光の巨人のいない世界で怪獣娘達との話   作:クォーターシェル

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最近調子いいです。


27話 深夜と極悪宇宙人

「おいナックル」

 

「むっテンペラーか…」

 

「例のガキに下ったと言うのは本当だわよ?」

 

「人聞き…宇宙人聞きの悪いことを言うな。ちょっとおままごとに付き合ってるだけだ」

 

「おままごと……ねえ。あのナックル星人も堕ちたものだわよ」

 

「うるさいよ。メフィラス達に釘を刺されてるとおり下手な手出しは出来ないだろう?それにゼットンを用心棒としてる奴とまともに事を構えたくないしな」

 

「まあ、ゼットンともなればお前の用心棒よりもずっと強いだわね」

 

「おい!ブラックキングを馬鹿にするなよ!奴にはまだまだ成長の余地があるんだ。ゼットンにも負けんよ」

 

「ウルトラマンをサシで1人くらい倒す実績を見せてから言うだわよ。それにしてもどうだっただわよ?サツキってガキは」

 

「ああ、見てくれは単なる地球人の坊主なんだが、あたしやブラックキングを前にして臆さなかったな。他にも怪獣と接触してるせいか?肝が据わっている。あと、妙に子供らしくないところがあってそこら辺は少し気になるかな」

 

「メフィラスたちが目を付けたゲートの鍵……私も接触してみるか……」

 

「お前も行くのか?メフィラスに釘を刺されてるんだろ?それに前にウルトラ兄弟絡みじゃないからパスって言ってなかったか?」

 

「気が変わっただわよ。『邪神』とも接触した小僧…メフィラス達はどう扱うかは知らんけど侵略に利用できれば絶対に有用だわよ。それに手荒な真似をしなければメフィラスも文句を言えないだわよ」

 

「確かになぁ……。でもあいつ……本当にただの子供なのかねぇ……」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

寒い。ここは、雪原だろうか?あたりの大地は白い。よく分からないが確かなのはとても寒いということだ。ガチガチと歯を震わす。口の中も凍りそうだ。

空を見上げる。太陽がない。暗い灰色の世界。そして空の果てまで黒い雲で覆われている。自分は何時の間にこんなところに来てしまったのだろう。そもそも此処は何所なんだろう。

そんなことを考えてると後ろの方から何か物音がする。振り返るとそこには白い髪に褐色の肌をしていて、振袖の袖だけが腕に付いていて後は水着の様な露出。足にはモコモコとしたブーツを履いているというアンバランスな格好をした女の子が立っていた。眠そうな目をした女の子は手に何かの袋を持っておりその手をこちら向けた。

 

「グミくうのです?」

 

――そこで目が覚めた。時計を見ると深夜2時半。もう一度眠りたいのだがさっきの夢のせいで目が冴えてしまっている。仕方なく起き上がり部屋の電気をつけた。すると部屋の中にゼットンが立っていた。

 

「あれ?ゼットンまだ起きてたの?」

 

「……いえ、眠ってはいます。……サツキこそ起床の時間にまだ早いのでは…?」

 

「なんか変な夢見てそれで目が覚めちゃったみたい」

 

「夢ですか……どんな内容です?」

 

「うーん……あんまり覚えて無いんだけど、真っ白な雪に覆われた世界で……誰かと話していたような気がする。ところでゼットンは俺の掛け布団知らない?起きちゃったのは寒いせいもあると思うんだ」

 

「……もしかしたら、あれではないかと」

 

そう言うとゼットンが指差す先には、

 

「すう…すう……」

 

スカイドンが自分の掛け布団を被って寝ていた。いつの間に自分の掛け布団をはぎ取ったんだろう。いやそれよりも……

 

「なんで俺の部屋にいるんですか!」

 

思わず声を上げてしまう。

 

「んん…起こしちゃった……?すみません」

 

どうやら向こうは起きたらしい。

 

「別に謝らなくてもいいけど……どうしてここに来たの?一応言っておくけど勝手に入っちゃ駄目ですよ」

 

「普通に遊びに来たのだけれども、サツキが眠ってたのでサツキが起きるまで一緒に寝てようかと思って」

 

その途中で俺の掛け布団ははぎ取られたのだろうか。

 

「ちなみにどれくらい寝てたのかな?」

 

「三時間くらいだと思うけど……あっサツキを抱き枕にするのは我慢したから安心してね」

 

「ありがとうございます……じゃなくて!今すぐ出て行ってください!!」

 

「えっ……でも、もう夜遅いし、もう少しだけ居させてくれないかな?寂しいよぅ」

 

「……分かりました……ただし、明日の朝早くに出ていってください」

 

「分かった……それならもう一回お休みなさい」

 

そういうと彼女は自分のベッドに入り込んでくる。

 

 

「ちょ!なんで入ってくるの!?別の部屋に行ってください!」

 

「だって、サツキと一緒に寝るって約束だったでしょう?それに私がここにいた方が暖かいし、すぐに眠れます」

 

「そんなこと言ったかなあ……ていうか俺より背が高いくせに子供みたいなこと言わないでくださいよ」

 

「む……私は子供じゃないわよ」

 

「はいはい、わかりましたからとにかく帰って下さい」

 

「嫌」

 

「嫌って言われても困ります。明日も学校あるんですよ?」

 

「だから何?」

 

「えっと……遅刻とかしたら先生に怒られるんじゃないでしょうか?」

 

「私は怪獣だしそんなの関係ないわ」

 

「……まあ、確かにスカイドンさんは怪獣だけど……」

 

「むしろ、授業を受ける必要も無いからもっと堂々としているべきよね」

 

「それはどうかと思いますが……あの、やっぱり出て行ってくれませんか?」

 

「何故?」

 

「あなたは人間じゃないんだし、この家にいてもいい事なんて何もありませんよ?」

 

「あら、残念。嫌われてしまったのね私。でも、私はサツキの事嫌いではないわよ?」

 

「余計なお世話です。というわけで、別の部屋で寝て欲しいんですが」

 

「わかった……サツキは私の事が大好きなのね」

 

「……はい?何の話ですか?」

 

「だって、本当は一緒に居たいのにそれを必死で隠してるんでしょう?可愛いところがあるのね」

 

「違います」

 

「照れなくって良いのに……恥ずかしかったら無理して一緒に居てくれなくても大丈夫よ。私は一人でも平気だもの」

 

「……はぁ」

 

自分は溜息をついて再び眠りにつくことにした。すると、横の方からもぞもぞと動く気配を感じた。スカイドンではない彼女とは逆側である。そして隣を見てみるとそこにはもう一人の人影があった。

 

「……え?ゼットン!?なんで一緒に寝てるの!」

 

「……お気になさらず。それより、まだ眠らないのならば少し話相手になって頂けませんか?」

 

「えぇ……はい……」

 

断ろうにも断るタイミングを逃してしまい、結局僕はそのまま彼女と話した。自分達は一通り話し終えるとどちらともなしに目を閉じて眠る事にした。

 

そんな翌日――

学校が終わり一人で通学路をとぼとぼ歩いていると、後ろから声をかけられた

 

「お前が江戸川皐月だわね?」

 

振り返ろうとすると、

 

「特殊スペクトル光線!」

 

なにか俺の身体に光が浴びせられた。

 

「!?」

 

「ふっふっふっ。どうやらウルトラマンが憑いている訳じゃなさそうだわよ」

 

そう言いながら、こちらへ歩み寄ってくる一人の少女。

青い髪に青い衣装、頭頂部から生えるアンテナの様な突起物に金色の触手のようなマント。自分はこの特徴を持った宇宙人を知っている。

 

「貴女は……テンペラー星人ですか?」

 

「その通りだわよ。ちなみにこの肩に乗っているのは腹心のサルノスケだわよ」

 

「コンゴトモ、ヨロシク」

 

彼女の方に乗っているシンバルを持ったサルの玩具が喋った

 

「それで、なんの用でしょうか?」

 

「うーん、特にこれといったことはないんだけど、暇だったからちょっと遊ぼうと思っただけなのだわよ」

 

「はあ、遊ぶって何をするんですか?」

 

「勿論、ゲームだわよ。ちなみに内容はジャンケン勝負だわよ」

 

「え?なんでそんな事を?」

 

「いやあ、昨日たまたまテレビでやってて面白そうな内容だったからやってみようと思ってるのだわよ」

 

「テレビって……」

 

「たまに宇宙警備隊の訓練とか見せてもらったりするのよね」

 

「まあいいですけど、まさか勝ち負けで何か奪われるとかはないですよね?」

 

「そんなの無いわよ。ただ、負けた方は勝った方の言うことを何でも聞くルールにするだけだわよ」

 

「それならいいです」

 

「では始めるのだわよ」

 

ジャンケンの結果、自分の勝利で終わった。相手はハサミ状の手なのでグーをだせば楽勝だった。

 

「ぐぬぬ……もう一回やるのだわよ!」

その後、十戦したが結果は全て自分が勝った。

 

「くそおおお!もうこうなったら、アレを使うしかないのだわ!!」

 

彼女はそう言って自分の服を脱ぎ始めた。

 

「ちょ、何してるんですか!」

 

「うるさいのだわよ。黙ってみてろだわ!」

 

「いや、そういう問題じゃないでしょう!」

 

「いくぞお、必殺・テンペライザー!!!」

 

彼女が叫ぶと同時に、全身に電流が流れ出す。

 

「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

そして、身体中から煙を噴き出しながら地面に倒れた。

 

「……」

 

自分は呆然としながら彼女に近づいた。

 

「だから言ったじゃないですか……」

 

「いや、つい夢中になっちゃって……テヘペロ☆」

 

「可愛い子ぶってもダメなものはダメです」

 

「むぅ~。しかしサツキが勝ったのなら、しょうがないがなにか言うことを聞くだわよ。さあ、なんだわよ私の肢体に手でもだすだわね?」

 

「しませんよ……」

 

「つまんない男ね……。で、一体私にどんな命令をする気だわよ?」

 

「とりあえず、服を着てください」

 

「えぇ〜面倒くさいだわよ〜」

 

「じゃあ、裸のまま家に帰ってください」

 

「わかっただわよ。全く……」

 

ぶつぶつと言いながら彼女は衣装を着る。

 

「ところで、俺にお願いしたい事ってあるんですか?」

 

「ああ、そうだわよ。お前にはゲートの秘密を教えて欲しいのだわよ」

 

「ゲート?」

 

「ええ、お前の傍に浮かぶ怪獣墓場のゲート。お前はなにか知っているに違いないのだわよ」

 

「知らないですよ」

 

「本当かしら?」

 

「本当に知りません」

 

「ふーん……嘘つきは嫌いなのだわよ」

 

「なんと言われようとも、絶対に教えません」

 

『門』ことをあまり知らないのは本当だ。しかしこの人に教えてはいけない気がする。

 

「そう……なら力づくでも…「テンペラーサマ」なんだわよ、サルノスケ」

 

「ソレイジョウハ、メフィラス二オコラレルッス」

 

「っち……運がいいだわよ」

 

テンペラー星人は舌打ちをし、

 

「機会があったらまた会うだわよ」

 

と去っていった。

 

「ふう……」

 

少し疲れたような息を吐いて、空を見上げる。

今日もいい天気だ。雲一つ無い青空が広がっている。

この光景を見て、僕は思う。

平和だと。

こんな平穏な日々が続くといいのだが、世の中そんな甘くは無いだろう。

だが、それでも願わずには居られない。

この幸せがずっと続けばいいのに……と。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「まさかテンペラーが来るだなんて!サツキ君は渡さないわよ!それはそうとして、このことをゼットン星人さんに報告しなくちゃ」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「はあ~、結局詳しいことは分からなかっただわよ」

 

「やあ、テンペラー。久々の地球はどうだった?」

 

「げっ…メフィラス……相変わらず耳が早いだわよ」

 

「まあ、私は穏健派のトップだしね。それで?何を調べていたんだい?」

 

「大したことではないのだわよ。ちょっとした好奇心なのだわよ」

 

「そうかい。まあ君が余計なことに興味を持たないように私がしっかりと監視しておくよ」

 

「ふん、好きにするだわよ」

 

「そうそう。君は何故手を五本指にしてジャンケンしなかったんだい?」

 

「あっ……」

 

「まさかとは思ったけど、やっぱり忘れてたか。本当に困った娘だよ。そんなんじゃあ、ウルトラ兄弟に勝てないぞ」

 

「うるさいのだわよ!! それとこれとは関係ないだわよ!」

 

「全く……ほら、帰った帰った」

 

「ふん!」

 

「はぁ……まあいい。まだサツキ君に確信に迫られるのは時期尚早だ。今後はあの脳筋が馬鹿なことをしでかさぬよう一層警戒せねばね」

 




今作のテンペラーさんは口調がPOP版で見た目が電撃版というややこしい状態です。
駄文閲覧ありがとうございました。ご感想・評価お待ちしております。
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