えーと、今回新しくお話を書き始めます。
個別でヒロインは設けません。
理由は至ってシンプル……みんなといい雰囲気にしてみたいなって、ただのたか丸の欲望です……
「未来という名の航海」を読んでくださってる方はなんとなく察していただけるかなと思いますが、そちらの方で少し、曜ちゃんが本当にメインヒロインなのかと疑わしくなってきたので、新しくこちらでお話を書くことで、たか丸の中のモヤモヤした何かを吹き飛ばしてしまおうという至極単純な考えです笑
何はともあれ、最後までお付き合いくださいませ。
モノガタリのハジマリ
天の声side
ぴぴぴぴっ ぴぴぴぴっ ぴぴぴぴっ
スマートフォンのアラームが部屋中に鳴り響く。
やかんの沸騰音程度のボリュームだろうか、かなり大きな音で鳴っている。
?「くー……かぁー……」
にも関わらず、幸せそうな寝顔でいびきをかく少年。
彼こそがこの話の主人公、
察しの良い読者諸君ならばこの苗字を聞いてなんとなく想像がついただろう。
――ガラリラッ
?「ゆづにぃ!起きてーーー!!!」
柚「ふぎゃっ?!」
?「あははっ、いい反応〜♪」
柚「ふわぁ〜〜〜……もー、びっくりしたよ千歌ちゃん……」
柚希を起こしに来た少女。同い年ながら、柚希の
なぜ義妹なのかというのはまたのお話で。
千「それよりほらほら!早くしないと学校遅れちゃうよ!」
柚「ん、わかってるよ。着替えるから先に下行ってて」
千「あ、そっか。わかった!早く来てね〜!」
柚「はーい」
千歌が部屋から出ていったのを確認し、柚希は行動を開始する。
寝間着を脱ぎ、制服に身を包む。
彼だけの、特別な制服に。
跳ね散らかした寝癖を整え、身支度を完了させて階下へと向かった。
朝食のいい匂いが彼の鼻腔をくすぐり、腹の虫が先程から鳴くのをやめさせない。
柚「今日はパンか……」
朝食はパンより米な柚希だが、最近は米が続いていたので、久々のパン朝食に少なからず胸が躍っていた。
?「あら、おはよう柚希くん」
?「やっと起きたか、おはよう寝坊助♪」
柚「志満ねぇ、美渡ねぇ、おはよう」
千歌の実の姉であり、柚希の義姉でもある2人、落ち着いていて、みんなを包み込むような母性に溢れている長女の志満、対照的に活発でその暴れん坊っぷりは姉というより妹かと錯覚するような次女の美渡。
美「ったく、いい加減妹に起こされてるようじゃまずいんでないの?」
と言いつつ柚希をニヤニヤと見る美渡。
なんだかんだでこの義弟と妹の関係を気に入っている模様。
柚「そりゃもうそろそろ1人で起きたいけど……」
千「えっ、ダメダメダメ!ゆづにぃは千歌が起こしてあげないとダメなのだ!」
柚「……とまぁ、こんな調子だから、当分独り立ちは出来そうにないよ……」
千歌は物心ついた時から、同い年ながら義兄である柚希に、異性として何か特別な感情を持っている。
言うまでもなくそれは
志「ほらほらみんな、早く食べないと遅れるわよ〜」
美「やべっ、もうこんな時間だ!」
美渡はテーブルにあった食パン1枚を咥え、いそいそと出ていった。
美「
柚「あはは……相変わらずだね……」
その後柚希たちは朝食を終え、家を出た。
家を出たところで隣の家に住む桜内梨子が、こちらもちょうど家から出てきた。
梨「2人ともおはよう♪」
千「おはよー!」
柚「おはよ、梨子ちゃん……あ、梨子ちゃんちょっと失礼……」
梨「え?」
柚希は言うなり梨子の肩に手をやり、付いていた糸くずを取った。
柚「糸くず、付いてた。突然やっちゃってごめんね?」
梨「い……いえ……お構いなく……///」
"ぷしゅう"という音が似合いそうなほど、梨子の頬は紅潮し、頭から湯気が出ていそうだった。
千「むぅ……そーゆーとこなのだ……」
柚「ん?千歌ちゃん、何か言った?」
千「……べっつにー……」
いわゆる"嫉妬"というものである。
「千歌だってゆづにぃに不意に肩についてる糸くずとかとってもらいたいのだ」とかなんだとか心の奥底で思っている千歌。
鈍感、ニブチン、なんて言葉が似合う柚希が、そんな千歌の想いに気がつくわけもなく……
柚「あっ、もしかして朝ごはん食べ足りてないのかな?偶然にもここに何があるかわからないからと思って持ってきたみかんがあるよ!」
千「なっ……!もう!知らないっ!ぷんだっ!!!」
千歌は怒ってバス停まで走って行ってしまった。
……柚希の差し出したみかんをちゃっかり取っていきながら。
梨「ふふっ、本当に柚希くんと千歌ちゃん、仲がいいわね?」
柚「あはは……でもあれあとで詫びが必要なやつだね……」
梨「でも……そんな関係が、私にはちょっと羨ましいなぁ……」
物思いにふけるような表情を浮かべる梨子。
柚「うーん……そんなもんなのかな?」
梨「私には兄弟がいないから、柚希くんと千歌ちゃんの関係っていうのはやっぱり羨ましいよ。無い物ねだりなのはわかっているんだけどね、えへへ」
お淑やかな笑い方をする梨子にしては珍しく、舌を出してはにかんだような表情を見せた。
不意なそんな笑顔に、柚希の胸の鼓動が少し速くなった。
梨「あっ、バス来ちゃうね。急ごっか?」
柚「う、うん、そうだね……」
梨「?」
少し挙動不審な柚希に違和感を覚えながら、バス停に向かう梨子だった。
********************
バスに乗り込むと、沼津から通学している同い年で幼なじみの渡辺曜が座席の最後尾に座っていた。
曜「3人ともっ、おっはヨーソロー!」
千「おはヨーソロー!今日も元気だね曜ちゃん!」
梨&柚「「おはヨーソロー♪」」
曜「むむっ、2人とも息ぴったり……何かあったでありますか?!」
千「むぅ〜〜!!さっきから2人ともぉ……!!」
柚「ちっ、違う違う!たまたまだってば!」
梨「そっ、そそそそうよ!たまたまよ!」
曜「なーんか怪しいけど……まぁいっか!」
非常に楽観的な曜。頭はいいが、どちらかというと考えるより先に行動に移すタイプ。
曜「それよりそれより!昨日の
柚「アレ……?なんのこと?」
曜「決まっているであります!"沼津市 船長グランプリ"のことだよ!!」
梨「……それは一体何……?」
詳しく説明するとこのグランプリは、いかに本物の船長っぽく見せるか、その上でどれだけ本物の船長感を崩さずオリジナリティを加えられるかを審査し、最もそれが出来ていた人が優勝という、なんともシンプルなグランプリで、今年でなんと13回目の開催になる。
曜「まさか誰も見ていなかっただなんて……すごかったんだよ?優勝した子の制服のクオリティが高くてさ?挙動が本当に船長のそれでさ?女の子で優勝したのは史上初なのにさ……?」
曜も参加していたのだが、オリジナリティが溢れすぎていて、予選で落選していた。
千「あ、あはは……う〜、り、梨子ちゃん!今日の1限目ってなんだったっけ?!」
梨「へっ?!あ、えっと、日本史だったわ!」
柚「そっ、そそそそっか!いや〜、楽しみだなぁ!!」
必死になって話を逸らして、何気ない小話を続けているうちに学校前のバス停に着いた。
曜「それにしても、やっぱりこうして学校の方に来るとゆづは浮くねぇ……」
柚「あはは、まぁしょうがないさ。なんせ
柚希はこの浦の星学院高校で唯一の男子生徒。
廃校になりかけているこの学校は、生徒数の増加を図るために共学化をした。
が、残念ながら集まった男子生徒は柚希のみ。
そもそもでここら一体の男子学生の数が少ないことも影響したが、男子学生の多くは沼津の静真高校に通っている。
ではなぜ柚希はこの浦の星に入学したのか。
その理由は至ってシンプル。
柚『千歌ちゃんが心配だから』
小さい頃からやんちゃだった千歌の身を案じ、そのストッパーとして一役買っていた柚希は、ちょうど共学化した浦の星に千歌と共に入学し、常にその行動を注視する役割を買ってでた。
まぁ簡単に言えば柚希は柚希で唯一の義妹のことが好きなのである。もちろん家族的な意味で。
柚「よーし、学校まで競走!ビリはみんなにみかんおごりね〜!」
千「あー!ずるーい!!!」
曜「いひっ、負けないであります!」
梨「ちょ、ちょっと〜!みんな速いわよ〜っ!!」
学校までの長い坂を駆け上がる4人。
スクールバッグを背負い、ブレザーを腰巻きした柚希が悠々と駆けていく。
その後を曜、千歌、梨子の順で追う。
暖かい日差し、春には珍しく澄んだ青空、ウミネコが鳴きながら自分の上を飛んでいく……
そんなことを考えながら柚希は坂を駆ける。
普段なら長く感じるこの坂も、楽しみながらのぼると短く感じる。
正門前に着くと、程よく暑くなった身体を冷ましてくれるかのように、心地よい涼しい風が吹く。
柚「ふうっ……へへっ、いっちばーん!」
曜「ぐわぁぁぁぁ……負けたぁ……」
少し遅れて曜が到着。
梨「はあっ、はあっ、はあっ……なんとか千歌ちゃんに勝てたわ……」
息を荒らげて梨子が到着。
そして千歌はというと……
千「うにゃぁぁぁぁぁ……カバンのファスナー閉め忘れてて、荷物が落ちちゃって、拾いに行ってタイムロスしちゃったよぉ……悔しいけど千歌の負けだよぉ……」
曜「あっはは、千歌ちゃんらしいね♪」
梨「そのタイムロスのおかげで私は助かったわ……」
柚「じゃあ千歌ちゃんがみかんおごり!まいどありっ!」
千「うわあああん!今日は運勢最悪だあ!!」
少女の悲痛な叫び声が響く朝の内浦。
今日も愉快な一日が始まりを告げた。
天の声side off
To be continued...
いかがだったでしょうか!
導入ということで、とりあえずはこんなもんでご勘弁ください笑
今回の主人公は千歌ちゃんの義兄である高海柚希!
とある過去の出来事により千歌ちゃんの義兄となるのですが、それはまたおいおい……
ではでは、オリキャラのプロフでも!
高海柚希 ――タカミユヅキ――
Age:17 Tall:175cm Weight:68kg Blood-Type:O
Birthday:April 25th
とある事情により高海家にやってきた少年。千歌と同学年だが、誕生日が千歌より早いため千歌から兄として慕われている。千歌と同じように自分は普通だと思っており、その存在が周囲に大きな影響を与えていることに気づいていない。Aqoursメンバーからの好意にも気づいていない。
黒髪のショートヘアで、基本的にアップバングにしている。
瞳は黒。バッチリ二重。
最近髭が生え始めてきて、剃る度に失敗するのが悩み。ちなみに生えるスピードはかなり遅い。
趣味はカメラ。休日によくカメラを持って様々なところに行き、主に風景を中心に撮影している。
特技は演技。中学時代は演劇部に所属し、類まれなる演技力で見るものを魅了した。
好物はトンカツ。とにかく好き。
逆に苦手なものは虫。特に脚が多い系の虫が大の苦手で、ムカデをみると泡を吹いて倒れることも。
座右の銘は"置かれた場所で咲きなさい"
と、まぁこんな感じですかね笑
次のお話で、Aqoursのみんなを登場させたいと思います!
それでは、また次回のお話でお会いしましょう!
(・ω・)/ばいにー!☆