深夜に『門』から三つの影が現れていた。

全員女性で一人は黒、一人は白、一人は赤を基調とした衣装を着けている。

黒の女が言う。

 

「ふっ。決まっているだろう?早いとこ何処かに拠点を作って他の仲間を呼び出す。そして侵略よ!」

 

「そうか、でも静かに。今足元にいる子供に起きられたら無駄な仕事が増える」

 

「むう…そうだな子供か…」

 

「○○○○ちゃん子供怖いもんねー」

 

「馬鹿なことを言うな○○○○○○○。別に怖いわけじゃない!こんなガキ…」

 

黒の女は辺りを見回すとあちらこちらに子供がいるのに気づく。多数の子供。それは彼女のトラウマにスイッチを入れるのに十分だった。

 

「子供…いっぱい…」

 

「ここは児童養護施設のようだな。○○○○…?」

 

赤の女が異変に感じた頃には遅かった。

 

「~~~~~!!!」

 

「あちょ、○○○○ちゃん~」

 

「冷静になれ…」

 

黒の女はその場から逃れようと駆けだしていた。それを追う白の女と赤の女。

彼女らが施設を飛び出し、後で『門』の所に戻ろうと施設に戻った時には既に1人の子供と共に『門』は消えていて、後悔することになる。

かくして3人はろくな準備もないままこの地球に放り出され、侵略どころでは無くなり『門』を探すことになるのだが、彼女らが戻れるようになるのはまだまだ先の話。

 




おまけの3人は一体誰でしょう?(バレバレ)
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