仮面ライダーEpisode DECADE   作:ホシボシ

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第69話 戦う理由

 

 

 

「待ってくれ! 俺たちが何故戦う必要があるんだ!!」

 

 

走り出したCOBRAを止めようとディケイドは必死に声を張り上げる。

だが彼は首を振ってディケイドの言葉を否定した。そしてそのまま飛び上がり拳をディケイドへと向ける。

 

 

「意味? 簡単だろうそんなもの」

 

「グアアアアアアアアアッ!」

 

 

COBRAの拳がディケイドに刺さりこむようにしてヒット、その力にディケイドの身体は大きく吹き飛んだ。

地面を転がりながら後退していくディケイドを追いかけるCOBRA、彼は追撃に蹴りでディケイドを跳ね上げらせる。

 

 

「俺がショッカーで、お前がライダーだからだ」

 

 

COBRAの頭部は文字通りコブラを模したもの、だから彼の仮面にはコブラの特徴が装飾されている。

当然長い身体の部分もだ。彼の仮面(マスク)には弁髪のようにコブラの身体を模した鞭が装備されていた。

それを使ってCOBRAは吹き飛んだディケイドを強制的にキャッチする。鞭が巻きつきCOBRAはそのままディケイドを数回振り回すと投げ飛ばして開放させる。

 

 

「ガハ……ッ!!」

 

 

地面に強く叩きつけられるディケイド。もう疑う余地は無い、彼は本当に自分を倒すつもりで攻撃している。

その理由は自分がライダーでCOBRAがショッカーだからと言うもの、それで納得できる訳がない。

元々は世界を救いたくて彼も試練を受けていた筈だ、それに仮面ライダーが好きならばこんな残酷な事をするショッカーに付くなんて事ありえないだろうと。

 

 

「COBRA! 落ち着いてくれ、俺はお前と戦う気はない!!」

 

「お前に無くても、俺にはあるんだよ」

 

「なんでだよ……ッ!!」

 

 

ディケイドは納得がいないもののライドブッカーを構えるしかなかった。

このままだと本当にやられる可能性がでてくる。ここで負ける訳にはいかないんだ、COBRAに何かしらの事情があったとしても危害を加えるスタンスを崩す気はなさそうだ。

だとすればここは仕方ないにせよ戦うしかない。

 

 

「ウラァアアッ!!」

 

 

ディケイドはライドブッカーをガンモードに変えて引き金を引く。

放たれる弾丸を受けて少し怯むCOBRA、しかしすぐに両手を盾にしながらコチラへ突っ込んでくる。

尚も銃を撃ちながら同じく走り出すディケイド、COBRAに蹴りをしかけつつ銃を連射していく。

 

 

「そうだ、それでいい。お前は俺を倒さなければならないんだ……ライダーとして」

 

 

どうやらそれなりに防御力の高いスーツらしい。

ライドブッカーの銃弾ではあまりダメージを与える事も、まして怯ませる事も難しい。

蹴った感触が硬い事もそれを裏付けていた。

 

 

「フッ!」

 

「しま――ッ!」

 

 

COBRAの掌底がディケイドの腕を突き上げるようにしてとらえた。

衝撃でライドブッカーが手から離れて宙を舞う、さらにCOBRAは身体を旋回させて回し蹴りをディケイドへと叩き込んだ!

その威力はそこそこ高く、身体の内部にもダメージが入っている感覚になる。

それは蹴りでなく拳も同じ、衝撃が全身を包む様にしてダメージが内部へと侵入していく。

 

 

「こんの――ッ!」

 

 

だがディケイドの負けていられない。

COBRAの隙を見て彼の胴体に連続して拳を叩きつけていった。

その威力に怯んだところで蹴りを放つディケイド、その衝撃で彼はライドブッカーの所まで跳ぶ。

 

 

「もう一度聞くぜ、戦いをやめないか?」

 

「ハッ、随分と余裕なものだ。楽しいかい?」

 

「チッ、馬鹿言えよクソッ!」『カメンライド』『キバ!』

 

 

風が吹いて丘の草達を揺らす。

キバに変わったディケイドはそのままフォームライドを経てドッガに変身、ハンマーを地面に突き立ててCOBRAと対峙する。

もう一度戦いを止める気はないのかとディケイドは問いかける。しかしどれだけ言っても無駄なのか、COBRAは首を振って再びディケイドを指差した。

 

 

「甘いな、お前は」

 

「……甘い?」

 

「ああ、もう一度言っておくが俺はショッカーだ。お前らの倒すべき敵であると言う事を理解しろ」

 

 

ディケイドがこの質問を行う事すら愚行だと言う。

この質問をしている時間は無駄だ、そんな暇があるならば一刻も早く自分(ショッカー)を倒して人々を救う決断をした方が利口だと。

 

 

「じゃあ……どうしてお前はショッカーにいるんだ? 何か理由があるんじゃ――」

 

「俺に構うな。俺は試練に失敗した後ショッカーに入った、それだけだ」

 

 

ディケイドは唇を噛む。

そう簡単に割り切れるものではないだろう、自分も巻きこまれた者の一人として彼の気持ちは分かるつもりだ。

まして彼はもともと自分と同じなんの能力も無かった人間、今のショッカーのやり方に賛成しているとは思えなかった。

 

 

「何か理由があるなら、俺が何とかするから――ッ!」

 

「ははは、ご立派だな。仮面ライダーになって何でも救えると思ったのかい?」

 

「ど、どういう事だ?」

 

「それは錯覚って事さ」

 

 

COBRAは再び拳を構えた。

よく見ると彼の拳には黒い闇が収束して次元をゆがめている。普通じゃない、何かあるのだろうか?

彼はそのまま一歩ディケイドに向かって足を進める。ドッガハンマーを構えて集中するディケイド、できれば説得したいが無駄なのか。

 

 

「ディケイド、お前は何か勘違いしている」

 

「ッ?」

 

「この試練は全部無駄なんだ、だからお前に何とかするなんて事はできない!」

 

 

走り出すCOBRA。

仕方ない、ディケイドはファイナルアタックライドのカードをドライバーに装填した。

今はとりあえず動きを封じて気絶していてもらおう。ドッガハンマーが展開し、トゥルーアイがさらけ出される。

自分に向かってくる相手がこの瞳を見ない訳がない――が。

 

 

「そう、無駄なんだよッ!」

 

「!?」

 

 

黒い霧を発生させるCOBRA、すると霧が収束してトゥルーアイを覆うように隠した。

ディケイドはそこでCOBRAの言葉を思い出す。彼は仮面ライダーの事を知っている素振りを見せていた。

一号を自分は知らないが彼がいた世界ではそれを含めてキバも放送されていたのか!

 

 

「ハァッッ!!」

 

「グアッッ!!」

 

 

助走をつけて放たれたCOBRAのパンチがディケイドの胴体に命中する。

すると空間が収束する様に歪み、直後闇と共に破裂した。先ほどと同じ衝撃がディケイドを包み彼の体内にも直接ダメージを与える。

大きく後退しながらバランスを崩すディケイド、おかしい! ドッガの装甲を持ってしても威力が全く軽減していない!?

 

 

「タアアアアアアアアアアッッ!!」

 

「ぐアアアアアアアアアアアアッッ!!」

 

 

さらに上段蹴りがディケイドの顔面を捉える。

衝撃が脳を揺らしディケイドはその場に倒れてしまった。感じたのは先ほどと同じ衝撃、ただ普通に蹴られた感じではないのだ。

何かあるのか? 彼はキバの変身を解除すると銃弾を発射しつつ後ろへ跳ぶ。

動きが止まるCOBRAと再びカメンライドを発動するディケイド、ファイズへ変わった彼はアクセルフォームへと変身を遂げた。

 

 

「俺たちの試練が無駄だと?」『Start Up』

 

 

ディケイドが高速移動を発動する。

今までの試練が無駄ならば一体自分たちは何をしてきたと言うのか、そしてそれは自分たちの世界を救えないと言う事でもある。

そんな事ない、ディケイドは彼の言葉を否定したかった。

 

 

「ああ、お前らはただ仮面ライダーごっこで遊んでいるだけだよ」

 

 

そしてCOBRAがディケイドの高速移動を無効化する。

COBRAが発生させた黒い光が一瞬でアクセルフォームの能力を封じた。

普通に走るスピードに変わってしまったディケイドだがここは強引にでもダメージを与えておきたい、彼は必殺技であるグラインパクトを発動して拳を強化した。

 

しかしCOBRAが言った仮面ライダーごっこと言うのが引っかかる。

確かに自分たちは元々普通の人間だった、しかしこの試練を通して少しは仮面ライダーとしての責任を持った筈だ。

決して遊びで戦っているんじゃない、それをディケイドはCOBRAへと伝える。彼も元試練者ならば自分の思いが分かる筈だと!

だが――

 

 

「口ではなんとでも言える。本当にそうなのか?」

 

「なんだと!?」

 

 

COBRAもまた拳を構えて走り出す。するとやはり闇が溢れ、彼の拳を覆い隠していった。

どうやら彼も闇の力で拳を強化した様だ。

 

 

「お前は仮面ライダーになれる事を楽しんでたんじゃないのか? 世界を救う事はゲーム感覚だったんじゃないのか?」

 

 

ぶつかり合う拳と拳。

確かにずっとあこがれていた仮面ライダーになれたと言う嬉しさはあった事は事実だ。

しかし試練を行っていく中で遊びではないと言う事は痛感させられた、ましてその世界を救いたいと思う心も本当だった。

その想いを否定されるのは許せない、ディケイドは全ての想いをグランインパクトへ乗せていく!

 

 

「ふざけんな! 俺は、俺たちはいつだって本気だった!!」

 

「その本気は、この程度なのか?」

 

「ッ!」

 

 

だが、その想いの全てはCOBRAに撃ちまける。

COBRAの拳から発生した闇は収束して弾けディケイドの拳を弾き飛ばす。

彼は言った、確かにディケイドは今の今まで本気だったのかもしれない。しかしそれはあくまでも作られたルートをただなぞっていただけだと。

ゼノンとフルーラ達が提供するのはあくまでも難易度の低い世界のみ。本当の恐怖をディケイド達は体感していなかった?

 

 

「俺は仮面ライダーになった責任を忘れたりはしない! 確かに好きなライダーになれた事は嬉しいけど、それでも俺はこの力を使って守れる命を守る!」

 

「確かにお前の考えは間違ってないかもな、だけどソレじゃ駄目なんだよ」

 

「どういう意味だよ!!」

 

 

風が草を揺らす。佇む二人の間にはやはり大きな壁があった。

仮面ライダーとして立っているディケイドと怪人として立っているCOBRA、元は同じ試練に巻き込まれた人間だった故にその壁はとても大きく感じる。

現にそれが全てだとCOBRAは言う。たとえベルトを手にして変身しようが、所詮ソレは試練(インスタント)を通して得た力にしか過ぎない。

強大な力を持つと言う理解も、使命も、責任も、それを身につけるにはあまりにも足りない物が多すぎると彼は言った。

 

 

「言い方を変えようか。お前には、全てを失ってでも大ショッカーを倒す覚悟はあるのか?」

 

 

それこそが彼が言う仮面ライダーごっこの正体である。

COBRAにはディケイドからその気持ちが伝わってこなかったからこそ、ごっこ遊びだと言う例えを使った。

ごっこ。遊び、楽しむ、それは無意識に?

 

 

「ど、どういう意味だ?」

 

「足りないんだよ、お前には……!」

 

 

いや――、COBRAは辺りを見回して言葉を訂正する。

彼の耳にはディケイドと見た目こそ違うが似たような姿の者が大ショッカーの邪魔をしているとの情報が入っている。

彼も元試練者だったからこそその意味が分かると言う物。恐らく、いや確実にディケイドには同じ仮面ライダーの仲間がいるのだろう。

だがその全員におそらく覚悟が足りないのだろうとも。

 

 

「お前らにはな」

 

「………ッ」

 

 

再び構えなおすディケイドとCOBRA、彼の言っている事が気になるがこのままだと確実に殺される。

ディケイドは彼と本格的に戦う覚悟を固めた、もしかしたら大ショッカーに何か洗脳に近い物を受けているのかもしれない。

 

 

「その意味、教えてもらうぜ」『アタックライド・オートバジン』

 

「………」

 

 

上空らか飛翔してくるオートバジンをCOBRAは確認。

彼はすぐに自分のベルトにあるボタンをタッチした。

すると彼のベルトからショッカーの紋章が出現、先ほどアクセルフォームの能力を封じた時と同じ闇の光が放たれた。

 

 

「ッ!?」

 

 

するとCOBRAを射撃しようとしたオートバジンの動きが停止する。

それだけでなく変身が解除されてマシンディケイダーに戻り地面へ落下した。怯むディケイドへCOBRAは説明を。

 

 

「"ブラックアウト"、これが俺の特殊能力だ」

 

「ブラック……アウト?」『アタックライド』『ファイズエッジ!』

 

 

光と共にディケイドの手にファイズエッジが握られる。

同時に走り出すCOBRA、ディケイドはエッジを振りかざしてCOBRAと交戦を繰り広げる。

赤い閃光と黒い光が交互にぶつかり合い連撃を合わせていく、火花が散り地面が揺れる。

二人の攻撃に手加減と言う文字はなかった、双方全く引く気を見せない。

 

 

「ウラァアアアッ!!」『ファイナルアタックライド』『ファファファイズ!』

 

 

「!」

 

 

紅い閃光がエッジから放たれてCOBRAに命中する。

すると閃光がCOBRAの動きを拘束して彼の身体を宙へと上げた。

走り出すディケイド、このままエッジで彼を切り裂こうと――

 

 

「甘いな」

 

 

しかしそこで再びブラックアウトが発動、拘束が一瞬で解除されてCOBRAは自由を手にする。

彼は飛び込んでくるディケイドの胴体を軽く押した、すると空間が収束して闇がそこへ集まっていく。

止まるディケイドと直後弾け飛ぶ闇、彼は叫び声を上げながら大きく吹き飛んでいった。

 

 

「うぐぁッ!!」

 

 

ファイズの変身が解除され地面を転がるディケイド。ここは崖の為、もう少し吹き飛ばされれば下の川へ真っ逆さまだ。

ディケイドは立ち上がりながらカブトへカメンライド、クロックアップを発動してCOBRAを狙う。

だがまたもブラックアウトが発動、クロックアップの効果が打ち消されてディケイドはCOBRAと同速に。

 

 

(押し切るッ!)『ファイナルアタックライド』『カカカカブト!』

 

 

飛び上がりライダーキックを発動するディケイド、対してCOBRAも引くのではなく真正面から受け止めることにした様だ。

上段蹴りで飛び込んできたディケイドの蹴りに合わせるCOBRA、二人のキックはぶつかり合い激しい光を巻き起こす。

 

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

 

「………」

 

 

力を込めるディケイドと無言のCOBRA、そして意外にも決着はすぐに訪れた。

ディケイドとCOBRAのぶつかり合う足部分に闇が収束、空間が歪んだかと思うとソレが弾けてディケイドの動きが大きくぶれる。

 

 

「ハアアアアアッッ!!」

 

「クッ! うわああああああああッ!!」

 

 

そのまま押し切るCOBRA、ディケイドはそのまま体勢を崩されてCOBRAの蹴りを胴体に受けてしまう!

その蹴りもまた空間を歪める闇が付与していた、この一連の流れにCOBRAの強さがあるとディケイドは確信。

これもまた彼の能力なのか、身体に蹴りを打ち込まれるのではなく身体の中を蹴られたみたいだ。

 

 

「うぐああああッ!!」

 

 

地面に倒れるディケイド、ダメージはそれなりだが気になる点が一つ。

それはドッガで受けた時と感じるダメージが同じだと言う事。

そして思い出すのはアクセルやクロックアップの無効、それだけでなく拘束も解除していた?

 

 

「……成る程、だいたい分かった。お前の能力――ッ!」

 

「なら、隠す必要もない」

 

 

COBRAは両手を広げ仁王立ちでディケイドを威嚇する。

そう、彼の力は特殊能力の無効化――とは少し違う。事実ほぼ同じだが一言で言うなればそれは『無視』にある。

"相手の能力を無視する"力こそが『ブラックアウト』なのだ。クロックアップのスピードもアクセルフォームも全て彼は無視をした。

結果、それぞれの力は無力化されてしまいCOBRAと対等なフィールドに引き戻される。

要するにCOBRAと同じフィールドで戦う状態にできるのがブラックアウトの力である。

そしてさらに攻撃の面でもブラックアウトは能力として力を振るう。

 

 

「俺が行う攻撃は、全て固定されたダメージになる」

 

「だからドッガでも今でも同じ痛みだったって訳か……ッ」

 

 

防御力の無視、数値で例えよう。

相手の防御力が100だったしても1だったとしてもCOBRAが与えるダメージは等しく同じ数と言う訳だ。

それを行うのが収束し弾ける闇だ、さらに相手が攻撃中だろうとも固定ダメージは猛威を発揮する。

ぶつかり合うキックの時ディケイドには先に固定ダメージが入ってしまった。だからこそ彼は動きを崩し攻め合いに負けてしまったのだ。

痛みと衝撃は相手の攻撃を弱らせる毒となり、それが結果としてCOBRAの勝利へと繋がる。

 

 

「まずは力、お前には力が足りていない」

 

「何……ッ!」

 

「痛みを超える力、それは恐怖を穿つ何よりの因子だ」

 

 

一気にディケイドとの距離を詰めるCOBRA、彼の拳をディケイドはガードするがブラックアウトの前にガードは意味を成さない。

彼の攻撃はガードを貫いてディケイドへ固定ダメージを与えていく。彼の攻撃は受けるか避けるかの二種類しか選択肢がない。

すぐにバックステップで距離を離そうとするディケイドだが――

 

 

「痛みは恐怖だ、それを恐れれば一気に心は喰われる」

 

 

COBRAの仮面についている鞭がディケイドの足を絡め取った。

そのまま自分のところへ引き戻して彼は拳をディケイドの胴体に打ち込んでいく。

一発、二発、三発としっかり打ち込まれていく固定ダメージ。闇はディケイドの身体を均一に広がり、全身にダメージを与えていく。

 

 

「がぁぁああああッッ!!」

 

 

花が咲き乱れている丘部分に吹き飛ばされるディケイド、彼の着地は多くの花を散らしていく。

同時にポツリと装甲を濡らす一筋の雫、どうやら雨が降ってきた様だ。最初は控えめだった雫達もすぐに音を立てるほどの雨量に変わっていった。

雨に打たれながらフラフラと立ち上がるディケイド、力が足りない? だから俺は何も守れない? 所詮お遊びの自己満足!?

違う!! この力は大ショッカーを好きにさせない希望の筈だ。ここで止まる程の力なんかじゃない!!

 

 

「そうだろッ! ディケイド!!」『ファイナルアタックライド』『ディディディディケイド!』

 

 

五枚のホログラムカードが出現してディケイドはソレと共に上空へ飛び上がる。

対して首を振るCOBRA、仮面ライダーとしての力単体ならば何も問題は無いだろう。それは怪人を倒すと言う役割を持っている物なのだから。

だがソレがはがれたとき、現れるのは人間――つまり自分だ。信じた力がはがれた時、本当の自分がそこには立っている物なのだと。

それに一番戸惑い迷うのは他でもない、自分自身だ。

 

 

つまりこの場合、聖司となる。

 

 

「ハアッ!」

 

 

同じく飛び上がるCOBRA、空中で一回転した後に彼は闇を纏ったキックを繰り出した。

 

 

「タアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

 

「タアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

 

 

ディメンションキックとCOBRAのキックである"ブレイクアウト"がぶつかり合う。

成る程、彼の言うとおりディケイドの力は凄まじいものを感じた。このままならば撃ち負けるのは確実に自分の方だろうとCOBRAは悟る。

だがそこで先ほど彼が思った部分に変わる。ディケイドの力は分かった、では司の力はどうか?

 

 

「ぐぅううううぅぅうッッ!!」

 

 

固定ダメージがディケイドに流れ込むと、やはり彼は大きく怯んでしまう。

痛みの感情はディケイドの……司の心を大きく揺らしてディメンションキックの威力を大幅に落としてしまう。

その結果、勝敗は決まってしまう。

 

 

「そこだッッ!!」

 

「ッ! うわああああああああああああああああッッ!!」

 

 

COBRAのキックがディケイドのキックを打ち破る。

敗因は間違いなくCOBRAの固定ダメージが先にディケイドへ届いた事。

痛みがディケイドの力を弱体化させる、それは司が痛みに怯えているからに他ならない。

 

 

「ディケイド、所詮お前たちはただの人間だ」

 

 

少し前までは何不自由なく暮らしていた一般人と言ってもいい。

日常生活を送る上での痛みは多かっただろうが、少なくとも収束した闇に全身を打ちのめされる痛みなど感じた事は無かったろう。

まして、どんな生活を送っていても感じる事はなかった筈だ。そんな暮らしを送ってきた司、まして学生であった彼に襲い掛かる痛みは簡単に恐怖へと昇華できる。

 

 

「試練者にはゼノンとフルーラが例外なく補正をかけている」

 

「………ッ」

 

「あいつ等は知っているんだ。人間を効率よく動かせるには痛みを排除するべきだと」

 

 

イコールそれは恐怖の軽減だとCOBRAは言った。

ゼノンとフルーラが司達を強化する為に細工を行ったというのはクラスメンバー全員が知っている事実だ。

だが同時にそれが問題なのだと彼は告げる。

 

 

「これまで、お前たちがどれだけの世界を旅してきたのか……俺は知らない」

 

 

一歩COBRAはディケイドに向かって足を進める。

立ち上がろうと力を込めるディケイドだが、内部ダメージが響いてうまく立ち上がる事ができなかった。

 

 

「だが、その途中できっとお前たちは多くの痛みを知った筈だ」

 

 

また一歩COBRAはディケイドへ近づいていく。

 

 

「ソレ等を乗り越えてお前たちはココにいる。そしてライダーの力を手に入れた、そうだろ?」

 

「ああ……ッ」

 

 

だがしかし、COBRAは首を振る。

 

 

「それは……本当の痛みだと思うか?」

 

「何――ッ!?」

 

 

力を込めて立ち上がろうとしたディケイド、しかしCOBRAは鞭を撃ちつけ彼の動きを停止させる。

 

 

「確かにお前達が今日まで戦い感じた痛みは幻想なんかじゃない」

 

 

現に今も与えられたそれはディケイド達の心に刻まれ、幾度となく彼らを蝕んできただろう。

戦うという恐怖、命を奪い合うと言う重さ、それをディケイド達は試練を通して何度も味わってきた。

そしてそれを乗り越え、仮面ライダーとして戦う力と意思を手に入れたんだ。

 

 

「だが、あくまでもソレはフィルターに通されたものでしかない」

 

「………ッッ」

 

「あいつ等は狡猾だ、お前達がギリギリで踏みとどまれるだろうラインで試練を与えてくる。お前らはあいつ等に改造、洗脳されているんだよ」

 

 

痛みはそれを引き立たせる、盛り上げるスパイスでしかない。

ゼノン達は司が折れない様に彼らの身体を強化しているのだと。

身体能力の上昇は彼らの心を支える糧となってくれていた、しかしそのフィルターが外れた時――

 

 

「お前は、まだライダーとして戦えるのかな?」

 

「うぐ……ッッ」

 

 

COBRAはディケイドを掴み上げる。

二人を濡らす雨は少し勢いを弱めたが、二人の間にはより強い風が吹きぬけていた。

COBRAは静かに語る様に言った、彼の力で無視できる制約の中には――

 

 

「ゼノン達、監視者がつけたフィルターも入っている」

 

「……!」

 

「ディケイド、教えてやるよ。これが本当の痛みさ」

 

 

そう言ってCOBRAは軽くディケイドの胴を押す。するとその部分が歪み、直後闇が収束していく。

何とか抵抗を示すディケイドだったがもう遅かった、COBRAは闇を押しつぶすようにして掌底を打ち込む!

 

 

「う――ァッ! ゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 

ディケイドの全身に激痛が走る。

それは今まで感じた痛みといえばそうなのだが、感じた部分が違う気がした。

それは心、ディケイドはCOBRAに思い切り心を殴られた感覚に陥る。

そして当然身体もそうだ、固定ダメージを取り外したCOBRAの一撃がディケイドの身体を苦痛で捻じ曲げる。

 

 

「ア―――ガ……ッ」

 

吹き飛んだディケイド、彼の心にとてつもない闇が迫る。

もう立ち上がりたくないと強く心が叫んでいる。しかし目の前には敵がいるんだ、ディケイドは無言で体勢を整える。

 

 

「どうしたんだ? 足が震えている」

 

「!!」

 

 

気がつかなかった。

COBRAの指摘どおりディケイドの足は、身体は無意識にブルブルと震えているじゃないか。

それだけでなく心なしか腰も引けている、身体全体がCOBRAから逃げようとしているみたいだった。

 

 

「ディケイド、俺達がみていたライダーは所詮作り話のフィクション」

 

「な、何を……ッ?」

 

 

どうやらCOBRAはディケイドがこうなる事を予想していた様だ。特に驚くそぶりも見せず淡々と言葉を繋げていく。

 

 

「クウガもアギトも劇中では痛みを感じていたとして、実際は俳優やスーツアクターが演技をしているだけでしかない」

 

 

またCOBRAは一歩ディケイドに近づいていく。

するとディケイドは無意識に彼から逃げるように身体を動かした。

本人はライドブッカーを構えているだけの様だが震えはますます酷くなるばかり。

 

 

「そんな事を、俺たちは眼と言うフィルターを通してみていた。だからゼノンも同じ事をしたんだ」

 

「……ッ」

 

「通用すると知ればこそ、俺たちは恐れを知らずにいれた」

 

 

世の子供達だってそうだろ?

あれが本当に痛いと知れば仮面ライダーになりたいなんて誰も言わなくなる。

子供達は痛みを知らないからこそ、ライダーにあこがれて変身ポーズをマネる。玩具を買って真似(ごっこ)をするんだと。

 

 

「だが、フィクションだと思っていた世界は本当の世界だった。俺達がみていたライダーは本当にその世界を持って存在している」

 

 

それを司達は試練を通して知った。

自分が見ていたライダーは作り物のフィクションじゃなくて本当にその姿を持った存在なのだと理解した。

同時にゼノン達は彼らに補正と言う名の強化を施した。司達の防御力を上げると言う事、変身すれば情報が頭に流れてくると言う事。

それは司達にとって強敵と戦う為に必要な機能となった。しかしそれこそが何よりの(フィルターだと)COBRAは言う。

 

 

「痛みに耐えられる身体を君達は手に入れた。だがそれは同時に、君達に大きな勘違いを生ませた」

 

「ク……ッ!」

 

「ディケイド、君達は結果論として監視者達に利用される駒でしかない」

 

 

それは自分たちも仮面ライダーとして戦っていけると言う錯覚か。

とはいえ司だって今までの試練で危険を感じた事、つまり死を感じた事は幾度としてある。

確かに補正をなくされた一撃は大きなショックを与えられたが、あくまでそれはCOBRAに無効化されたからであって普段の自分はその補正込みで戦えている。

 

 

「俺は……たとえ利用される形であったとしても――ッ! 自分の世界を守る!」

 

 

ディケイドはライドブッカーをガンモードにして引き金を引く。

COBRAはというと自分を中心にして黒い風を発生させて歩き出す。

銃弾は黒い風に触れると消滅してしまい、結果COBRAは全く怯む事無くディケイドの方へと進んでいった。

 

 

「今はそうであったとしても、いつかそのフィルターが剥がれてしまう日が来る」

 

 

ふとした時に仮面ライダーとして戦っていた聖司ではなく、試練に巻き込まれただけの一般人だった聖司を感じる事が来るのだといった。

ゼノン達は司に戦っていけるだけの力と環境を用意する、だから自分は仮面ライダーとしてやっていけるのだという錯覚を生むのだと。

 

 

「俺が……そうだった様に」

 

「何ッ!?」

 

「所詮、君達は巻き込まれただけの一般人だ」

 

 

どれだけ厳しい試練をクリアしようとも。

考えてみれば今の今まで喧嘩すらまともにしていなかった司達がいきなり殺し合いの場に引きずり込まれたのだ。

文字通りの命の奪い合い、それは大きな錯覚を生ませる。

 

 

「ディケイド、君の仲間に……君の大切な人はいるか?」

 

「ああ、いるさ」『アタックライド』『ブラスト!』

 

 

無数のマゼンダがCOBRAに迫る。

さすがにコレは黒い風では防御しきれず、彼もガードを行って銃弾を受けきった。

成る程、やはり強くはあるか。大切な仲間を守るための力、彼も相当な数の試練を見てきたのだろう。

 

 

「じゃあ質問だ、試練が始まって――君の大切な人が死んだ事はあったかい?」

 

「ない。俺は皆を守る!」『アタックライド』『スラッシュ!』

 

「………」

 

 

COBRAに切りかかっていくディケイド、しかしその剣をCOBRAはしっかりと受け止めてみせる。

ディケイドが力を込めても剣が動く事は無かった、そしてCOBRAは一段と声のトーンを下げて言い放つ。

 

 

「それが、君の限界だ」

 

「ッ!?」

 

「守るのは難しい事だ。だけど、壊れるのは一瞬なんだよ!」

 

 

COBRAから巻き起こる黒き強風、ディケイドはそれに巻き込まれて動きを封じられる。

COBRAはそのままディケイドを掴み思い切り宙へ放り投げた! 黒い嵐に巻き込まれたまま空へ打ち上げられたディケイド。

身体は風にもまれ平衡感覚はゼロとなる。ディケイド自身今自分がどうなっているのか分からない、その状態はまさしく無防備と言う文字。

 

 

「お前はきっと、守れない弱さも――救えない虚しさも、死と言うリアルを知らない」

 

 

近くには感じる事があったとしても、それは所詮近くどまり。

その先にあるものを掴まなければ、きっと大ショッカーに勝つ事など……

 

 

「クッ! オオオオオオオオオオオッ!!」

 

 

ディケイドはせめてもの抵抗に銃を乱射していく。

しかし黒い嵐は彼の銃弾を全て無効化、一切の抵抗を許さない。その間に踏み込むCOBRA、彼は確信した。

やはりディケイドは――

 

 

聖司は。

 

 

「やはりお前の仮面ライダーは、ごっこ遊びだよ」

 

 

飛び上がるCOBRA、彼は無防備で宙を舞うディケイドへ必殺キックのブレイクアウトを叩き込む。

闇の嵐で相手を投げ飛ばし防御を崩してから必殺技当てる『ダークネスストリーム』、これがCOBRAの必殺技である。

 

 

「ぐッッ!! ガァアア……ッッ!!」

 

「教えてやるディケイド、君の……終わりを」

 

 

闇を纏いながら落下し、地面に直撃するディケイド。

それを見ながらCOBRAは通信を入れて仲間達に連絡を行う。

 

 

「テレビバエ、今から言う場所に来てくれ。もう一度電波ジャックを行う」

 

 

さらに別の部隊にも連絡を入れるCOBRA、それは先ほど引いてもらったハサミジャガー隊だった。

連絡を受けた彼らはすぐにディケイドの所へやってくる。闇を纏い倒れているディケイドと仁王立ちのCOBRA、ハサミジャガー達はすぐに状況を理解する。

 

 

「成る程、さすがはCOBRA隊の隊長様だな」

 

「お前たちもアイツにはやられた借りがあるんだろう? 返してやればいい」

 

「ハッ! まあいい、じゃあお言葉に甘えるとするか」

 

 

ハサミジャガー、サボテグロン、蜘蛛男はそれぞれ武器を構えてディケイドへ向かっていく。

一気に状況が変わり四対一、ディケイドは震える足を無視して立ち上がると剣を構えた。

 

 

「ギシャアアッッ!」

 

「!」

 

 

飛び掛ってくる蜘蛛男、それを受けるディケイド。

その隙にサボテグロンは棍棒から無数の針を発射、それらは次々にディケイドの背中に命中していく。

苦痛の声をあげながらもすぐに回避するディケイド、しかし針からメキシコの花が咲き――

 

 

「爆ぜろ」

 

「――――――――ッ!!!???」

 

 

花が爆発する、それは先ほども受けた攻撃だった。

なのに感じる痛みが先ほどの比ではない、あまりにも激痛でディケイドは声さえあげる事ができなかった。

どういう事なんだ? 思考さえ止まった彼に唯一入ってきた音声、それはCOBRAの声。

 

 

「君が先ほど受けたダークネスストリームには追加効果があるんだ」

 

 

それは相手の体感防御力を一定時間無効化すると言う事、言ってみれば今のディケイドは聖司本人と同じ強度である。

しかし実際の防御力は変動していない為痛みのみを強く感じる状態となっている。

 

 

「普通なら一発で死に至る攻撃、それを君は連続で受ける事になる」

 

 

それはまるでキングコブラの毒、全体的な防御力は変わっておらず痛みによるショック死や発狂までブロックされている。

つまりディケイドが今から受ける攻撃は生身の司が受ける事と同じ、それに終わりなどない。

 

 

(うそだろ……ッ)

 

 

こんな痛みを受け続ける? そんな事を考えていたら周りを見る注意を怠ってしまった。

ふと気がつけばディケイドの眼前には飛び掛ってくるハサミジャガーの姿があった、その手にある双剣を振り上げて。

 

 

「しま――ッ!」

 

 

すぐに防御を行うとするが――全身が動かない。

何だ!? 彼が半ばパニックになって状況を確認すると全身に糸が絡み付いている所だった。

やられた、蜘蛛男の糸か! それを理解すると同時にハサミジャガーの振り降ろしが直撃する。

 

 

「ッッッ!!」

 

 

膝をつくディケイド。無理だ、脳が素早くその答えを導き出す。

彼の心に合った戦意がその瞬間音を立てて崩れた。無理、無理なんだ。勝てない、痛い、怖い、そのマイナスの感情にディケイドは一気に飲み込まれる。

だがそこで彼の希望を回復させる言葉が聞こえた。

 

 

「おっと、時間だディケイド。君の補正は戻った筈だ」

 

 

他でもないCOBRAがそれをディケイドへ教える。

直後再びハサミジャガーの斬撃を受けてしまったが、どうやら彼の言うとおり補正が戻った様だ。

感じる痛みがかなり軽減され、ディケイドの心に再び戦意が燃え上がる。

 

 

「よくもやってくれたなッ!!」

 

 

ディケイドは糸を振り払うとライドブッカーでハサミジャガーの攻撃をしっかりと受け止める。

そしてそのまま身体を旋回、ハサミジャガーを盾にしてサボテグロンの針を防いだ。

その切り返しの速さに関心を示すCOBRA、しかし彼には全くあせる気配はない。

 

 

「痛みは分かっただろうディケイド、君はそれでも尚戦うと?」

 

「当たり前だろッ! お前らをこのままにしておけるかよッッ!」『ファイナルアタックライド――』

 

 

ディケイドは蹴りでハサミジャガーを押し飛ばし、同時に自分も反動で宙へ舞い上がる。

そしてバックルを閉じてディメンションキックの発動を認識させた!

 

 

「ハァアアアアアア……ッッ!」『ディディディディケイド!』

 

 

ホログラムカードが五枚並んでいき、自身とハサミジャガーのルートを形成させる。

すぐにそこへ飛び込むディケイド、ココで確実にハサミジャガーは倒しておきたい。

その思いと共に必殺技を放つ!

 

 

「タアアアアアアアアアアアア!!」

 

「ゲゲゲゲゲ!! 甘い、甘い、甘いィィイ!!」

 

「ッッ!?」

 

 

ハサミジャガーの間に入る蜘蛛男、彼は素早く蜘蛛の巣のバリアを形成してディケイドのキックを受け止める用意を行う。

だがディケイドはそれを貫く勢いで必殺技を続行させた。そして――

 

 

「そ、そんなッ!?」

 

「グゲゲゲゲゲゲ!!」

 

 

五枚のホログラムカードを通過して強化された筈のディメンションキックだったが、なんと蜘蛛の巣を貫くことはできなかった。

むしろ相殺すらできずにディケイドは弾かれ、バランスを崩したまま地面に落ちる。

 

 

「く、クソッ!」『ファイナルアタックライド』『ディディディディケイド!』

 

 

信じられないとディケイドはバックステップで距離をとりディメンションブラストを発動。

五枚のホログラムカードを通過した弾丸ならば蜘蛛の巣を破壊できるのではないかと睨んだのだが――

 

 

「フッ!」

 

「ッッ!!」

 

 

サボテグロンが地面を叩くと蜘蛛男達の前に連続して横並びにサボテンが出現、それは壁となりディメンションブラストを打ち消した。

そんな馬鹿な、いとも簡単に必殺技が打ち破られる状況にディケイドは拳を握り締める。

 

 

「フッ、痛みの次は実力さ。ディケイド、君は彼らを倒す事ができるのか?」

 

 

倒せなければ、何の意味もない。

そうだろ? COBRAの言葉に声を荒げるディケイド。

上等だ、ディケイドはライドブッカーからカードを取り出して一同を強く睨む。

この試練で手に入れてきた力で、大ショッカーを打ち倒す!

 

 

「変身!」『カメンライド』『クウガ!』

 

 

マイティフォームに変わり敵の群れに飛び込んでいく。

回し蹴りや拳をふるって次々に攻撃をしかけていくディケイド。しかし相手は三人、素手のクウガでは限界があった。

 

 

「ギシャアアアアアア!!」

 

「クッ!」

 

 

蜘蛛男の蹴りで動きが鈍るディケイド、そこへサボテグロンの突きがヒットする。

後退していくディケイドだが突きを受けた部分からはメキシコの花が咲き乱れ――爆発。

ディケイドはバランスを崩して地面に倒れてしまった。

そこを狙って蜘蛛男は蜘蛛の巣を発射、それは倒れたディケイドの両足と胴体、片腕を捕らえて地面に貼り付ける。

 

 

「クッ!」『カメンライド――キバ!』『フォームライド――キバ・ドッガ!』

 

 

残りの腕も蜘蛛の巣に捕らえられ完全に動きを停止させるディケイド、しかしその前にフォームライドを発動する事に成功していた。

ドッガの力で糸を引きちぎるとディケイドはハンマーを地面に突き立ててファイナルアタックライドを発動。

この必殺技を避ける事なんて――

 

 

「囲め、アレは危険だ」

 

「!!」

 

 

COBRAの言葉に素早く反応するサボテグロン。

彼が地面を叩くとディケイド目の前に現れるサボテンの壁、それはディケイドの前方だけでなく左右と背後にも出現した。

つまりサボテンの壁にディケイドは囲まれたと言う事、それだけでなくサボテンはその身体に次々と花を咲かしていく。

それがどういう意味なのかディケイドはすぐに理解できた、だがドッガの身体では跳躍でそのサボテンを飛び越える事などできる筈もなく。

 

 

「ぐああぁああぁああああぁあああああッッ!!」

 

 

超爆発が丘に巻き起こる、それは周囲の草を吹き飛ばす程だった。

メキシコの花が巻き起こした爆発の連鎖はドッガの装甲を纏っていたディケイドにも大きなダメージを与える。

膝をつきキバの変身が解除されるディケイド、だが彼は気合で踏みとどまると次のカードを。

 

 

「俺は……俺は負けられないんだよ……ッッ!」『カメンライド』『リュウキ!』

 

 

ファイナルアタックライドを使用したいところではあるが、ファイナルアタックライドのカードを生成するには精神力を消費する。

先ほどからの度重なる連続使用によってディケイドは大幅に体力と精神力を消費していた。

彼は節約に威力を一段落としたストライクベントを構え、鈍る思考の中で炎を発射する。

しかしそれは蜘蛛の巣になんとも簡単に防がれてしまいハサミジャガー達に届くことはなかった。

待っていたのは反撃、ハサミジャガーの発生させる鎌鼬にディケイドはその身体を切り裂かれる。

 

 

「――――ァ……ア」

 

「ハッ! 次はコチラの番だ!」

 

 

走り出すハサミジャガー、ディケイドは何とかソードベントを召喚して応戦しようとするがすでに受けているダメージの量が限界に近い。

そんな彼にハサミジャガーを相手にできる余裕などなかった。

次々に迫る連撃を受けきれず、いくつも直撃を許してしまう。

 

 

「ッ! アアアアアアアア!!」

 

 

ディケイドの体が火花を散らし、深い傷を作っていく。

それを無言で見ているCOBRA、彼の頭上では招集を受けた大ショッカー怪人テレビバエが今までの光景をしっかりと撮影していた。

そしてそれだけでなく今までの映像はライブとなり配信される。所謂電波ジャック、最初にガニコウモルが総理を殺した映像を見せたのも彼であった。

この世界の映像は今現在ディケイドがハサミジャガーに刻まれる様子を映しており、それは当然この世界と電波をつなげる学校にも及んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つ、司君ッ!!」

 

 

学校の食堂では夏美が涙を浮かべてその映像を見ていた。

パニックに陥っている彼女を葵が落ち着けているが、彼女もまた苦悶の表情でソレを見ている。

もちろん回りには他のライダー、生徒達もいるのだが――

 

 

「司……ッ!」

 

 

助けに行こうと椿が動くが、途中で彼はふらつき倒れてしまう。

同じ様に咲夜や他のメンバーもまともに動く事ができない様だ。

真由や里奈が双護や我夢に連絡をとろうと奮闘しているが、電話の向こうでは司の叫びが響くだけ。

どうやら電波ジャックは電話にも影響しているらしい、おかげでカブト達をディケイドの加勢に向かわせる事ができなかった。

 

 

「じゃあ司君はこのままって事じゃないですか!!」

 

「………ッ!」

 

 

葵は何て声を掛けていいのか分からなかった。

彼女自身今すぐに司を助けに行きたい所ではあったが、自分が向かったとして何の助けになるのやら。

一番の希望は現在治療危惧を使っている翼が回復する事だ。しかし彼が受けた傷は深く、意識が戻るにはまだそれなりの時間が必要に見える。

 

 

「嫌……ッ! このままじゃ司君が!!」

 

 

夏美は泣きながらモニター越しに映るディケイドを確認している。

戦いの光景を普段目にしない彼女や葵達にとってはその光景はかなりショッキングなものだったろう。

ディケイドは何とか抵抗を続けているがハサミジャガー隊の数に押されて攻撃を受け続けてしまっている。

糸で動きを封じられ、双剣で刻まれ、爆発に呑まれる。普通の人間ならば確実に死んでいる攻撃を何度も受けるディケイド。

夏美はそれをただ見ているだけしかできない。

 

 

(私……またこんな――ッ)

 

 

アキラの時だってそうだ。祈る事しかできない、自分に力があれば皆を守る事だってできた筈なのに。

泣くだけじゃ何も変わらない、戦わなければ救う事などできはしないのに自分にはその力が無い。

 

 

「どうして……どうして私はこんなに弱いんですかぁ……ッ」

 

 

夏美は力なくへたり込むと子供の様に泣き始める。

それを見て動く亘、彼らは変身能力を封じられているのにどうしようと言うのだろう?

 

 

「決まってる! 兄さんを助けに行くんだよ!」

 

「そ、それは無茶よ! 変身できないんでしょ?」

 

「でも……このままだと兄さんが!!」

 

 

亘の言うとおりだ、誰が見てもディケイドに勝機は無い。

このままならば確実に彼は死ぬ。だが誰もが深い傷を負っている状況、まして我夢達が助けに来てくれる確立は限りなく低い。

彼らがテレビか何かでディケイドの事を知れれば良いのだがそれも期待はできない事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君は、助けに行かないのかい?」

 

「………」

 

 

一方の屋上、そこに立っていたのは真志とゼノンだった。

もちろん二人ともディケイドの現状を知っている。ほぼ無傷で唯一自由に動ける真志、しかし彼は動くそぶりを見せなかった。

 

 

「このままなら、確実にディケイドは死ぬよ」

 

「その言い方、死なないんだろ……どうせ」

 

 

ため息をつくゼノン、またコレかと彼はジト目で真志を見る。

どうにも彼はノリが悪くなってしまった。やる気の無い役者は舞台に上げたところで観客を萎えさせてしまう要因だ。

何とかしなければならない所でもある。

 

 

「君は何が不満なんだい? そんなにご主人様に言われた事が傷ついたのかな?」

 

「つうか、むしろお前は何も感じないのかよ……」

 

「逆に君が考えすぎなだけだと思うけどね、ボクは」

 

 

舌打ちを行う真志、確かにソレは彼自身感じている事でもある。

しかし考えれば考えるほど深みに落ちていく。そしてソレを止めようとも思わない、確実に自分は真理に近づいている気がしているからだ。

その様子を見て首をふるゼノン、やれやれ――頭がいいというのは面倒な事でもある。

 

 

「じゃあこのままディケイドを放って置けばいい」

 

「………司を――」

 

 

二人は目を合わせる事も無く一点を見たまま会話を続ける。

しかし双方雰囲気は感じ取れていた、苛立ちを隠せない真志とソレを感じてニヤついているゼノン。

彼らが見る景色は平和とはかけ離れている凄惨な物。

 

 

「このまま司を死なせれば、君はどんな感情を抱えるんだろうね」

 

「司……アイツ――」

 

「君は、司との友情も作り物だったと喚くのかい?」

 

 

真志はもう一度舌打ちを行う。

そうだ、自分はまだ戦える。今から助けに行けば――

 

ああ、でもちらつくんだ。

それは神の作った脚本、決められたシナリオ、自分は敵に突っ込んでどうなる?

 

何を、読者は望む?

 

 

「こりゃ重症だね。まあいいんじゃないかな、彼が死ぬのを指を咥えて見ていれば」

 

「……お前の態度が答えだろ」

 

「?」

 

「アキラの時と違うじゃねぇか」

 

 

ああ、とゼノンは唸る。アレは特別なのだと彼は笑った。

 

 

「そこに愛があったからね、アレは。でも今は特にそうじゃないだろ?」

 

 

ボク達は愛の味方さ! 演劇口調で言ってみせるゼノン、彼の雰囲気は全くつかめない。

真志のイライラは募るばかりだ、本当にココで司を助けに行かなければ彼は死ぬのだろうか?

 

 

「ハァ、君は変わったね。神に喧嘩を売ったあの時とは大違いだ」

 

「………」

 

「―――ぷクッ!」

 

 

屋上の手すりを叩きつける真志、やはりコイツの態度はイラつく。

だったらいっそ乗ってやろうじゃないか、真志はデッキを構えて踵を返す。

今からドラグレッダーに乗っていけばあの丘まではそんなに時間は――

 

 

「やっぱり君は、中途半端だね」

 

「………は?」

 

 

ガチャリと、後ろで銃を構える音が聞こえる。

真志がすぐに振り向くとそこには口を三日月の様にして笑っているゼノンの姿が、そして彼の手にはトリガーマグナムが握られている。

 

 

「まあ、行かせないんだ・け・ど!」

 

「お前……何がしたいんだ?」

 

「さあ? お得意のネタバレで教えてあげなよ」

 

 

まあ、分かるモンならだけどね!

ゼノンはニヤニヤしながら真志を見ている。

 

 

「マジでさ……お前本当いい性格してるって思うぜ」

 

「あざーす!!」

 

 

そこで銃声、麻痺弾を受けて真志は気絶しその場に倒れる。

それを見下しながら銃を回すゼノン、そこへやってくるのはフルーラだ。

彼女もまたその背中に気絶した美歩を担いでいる。美歩もまた司を助けに動いたのだが、その前にフルーラに止められたと言う事だった。

 

 

「正直、君達に動かれちゃこまるんだよね」

 

「ええ、貴方達はまだ理解していないもの!」

 

「「試練は――」」

 

 

まだ、続いているのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「司君!!」

 

 

モニターの向こうのディケイドからより一段と大きな火花が散った。

夏美は届くわけも無いのに手を伸ばす。フラッシュバックする記憶の奔流、司が笑っている姿と攻撃を受けている今の姿が次々に入れ替わって見えた。

それだけじゃない、彼が遠くに感じたまま終わってしまうの? そんなのは絶対に嫌、夏美はその現実を否定する為に思考をめぐらせる。

 

おちつけ、彼女は司の今までを思い出す。

彼が初めて変身した時は自分を守ってくれた時だった。彼は自分の命を救ってくれた、なら――

なら次は自分が彼を助ける番なんじゃないの!? 夏美はその想いを爆発させて思考を加速させていった。

自分に彼を助けるだけの力は無い、本当に……?

 

 

「―――ッ」

 

 

泣くな夏美、泣いている暇があったら――神様に祈るだけの時間があったら考えて。そして現実を変えるだけの力に手を伸ばして。

彼女は司の悲鳴をしっかりと心に受け止めながら目を閉じる。今現在彼を助けにいけるのは誰?

誰でもないなら、いっその事自分が行けば――そうだ、今こそが彼の役に立つとき。

みんなの助けになれないと嘆いていた自分を超えるときじゃないの!?

 

 

「ッッ!!」

 

 

その時夏美に走る電流、彼女の瞳には亘の姿があった。

彼は仮面ライダーキバに変身できる訳だが、彼は電王と同じく明確に自分以外の存在を使って変身している。

それはキバット、"キバットバット45世"だ。そこで夏美の思考は一つの答えを導き出す、亘から聞いた魔皇力を流し込んで変身を行っているというプロセス。

Episode DECADEに参加した者は補正がかけられる。身体能力が上がるだけでなく変身に必要な制約を緩める事ができるのだと。

それはクウガのアマダムであったり、龍騎の契約モンスターであったり、響鬼の変身ラインであったり。

その中にはキバの変身にかかる制約緩和も当然入っている。亘は魔皇力の扱いをある程度最初から行えていた。

素人には不可能だと言われる事であるが、彼は補正を使いその条件を半ば無視する形となったのだ。

だったら、その補正がもし自分にもあったのなら――

 

 

「キバーラ!!」

 

『な、何!?』

 

 

夏美の声に反応するキバーラ、彼女の鬼気迫る様子に思わず怯んでしまった。

夏美はそのままキバーラに詰めよると自分の胸のうちを全てぶちまける様に言葉をつむいでいった。

 

 

「キバーラはキバットの妹なんですよね?」

 

『そうだけど……?』

 

「じゃあお兄ちゃんと同じ事ができるって事でいいんですよね!?」

 

『!!』

 

 

キバットの仕事といえばまず一番に亘をキバに変身させる事である。

彼が噛み付いた牙を通して魔皇力を亘に流し込む、そして彼にキバの力を与えるのだ。

つまりキバの変身には絶対にキバットが必要と言う訳、逆に言えばキバットがいなければ今の亘と同じく変身する事さえできない。

ならばもう決まっているも同然か、夏美は決意を胸に秘めてキバーラを見る。

 

 

「お願いですキバーラ!!」

 

『あ、アンタまさか……ッ!』

 

 

キバーラの反応に夏美は大きく頷いて頭を下げる。

ずっと守られてきたんだ、ずっと――そしてこれからも? ううん、違う。彼がそうだった様に自分だって変われる筈だ!

 

 

「キバーラ! 私を……私をキバにしてください!!」

 

『!!』

 

「「「「!?」」」」

 

 

場の空気が変わった。

成る程、確かにキバと同じ能力を持っているキバーラに自分を噛ませたのなら結果はキバと同じになるのだろう。

事実夏美もその結果を期待しての事だった。自分といつも一緒だった従兄弟は、自分の危機に仮面ライダーとして覚醒し助けてくれた。

だったら、自分だって同じ事をしてあげられるんじゃないかと夏美は心に大きな決意を宿していた。自分が仮面ライダーとなり、彼を助けるのだと!!

 

 

「夏美ちゃん! 本気なの!?」

 

「夏美姉さん……ッ!」

 

 

葵の言葉に頷く夏美。

確かに今まで戦った事なんてないけど、それは司だって同じだった筈。

ゼノン達がかけた補正には仮面ライダーになった事で情報が頭に直接流れ込んでくるというご丁寧な物もある。

ならばきっと自分だってライダーになれればそれなりに戦える筈なのだと。

 

 

『そ、それはそうだけど無理無理! だって私魔皇力のコントロールってよく分かんない――』

 

「お願いしますッ! じゃないと司君が――ッッ!!」

 

『――ッッ!』

 

 

キバーラはテレビを見る。そこには必死の抵抗を行っているディケイドの姿があった。

彼女もまたディケイドには世界を平和にしてもらったと言う恩がある。

できれば助けになってやりたいと言う気持ちもあったのだが――

 

 

『まず変身できる保証は無いわよ。魔皇力は一般人にしてみれば毒の様なものなんだから!』

 

「はい……覚悟なら、とっくに完了しました!!」

 

 

次にキバーラは現状を説明する。

仮に変身できたとて今の状況を考えるに彼女の一人でハサミジャガー隊を相手にしなければならない。

うまくディケイドを連れて帰られればいいが真正面からぶつかった時に勝機はあるのだろうか?

この世界を守る為にもハサミジャガー隊はココで潰しておきたいのだが、果たして夏美にそれができるものなのか?

 

 

「だけどこのままじゃ……キバーラ! 分かってください!!」

 

『!』

 

 

そうだ、迷っている暇は無いのかもしれない。

しかしキバーラ自身全くこの展開を予想していなかった。

果たして自分がキバット族として彼女に力を、魔皇力を与える事ができるのだろうか?

 

 

「大丈夫……私は、大丈夫だから」

 

『………』

 

 

一同の視線が一勢にキバーラへ集中する。

彼女の目の前にはいつもの様な笑顔の夏美、ああもう! そんな表情されたら断れないじゃない!

キバーラは少しやけくそ交じりに頷いた。

 

 

『わかった! わかったわよ!! 本当にどうなっても知らないんだから!』

 

「ありがとうございます! キバーラ!!」

 

 

二人はぎこちないハイタッチを決める。

キバーラと夏美はそれぞれ深呼吸を一つ、そして意を決したようにキバーラは夏美の周りを旋回していく。

本当に知らないわよ、大丈夫です! などと二人の掛け合いが繰り広げられた後、ついにキバーラは夏美が差し出した指へと視線を移す。

 

 

「ね、姉さん! マジかよ!?」

 

「マジですよ亘君。必ず司君は助けますから!!」

 

 

希望に満ちた夏美の目。

そうだ、必ず助けてみせる。彼がそうしてくれた様に!! その決意と共にキバーラが夏美の指に噛み付いた。

 

 

『かぷっ☆』

 

 

そして魔皇力が夏美の身体を駆ける。

魔皇力を操れる自信がないとキバーラは言っていたがやはりキバットの妹なだけはある、それに夏美もまた試練に巻き込まれた者の一人だ。

それは当然ゼノン達が補正をかけたと言う事でもあった。夏美はキバーラを構え前方へと差し出し、ずっと憧れていたその言葉を口にした。

 

 

「変身!」

 

 

キバーラの身体からハート形をした光が放出されていく。

それだけでなく、夏美の周りに現れるハート状のオーラ、それらは彼女に収束していき――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キバの姿を与えた後に弾けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「!」」

 

 

屋上にいたゼノンとフルーラは学校から飛び出していく紫の閃光を確認する。

それを見た二人はニヤリと笑い、だがすぐに表情を再び深刻な物に変えた。

きっと彼女もまたこれから彼に、彼女に会う事になるのだろう。すでに司は会合を果たし、そして何を思うのやら。

 

 

「面白くなりそうだねぇ」

 

「ええ、本当に。うふふ!」

 

 





ちょっとややこしく書いてしまいましたが、COBRAの特殊能力は相手の特殊能力を無効化と防御力無視が主だと思ってくれればオーケーです。

そう言えば最近はバロンがレモンになる事が多いですが、本当は最初の案ではレモンバロンは無かったらしいですね。デュークの出番が少ないからレモンを目立たせる為にバロンに強化フォームとして急遽用意したとか何とか。

まあネットでチラっと見た程度なんで本当かどうかは知りませんが、当初のままだったら彼は今もバナナとマンゴーで頑張っていたんでしょうかね。
まあそう言うのも考えつつ見るのも楽しいという物です。

はい、では次はちょっと予定があるので未定とさせてください。
そんなに遅くはならないと思いますが、いつ更新するかは決めていないので。

ではでは
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