仮面ライダーEpisode DECADE   作:ホシボシ

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特別クラスの試練
第33話 「覚醒」


 

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

 

彼女を助けるかどうかのコイントス。

我夢は空中に弾いたコインをまだ地面に落ちてすらないのに、強引に掴み取ると――そのまま地面に叩きつけたッ!!

そのあまりの気迫に一瞬、叩きつけられた衝撃で暴風が巻き起こった様にさえ思えただろう。

 

 

「我……夢?」

 

 

司は彼の手元を見る。そこにはコインが地面についていると言う当然の光景。

だが、そのコインは彼の手にあるおかげで、『表』も『裏』にも向いていない。側面で地面に立っているのだ。

 

示す目は『側面』

表も裏も救えないと言う答えだった。ならば、指し示すは第三の答え!

 

 

「本当にごめんなさい。さようなら――と、言って終われれば……ッ!」

 

 

さよならと言って終われれば、あなたはそれで良かったんでしょう。

でも、本当にごめんなさい。僕は、僕はそれでも――

 

あなたを、失いたくない。

だから、そのお願いは聞けない――ッ!

 

好き。自分はどれだけその言葉を望んだのだろうか。

彼女の笑顔が好きだった。彼女の泣いている顔は見たくない。彼女が楽しそうにしていれば自分も幸せだった。

彼女と目を合わせるのが恥ずかしかった。彼女の声が好きだった。彼女の優しい性格が好きだった……ッ!

 

きっかけのひとつ、彼女の死を利用しようとしている奴がいる。

だが、もしその話が無かったら? たった一人、たった一人だ。その一人が犠牲になればいいだけの話なのだろう。

ならば彼女は死ぬべきか? そうだな。そう思うさ。世界の筋書きはその唯一の答えしか記さなかったのかもしれない。

 

 

人は笑うか? 哀れだと。愚かだと。

未練に満ちた男がどれだけ醜いのかと嘲笑するだろうか。だが構わない、今までずっと彼女の事を考えていた。

だけど知っていた。恐れていた、自分の気持ちを彼女が知り、そしてその答えを知るのが怖かった。

どうしようもなく怖かった。

 

哀れだな。あれだけ彼女の事を慕い、想っていたというのに答えを望んでいなかった。

拒絶されるのも、受け入れられる事すらも恐れていたのかもしれない。

 

愚かだな。どうしようもなく愚かだ。彼女が死に、自分は絶望する未来を受け入れ様としていた。

彼女が願う事を叶える事が、答えだと自分で錯覚していた。

そう、その幻想に囚われていた。

 

だが彼女が自分のことを好きだと言ってくれた。それだけだ。

そう、それだけなんだ。自分は馬鹿な男だ、たったその一言だけで『絶対』が揺らいだ。

さよならと言えれば、この世界は安泰の運命だった? いや、だけどそう言う訳にもいかないんですよ。

我夢はコインを見つめて呟く。その未来を受け入れればいい? いや――そうじゃない! そうじゃないんだよ!!

 

 

「鏡治先輩……皆さん、ごめんなさい。僕は何か勘違いをしていた様です」

 

「勘違い?」

 

「はい、胸を張れる生き方を……僕はしていなかった」

 

 

我夢は寝子を見る。そう、その生き方をしていなかったのだ。

本当に彼女が好きなら、他の全てを犠牲にしたとして彼女を、彼女の事を思う。

 

そうだろう? 相原我夢。

ああ、クソ。やっぱりアキラさんはずるいです。まともな判断もできななかった。

 

 

「ま、まさか……君は」

 

 

ゼノンは真顔でその言葉を口にした、純粋な疑問を。

 

 

「まさか君は……アキラを助けると?」

 

「はい。決めました」

 

 

我夢は頷く。そして寝子達、妖怪に一言謝罪を告げた。

 

 

「たとえ、全を危険に晒そうとも、守らなければならない一がある。僕はその一を守るために、今からこの世界を危険に晒します」

 

 

我夢は真っ直ぐな瞳で皆を見た。迷い無き選択、彼は表も裏も示さない。

その狭間、無限と言う可能性を示唆した。

 

 

「アキラさんを……助けるッ!」

 

 

それは、答え。彼が見つけた天の道。

 

 

「彼女の為なら、僕は……『鬼』になるッッ!!」

 

 

彼はもう一度アキラから貰ったコインを、側面で立っているそれを見た。表も裏にも、答えは無い。

そこに見えたのは、かき消されていく彼女の悲痛な叫びと何もできず立ち尽くしている自分。

結局、間に合わなかった後悔に沈んでいく自分だ。

 

ならば、変えるしかない。その運命を変えるしかない!

自分を、弱い自分を変えるには動き出すしかないんだ!!

そんな一瞬の沈黙、そしてすぐに笑い声が彼に向けられる。

 

 

「は…ははは! あははははっ! 忘れていないかい我夢ッ! この世界はアキラの死を望んでいるんだ!」

 

 

ゼノンはすぐに元々の挑発的な笑みを浮かべると我夢を睨んだ。

まるでそれは彼へ挑戦しているかの様に。

 

 

「絶対に彼女は死ぬ! いいかい? これはボク達のご主人様が示したんだ。 悪いけどご主人様の力は本物、アキラは絶対に死――」

 

「世界がそれを望むと言うのなら、僕は世界を否定します」

 

「は?」

 

 

世界の否定? 愚かな人間が、世界を否定するのか!?

もちろん口にしただけでどうにかなるわけが無い。世界の意思を変える事など、それこそ人間に許されるものではないのだ。

まさにそれは、『神』に等しき行いである! できるわけが――

 

 

「だけど、その力が……僕達にはあるんじゃないんですか?」

 

 

我夢は音角を宙に投げ、強く掴んだ。

 

 

「!」

 

 

そのまま司を見る。彼が何を言っているのか、司はすぐに理解した。

そして笑う、汗を浮かべらがらもしっかりと! ニヤリと笑い合う司と我夢。

呆気にとられている他のメンバーを差し置いて、司はディケイドライバーを取り出した。

 

そう、その力は……

 

 

『破壊』

 

 

「そう……だなッ!」

 

 

世界がそのシナリオを望むなら、そのシナリオを『破壊』するッ!

世界がそれを許さないと言うのなら、その判断を『破壊』するッ!

世界が尚ッ、抗うのならッッその意思すらも『破壊』するッッ!

 

言ったじゃないか! あれは龍騎の試練だ。

彼女が絶対死ぬ? 『絶対』は『絶対』にない! 絶対さえも『破壊』すると!!

 

 

「皆さん、僕はどうしようもないくらいアキラさんが好きです……だからッ、この結末を認めたくないッッ! たとえ彼女が死を望んでいたとしても――ッ!」

 

 

たとえ、世界がその選択を決定していたとしてもッ!!

 

 

「一パーセントの希望が無かったとしても、僕は彼女を助け……いや、救いたいッッ!」

 

 

そして、我夢はユウスケと薫を見た。

 

「彼女の笑顔を――ッ」

 

 

次に翼と葵を

 

「彼女の未来を――ッ」

 

 

次は真志と美歩を

 

 

「彼女の命を守りたいッ!」

 

 

我夢は拓真と友里を見る。彼女はまた両親と暮らしたいと言っていた。

それは未来への希望、つまり――

 

 

「彼女の夢はココで終わっちゃいけない!」

 

 

だから――それが一人よがりで、彼女が悲しむ、寝子達に迷惑がかかるともッ!

椿と咲夜に視線が移る。

 

 

「その運命に負けたくないんですッッ!!」

 

 

双護、真由、鏡治を見る。

 

 

「彼女には家族も、友達もいる。なにより――」

 

 

そのまま良太郎とハナ、イマジン達を見る。

 

 

「人生が、生きてきた時間と思い出があるんです!」

 

 

亘と里奈は微笑んで強く頷いた。

キバット、キバーラもアームドモンスター達も彼等に跪く。

 

「彼女を苛む宿命(さだめ)を、打ち破るッ!!」

 

 

その言葉に、寝子は問いかける。

 

 

「それが、貴方の胸を張れる生き方なのかしら?」

 

「はい。仮面ライダーとしてじゃなく、鬼としてでもなく、そして人間としてでもない! 相原我夢として……ッッ! 僕は胸を張れる生き方をしたい!」

 

 

そして同時に、ライダー、鬼、人間。その全てとして、彼女を死なせないと言う。

なんと愚かな選択か! なんて我侭な選択なのか!! たった一人、好きな女の子を救う為にこの世界の命を賭ける!?

だが、だがしかし寝子達は微笑んでしっかりとうなずいた。その選択を望んでいるように、その選択が答えであるかのように!

 

そして我夢は最後に、夏美と司に視線を戻した。

司もまた亘達の様に強く頷くと、ディケイドのカードを取り出す。

 

 

「もし、世界がアキラを殺すなら――」

 

 

殺すなら?

 

 

「俺はッ! 『世界』を破壊するッッ!」

 

 

世界の破壊者ディケイド。

九つの世界を巡り、そして今その瞳は何を観る?

 

ああ魔女は言った。

あれはいつだったか、彼女が死ぬまでの過程を――

 

 

彼女(アキラ)は大きな壁に囚われた囚人。迷い、涙するだろう。

だがそれは幻ではない、絶対の結末。世界はそのショーを望んでいる。

彼女は世界に殺されるのだ……と。

 

 

それらはまるで鎖の様にアキラを拘束する。そしてそのまま死へと運んでいくのだ。

ならば今、再び思い出そうではないか! あれはそう、小野寺ユウスケがクウガに変わった時の話しだ。

破壊者は言う。

 

 

『俺は破壊者なんだろ? だったら俺は、この世界の【涙】を破壊する!』

 

 

そして、破壊者は再び涙を破壊するつもりだ!

 

 

 

彼女(アキラ)は大きな壁に囚われた囚人。迷い、      。

 だがそれは幻ではない、絶対の結末。世界はそのショーを望んでいる。

 彼女は世界に殺されるのだ】

 

 

こうして、彼女を縛る『涙』の鎖が破壊された。悲しみはいらない、ならば彼は壊すのだ。

では、次はキバとアギトの試練を再び観測しようではないか。破壊者は言った! 確かに言った!!

 

 

『俺は破壊者さ! だからこの世界の【壁】を……破壊する!』

 

『俺は破壊者だ。だからこそ、この【幻】を破壊する』

 

 

そう、ならば壊せばいい!

もう一度でも、何度でも破壊してしまえばいい。

 

 

彼女(アキラ)は           。迷い、      。

          、絶対の結末。世界はそのショーを望んでいる。 

 彼女は世界に殺されるのだ。】

 

 

『壁』の鎖、『幻』の鎖が破壊される。だが破壊はまだ終わらない、思い出せるだろうか?

破壊者はファイズ、龍騎、ブレイド、カブトの試練で何と言った? 何を破壊すると言った!?

 

 

『俺は破壊者ディケイド! この世界のふざけた【結末】を破壊するッッ!』

 

『だが【絶対】は【絶対】にありえないッッ! 何故なら、俺は破壊者ディケイド! 今からこの世界の【絶対】を――ッッ!! 破壊するッッ!! うおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!』

『道化師、覚えておけ。俺は破壊者さ、だから……この腐った【ショー】を破壊するッッ!』

 

『さあ、俺は破壊者だ。だから破壊するぜ。【迷い】をな!!』

 

 

彼女(アキラ)は           。  、      。 

         、     。世界は           。

 彼女は世界に殺されるのだ】

 

 

そうだ、彼女を縛る鎖を壊せッ! 認めるな! 絶対に屈してはいけない!

邪魔するのなら、絶望に染め様と言うのなら、ぶっ壊してやればいい! ぶち壊してやればいいッ!!

世界の破壊者。ならば破壊を! 彼女を殺す世界を認めるな!!

 

そして、鬼よ。付け足すがいい。救いの一手、希望の言葉を!!

我夢は言う。確かに言う。誰もその言葉を否定はできない。彼の……鬼の言葉は今、世界をも変える!!

 

 

「僕は絶対に――ッッ!!」

 

 

破壊の後には創造が待っている。さあ! 創れ! その世界を!!

 

 

彼女(アキラ)は死なせないッッッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだコレは! 一体どういうことだ!? 天美アキラは……死んだのではないのか!?」

 

「ほう、このような馬鹿な事が――ッ!」

 

「ど、どうしたッ!?」

 

 

書斎では魔女とナルタキがその様子を見ていた。魔女はニヤリと笑って、椅子にもたれ掛けた。

彼女が見るのは天美アキラが死ぬストーリー……? だが、そのページは次々に文字が消滅して白紙になっていくではないか!

 

「世界が、選択を変えた……いや、世界(ストーリー)が書き換えられる?」

 

「なんだとッッ!?」

 

「天美アキラが死ぬ確立が、事実が変わった……!」

 

「そ、そんな事が……!?」

 

 

驚くナルタキが面白いのか、魔女は静かに笑う。

ナルタキは直ぐに冷静に装うが、魔女はニヤニヤと馬鹿にしたように笑っていた。

この魔女、こうなる事が分かっていたんじゃないだろうか? まさか……?

 

 

「言っておくが、アキラが死ぬ運命にあったのは本当だ」

 

 

しかし、その運命が『壊された』

 

 

「長き話、文に渡り天美アキラが死ぬと言う事を提示してきたと言うのに、たった一話で彼らは彼女の死を壊すのか!」

 

 

Episode DECADEは第32話に記されていた事実を、予定通り記す運命だった。

そこに記される事は真実となる。つまり、彼女が死ぬと言うストーリーを記録する筈だった。

司たちが世界を移動して、彼女が邪神に食い殺される。

 

だがどうした事だ? 彼らは世界を移動しない。

相原我夢が、聖司が……夏美を始め選ばれた者達がその筆をへし折ったのだ。

そして、白紙になったページへ新たなストーリーを自らが記す!

 

 

「これがディケイドの力と言う訳か……ッ! 100%の運命さえも壊すッ! いや、書き換える事を許される! 素晴らしい……!!」

 

 

ディケイド自身が『世界』となり【世界】を壊すのか!!

 

 

「想像以上だ、フフフッ。しかし、何よりもコイツ――」

 

 

相原我夢!

 

 

「ナルタキ、この少年を調べておくといい。もし、普通の人間だと言うならば……」

 

 

それは間違いだ。コイツは、普通じゃない。

あの時点で判断を変えるなどと神にも背く男なのだから!

 

 

「どうやら、今回は相当いい素材を引き当てたようだな。尤もこの試練で全滅しなければいいが。クククッ、これが人の子の恐ろしさか!」

 

「……仕方ないか、このまま彼等には好きに動いてもらう。ここで死ぬなら、その程度だと諦めるしかない」

 

 

ナルタキはため息をついて、目を閉じるのだった。

まだまだ彼らは甘い……だが、その甘さが彼には眩しく感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アーハハハハッ! フルーラ見てごらん! コレはいわゆるアレだねぇ!」

 

「ええ! アレだわゼノン! まさにこれは――」

 

「「君の為なら、『世界』を敵に回しても構わない!」」

 

 

よくテレビなんかで見かけるクサイ台詞。考えてみれば、そう言う事なのかもしれない。

だが我夢は恥ずかしがるわけでもなく、むしろそれに"乗った"。

 

 

「ええ、そうですね。僕は、彼女の為に……命を賭ける――ッッ!」

 

「「!」」

 

 

ゼノンとフルーラは興奮に目を輝かせて我夢に詰め寄った。

まるでそれは憧れのスターにあった時の子供の様に、二人は我夢に期待の視線を浴びせる。

 

 

「「それは! 君の為なら……死ねる!!」」

 

 

ベタでクサイ台詞に思わず亘は吹き出した。

しかし対照的にゼノンとフルーラは、我夢に尊敬に満ちた眼差しで見ていた。

 

 

「よし! じゃあ円陣でも組んでみない?」

 

 

ユウスケがそんな事を言ってみせる。手を出し、笑ってみせる彼は自信に満ちていた。

にんまりと笑う彼、それはクウガとしてで無く小野寺ユウスケとして。

不安な表情を浮べていた薫や、他の面子もその言葉にニヤリと笑ってユウスケの所へと集まっていく。

 

 

「ま、まじ?」

 

「ああ、ほら行くぞ!」

 

 

そうやって丸い円がだんだん大きくなっていき、たくさんの手が重なりあっていく。

それは人間として。人としての戦いに挑む為、気合を入れる儀式なのだ。

 

 

「はい、司君!」

 

「ああ。里奈と亘も、ほら」

 

 

里奈に合わせる為に皆はしゃがみこむ。里奈はお礼を言うと、強くしっかりと手を置いた。

キバット達やアームド達。イマジンも、手が無いゼクターでさえ円陣に加わった。

この学校にいる全ての命が円の中に集う。そしてそれは寝子達も例外ではない。

 

 

「皆さん……本当に、ごめんなさい」

 

「いいのよ、私たちだってこのままじゃ胸を張って生きられないんだから」

 

「そうそう、それにこれは私達の戦いでもあるからな」

 

 

みぞれはそう言って頷く。

 

 

「まだ時間はある。妖怪横丁の皆にも協力してもらおう!」

 

 

重なる手に、それぞれは希望を、望みを託す。

アキラを助ける為に、このちっぽけな人間が世界にたてつくのだ。

 

 

「邪神に囚われしは、お姫様でもなんでもない! か弱きか弱き人の子や!」

 

「そして、それを助けようとせしも、なんと弱い人の子か!」

 

 

突如、演劇口調で話し出すゼノンとフルーラ。

手を重ね合わせたまま、一同は何事かと二人を見た。

 

 

「「されど!」」

 

「その力は無限を超える!」

 

「その思いは有限を穿つ!」

 

 

ゼノンとフルーラは、楽しそうにクルクルと回りながら、円陣に近づいていく。

そして、鋭い眼光で『主役』を見た。

 

 

「問おう! 主役は君だ、相原我夢!!」

 

 

我夢はその言葉と共に動き出し、円陣の前に立つ!

そして、怪しげな笑みを浮べる二人と視線をぶつけた。

 

 

「立ちはだかるは最強妖怪軍団、そして神の名を語りし邪神・ヤマタノオロチ!」

 

「貴方は……いえ、貴方達はそれに勝てると? アキラと世界を救えると?」

 

 

我夢も、司も皆声をそろえてソレに答えた。当然だとッッ!

 

 

「必ず、アキラさんも世界も犠牲にはしません。邪神を……『悪』を殺す!」

 

 

ゼノンとフルーラ。

二人は満面の笑みを浮べると、その手を皆と同じように重ねた。

流石にコレには驚く司達、どう言う事なのか!?

 

 

「わっかんないかなぁ? 今回は君達に協力してあげるのさ。ボク達も君達と同じ舞台に上がるよ!」

 

「ええ、ダブルの力を貸すわ! だから、一緒にアキラを助けましょう!」

 

 

目を丸くする司達。どう言う経緯でこの答えにいたったのやら……

しかしそんな中でも我夢は黒い笑みを浮べて問いかける。ゼノン達に負けないくらいの怪しげな笑みに、思わず拓真はゴクリと喉をならした。

覚悟を決めてからの我夢からは、何か凄いオーラのようなモノを感じる。

 

 

「いいんですか? あんまり僕達に関わっちゃいけないようですけど?」

 

「あはは、いいんだよ。もう君達は試練をクリアしたし、僕達は自由にいかせてもらうよ」

 

 

それにと、二人の笑みがドス黒くなる。

 

 

「「あいつらは」」

 

「ボクの」「ワタシの」

 

「「大切な恋人を馬鹿にした」」

 

 

許せないねぇと笑う二人。

ああ、それが目的なんだなと司達は理解する。だがもう一回彼らは言葉を重ねる。

 

 

「「それに――」」

 

 

二人は妖怪城にてアキラにした質問を思い出す。

とても簡単なものだ、『我夢の事が好きか?』ああ、とても簡単な質問。彼女は答える『好きだ』と。

両想い、めでたしめでたし? でも彼女は死んでしまう。せっかく二人の気持ちはいっしょなのに。

 

 

「ボク達も、このままじゃ納得がいかない」

 

「少し感情移入しすぎてしまったのかしら? アキラを含めた貴方達を、もう少し応援してみたくなっちゃったの」

 

 

十分だと我夢は笑う。だがひとつだけ否定した。

 

 

「試練が終わった? いえ、違います。これからです――ッ!」

 

 

そして、我夢は皆をもう一度見た。

なんて強い眼光なんだ。その瞳の奥に燃え上がる紫炎が、彼の決意を物語っている。

九つの世界でそれぞれは己の意思を持ち変身した。今、九つの道が重なり合いアキラを救う道を作る!

 

 

ディケイド。

 

電王。

 

クウガ。

 

キバ。

 

アギト。

 

ファイズ。

 

龍騎。

 

ブレイド。

 

カブト。

 

そして十人目、響鬼。

 

 

「寝子さん達には本当に――」

 

「たとえ……」

 

 

我夢がもう一度彼女達に謝罪の言葉を述べようとした時、他ならぬ寝子がその言葉を遮った。

 

 

「たとえ、どんな時代に生きようとも……たとえ世界が違っても、愛を護る強さを求めるあなた達を、私達は応援します」

 

 

その言葉に幽子達も賛同する。

辛い戦いかもしれない、だがそれを乗り越えたなら、きっとハッピーエンドが訪れる筈だ!

 

 

「はい、僕はもう逃げないッ!」

 

 

我夢は頷き、皆の手に自分の手を重ねる。その時、美しい鈴の音が聞こえた気がした。

 

 

「さあ、始めましょうか。響鬼の試練を――」

 

「我夢君! 我夢君も一つだけ間違ってますよ!」

 

「?」

 

 

その中で、夏美は言う。

彼は、これから響鬼の試練が始まると言った。だが、今から始まるのは響鬼の試練じゃない。

皆アキラが好きなんだ。なら、我夢だけが頑張るみたいな言い方の『響鬼の試練』なんておかしな話だろう?

 

 

「今から始まるのは……この、特別クラスの試練なんです!」

 

 

夏美の言葉に頷く一同。我夢は一瞬呆気にとられたが、すぐに頷いた。それは了解の証明!

 

 

「この世界もアキラさんも死なせない! 僕達は仮にも正義を貫く『仮面ライダー』です! 

 世界を変えるプライドがある! その名を語る限りッ、その名を持つ限りッッ! 絶対に――」

 

 

絶対にッッ!! 死なせはしないッッ!

 

おうッッッ!!!!!!!!

 

 

全員の声が重なり合った。

この戦いは、仮面ライダーとして。

いや、何よりもアキラの友達としての戦いである!

 

 

ソシテ世界ハ彼女ヲ殺ス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダカラ僕ラハ世界ヲ壊ス

 

 

「今まで紡いできた仮面ライダーの力を使って……世界を倒すッッ!!」

 

 

世界の運命を決める戦いが、今、始まる!!

 

 






と言うわけで第一部ラスト、特別クラスの試練が今回から始まります。
まあ今回は一応プロローグ的な意味も含んでいるので、話を合体させずにそのまま投稿しました。
だから次からはまた複数の話を合体させるんで一話が長めになるかなと。

それで前回は前のサイトとかでやってたフェイクエンドを今回もこのサイトでやらせてもらいました。
まあどうなんだろうね? 前前に比べるとココは難しいと言うかバレやすい気がしましたがいかがでしたでしょうかw

一応反応があってくれて良かったです。
つっても隣あるシークバーの長さで分かっちゃうのがね。

はい、まあそんな所です。
次回は未定ですが、なるべく早くしたいと思ってます。

ではでは
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