「ですが、皆さんの協力があれば100%勝てます!」
「!!」
しかしメイドが放つ言葉は勝利への希望だった。
シェリーは頭を下げて燻っていた妖怪達の心にたった一つ、そして唯一の言葉を投げかける。
「皆さん、どうか一緒に戦っていただけませんか?」
「………」
ここでハイと言えれば誰も苦労はしない。皆が皆一度植え付けられた邪神の恐怖に支配されている。
戦おうとする気力すら無い、削がれた決意の光、たとえシェリーの言っている事が正しかろうが。
「大丈夫です」
「?」
そう言ってシェリーは笑う。
そこに恐怖は無い、あるのは希望だけだった。彼女は振り返るとウィザードを、そして他のライダー達を示した。
彼らは希望、その希望の光が負けるなんて事は無い。
「見てください皆さん、あれが――」
希望です!
『ヒート・メタル!』『メタル! マキシマムドライブ!!』
ダブルの体が赤と銀に染まる。
メタルシャフトを構えてメモリをベルトへ装填するダブル、彼は今ハードボイルダーに飛行ユニットを取り付けた状態となっている。
ハードタービュラー、飛行しながら炎を増加させる!
「愛の力を見せてあげるよ!」
『アツアツよーッ!!』
メタルシャフトが激しく火を放つ!
同時に爆発的な加速を、それはメタルシャフトから放たれる炎がジェットの役割を果たしたから。
ダブルはそのまま邪神へと――
「『メタルブランディング!!」』
「「「「「「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」」」
熱い炎の一撃が邪神を撃つ。
と同時に変えるメモリ。お次は金と青、ルナトリガーだ。
ダブルはトリガーマグナムにメモリを装填して狙いを定める。いや、定める必要は無いか。どうせ自動で追ってくれる!
「『トリガー・フル――ッッ! バアアアアアアスト!!』」
青と黄色の弾丸が全ての首に着弾、ダブルはジョーカーのメモリをタッチしてベルトへと装填した。
変わるダブル、幻想の切り札・ルナジョーカーだ。
そして構えるメモリ、マキシマムドライブは発動される!
「迫る手!」
『伸びる手!』
「『幻想連撃! ジョーカーストレンジ!!」』
三人に分身するルナサイドが手を伸ばして激しい連撃をしかける。
途中邪神が抵抗に分身の一体を噛み付きにきたが、それは空しく外れる愚かな攻撃。
最後の切り札の一撃である手刀が放たれて邪神は動きを鈍らせた。さあ、もう時間かせぎには充分な程働いたろう。
本題と行こうか、ダブルはそう言ってヒートトリガーに変身。フォーゼ達の下へと急ぐ!
「いっきますよぉぉぉぉッッ!!」『BLEST CANNON』
「最大出力、チャージ完了」『LIMIT BREAK』
ブレストキャノンを構えるバース。
隣ではフォーゼがヒーハックガンとランチャー、ガトリングを構えて立っている。
フォーゼの隣には合流したダブル、彼は何やら大技を使う様で――
「フルーラ! ツインマキシマムをやろう!」
『あら、いいのゼノン? あれをやれば二日は動けないわよ!』
「いいよ、君に看病してもらうから!」
『トリガー! マキシマムドライブ!』『ヒート! マキシマムドライブ!』
三人は並び立ち銃口を邪神へ向ける。そして――
「「「ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」
発射!! 巨大なレーザー、無数の銃弾、圧倒的な炎の塊がそれぞれ邪神に着弾する。
あまりのダメージに遂に邪神の身体が地面へと倒れた! 妖怪達に衝撃が走る、これはまさか――
「か、勝てる……のか?」
「!!」
ざわつき始める妖怪達、そしてそこへ追撃の様にシェリーの声が響いた。
「当然です!」
「!!」
つい先ほどは負ける可能性が高いと言っていたのに。しかし夏美達もシェリーの言葉に頷く。
信じた力と希望は絶対に世界を救ってくれる。それを疑う事は無い、必ず勝ってくれるのだと信じているのだから。
それを聞いて表情を変えていく七天夜達。見えるのは同じく、そして唯一邪神と戦っている七天夜である鬼太郎。
彼は自分達と違う幽霊族だ、しかし言ってみればそれだけなのかもしれない。
彼もまた恐怖の攻撃を受けていた筈だ、しかし今彼はああやって戦っている。
「地獄の鍵よッ! 地獄の鋼よッッ!」
武頼針に変わり一匹の邪心の首部分を貫く鬼太郎、邪神はさらに絶叫をあげて暴れまわる。
だがダブル達はアイコンタクトを取って一気に跳躍で後ろに下がった、怒りの感情からか当然追いかけようとする邪神。
そこに青いカードプレートのラインが――
「少し大人しくしていたまえ」『ファイナルアタックライド』『ディディディディエンド!』
ディメンションシュートが邪神の動きを大きく鈍らせた。そこへ他のライダーの追撃、邪神の動きが再び止まる。
ダブル、フォーゼ、ウィザード、オーズ達は一気に邪神と距離を取り、何かの構えをとる。
何かくる? 本能で悟ったか邪神はタイミングを合わせて八対の首から同時に火炎弾を発射。
互いに炎弾は引き寄せあい、超巨大な火球となってダブル達を狙った!
「!!」
直後轟音、火球が着弾して辺りが大爆発を起こした。
爆炎に包まれ姿を消すダブル達、ああもうコレは完全に終わりだと妖怪の中の誰かが叫ぶ。
負けた、訪れるのは死、ほら見てみろやっぱり勝てなかったじゃないか。
「ウオオオオオオオオオオオオッッ!!」
「ッ!!」
だが爆炎の中から現れたのはそれぞれのバイクに乗ったダブル達だった。
ヒートトリガーからサイクロンジョーカーに変わっていたダブルを中心にして、右にはフォーゼ、左にはウィザード。
そして背後には6人のオーズ達が並び飛び出してくる!
「さあ! 名も知らぬ両隣くん達、そしてオーズ! 決めようか!!」『ジョーカー! マキシマムドライブ!!』
「僕の名はフォーゼだ」『ロケット』『ドリル』『LIMIT BREAK』
「希望、ウィザード!」『チョーイイネ! キックストライク! サイコォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』
「暴食よッ!」「傲慢よ!!」「嫉妬よ」「怠惰よ!」「色欲よ」「憤怒よ!」
「「「「「「この身に宿りし
ダブル達はバイクから飛び上がると同時にキックの体勢を取った。
狙うは邪神の首達、尚も火炎を打ち続けるが関係は無い。それぞれの、それぞれが放つキックの嵐が邪神の炎をかき消す!
そしてその絶望の力にあふれた首へと――
「「「「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」」」」
「「「「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」」
着弾する!!
叫び声を上げながら吹き飛ぶ邪神、同時に丘へと着地するダブル達。
彼らは振り返りながら司達を見た、そして後は譲ると声大きく宣言する!
最後にダブルは呟く様に言葉を紡ぐ。フォーゼとウィザード、めぐり合わせたのは運命か必然か。
「みんな、ココいるライダーを覚えておいたほうがいい――」
なぜならば――
「長い……付き合いになりそうだ――!」
「―――!!」
それを見ていた妖怪達は思わず言葉を失う。無理だと思っていた勝利が明確な形を持って現れたではないか。
だがすぐに首を振る。またどうせ邪神の反撃が始まり全ては絶望に包まれるのだからと。
持つだけ無駄な希望、誰もが再びマイナスなイメージを具現させてしまう。
「がんばれぇえええええええええええええ!! 皆ああああああああ!!」
「!!」
ぼたんの声、あまびえの声、かわうその声、傘化けの声、彼らは戦えずとも邪神に明確な対抗を示している。
それを見つめる妖怪達、結局戦いに勝っていったのは彼らの方だった。絶対に不可能だった状況の筈なのに今彼らは邪神と戦っている。
世界を守る為に、今もなお彼らと共に戦っているのだ。
「………」
そこで心に浮かぶシェリーの言葉。ここで自分の力を重ねればどうなる?
妖怪達は再びライダー達を見た。あの場所へ今一歩足を進めればどうなる?
先ほどとは違う沈黙が妖怪達に訪れた。それは選択、誰もが周りを見る中で一歩足を踏み出した者が。
「皆……もう心は一つだろうに」
彼は言う、そしてフッと笑った。
「誰も、心には正直だ」
ダブル、オーズ、フォーゼ、ウィザード。彼らは司達にバトンを渡す、勝利への軌跡を辿る力を!
だったらソレを無駄にするなんて事は絶対に無い様にしなければ。そうだろ?
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!」
叫び、立ち上がる司達。
彼ら倒れる邪神を睨みつけ一列に並び己の魂を具現させたベルトを再び構える。
一勢に装着されるベルト、彼らはそこに自らの想いを託した。
「クウガ! おれに笑顔を守れるだけの力を貸してくれッ!!」
小野寺ユウスケはゆっくりと構えを取った。
青空に重なる様に、皆の笑顔を守る為に彼は力を込める。
きっと応えてくれる筈だ、その愛の前に立つかぎり!
「アギトよ……未来を守る力を――ッ!」
小野寺翼もまた弟と同じくゆっくりと手を前に出していく。
大地が彼に力を貸す様に想いを放っていく、それは未来を守る為に。
きっと応えてくれる筈だ。そう、君のままで変わればいい!
「龍騎! 頼むッ! 皆の命を守りたいんだッ!」
条戸真志は手を斜めに突き上げる。
それはまるで全ての命を守る龍の様に、気高く咆哮を上げる勇気の様に。
きっと応えてくれる筈だ、進化する魂が願っていた未来を呼んでくれる筈だから。
「ファイズ、お願いだ、僕に皆の夢を守るだけの力を貸してくれ!」
犬養拓真はファイズフォンを天高く突き上げる。
彼の夢を具現させる力を、それは他者の夢を守る夢。
きっと応えてくれる筈だ、自分が、世界が、強くあるために!
「ブレイドッ! 運命の切り札を俺に!」
守輪椿はポーズを取って叫ぶ。
絶望の運命が提示されるならこの剣で切り裂こうではないか。
きっと応えてくれるだろう。絶望を崩す切り札は自分だけ、研ぎ澄まされた勇気にして!
「カブト、正義を俺に示せ!!」
天王路双護はカブトゼクターを構えた。
天の道を、勝利の道を! 正義の道を今ここに!
きっと応えてくれるだろう、己が選ばれし者ならば!!
「電王……皆いくよ、皆の時間を守るんだ」
野上良太郎はパスを構えた、押すのは赤いボタン。
皆と紡ぎ上げた大切な時間がある。それを壊す者は、奪うものは消してみせる。
きっと応えてくれるだろう、この不可能超えて掴み取るさクライマックス!
「キバ! 宿命の鎖を解き放てッッ!」
聖亘はキバットを自らの手に噛ませた。
呪いの宿命、がんじがらめになっている鎖は破壊する! 解き放つ!!
きっと応えてくれるだろう、自分が持つ、そこにある確かな絆を忘れないで。
「響鬼……心の強さを――!」
紫炎に包まれる我夢。
全ての命を守り、世界を救う事は不可能ではない筈だ。その為の音を今この世界に響かせてくれッ!
きっと応えてくれるだろう。そうだ、それが君の響き!
「ディケイド――ッッ!!」
聖司はディケイドライバーを展開させて一枚のカードを構える。
どんなに不可能と言われた事だろうが、どんなに無理と笑われた事だろうが、どんなに深い絶望だろうとも関係は無い。何故なら――
「俺は破壊者だ! だったらこの世界を襲う絶望を――」
きっと応えてくれるだろう、俺が10度目に立ち上がったその時に!
男たちは一勢に最後の動作を取る。友を、命を、大切な人を守る為に、その言葉を皆は口にした。
「破壊する! 変身ッッ!!」
全てを破壊し、全てを繋げ!
「「「「「「「「「変身ッッ!!」」」」」」」」」
10人同時変身。
クウガ、アギト、龍騎、ファイズ、ブレイド、響鬼、カブト、電王、キバ、そしてディケイドは同時に構えを取って走り出した。
彼らの元に来るバイク達。それはそう、彼らは仮面ライダーなんだから。10人はバイクに乗り込むと思い切り加速していく。
邪神の放つ炎を振り切り、スピードを上げる! エンジンを、アクセルを全開にして、風を切り裂いていく!
「さあ! 行くぜッ!!」『ファイナルフォームライド――』
『ククククウガ!』
『アアアアギト!』
『リュリュリュリュウキ!』
『ファファファファイズ!』
『ブブブブレイド!』
『ヒヒヒヒビキ!』
『カカカカブト!』
『デデデデンオウ!』
『キキキキバ!』
同時に姿を変えるクウガ達。
自立移動できる者達は一勢に邪神へと向かい、ファイズやキバなどはディケイドが構える形となった。
そして発動された電王と響鬼のファイナルフォームライド。それはカブト同様に複数の効果を持つ物だった。
『いくぜいくぜいくぜぇええええええええええええッ!』
『さあ、大量と行こうか!』
『オレの強さは泣けるでぇえええええええええええ!!』
『わー! 電車になっちゃったー!!』
デンオウライナー。
今発動された効果は文字通りデンライナーに彼が変わると言うものだった。
ゴウカ、イスルギ、レッコウ、イカズチ、それぞれのデンライナーはオリジナルよりも幾分サイズが小さいが武装は変わらない。次々にレーザー等の高火力攻撃を邪神に当てていく。
『うおおおおおおおおおおおッッ!!』
そして響鬼、彼は三つのディスクアニマルの巨大版に変わる事ができる。
現在はヒビキアカネタカとなり、巨大な翼で邪神を攻撃していった。
やはり切り札として残しておいただけはある。
ファイナルフォームライド状態となったライダー達の攻撃を基点として再びライダー側のターンとなる。
邪神もダブル達の攻撃が残っているのか抵抗の頻度は少ない、これはいける! ディケイドが叫んだ。
「終わらせるッ!」
怯む邪神を見てディケイドは決着をつける事を決意。
全ての力をディケイドライバーに込めて彼は金色のカードを大量に生成した。
そして思い切り息を吸い――
「りょうたろぉオオオオオオオオオオオオッッ!!」『ファイナルアタックライド』『デデデンオウ!』『ディディディディケイド!』
ディケイドの身体が光に変わりデンライナーと合体、するとデンライナーがオーラとなり中心にディケイドのシルエットが見えた。
赤のオーラ、青のオーラ、金色のオーラ、紫のオーラ、それぞれのデンライナーのオーラに包まれた四人のディケイド。
そのままディケイド達は武器を構えて邪神の周りを駆け巡った!!
『ハナちゃん!』
「うん! 良太郎! 司!」『VEGA・FORM』『FULL CHARGE』
「グオォオオオオオォォォオォォオッッ!!」
アシストにゼロノスがベガフォームに変身、同時に必殺技が発動。
"フルスロットルライナーズ"、電王とディケイドの複合必殺技は全ての首に均等なダメージを与えていく!
いける! ディケイドは技の終了と共にすぐにカードを発動させた。
「翼先生ッッ!!」『ファイナルアタックライド』『アアアアギト!』『ディディディディケイド!!』
アギトトルネイダーに飛び乗るディケイド。
ホログラムカードを蹴り飛ばして一つの首を確実に仕留められるルートを確保しようと――
「クッ!」
『気づかれたね……ッ!』
しかし邪神は首を巧みに動かせて抵抗を試みる。
厳しいか? ディケイドがそう思った時――
「まかせろ」
「『ッ!』」
トンッ! とアギトトルネイダーに着地する小さな影。
彼はいきなり現れたとは思えない程当たり前にホログラムカードを蹴り飛ばした。
訳も分からないままにカードは全て場に設置される。そこで様子を変えるディケイド、それはそうだ目の前にいるのは――
「早く行けッ! このルートならば問題は無いッ!!」
「あ――……ああッ!」
ディケイドは強く頷いてトルネイダーを発進させる。
邪神もソレに気がついたか、散弾銃の様に広がる炎を発射してみせる。
弾幕の様に猛スピードで広がっていく火球、思わず怯みそうになるディケイドだがトルネイダーに乗っている影は相変わらず問題ないと言ってみせる。
「回避のルートも予測済みだ!」
「!!」
影――、ではない。サトリはディケイドに最も適切なルートを教えていった。
邪神には心こそ無いが、サトリの反射神経ならばこの炎の群れを回避する事など難しい事でもない。
サトリは相手の考えている事を読んでから回避のルートを立てていた、そしてソレを実行できる反射神経が存在する。
おかげで邪神の攻撃をディケイドは全てかわす事ができた。サトリはそのままディケイドに邪神の動きの予測を伝えていく。
予測と言う性質上、確実ではないがディケイドもディケイドで止まると言う事はしなかった。
目の前にいるサトリを信じたから。
「『いっけえええええええええええええええええええええええッッッ!!!』」
ディケイドトルネード、金色の軌跡が邪神の一体に直撃する!
まだ終わらない、サトリは闇のエネルギーを金色のオーラに重ねた。
闇と光のエネルギーが増徴して――
「ゴガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
爆発、闇と光に包まれて邪神の首の一本が動きを止めた。
まだだ! アギトトルネイダーはそのまま光を纏ったまま動きを止めた首に突進していく!
他の首も当然邪魔しようとアギトとディケイドを狙うが――
「邪悪の神よ、ここで消え去るがいいッ!」
闇の球体をサトリが発射。
それは他の首の口をふさぐ様にして命中、動きを止めるだけでなく火球や咆哮を防ぐ役割も果たした。
そのアシストもあってかアギトトルネイダーは動きを止めていた首に直撃、そして飛び上がるアナザーアギト。
「ハアァァァァァ――……ッッ!!」
アサルトキックが加わり一気にダメージが上乗せされる。
その結果――
「ガアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
ついに爆発。
龍の様な装甲が粉々になり連鎖的に爆発、八本だった首が爆散し遂に七本に変わる!
着地するディケイド、アギト、アナザーアギト、そしてサトリ。ディケイド達はついサトリに視線を向けてしまう。
彼は何故協力してくれたのだろうか? そんな心を読んだか、サトリは唇を少し吊り上げてディケイド達を見た。
「どんなに絶望に塗れたとしても、お前たちの心は折れない」
「……ああ、俺達は勝たなきゃいけないからな」
「醜い抵抗だ。しかしそれでも希望にあふれた勝利を掴むと言うのなら……私もまた戦わなければならないのかもしれない――」
そう思っただけだ、そう言ってサトリは邪神を指差す。
首が減った今ならば一気にダメージを与える事ができるかもしれない。しかしアギトは今の一撃で力を大きく消費してしまった様だ。
これはある意味で力を全て注ぎ込む賭け、しかしそんな思いを吹き飛ばす様な気合の声が。
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!」」」
「!!」
そこに見えたのは、なんと無数の妖怪達だった。
一度は戦った者達だが、今はその力を邪神にと向けている。
それは同時に彼らが恐怖を振り切った意味でもあった。ディケイド達はサトリを見て、サトリは何も言わずに頷く。
誰もがそれをしなければならないと知っていた、だが恐怖からできなかった。
しかし絶望と戦い続けるライダー達を見て彼らもたった一つ、そして唯一無二の答えを出した。
自分も、世界を守る為に戦わなければならないのだと!
「グギャアアアアアアアアアアアアア!!」
邪神の身体に刻みつけれられた一閃。
そのダメージを与えたのは妖怪城の門番をしていた"一角大王"や"赤鬼"だった。
「恐怖よッ! ここで潰えるがいい!」
「うおおおおおおおおおおおおッッ!」
門番たちの攻撃を受けて邪神は反撃の咆哮を放とうと息を吸い込む。
しかしその時、邪神の影が動き出して口をふさぐ様に拘束したではないか。
それは"夜道怪"の仕業、彼もまたこの戦いに参加の意を示したのだ。
「今じゃ! こやつを!!」
その想いに答える様に男は声をあげる。
「――っしゃあッッッ!! 司ァァアアアアアア!!」『アドベント』
「ああ! 真志!!」『『ファイナルアタックライド』』『リュリュリュリュウキ!』『ディディディディケイド』
一瞬だけ龍騎に戻りドラグレッダーを召喚、そして再びリュウキレッダーに。
二対の深紅の龍、それはディケイドの周りを激しく旋回して無限のマークを形作る。
構えを取って狙いを定めるディケイド、そのチャージを完了させる為に動いたのはファム。
「止まってろってのッ!!」『ファイナルベント』
ブランウイングが発生させた強風に邪神も思わず動きを止める。
さらにファムはその風に乗せてウイングスラッシャーを投擲、風にのったスラッシャーは一つの首に思い切り突き刺さる。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
痛みの咆哮を上げる邪神、しかし抵抗を見せる気配は無い。
首達は皆別々の動きをとっており、混乱している様子だった。何が起きているのか? 答えは――
「幻惑が効いて助かったわ……ホンとにね――ッ!」
「アンタは……ッ!」
ファムの隣に現れたのは"妖狐"だった。
彼女が発生させた幻術で邪神たちは皆偽りを見せられている状況なのだろう。
そうこうしている内にチャージは終わったようだ、ディケイドと二つの龍は飛び上がりファムの長刀が突き刺さっている龍へと狙いを定める。
激しく旋回するレッダー達、現れるホログラムカード。ドラグレッダーとリュウキレッダーの瞳が強く輝く!
「破壊者さんにプ・レ・ゼ・ン・ト!」
さらに妖狐はホログラムカードの周りに火炎の輪を発生させた。
彼女もまた炎を操る身だ、自らの炎を上乗せさせる気なのだろう。
ディケイドはファムと妖狐に礼を言うと複合必殺技であるディケイドドラグーンを発動させる!
「『ダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!」』
通常ならば炎を発射して終わりのレッダー達。
しかし今はディケイドの周りを旋回しながら追従していく、邪神が行ったドリル攻撃と同様だ。
そして妖狐の火炎輪を通りぬけた瞬間、炎のエネルギーが追加されよりディケイドドラグーンは強化されていくのを感じた。
「「「「「「「!」」」」」」」
幻術の効果が切れたのか、邪神はすぐにディケイド達に反応。
七つの首から同時に火球を発射してディケイドドラグーンを防ごうと抵抗を見せた。
だが甘い! ディケイドドラグーンは何の障害でも無いかのように火球を打ち破るとファムのウイングスラッシャーへ直撃!
そのまま蹴り貫き一本の首を爆発させた。また一つ首が減る、勝利への布石が確実に。
「「「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」
痛みと抵抗を示す邪神、その首を思いきり振り回して攻撃を行うが――
「シャァァァ――ッッ!!」
「グウウウウウウウウウウ!!」
妖怪"濡れ女"と"大百足"は蛇のような身体を使って邪神の回りを動き回る。
注意をひきつけられる間に、間合いに入る者が一人。真っ黒な手、それは妖怪"黒手"だった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!」
その手で思い切り邪神の一体を殴りつける。
黒手の攻撃に怯む邪神、ここを逃したら後は無い。ディケイドとファイズは頷き合いカードを発動させた!
「拓真ッ!」『『ファイナルアタックライド』』『ファファファファイズ!』『ディディディディケイド!』
ファイズブラスターを構えるディケイド。
そしてそのファイズブラスターに飛び乗る男が一人。
「!」
「我の闇、それは邪を貫き、絶望を塗りつぶす力にならん事を――ッ」
"酒呑童子"、彼は自らの闇をファイズブラスターに全て注ぎこんでいく。
その思いを受け取り強く頷くディケイド、狙いはホログラムカードが連なる先、その一点のみ!
「拓真! いまだよッ!」
『うん! 司くん!!』
「ああ! 発射ッッ!!」
引き金を引くディケイド。
同時にオートバジンはファイズサラウンダーを、デルタはジェットスライガーのミサイルを発射してサポートを行う。
ディケイドフォトン、超巨大な赤黒いレーザーは五枚のホログラムカードを通過してさらに強化される。
その紅の闇は邪神の炎をかき消すと狙った首に直撃、完全に消滅させる事に成功した。
「まだだぁ!」
「くらえ邪神めっ!」
「サザエ弾丸発射!!」
さらに追撃、妖怪"枕返し"の能力によって平衡感覚が狂う。邪神は転倒し、さらにそこへ"黒坊主"と"サザエ鬼"の攻撃が。
自らが餌と見下している者に押されている現実、怒り狂う邪神はその巨大な口をあけて直接彼らを食い殺そうと牙をむく。
そんな者達をかばう様にして立つのはブレイド。ジャックフォームの彼は攻撃をするでもなく邪神を挑発する。
「ッガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「ッ!」
見た目とは裏腹に一瞬でブレイドを口の中に入れる邪神、しかし――
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
『釣り乙』
ブレイドは口の中に入った瞬間にブレイドブレードに変身、口の中は防御力も薄く邪神はすぐにブレイドを吐き出した。
その着地点には既にディケイドが。振ってきたブレイドブレードをキャッチすると剣先を邪神に向ける。
「いくぜ椿」
『ういっす!』
ブレイドブレードを構えるディケイド、隣には――
「あわせてくれるか?」
「まかせろ、確実に仕留める――ッ!」
七天夜、"鬼河童"が村正を構えていた。
あふれんばかりのエネルギー、それは恐怖を乗り越えた者のみに与えられる力。
七天夜のプライド、それはこんな所で死ぬものではない。そうだろ? 鬼河童は自らを叱咤してさらに力を増幅させる。
「グオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
「ガアアアアアアアアアアアアアアア!!」
呪いの咆哮、だがそれはウィザードが電子音でかき消す。
フォーゼやダブルも以前として飛び道具で援護、さらに――
「行きますよ足長!」
「おうともよッ! 手長!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
"手長足長"はエネルギーの弾丸と蹴りで邪神を怯ませた。
反撃を行おうとする邪神だが"煙々羅"がスモークを発生させて姿を隠す。
邪神もその中では狙いを定められずに攻撃を空振りさせてしまった。
「今だ!」『ここよッ!』「『それが好機ッ!!』」
"両面宿儺"、彼と彼女は巨大なエネルギーの拳で邪神の一体を殴る。
「クロロロロ!」
「ロロロロロ!!」
大量の"河童兵"も加勢にきてくれた。
生まれる隙、それを確認して鬼河童は鞘から村正を解き放つッ!!
「恐怖を断ち切れッッ!!」
一閃――ッ!
刀から放たれる衝撃波が邪神の一体を縦に引き裂いた。
抵抗も許さず一撃で絶命させるその威力、もしも彼が本気で自分達を狙いに来ていたらと思うとゾッとする。
「終わりだッ!」『『ファイナルアタックライド』』『ブブブブレイド!』『ディディディディケイド!』
しかし今は頼れる味方だ、ディケイドは追撃にカードを発動させる。
それだけでなくディケイドの周りにはカリスたちが。
「受け取れ椿、司!」『トルネイド』
「椿くんっ! 司くん!」『ブリザード』
「負けたら承知しないわよッ!」『ファイア』
カリス、レンゲル、ギャレンの属性がブレイドブレードに付与されていく。
そして横一列に並ぶホログラムカード達、ディケイドはそこを通過させるようにしてブレイドブレードを振るう!
「『ウェアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!』」
ディケイドエッジ、その斬撃が首をはねる!
首が減っていき回復量も低くなるのだ、一旦後退する邪神だがその足が泥によって固められてしまった。
何が? それは"泥田坊"が発生させた物。
「今だッ!」
「感謝する泥田坊!」
「一気に残りの首を!」
「いけるぞ! 数はもうそれほど無い!!」
飛び出したのは"化け猫"、"土ぐも"、"狂骨"。
狂骨の鞭、土ぐもの強靭な糸で邪神を拘束して化け猫がダメージを与えていく連携。
口は糸と鞭でふさいでいる為に邪神は咆哮も炎も出す事はできない、対して終わらぬ攻撃。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
邪神に勝るとも言わぬ咆哮を上げるのは"雷獣"となった"鵺"。
電磁砲を打ち込み邪神に絶大なダメージを与えていった。巨大なレーザーが邪神を包む!
「アグオオオオオオオオ!!」
「………ッ」
「コノヤロー!」
追撃を行うのは"おとろし"、"一本だたら"、"化け提灯"。
化け提灯が邪神の力を吸い取り動きを鈍らせ、そこへおとろしが落下。
ダメージを与えた所で1本だたらがさらに刀を振るってダメージを与えていった。
「双護ッ!」『ファイナルアタックライド』『カカカカブト!』
『ああ!』『ディディディディケイド!』
上空へ猛スピードで消えていくデュアルカブトゼクター。
同時に現れたのは"ヤマアラシ"、そして七天夜"白澤"。
「天王路双護ッ! 加勢する!!」
「司君、答えを示そうじゃないか!」
ヤマアラシの針が邪神を捉え、無数の針が装甲を貫いていく。
吼える邪心に刻み付けられていく閃光達、それはガタックたちだった。
「いくぜ皆ッ! ライダーキックッ!!」『ONE』『TWO』『THREE』『RIDER KICK』
「了解したよ鏡治! ライダースラッシュ!!」『Rider Slash』
「ライダーシューティング!」『Rider Shooting』
「ライダーパンチ!」『Rider Punch』
「ライダーキック!」『RIDER KICK』
ガタック、サソード、ドレイク、パンチホッパー、キックホッパーの必殺技が邪神に命中。
さらにディケイドがとび蹴りをしかけ、命中させる! とび蹴りが命中した部分に浮き上がるカブトの紋章、これはロックオンの印。
既に必殺技は発動されているのだ、それはその軌跡と言う事。
「『決まれッ!!』」
空から白澤の雷を纏いながら急降下してくるデュアルゼクター。
五枚のホログラムカードが道を作り、それを通過しながらデュアルゼクターは紋章めがけて突進していく。
まるでそれは隕石の様に、さらにそこへ蹴りを重ねたディケイド。ディケイドメテオ、白澤の力もあってか邪神の一体が爆発して消え去った。
「残る首はあと三つか――ッ!」
しかし連続必殺技使用と言う事もあってか、ディケイドの動きが鈍りだす。
やはり蓄積される疲労は凄まじい、思わず力が抜けて膝を着き倒れそうになるディケイド。
しかし、その手を掴んで支える者が。
「まだ倒れるのは早いぜ。だろう? 兄さん」
「ああ、そうだな――ッ!」
キバの手を掴んで立ち上がるディケイド。
そうだ、まだ倒れる訳にはいかない。倒れるのは邪神を倒してからだッ!
キバとディケイドは頷き合う。そしてキバが変身、キバアローを構えて邪神を真っ向から見据える。
隣に立つのは七天夜・"夜叉"、彼もまた自らの葛藤や苦悩に答えを出した様だ。
「……共存は――人と妖怪がいなければならない」
珍しく夜叉自らが言葉を並べる。
確かに共存は難しいテーマ、答えが簡単にでる事はないだろう。
しかし根本的な答えとして人と妖怪が安心して暮らせる社会をもたなければならない。
その為に邪神を倒す、夜叉は呼吸を構えて狙いを定めた。彼の周りには"ペナンガラン"と"ランスブィル"が。
「夜叉様、胡弓を!」
「動きを止めますッ!」
ペナンガランのアシストで強化される夜叉の衝撃波、その隙にランスブィルが舌で邪神の首を二本縛り上げる。
残りはサガが、イクサが銃弾を使って動きを封じた。しかしココである異変を感じる。
それは確かな違和感、そして確実な変化。
「クッ!」
「コイツ……確実に力が――」
サガ達の拘束が千切れそうになる。
邪神は首を失った事でダメージを負う様にはなってきた、だが確実に力が上がっている。
まさか八本に供給していたエネルギーが集中してきている? だとすれば厄介だ、倒せる程になればなるほど強化されていくとは。
邪のオーラが膨れ上がるのを感じる、まさにコレは何よりの恐怖。希望が膨れ上がれば上がる程にヤツはそれを叩き壊そうとする。
絶望で塗り替えようとしてくる。ここで勝てなかったら終わりだ、なのにまだ抵抗するのかこの恐怖は――。
「「「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」」」
「!?」
三つ首の邪神が吼える時、なんと腕と足が出現したではないか。
さらに硬化していく鎧、やはりエネルギーが密集している事で進化を遂げたと言う事だろう。
元々邪神は不完全な状態でこの地に立った、いずれやってくる最終形態が本気と言う事か。
「おいおいッ!! これはやばいっての!!」
腕でサガ達の拘束を引き千切ろうとする邪神、これは耐えられない!
すぐに次の作戦を――
「まだだッ! まだ終わらない! アササボンサン! ラ・セーヌ!」
「うおおおおおおおおおおおおお!! 粘着樹液ッ!!」
「死の洗礼を受けやがれぇえええええええええッッ!!」
「!」
地面が割れ、そこから赤い草木が邪神に絡みついていった。
それだけではない、粘着性の樹液が次々に発射されて邪神に纏わりつく。
さらに無数の針がマシンガンの発砲音と共に着弾していくではないか。これは――! キバと夜叉は思わず驚きの表情を浮かべた。
『樹裏架さん……』
「ふん――!」
"樹裏架"、"アササボンサン"、"ラ・セーヌ"は夜叉達と並び邪神を睨みつける。
度重なる攻撃や樹液もあってか再び動きを止める邪神、樹裏架は今の内にと合図を出した。
しかし気になるのは彼女たちの心情だ、邪神を倒す事はなんの為に? そんな雰囲気を感じたのか、樹裏架が口を開く。
「安心しろ、別にヤツを倒した後に支配者に名乗りでる気はもうない」
『それは――』
「だが、勘違いしてもらっても困る。私達はまだ共存に納得した訳ではない」
ただ純粋に邪神が邪魔だから消す、そう言って樹裏架は拘束を強めた。
樹液が加わった強靭な草木のロープ、それは邪神の力でも中々引き千切る事はできない。
それに、最後に樹裏架は一言付け加える。夜叉達、正確にはペナンガランとランスブィルを見て。
「仮にも隊長だった身として――……部下を傷つけさせる訳にはいかない」
「―――!」
これでどうだ? そう皮肉めいた笑みだったが彼女にも何か思う所があったのだろう。
今はこれでも十分な程だ、ディケイド達は頷くと再び狙いを邪神に定めカードを発動させた。
『『ファイナルアタックライド』』『キキキキバ!』『ディディディディケイド!』
矢を振り絞るディケイド、同時に彼の前に巨大なホログラムカードが出現。
次にキバアローのカテナが開放、同時にホログラムカードがステンドグラス状に変化した。これで準備は整う、後は放つだけだ!
「『貫けぇええええええええええええええッッッ!!』」
ディケイドは矢を発射、アローはステンドグラスを粉々に砕いてバラバラに。
そこへ夜叉の衝撃波が加わりさらにグラスはバラバラになる。だがこのグラスの破片こそが武器。
まるでそれらは牙の様にして邪神の身体に降り注いでいく!
「「「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」
ディケイドファング、アロー自体もまた邪神の一体を打ち貫いた!
そこへ夜叉のレーザー砲。もはや耐えられる道理など無い、邪神の首の一つが爆発して活動を完全に停止させた。
「あと二本だッッ! 死ぬ気で行くぞ!!」
だが同時に邪神も進化、巨大な翼が生えて邪神は拘束を全て吹き飛ばす。
飛び上がる邪神、空中から次々に炎を発射して辺りを爆発の海に変えていった。
なんとかそれぞれは防御する事ができた様だが、それでも受けるダメージは大きい。
早く決着を――ッ! そんな想いを受け止める様にして飛翔してくるのは"鬼太郎"だ。"一反木綿"に乗り込んで邪神へ向かっていく。
「頼むよ、一反木綿」
「任せるばいッ!! あ、いや任せろ!!」
方言を隠しながら気合を入れる木綿、鬼太郎も髪の毛針やオカリナを使って邪神の注意をひきつける。
その間に地上ではぼたん、みぞれ、あられ、つらら達雪女が力をためている所だ。
隣では何やら陽も札を設置している様で、後はうまくここに邪神を落としてくれれば――
「司ッ!」『『ファイナルアタックライド』』
「ああ、いこうぜユウスケ!」『ククククウガ!』『ディディディディケイド!』
クウガゴウラムに捕まり同じく飛翔するディケイド、鬼太郎を見るとどうやら狙いを定めたようだ。
二本のうち、右の首にダメージを与えていくのが見える。
「地獄の鍵よ、地獄の泉よ!
第三のフォームチェンジ、血晶輪舞。
血の池地獄は鬼太郎に液状化の力を与える。
髪の毛が青く染まった鬼太郎、彼は赤い液体になると邪神の顔に纏わりつき視界を奪う。
その間に加速するディケイド達、頃合と見たか鬼太郎は元に戻り別の鍵を発動させた。
「地獄の鍵よ、地獄の鋼よ!」
武頼針、針山地獄に変わる鬼太郎は一反木綿に飛び乗り一度距離をとる。
ふらつく邪神に向かうクウガゴウラムとディケイド。
そして鬼太郎と一反木綿、二組は加速して右の龍に狙いを定めた!
『いったれユウスケ! 司!!』
「鬼太郎!!」
薫と一反木綿のエールに頷く一同。
そして――
「『おりゃあああああああああああああああ!!』」
「武頼針ッッ!!」
ディケイドアサルトと武頼針の回転攻撃が直撃、その衝撃で邪神はよろけ地面に落下していく。
倒しきる事ができなかったところを見るとやはり強化がなされている様だ、これが残り一本になった時どうなるのだろうか?
その焦りと恐怖はあるが、とにかく首の数を減らさない限り自分達に勝利は無い。
「グゴガァァァアアアアァァアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「よし! 流石は鬼太郎達だ!」
指を鳴らす陽、しっかり狙ったところに落としてくれた。
陽は札を既に設置済みであり結界を発動させる。五芒星に輝く陣の中心に落とされた邪神。
陽の力によって弱体化させられていく、そこがチャンスだと彼は叫んだ。
「くらえッ!
「ほりゃああああああああああああ!!」
「ぬーりーかーべーッッ!!」
"砂かけ婆"特製の爆発する砂で発生させられた砂嵐、そこへ石化した"子泣き爺"と"ぬりかべ"のダイブが加わる。
装甲さえも粉々にする攻撃、邪神の抵抗も陽が封じてダメージが跳ね上がっていく。
「フィニッシュだ、くらいやがれぇえええええええええ!!」
ラストに"ねずみ男"の屁である。
これがまた効いたのか、邪神は苦痛の悲鳴をあげて動きを鈍らせた。
しかし陽はため息混じりに――
「品の無いラストだねぇ」
「うるせーッ!」
そうしている間に"雪女達"のチャージが終わった様だ。
周りにいたメンバーが一勢に離れて合図を出す。
「「「せーのッ!!」」」
ぼたん、みぞれ、あられが同時に力を解放させる!
「「「雪月花!!」」」
それは一瞬だった、邪神が巨大な氷の華に封じたれたのは。
美しい幻想的なオブジェの檻、邪神の動きが完全に停止した始めての光景かもしれない。
今ならばいける! 着地する鬼太郎、そして彼の隣にやって来る"地獄童子"と"一刻堂・陽"も加わって三人は頷きあう、周りには麓子と幽子が声援を浴びせていた。
「頑張って! あと少しよ!」
「みんな! 地獄童子! ファイト!」
それに合図を返す一同。そして――
「鬼太郎……! 私も一緒に!」
「ああ、行こう。猫娘」
"猫娘"に変わる寝子。
彼女は自分の妖力を対象者に全て分け与える奥義・猫の手を使い鬼太郎に憑依する。
寝子の妖力からか鬼太郎の髪が赤く染まっていく。準備は整った、構える三人が狙う先は右の首だけ。
「地獄の鍵よ、地獄の業火よッ!」
「気合入れろよ! お前らぁッ!!」
「はいはい、皆行きますよ!」
頷く三人。鬼太郎は炎の獄炎乱舞、地獄童子は雷の紫電一閃を発動。
そしてそれらに一刻堂・陽が封印のエネルギーを与えて一気に解き放った。
エネルギーと属性の奔流は右の龍に直撃して文字通り無へと帰した。爆発ではない、消滅にて決着をつける。
「ラストだ! 我夢!!」
「はい!!」
ディケイドの声を受けて響鬼、天鬼、轟鬼は頷き合い音撃を発動させようと邪神に駆け寄った。
このダメージ量ならば確実に倒す事ができる! 誰しもがそう思い、響鬼達は音撃を打ち込む初期動作を取った。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
「うわああああああッッ!!」
「なっ! まだ立てるのか!!」
首が一つとなった邪神、陽の拘束を吹き飛ばすとさらなる進化を遂げる。
鎧がますます強化されて巨大な角が生える。それだけではない、翼や腕や足が巨大化、もうそれは大蛇ではなく完全な龍と変わった。
邪神は高速回転で響鬼達を吹き飛ばし、かつ黒い雷を発生させて辺りにいる妖怪やライダーにダメージを与えていく。
「クッ! まだ――ッ!」
天鬼は何とかして鬼石を打ち込もうと引き金を引いた。
しかし鬼石はまったく邪神の装甲には歯が立たずに弾かれるだけ。
ゾッとする一同、ダメージは与えたが新たに現れた鎧が固すぎる。これでは響鬼でも轟鬼でも音撃を打ち込む事はできない筈だ。
「だがそのまま倒せる可能性もある!」
たしかに今までの事を考えるとそれもある。
鬼河童は村正を、鬼太郎は武頼針で鎧を破壊しようと試みるが――
「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
「「!?」」
黒いオーラが鎧に纏わりつき二人の攻撃を受け止める。馬鹿な! こんな力をまだ持っているなんて!?
すぐにウィザードが電子音で咆哮をかき消そうと試みるが無駄の様だ、邪神は腕を振るって黒い嵐を発生させる。
それに呑み込まれていくウィザードやダブル達、続いて邪神はその角を発光させる。
「ぐああああああああああああ!!」
平衡感覚がグチャグチャにされ放られる一同、さらに地面から黒い棘が出現、上空へ打ち上げられる戦士達。
邪神は翼を広げてそこからエネルギーを発射、打ち上げられた者達に追撃を浴びせていく。
倒れていく仲間達、邪神は咆哮を上げると黒い炎を口から発射、さらに爆発が辺りを包んだ。
「が――……ァ」
邪神は手を合わせてゆっくりと離していく、すると中心に浮かび上がっている刻印が見えた。
何だアレは? それを確認する間もなく邪神は手をたたき合わせて刻印を潰す。
すると衝撃波が発生、それに触れた者たちは大きく吹き飛び地面を転がっていく。
「これは――ッ!!」
問題はそれだけじゃない、いつのまにか体にあの烙印が刻まれているじゃないか!
見える紫の牙、気がつけば呪いの攻撃を身に受けている所だった。
膝をつくライダー達、そこへ連続で放たれる火球。
「うわあああああああああああ!!」
「あがぁッッ!!」
強い、強すぎる! ココまで来て勝てる可能性が一気に減ってしまったではないか。
邪神の目が語る恐怖と絶望、神に逆らった愚か者を全て殺すと瞳が語っている。
誰もが邪神の恐怖に包まれ動きを止めた。そこへ打ち込まれる黒き雷、痛い――ッ! 怖い!!
しかし、しかしそれでも――
「オオオオオオオオオオオッッ!!」
諦めたくないんだ!
飛び出したのは"総大将ぬらりひょん"、この世界の長たる者が動きを止めてはならない。
そう言わんばかりに彼は刀で邪神に切り掛かって行く。誰もが恐れをなした過去、しかし今はそうなってはならない。
たった一人の為に絶望と戦う決意を固めた少年が、少女がいる。そんな者達の想いに自分達は負けた。
ならばその想いをこんな所で潰えさせる訳にはいかないんだ、世界を守ろうと言ってくれた彼らを死なせる訳にはいかないのだ!
「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
「ムンッッ!!」
邪神の角をぬらりひょんは受け止め、そして受け流す。
装甲は固いが衝撃ならばとぬらりひょんは杖で邪神を何度も殴りつける。
抵抗を示す邪神、しかしぬらりひょんはソレをことごとく交わして追撃を行う。
「ぬらりひょん様ッ! 負けないでくださいぃ!!」
"朱の盆"の応援を受けてぬらりひょんは攻撃の勢いを加速させていった!
「そうだ……まだ負けた訳じゃない!」
「ああ、せっかくココまで来たんだ! 絶対に諦めるなぁッッ!!」
そんな声が聞こえてくる。
もう誰も恐怖で諦めるなどと言う考えは持っていなかった。
誰しもが勝利を望む、目の前の絶望を倒すと言う事を決意している。
それは何よりの希望。諦めない! 負けない!! 必ず勝つ!!!
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
邪神が発生させた黒い炎。
吹き飛ばされるディケイド達、だがまだ立ち上がる。何度だって、この命が尽きるその瞬間まで立ち上がって戦ってみせる。
世界を守る事、大切な人を守る事。それを叶えてくれる力がある限り絶対に諦めてはいけない。
そうだろ? ディケイドは、司は心でその名前を強く叫んだ。"正義の味方、仮面ライダー!!"
「僕達は―――」
響鬼もまた叫ぶ。
この力は正義と平和を守る者だと言われた、その為にこの場で負ける訳にはいかない。
だから叫ぶ、叫び続けてもいい、この戦いは――
「負ける訳にはいかないんですッッ!!」
それはクウガもアギトも、龍騎もファイズも、ブレイドもカブトも、電王もキバもディケイドも同じだ。
そうだろう? 仮面ライダー。あの日、幼いときに夢見た正義を今ここに与えてくれ!
あの日目指した正義を、この手に与えてくれ!
この腰に、正義の力を!!!
「ッッッ!!!」
その時だった、ディケイドのライドブッカーが光り輝いたのは。
ディケイドは急いでブッカーからその原因であるカードを取り出してみる。
直後頭に叩きつけられるカードの詳細、それはクウガからディケイドまでの紋章が並んだカード――
「こ、これは……」
"コンプリートカード"だった。
「皆ッッ!!」
「「「「「「「「「!」」」」」」」」」
「我夢を中心に、囲む様に立ってくれ!!」
ディケイドの言葉を受けて――
クウガ、アギト、龍騎、ファイズ、ブレイド、カブト、電王、キバは言われた通り響鬼を囲む様に円形に並ぶ。
そしてディケイドも加わり円陣は完成。だが一体何をしようと?
「うおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」
「グガアアアアアアアアアアアアアッッッ!!」
他のメンバーのアシストもあってか、ぬらりひょんは邪神を地面に倒す事に成功する。
生まれた隙は大きい、むしろ今を逃してはない! 未だに円形に並ぶ意味が分かっていない響鬼達。
だがディケイドは構わずにそのカード、コンプリートカードを発動させた。
「これが! 仮面ライダーの力だァアアアアアアッッ!!!」
『ファイナル・カメン・アタック・フォームライド――』
その瞬間クウガからキバまでのライダーの脳に効果が叩き込まれる。
瞬間漲り溢れて来る力。熱い光がこの魂に、ベルトに感じられる。気がつけば10人は魂を乗せて叫んでいた。
それは勝利の咆哮か、それとも希望の雄叫びか!
「「「「「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!」」」」」」」」」」
『ククククウガ!』 『アアアアギト!』 『リュリュリュリュウキ!』
『ファファファファイズ!』『ブブブブレイド!』『ヒヒヒヒビキ!』
『カカカカブト!』 『デデデデンオウ!』『キキキキバ!』
ライダーの呼称音と共にそれぞれのベルトが激しい光を放つ!
そしてベルトの中心からライダー
クウガとアギトは構えのポーズを。
龍騎はファイナルベントの構え。
ファイズは手首を振る動作。
ブレイドはラウザーを突き立てる動作。
響鬼は敬礼の様にシュッと手を振るう。
カブトは天をさすポーズ。
電王は名乗りを上げる時の構えを。
キバは両手を広げるポーズを。
そして最後にディケイドが手を叩き合わせて構えた、同時にディケイドライバーから紋章が!
『ディディディディケイド!!』
10人の紋章は出現した後、動き出して旋回を始める!
響鬼だけはその場に留まり、後はさらに加速を始めて響鬼の周りを激しく旋回していく。
何故あのポーズをとったのか、誰も明確な理由は無かった。ただ溢れる力がそうさせただけ。
10人の想いはただ一つ、邪神を倒し世界を守る。友を、平和を取り戻す事だ。
全てを救う、全て守る。甘い考えか? 上等だ、それを可能にする力こそが仮面ライダー!
電撃が、稲妻が、熱風が辺りを包み込む。地獄の影を、深い闇を引き裂けッ!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――!!」
吼えろ!
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――!!」
吼えろ!!
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ――!!」
吼えろ!!!
「「「「「「「「「「ライダァァァァァァアアアアアアアアアアアアア!!」」」」」」」」」」
その言葉もまた心が言わせた言葉である。
10人のベルトが最高の輝きを放ち、響鬼は再びヒビキアカネタカとなり上空へ飛翔。
そして中心の響鬼を除く9人は手を上に伸ばして響鬼へと手をかざす。
仮面ライダーであること。その使命を胸に心を1つにする時、奇跡が起きるのだ!
そして先ほどの言葉にはまだ続きがある。彼らの言葉は、物語はまだ終わってはいない。
ライダァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――
「「「「「「「「「「シンドロォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオムッッッッ!!!」」」」」」」」」」
ライダーシンドローム、その言葉と共に9人の紋章がヒビキアカネタカの周りに移動する。
尚も激しく旋回を続ける紋章達、そして響鬼の紋章がアカネタカに融合していく。
ヒビキアカネタカの全身に刻み込まれる響鬼の紋章。
そして次に龍騎の紋章が融合、ヒビキアカネタカの顔部分に鎧となって装備される。次はクウガの紋章が龍の兜の角部分に。
さらに右足の部分にアギトの紋章が付与、左足にはファイズの紋章がそれぞれ鎧となって追加。
その足には電王の紋章が宝石となって握られている。尾はカブトの紋章に、翼はキバの紋章に変わり、背中にはブレイドの紋章が鎧となって追加される。
最後にディケイドの紋章がヒビキアカネタカを通過、プレート群が突き刺さる様に装備されて奇跡は完成された。
「完成だ! アームドアカネタカ!!」
10人の力が融合した響鬼のファイナルフォームライド。
全てを超えるその翼を広げてアームドアカネタカは邪神めがけて一気に飛翔する!
当然邪神もそれに気がつき、無数の巨大な炎で攻撃を行う。だが――
『これで終わりだッ! 邪神――ッ! ヤマタノオロチ!!』
「グゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ――ッッ!?」
邪神が放つ炎を全てかき消して加速するアームドアカネタカ。
閃光となり邪神に直撃、翼を切断してさらに打ち上げていった。
抵抗を示そうとする邪神、だがその隙も与えない間にアームドアカネタカは上空へと加速していく!
『司先輩!!』
「ああ、決めるぞッ!!」『ファイナルアタックライド』『ヒヒヒヒビキ!』『ディディディディケイド!』
ヒビキアカネタカが変形、巨大な音撃鼓となり邪神の腹部に展開した!
直後地面に叩きつけられる邪神。ディケイドは自身の紋章が刻まれた音撃棒を構えて跳躍、邪神へと飛び乗った。
「ハァァァァ―――………ッッ!!」
音撃棒をゆっくりと天へかざす。そして――
「ハァアアアアッッ!!」
「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
叩き込むッッ!!
二度、三度、音撃棒を叩き込み音を立てるディケイド。
『今ならいける! アキラさん! 鴉天狗さん!』
「は、はい!」
「承知したッ!」
天鬼は鬼石を発射、少し前までは弾かれていたが今はディケイド達の力もあってか鎧を突き破り命中していく。
そして轟鬼、烈雷を邪神に突き刺して準備を完了させる。
「音撃射! 疾風一閃!!」
「音撃斬! 雷電激震!!」
烈風から音撃が、烈雷から音撃がそれぞれ放たれて響鬼の音撃と共鳴。
響鬼、轟鬼の順に音楽が完成し、そして天鬼の音撃が加わり一つの音楽になろうとしていた。
まだ終わらない、まだ音撃を使える者はいるのだから!
「さあ、終わりにしようか」『カメンライド――』『ザンキ!』『イブキ!』
ディエンドは二体のライダーを召喚。それは別世界の鬼、音撃を操る鬼なのだ。
ディエンドはさらにファイナルアタックライド・クロスアタックを発動。自らも音撃を発射し、さらに三つの音を重ねる。
「おぉ……」
その様子を見ていたぬらりひょんは思わず呟いた――
「なんと、美しい――!」
ディケイド、響鬼、天鬼、轟鬼、威吹鬼、斬鬼、ディエンド。
三つで勝てると思われていた音撃が7つとなって邪神に襲い掛かる。
共鳴し合う力は絶大な1となり音撃達はひとつの音、音楽と変わる。重なり合う力と心、そして命。
音撃鼓となった響鬼はその音達を収束させ、さらに邪神の体内に音撃を直接打ち込んでいく。
全ての音撃を込めた一撃を響鬼は叩き込んでいった。音撃のコンサートはその後もしばらく続き、最強の力を邪神に叩き込んでいく。
そして演奏は終わりを告げる。響鬼は、ディケイドは最後の一撃を打ち込む為にゆっくりと音撃棒を振り上げた。
「『たあああああああああああああああああああああああッッ!!』」
そして、振り下ろすッッ!!
「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
巨大な響鬼の紋章が浮かび上がり、邪神の体にエネルギーが打ち込まれた!
「―――――――ァ」
「!!」
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!」
「ッ!!」
だが、だがしかしまだ終わらない!
邪神はなんと今の一撃を耐え抜いたのだ。そしてディケイド、響鬼、近くにいた天鬼を上空へと吹き飛ばす。
同時に叫ぶダブル、響鬼の紋章がまだ浮かび上がっている間ならば音撃を攻撃を当てれば音撃と認証されると。
つまり響鬼紅の音撃紋章と同じだ、響鬼の紋章は音撃鼓と同様の性質をかねそろえているのである。
そこへライダーキックでもなんでもを当てる事ができれば音撃としてのダメージを与える事ができるのだと!
「フ――ッ! うぉおおおおおおお!!」
「ハァァァアアア………ッッ!!」
それを聞いて動いたのはクウガとアギト。
クウガは炎を足に宿して一歩、一歩と大地を踏みしめるように走り出した。
アギトの足元に現れる紋章、それはエネルギーを彼にあたえていく!
「ウオオオオオオオオッッ!! ハァァァァ――……ッッ!!」『ファイナルベント』
「………ッ!」『READY』『Exceed Charge』
龍騎の周りを激しく旋回するドラグレッダー、ポーズを構える龍騎。
対してポインターをセットしてチャージを行うファイズ。
「ハァァァァァアアアアアアアア! ウェア!!」『サンダー』『マッハ』『キック』【ライトニングソニック!】
「ライダー、キック!」『ONE』『TWO』『THREE』『RIDER KICK』
キックローカストが飛び上がり蹴りを繰り出す。
サンダーディアーが角から電撃が迸る。
マッハジャガーが高速で駆ける。
三枚のエレメントはアクションを起こすとブレイドへ収束、アンデッドの力を借りて脚に電撃を宿すブレイド。
対して角を経由してエネルギーを脚に満たすカブト。
「必殺、俺の必殺技パートワン!」『FULL CHARGE』
「いくよキバット!!」『ウェイクアープッッ!』
パスをかざしソードを構える電王、カテナを開放してヘルズゲートを開放させるキバ。
「我夢ッ! アキラ!!」『ファイナルアタックライド』『ディディディディケイド!』
「ええ! 決めましょう司先輩! アキラさん!!」
「はい……!」
頷きあう三人、そして響鬼と天鬼は互いの手を握り締める。
現れる五枚のホログラムカード、響鬼の脚に紫炎が、天鬼の脚に竜巻が宿る!
これを当てる事ができれば――ッ!!
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「ッ!」
しかし邪神の咆哮が響鬼の紋章をかき消そうとする。
なんとかして邪神を止めなければ、しかし誰もが疲労やダメージを受けていて動く事ができない状況だった。
駄目だ! ギリギリ間に合わない!! 銃を持っているライダー達はなんとかして止めようと引き金を引くが――どうだろうか?
「ッ! ………へぇ」『カメンライド――』
その時、一人だけ笑みを浮かべるのはディエンド。どうやらまだ彼らの絆は存在していたらしい。
コールで呼ばれるべきライダーはまだいたのか、もったいぶるヤツだ。ディエンドはその呼びかけに応える為に引き金を引く。
「クロックアップ!」『Clock Up』
ディエンドが召喚したライダーは今までの様子を見ていたのか、現れるやいなやクロックアップで超加速。
おかげで一瞬にして邪神の元までたどり着く事ができた、それはもちろん銃弾よりも早く。
そのライダーとは――
「ライダースティング!!」『Rider Sting』
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
仮面ライダーザビー・峰岸創英!
「ッ!!」
ザビーが打ち込んだ必殺技、それは邪神の動きを完全に停止させる。
おかげで紋章が消えずにすんだ! そしてそれが意味するのは――
「「「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」」」」」」」」
マイティキック、ライダーキック、ドラゴンライダーキック。
クリムゾンスマッシュ、ライトニングソニック、ライダーキック。
俺の必殺技……もといエクストリームスラッシュ、ダークネスムーンブレイク。8人の必殺技が着弾!
ラストに――
「タアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「「ヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」」
ディケイドのディメンションキック、そして響鬼と天鬼のライダーキックが命中する!
それらは音撃と変わり邪神の体に刻み込まれた!!
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
そして爆発。
邪神は音撃により完全消滅を遂げ、辺りは静寂に包まれた。
「………」
「―――ッ」
しばらくは皆沈黙していた。
疲労からか、それとも今の現実が受け入れられないのか。
それは誰も分からないが皆しばらくはその場に止まって沈黙である。
そしてどれだけ時間が経ったのだろうか? ディケイドが変身を解除してゆっくりとため息一つ。
「勝ったぁぁぁ………ッ!」
「――――ッ!!」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
まさにそんな様子が正しいか、妖怪や他のライダーが叫び、喜び、涙する。
響鬼達の音撃よりすごい音撃になりそうな、そんな大歓声の中で響鬼と天鬼は抱きしめあった。
「我夢君……」
「どうしたんですか?」
「私……生きててよかった――!」
変身を解除しあう二人。
「………僕もですよ」
「ふふっ!」
我夢とアキラはもう一度笑いあうと、強く抱きしめあうのだった。
・ファイナルカメンアタックフォームライド
コンプリートカードで発動。
10人の仮面ライダーの力を一つにして放つ『ライダーシンドローム』を発動させる。
一世界で一度しか使用できず、使用するには10人の心が一つになっていなければならない。
しかし起こる力は奇跡を呼ぶ程とされる。
鬼太郎が使った液状化するフォームチェンジはオリジナルでございます。
ライダーシンドロームは状況によって色々な効果に変わります。
親友テレ(ry
次はたぶん水曜か木曜。その後は少しお休みするかも。
ではでは