光の巨人のいない世界で怪獣娘達との話   作:クォーターシェル

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先駆者様たちの様に長編書くのって難しいですね。


6話 実験してみる

ピグモンと友達になって半月たった頃、自分はある実験をしてみようと考えていた。

それはあの『門』から色々呼び出せないかというものだ。

 

ピグモンの証言によってあの『門』の向こう側はウルトラシリーズの怪獣墓場に繋がっているらしい。そしてピグモンは自分の呼びかけによって向こう側からでてきたと。

 

それで数日考えていたのだが、これであの『門』に呼びかけたらピグモンだけじゃなく他のウルトラ怪獣を呼び出すことができるんじゃないかと思った。

まだ試してはないのでどうなるか分からないが、なんか怪獣を呼び出せるかもしれんとしたらワクワクするのだ。レイオニクスとはいかなくとも某妖怪時計の友達妖怪みたいな感じにならないかと憧れるのだ。

 

もちろんむやみやたらに怪獣を呼び出す気はない。改めていうが、怪獣というのは基本的に危険な存在である。凶暴で好戦的な奴もいれば、その場に存在するだけで災害を引き起こすような能力を持っている奴もいる。

もし下手にそんな奴らを呼んでしまえば例えピグモンと同じくらいのサイズだとしても大騒ぎになるだろうし、最悪死者が出かねないだろう。

 

ということで呼び出す怪獣は大人しく劇中で人間を襲わなかったり、人間に友好的だった怪獣たちにしようと思う。そもそもピグモンのように呼びかけに応じるかどうかだったら応じやすそうだし、出てきて早々暴れだしたりする心配も少ないだろう。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

というわけで自分は近所の河川敷にやって来た。自分の家で呼び出そうとも考えたが、呼び出す相手がピグモンの様に小さくない可能性もあるので出来るだけ広い場所で呼び出そうと思ったのだ。

 

そうして河川敷の広場で自分は『門』に向かって念じることにした。

とりあえず念じ方は適当だがピグモンはこれで来るので、同じように『門』の方へある怪獣を呼んでみた。――さて、本当に来るのだろうか。

 

――来てください。――来てください。――来てください。

と念じ続けていると、『門』の周りの空間が一瞬歪んだかと思うと、そこに1人の人影が立っていた。

 

「あ…あれ?ここはどこでしょうか…?あっ貴方が私を呼んだんですか?」

 

「そうだよ。久しぶりシーボーズ」

 

そう。今回呼び出したのはシーボーズだ。とりあえず自分の求める条件に合っていたというのもあるけど、あの時みた夢の場所が本当に怪獣墓場だったのか確かめたかったのだ。

このシーボーズはあの夢で会った時と同じ姿をしているけど同一人物(同一獣?)なのだろうか。 

 

「だ…誰?いや、何処かで会ったような…あっもしかしてサツキですか!?」

 

「覚えててくれたんだね。そう。数年ぶりだね、シーボーズ」

 

どうやらあの夢のシーボーズ本人(本獣?)のようだ。そういえばあの夢の時には気付かなかったけど彼女が着けてるお面はまんまウルトラマンに登場したシーボーズの顔そのものだ。

 

「でも…どうしてサツキが私を呼んだんですが?」

 

「友達になりたいから…じゃダメかな?」

 

「えっ、と、友達!?私が…ですか?」

 

「うんそう」

 

「私…今はなんでか分からないですけど人間に近い姿になってますが、私、怪獣なんですよ?」

 

それは知ってる。そういえばピグモンといいこのシーボーズといいあとゼットンといいなぜ人間の姿になってるのだろう?お陰でコミュニケーションが取りやすいのではあるけれど。トモダチハ、ゴチソウ!な価値観でもない限り。

 

「いやだってシーボーズはいい奴でしょ?いい奴に人間も怪獣もないと思うよ」

 

劇中でもシーボーズは積極的な破壊活動しなかったし、凶暴な性格でも悪意を持っているわけでもない大人しい存在だった。身体が巨大なのと怪獣墓場に帰りたがっているのを除けば人類と共存できそうなくらいに。

 

「だからシーボーズが良ければ友達になりたいんだけど…」

 

「…私なんかでいいんですか?私は人間じゃないし、人間の友達を作ったほうが…」

 

「シーボーズでいいんじゃなくて、シーボーズがいいんだよ。可愛いし」

 

「かっ可愛いっ!?」

 

正直今の姿もいいけど原型の時点で十分可愛い怪獣だからなシーボーズは。そんなだから科特隊やウルトラマンも倒す気が無くなったんじゃないだろうか。

 

「じゃ、じゃあ本当に友達になってもいいんですね…?」

 

「うん!」

 

「…分かりました。それじゃあ、これから私とサツキは友達です」

 

「よろしくね、シーボーズ」

 

よしよし、これで友達妖怪ならぬ友達怪獣第2号が出来たぞ!

それにしても他の怪獣も人間化してるのだろうか?気になるがこれから確かめていけばいいか。

 

「あっあの…悪いのですがサツキ…」

 

「?どうしたの?」

 

「そろそろ怪獣墓場に帰らせてくれませんか…?やっぱりあそこじゃないとなんか落ち着かなくて…」

 

どうやら擬人化してもホームシックは治ってないらしい。

友達になるという目的も達成したしこのまま彼女を帰したほうが良さそうだ。

 

「分かったけど、その前にこれ」

 

と小学生の身としては一抱えある包をシーボーズに渡す。

 

「?なんですかこれ?」

 

「色んなお菓子の詰め合わせ。君の好みは分からないけど友達になった印に」

 

物で釣るみたいだが、風船を渡して他の子と直ぐに仲良くなったピグモンを見てヒントを得たのだ。なにもないよりお土産の一つがあった方がいいだろう。

 

「あっありがとうございます!いいんですか?」

 

「いいよ。俺の勝手だし、喜んでもらえてこっちも嬉しいよ」

 

どうやらそこそこ喜んでもらえたらしい。一概にベストとは言えないかもしれないけどこれから挨拶として使っていくのはありかな。

 

「怪獣に贈り物するなんて…サツキくらいだと思います。この包ロケットの次に大切にしますね!」

 

そこまでしなくともいいんだけど。

怪獣に贈り物をする奴か…春野ムサシや大空 大地辺りはするだろうか…?

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

シーボーズと別れた後、ふと振り返るとそこにゼットンが立っていた。

前にも言ったけどゼットンはこんな風に前触れもなく俺の前に姿を現す。助けてくれることもあるのだがやはり急に出てくるのは慣れない。

 

「………………………」

 

ゼットンはいつものようにジト目気味な眼で自分を見つめてくる。

 

「えっと…どうしたのゼットン?」

 

「サツキは…私のことを不要と思っていますか?」

 

「えっちょ、急に何を言い出すのさ!?」

 

「…最近サツキはトモダチというものを作る様になりました。ならば私のことを疎ましく思っているのでしょうか」

 

なんでそんな考えになるんだ。論理が何段階か飛躍してない?

 

「そんなことないよ!ゼットンは家族じゃないか」

 

「…トモダチとカゾクは違うと?」

 

「違うよ!初代ゼットンと2代目ゼットンくらい違うよ!」

 

興奮の余りわけのわからないことを言ってしまった。

 

「つまり…その、友達は友達で大事だけど家族は別に大事ってこと」

 

「つまり…私は疎まれていないということですか?」

 

「そうだよ。急に変なこと言うからびっくりしちゃったよ」

 

そう言いながら手を差し出す。

 

「これは…?」

 

「偶には手をつないで帰ろうよゼットン。家族らしいことすればいいだろう」

 

「家族らしいこと…ですか?」

 

「そう。父さんや母さんはよく繋いでくれるけどゼットンはあまりやったことないでしょ」

 

「…そういう命令ですね」

 

「いや別に命令じゃないから。ああもうほら」

 

と自分からゼットンの手を掴む。

 

「もう埒が明かないし引っ張っていくよ」

 

「……」

 

「今度はどうしたの?」

 

「…いえ、サツキの手、暖かいですね」

 

なんかクサイ台詞を言ってくれるじゃないか。なんかちょっとドキッとしてしまったぞ。

 

「いいからもう行こう!」

 

「…はい」

 

と自分とゼットンは手をつないで帰路に着くのだった。

 




もうそろそろ新キャラがG1トランスフォーマー並みに唐突に登場することもありますので悪しからず。
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