光の巨人のいない世界で怪獣娘達との話   作:クォーターシェル

28 / 30
28話 冷凍怪獣と戦車怪獣

「これで冷凍完了なのです!」

 

「ありがとうございます。ペギラさん」

 

「酷い……でも強引な手段をとってくるサツキも好き」

 

春になってしばらくたった日、久々に会ったバードンがセクハラをしてくるので貞操の危険を感じた自分は、怪獣ペギラを呼び出してバードンを冷凍してもらった。これでしばらくはバードンも動けないだろう。

 

「バードンさんは後でキングジョーさん辺りに頼んで怪獣墓場に戻してもらいましょう」

 

「それじゃあ帰りましょうか。なのです」

 

「うん」

 

ちなみにこのペギラは自分に懐いているようで、呼び出してもあまり嫌な顔をしない。むしろ呼び出す度に嬉しそうにしている気がする。

しかし最近このペギラを夢の中でみた気がするのだが、はて、いつの事だったか…

 

「サツキ、協力したお礼に連れていって欲しい所があるのです」

 

「えぇ……まぁいいですけど……」

 

家路へと歩いていたら、ペギラからお願いされた。珍しい事もあるものだ。

 

「それでどこに行くんですか?」

 

「ふっふーん!秋葉原という所なのです!」

 

「……へ?アキバァ!?」

 

「はいそうなのです!一度行ってみたいと思っていたのです!」

 

いや待ってくださいよ!!なんでまたそんな所に行かなきゃいけないんだ!?

 

「実はですね。私達怪獣にはよくわからないのですが、人間達はその昔『オタク』と呼ばれていた人達がいたらしいのです。つまりはそういう文化に詳しいはずなのです!だからそこでなにかお土産を手に入れたいという話なのです!!」

 

うぅむ……なるほど。そもそも俺自身アニメとかゲームに興味はある方だし、それを好きな人も多いはずだ。もしそこに行けたら何かしらのヒントになるかもしれないな。

 

「わかりました。行きましょう」

 

「やったのです!ありがとうなのです!」

 

「でもまず家に秋葉に行くことを伝えないと」

 

そうして取り敢えず家に戻った俺達は母さんにゼットンが常に同行することと、危なそうな所へは行ってはいけないことを条件に秋葉原に行くことになった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「ここが秋葉原ですか……噂通りすごい賑わいようですね」

 

「そうだね」

 

自分の記憶にある秋葉原はもっと寂れていたような気もするが現在の秋葉原は活気があるようだった。

 

「さて、どうするのです。私は特に予定はないのです」

 

「俺もないなぁ。やっぱりこういう時は定番のお店に行ってみる?」

 

「そうですね。ではまず電気街の方に向かってみるのです」

 

「……私は二人について行きましょう」

 

ということでやってきました電気街の大通り。やはりこの街にもたくさんの人がいてとても賑わっているようだ。

 

「とりあえずここら辺を見て回るのです」

 

「うん。わかった」

 

そう言って三人で歩き始める。

 

「あ、これ懐かしいな」

 

とあるお店で見つけた一冊の漫画を手に取る。前世?に読んでた漫画だな。

 

「これがどうかしたのです?」

 

「あぁいえ、ただちょっと思い出していただけです」

 

「そうなのです?ならいいのですけど」

 

それからしばらく歩いた後、またある店に入った。その店はフィギュア店の様で、店内に様々なフィギュアが展示してある。

 

「これはすごいのです……。こんなものが作れるなんて人間は恐ろしいのです……」

 

「確かに……」

 

そうして店内の戦車やヘリコプターのミニチュアを展示しているコーナーを通ると、

 

「ふむ、これは中々の出来であります」

 

いつの間にかふと眉で恐竜を思わせるヘルメットを被り、軍服を思わせる衣装に身を包んだ女性が居た。

 

「貴女は?」

 

怪獣だろうか?ここはアキバだしコスプレの可能性もあるけど。

 

「私は恐竜戦車であります!」

 

女性、恐竜戦車は敬礼する。

 

「シンプルな名前なのです…」

 

「えっと、どうしてここに?」

 

「それはもちろんこの素晴らしい作品を見に来たからであります!」

 

「それって何の作品なのです?」

 

「これであります!」

 

そういって彼女が指差したのは、俺の前世の有名なロボットアニメの一つ、「機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争」の主人公機である「ザクⅡ改」であった。

 

「あー、あれか」

 

「あれはいいものなのであります!ぜひ買って帰るといいであります!」

 

「あ、はい、検討します」

 

「それじゃあ私はこれで失礼するのであります!」

 

「あっ恐竜戦車さん。折角なら俺達と一緒に行きませんか?『門』は俺の近くにありますし、帰るときに便利だと思うのですが」

 

「ふむ。この後恐竜の化石を見に博物館へ行こうと思ったのでありますが…それならご一緒するであります」

 

「じゃあ決まりですね」

 

という事で、新たに一人仲間が増えた。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「お帰りなさいませご主人様」

 

自分達4人は昼食も兼ねてメイド喫茶に来ていた。なぜメイド喫茶なのかというと、ペギラがここに来たがったからだ。

 

「いやぁ、ここには一度来てみたかったのです」

 

「へぇ、意外ですね」

 

「まぁ私も怪獣ですのであまりこういった所には来ないのですが。でも人間の文化を知るために一度は来るべきだと思っていたのです」

 

「それは良い心掛けですね」

 

「ふーむ。私もこういう所は初めてであります……」

 

「そうなんですか?」

 

「はい。そもそも私が興味のある人間の文化はミリタリーと古生物学なので」

 

「そうなのですか。でも今日はサツキが払ってくれるし楽しむのです」

 

そう言ってペギラはメニュー表を見る。

 

「うぅん悩むのです」

 

「どれにしますか?」

 

「オムライス……でもパンケーキもいいのです……」

 

結局彼女は悩んだ末、両方頼むことにした。

 

「ゼットンは何を頼む?」

 

「……サツキと同じものを…」

 

「わかった。すみません注文お願いしまーす」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「ゼットンさんって今いくつなんでありますか?」

 

「……私は年齢を数えていないので、よくわかりません。貴女方も同じなのでは…?」

 

「それもそうでありますな!」

 

「みんな年齢なんて分からないのです!」

 

変な会話だ……怪獣墓場にいると年齢感ガバガバになるのだろうか。そんな風に談笑していると店員さんが料理を持ってくる。そしてそのテーブルの上に置かれたのは二つの大きな皿だった。

 

「こちらオムライスになります。もう一品の方はまだお待ちください」

 

「おぉー大きいのです!」

 

「確かにこれは大きいでありますな」

 

「はい」

 

目の前にあるのは巨大なオムライスだ。その大きさは直径40cm程もありそうだ。

 

「では早速……」

 

「「いただきます」」

 

スプーンですくって一口食べる。卵はふんわりとしていてとても美味しい。

 

「うん、おいしいね」

 

「これは確かに絶妙な味加減であります……」

 

「これはなかなかなのです……」

 

「はい」

 

それからしばらく食べて、途中でお土産用としてメイドさんと写真を撮った。ペギラは喜んでいた。

その後、メイド喫茶を出た自分達は、秋葉原を後にして恐竜戦車の要望の博物館へ向かうことにした。

 

「あの、恐竜戦車さん。もしよかったら恐竜戦車さんの事について教えてくれませんか?」

 

「私のことなのでありますか?」

 

「はい、そういえば自己紹介もそこそこだったし、博物館に到着するまでの間でいいですから」

 

「別に構わないでありますよ」

 

「ありがとうございます。じゃあまず恐竜戦車というのは種族名であって、恐竜戦車そのものの名前ではないんですよね?」

 

「はいその通りであります。私は恐竜戦車であり、それ以上でも以下でもないであります」

 

「恐竜戦車ってどういう生き物なんですか?やはりティラノサウルスみたいな感じですか?」

 

「生き物と機械の中間、俗にいうサイボーグであります。この姿になってからはほとんど生身でありますが」

 

「へぇ、そうなんですか」

 

「あとは、こんなこともできるであります」

 

と言って彼女は背中に背負っていた大砲を取り出す。

 

「おおっ」

 

「これを見てほしいであります」

 

彼女はその砲身を両手で掴む。すると突然砲口からバチッと火花が散り、轟音が響く。

 

「わぁ!?」

 

思わず耳を塞ぐ。

 

「このように、砲撃も可能なのであります。今のは空砲でありますが」

 

「凄いですね」

 

「ちなみに、身体を改造すればビーム兵器も使えるようになるらしいのであります」

 

「えぇ……」

 

「まぁ、私にはあまり関係ない話でありましたな」

 

「そうなんですか?」

 

「はい。私は元々戦闘用でありましたが、今はただの骨董品としての価値しかないものであります。だからもう戦う必要はないのであります」

 

「なるほど」

 

「ところで、サツキはどうして私を仲間にしてくださったのでありますか?」

 

「うーん、最初は偶然出会っただけだったけど、今は一緒にいるの楽しいし、これからもよろしくお願いします」

 

「はい!こちらこそであります!」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「ここであります!」

 

博物館に到着した。そこは小さな建物だが、中に入ると思っていたより広く、たくさんの展示物があった。

 

「すごい」

 

「たしかここは日本で最初に作られた恐竜のレプリカがある所だったはずであります」

 

「へぇ」

 

「どうせならもっと早く来たかったであります」

 

「そうなのです?」

 

「だってここを知ったの最近であります。まぁ過ぎたことは仕方ないであります」

「それにしてもいろんなものがあるのですよ〜」

 

「これなんか興味深い」

 

「それは化石の標本でありますな!」

 

「これは……何の化石だろう」

 

「これは多分……トリケラトプスでありますな」

 

「あれ、知ってるんだ」

 

「はい。昔生きていたものなので、よく覚えているのであります」

 

「ふーん」

 

「他にもいろいろあるみたいでありますな」

 

「行ってみよう」

 

「はいなのです!」

 

そう言って自分達はその日一日博物館を楽しんだ。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「今日は楽しかったでありますな!」

 

「そうですね」

 

「またどこか行きたいのです!」

 

「うん。機会があればね」

 

「はい!」

 

「……はい」

 

「それでは、さよならなのです」

 

ペギラは帰るため飛び立っていった。

 

「うん、バイバーイ」

 

自分はそれを手を振って見送った。

 

「私もここでお暇するであります」

 

恐竜戦車も帰っていく。

ペギラと恐竜戦車を見送って自分とゼットンも家に帰る。そしていつものように夕食を食べてお風呂に入って寝床につくのだった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「サツキ様の為にユーを怪獣墓場の辺境にシュートデスよ~♪」

 

「なんでサツキは私を受け入れてくれないのかしら。私はただサツキの童○を貰いたいだけなのに」

 

「それが受け入れられない理由なのでワ?ちなみにサツキ様の童○は私が貰う予定デス♡」

 




駄文閲覧ありがとうございました。ご感想・評価お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。