輝きを常に心に   作:たか丸

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みなさんこにゃにゃちわ、生活リズムが刻めません、どうもたか丸です。
いやはや世間はコロナコロナで大変ですね。
遂には緊急事態宣言も出されてしまいましたし、感染者は日々増えていく一方。
病床はキャパオーバーして、命の取捨選択を行わなければならない厳しい状況に追い込まれているとも聞きます。
影響力のない小さな作家の卵にも満たない私ですが、そんな私からもこの作品を読んでくださっている皆様だけにでも伝わって欲しい。
自分を、自分の大切な人を、そして国を守るためにも、今は外に出ずに人との接触を避け、これ以上の感染拡大を抑止しましょう。
国がああだこうだ言えているうちは華です。
そのうち国のお偉いさんたちに感染して国会や内閣でパンデミックが発生したら。
その時はこの国はきっと。
そうならないように一人一人の意識や行動が大切になります。
私もですが、自覚を持って過ごしていきましょう!

なんて、暗い話をしちゃってごめんなさい笑
気休め程度ですが、私の作品で暇を少しでも潰せたらと思います笑

それでは今回も最後までお付き合いくださいませ。


紺碧の海のように

?side

 

――怖くないって、さあおいで!

 

だれかが俺を呼ぶ。

それは毎日空とにらめっこをしている青い海が。

 

――また一緒に遊ぼうよ!ほら、こっちにおいで!

 

優しく語りかけてくる。

まるで大きく腕を広げて、俺を迎え入れるかのように。

 

――あの時のことは謝る、だから早くおいでよ!

 

嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。

戯言を吐くのはやめろ。

 

ああ、ダメだ。足がすくむ。

体温が下がっていく。

嫌な汗が身体中の至る所から吹き出てくる。

呼吸が苦しい。

これ以上あいつの声を聞いていたら俺はダメになる。

 

だから俺は、そこから逃げたんだ。

 

 

?side off

 

 

柚希side

 

 

柚「ふわぁぁぁぁ……」

 

時刻は午前9時。

夏休みともなれば、本当ならお昼の12時くらいまで爆睡していたいんだけど……

今日は遊びのお誘いがあるから頑張って起きたとさ。

 

柚「ん……電話…………もしもしぃ……」

 

?『おはよ。随分眠そうな声だねぇ……しっかり寝られたの?』

 

柚「それが、今日が来なければいいなぁと思ってたら全然寝られなくて……気がついたら4時間睡眠……」

 

?『悲しいこと言うなぁゆづは。せっかくゆづの苦手なことを克服させてあげようとしてるのにぃ……』

 

ありがた……迷惑なんだよなぁ……

でもここに、内浦に住んでいる以上、この苦手……()()()に打ち勝たないと。

 

柚「そうだね、俺頑張るよ。ありがとう果南ちゃん」

 

果『うむ、よきにはからえ!』

 

柚「じゃあ30分後にまた」

 

果『おっけ。待ってるよ……あ、千歌も来るんだっけ?』

 

あー、千歌ちゃん。

どうしようか、誘ったらもちろん来るだろうけど……

俺のへっぽこな姿を可愛い妹に見せられない……

 

柚「いや、恥ずかしいから呼ばないよ……」

 

果『あっはは、そっかそっか。わかった、じゃあまた後でね』

 

そこで通話を切った。

ふぅ、仕方ない。

準備して行くとするか。

 

……っとその前に適当に朝ごはんを済ましちゃおうか。

もう旅館の仕事はこの時間になれば落ち着くだろうし、勝手にさせていただきますよ。

 

千「あ、ゆづにぃ!おーはよっ!聞いたよ〜、果南ちゃんと()()()()するんでしょ?面白そう!千歌も着いてく!」

 

階下のキッチンに行ったところ、眩しいみかん色の髪のかわいい義妹(いもうと)が、もっと眩しい笑顔で俺を出迎えた。

正確には鉢合わせた。

っていうか、そんなことより……

 

柚「…………どこで聞いたのそれ?」

 

千「ふぇ?果南ちゃんから!」

 

あの脳筋ダイバーお姉さんめぇ!!!!!

今日来ること知っててわざとさっき聞いたな?!?!

くそう……妹に醜態を晒すことになろうとは……

 

千「えへへっ、楽しみだねっ♪」

 

波乱の一日の幕開け、か……

 

 

柚希side off

 

 

果南side

 

 

果「おっ、ぷふっ……きたきた」

 

柚「ねぇ、なんで笑ったのか詳しく教えて果南ちゃん」

 

千「おっはよー、果南ちゃん!」

 

柚「おはよ果南ちゃん、ねぇなんで笑ったのか――」

 

果「おはよ、千歌、ゆづ」

 

柚「おっとスルースキルを身につけたか……」

 

あっはは、おもしろっ!

千歌を先に誘っておいて正解だったね!

千歌にゆづの醜態を晒しちゃおう大作戦、ステップ1は大成功♪

この後は海に突き落として、泳げないゆづを危なくない程度にお腹抱えて笑って差し上げよう☆なんて鬼畜なことはさすがにしないことは確かだからそこんところよろしくね。

 

柚「さて、未だに乗り気ではございませんが今日はご指導ご鞭撻のほどヨロシクオネガイイタシマス」

 

果「やけに棒読みだねゆづ……」

 

千「うん?ゆづにぃそういえば目の前に海があるっていうのに入ってる姿を見たことがないなぁ……」

 

お、いきなり痛いとこ突いちゃうか千歌は。

でも面白いからおっけー♪

 

柚「え゙っ?!そ、それはほら、別に海に入って何がいいとかないじゃん?!」

 

果「何言ってんの〜?海に入ればこの時期なんかは最っ高だよ!涼しいしお魚さんいっぱいで綺麗だし!」

 

千「そうそう!あ、あと……海の音が聴こえる☆」

 

うわ〜……なんてドヤ顔……

しかもちょっといい声出てたし……

梨子ちゃんの受け売りってこちとら知ってるんだからね?

 

柚「あっはは、梨子ちゃんもそんなこと言ってたね」

 

千「ギクッ!そ、そうだっけ?あ、あはははは……」

 

柚「あの時一緒に曲作ったんだから知らないわけないでしょ〜」

 

千「うう、そうでした……」

 

ここはお兄ちゃんに軍配だね♪

ま、千歌がゆづに勝てるのは元気くらいなものだし、しょうがないか〜。

 

果「さて、雑談はさておき、始めよっ」

 

千「おーっ!」

 

柚「お、おぉ……」

 

 

********************

 

 

果「そこで息継ぎっ、そう……そうそう!いい調子だよ!」

 

苦手といったものの、元々のセンスはあるみたいで、始めに怖がって水に足を入れるのを拒んでいる時間を除けば、ものの30分程で普通に泳げるようになってきた。

最初はほんとに大変だったなぁ……

 

 

『いやだっ、むりっ、むりむりむり〜〜〜っ!』

 

『なんだって俺がこんな目にぃ……』

 

『皮膚が呼吸出来なくなっちゃうよぉ……苦しくなっちゃう……』

 

 

宥めるのに何時間かかったことか……

うーん、やっぱりゆづはなにか才能に恵まれた人なのかな?

やらないだけで、ほんとはなんでも出来ちゃうような。

 

柚「ぷはっ!はぁ、はぁ、はぁ……」

 

千「ふふっ、ゆづにぃってばちゃんと泳げるじゃん!食わず嫌いならぬ、やらず嫌い?」

 

柚「もー、わかってるくせにぃ……トラウマなんだって」

 

果「小さい頃溺れたんだもんね、ゆづは」

 

千「あっ……」

 

柚「いや忘れてたんかい!」

 

千「ふぇっ?!そ、そそそ、そんな事ないよ!」

 

果「怪しすぎるんだけど……」

 

そう、ゆづは小さい頃私たちと遊んでいる時に溺れてしまったんだ。

あれは私が小学3年生の頃だったかな?

それくらいの時だからあんまり背も高くないわけで、浅瀬で遊んでいたんだ。

ゆづもその時はなんの恐怖心もなく私たちと一緒に海の中に入って遊んでいた。

 

 

けど。

 

 

ゆづは調子づいて、どこまで行けるか試してみようなんて言って。

気付けば私と千歌がいる浅瀬から多分10メートル程奥にいた。

奢り高ぶって自分の実力に見合わないことをした結果、小学校低学年の身長ではとても足が着かない程に急激に深くなった場所でゆづは、

 

消えた。

 

 

その後のことは必死だったからあんまり覚えてない。

唯一覚えているのは、泣きじゃくる千歌を抱きしめて宥めていたこと。

それ以来ゆづは学校のプールでさえその時の記憶が蘇り、一切、海やそれに近しいものに距離を置いてきたんだ。

最近はだいぶマシになってきて、今日みたいに普通に泳げるようになったわけだし。

この調子ならそのうち一緒にダイビングなんかも出来そうだね♪

 

柚「んぐっ?!ぶはっ!ゲホッ、ゲホッ、ゲホ……」

 

果「あっ、水飲んだの?!大丈夫?!」

 

柚「うへぇ……しょっぺぇ……おいしくない……」

 

果「ぷっ、あっはははは!」

 

弱々しい声でそう答える姿が、なんとも……面白くって……!

感想が、苦しいとかより先においしくないって、ほんとゆづは面白い♪

 

千「よーっし!ゆづにぃがもっと上手く泳げるように、頑張って応援するぞー!おーっ!」

 

柚「お、おー……」

 

 

********************

 

 

果「ええっ?!ダイビングしてみたいぃ?!?!」

 

柚「うん、挑戦してみたい」

 

果「いや、でも……」

 

いくらなんでも無茶だ。

泳ぎが上達して普通に泳げるようになったことはもちろん認めるけど、だからっていきなりダイビングって……

 

柚「あの頃みたいに慢心してるわけじゃない、ただ海の世界を知りたいんだ」

 

海の世界を、知りたい……

 

私は、ゆづに海の素晴らしさを知って欲しくて、今日ゆづを特訓した。

泳げるようになって、ゆづは"楽しい"って、言ってくれた。

すごく嬉しかった。

私の大好きなものに、興味を持って、認めてくれた気がしたから。

 

柚「それに、果南ちゃんがいるから」

 

果「私がいるから?」

 

柚「果南ちゃんならもしもの時、すぐに助けてくれるって思ってるからさ」

 

果「そんな人をレスキュー隊みたいに……」

 

ゆづの目を見る。

穢れのない、綺麗な黒い瞳で私をじっと捉えている。

本気の目。

小さい頃から何か大きなことに挑戦する時は、いつもこの目をしていた。

 

果「うん、わかった。もしもの時は私に任せておいて!」

 

柚「えっ、じゃあ!」

 

果「やってみよっか、ダイビング♪」

 

柚「わあっ……うん!」

 

あはっ、すごい満面の笑みだ。

こんなところを見るとやっぱり、ちょっぴりやんちゃな弟っぽく見えるなぁ。

こんな弟が欲しかった……

 

果「でも、危ないって私が判断したらすぐにやめさせるからね?」

 

柚「わかった!ありがとう果南ちゃん!」

 

千「ふふん、千歌もいるから安心するのだ、ゆづにぃ!」

 

柚「うん、千歌ちゃんも頼りにしてる♪」

 

果「よし、じゃあ早速準備しようか!」

 

 

********************

 

 

ウェットスーツに着替えた私たちは船に乗り、航海の旅に……

とはいかず、沖に出た。

雲ひとつない青空、燦々と照りつける太陽、青く染まった海。

絶好のダイビング日和とはまさにこういう日のことを言う、って私は思ってる。

 

果「さ、準備は平気かなん?」

 

柚「うん、いけるよ」

 

千「ゆづにぃ、がんばって!」

 

柚「ありがと千歌ちゃん、頑張る!」

 

そう言いながらもゆづの足は少し、震えている。

だから私は得意技をゆづに使った。

 

 

――はぐっ

 

 

果「大丈夫、海に入れば全部忘れる。今のその不安な気持ちも、全部」

 

柚「果南ちゃん……」

 

果「さっきレクチャーした通りすれば、大丈夫だよ」

 

柚「うん……」

 

ゆづの私を抱きしめる力が少し強くなった気がした。

やっぱり、少し強がってたんだね。

 

果「さぁ、それじゃあ行ってみようか!」

 

千「今のハグは見なかったことにしてあげるから、あとでみかんどら焼きおごりだからね!」

 

柚「あはは……うん、緊張ほぐれたからいいよ!それじゃあ、行くよ!」

 

そしてゆづはあの日以来の深い海へ、潜って行った。

続いて千歌が、その後に私が潜った。

 

いやはや、相変わらず綺麗な世界だなぁ……

内浦の海は穏やかで、魚がいっぱいいて、呆れるほど透き通った綺麗な水。

沖縄とかハワイとかの海にも劣らない、素敵な海だって私は思う。

……マングローブとかはないけども。

 

物思いにふけったところで、ゆづの方に目をやる。

多少泳ぎ方にムラがあるものの、初心者にしてはだいぶ綺麗な方。

昔あんなことがあったけど、今はこうして海中散歩が一緒に出来ている。

ものすごい進歩だと思う。

頑張ったね、ゆづ。

 

するとゆづは急に泳ぎを止め、くるりと回ってこちらを向いた。

ん?どこかを指さしてる。

ああ、魚を見つけたのか。

あれは……アジ、ソイ、メバル、タイ、かな?

 

んー?今度は上を指さしてる。

と、同時にゆづの体が上に浮かんでいった。

何かがいる訳じゃなくて単純に上がりたかっただけか……

 

柚「ぷはっ!ふぃ〜……」

 

果「ぷはっ、どうしたの?」

 

柚「あの魚たち、すっごく美味しそう!」

 

目をキラキラさせてそんなこと急に言うもんだからびっくり。

綺麗な魚だね〜!とか、俺達も魚みたいに泳げてるのかな〜?とか言うのかと思ったらまさかのそれ。

ふふっ、やっぱりゆづは面白い♪

 

果「そうだねぇ、アジは開きや刺身、ソイは刺身、メバルやタイは煮付けなんかが美味しいかな〜」

 

あー、もうすぐお昼かぁ、お腹すいたなぁ……

 

柚「食卓に並ぶ魚だもんね!海中は元より、水族館すら行ってなかったから、久々にちゃんと泳いでる魚を見られて嬉しいや!」

 

そっか、確かにそうだ。

海やそれに近しいものから距離を置いてきたなら、泳いでる魚なんか見る機会なんか無いもんね。

十千万じゃ魚なんか飼ってないし、余計に。

 

千「ねぇねぇ2人とも〜、もうひと潜りしたら戻らない?千歌お腹すいちゃったよ〜……」

 

柚「あはは、実は俺も……」

 

果「私も、そろそろお昼だからね。よし、じゃあもう少し海中散歩を楽しんだら、ご飯食べよっか。メインディッシュはお魚にしよう!」

 

千&柚「「はーーーい!!」」

 

ふふっ、可愛い妹と弟みたい♪

こんな兄妹(けいまい)がいたら毎日飽きなくて楽しいだろうなぁ。

 

 

********************

 

 

柚「今日はありがとう果南ちゃん、すごく楽しかった!」

 

果「楽しいって思ってくれてよかった!海が恋しくなったらまたおいで?」

 

柚「うん!」

 

千「ん〜〜〜っ、はっ、疲れたぁ〜……」

 

ぐーっと背伸びした千歌がだらしなく砂浜に座り込む。

それを見たゆづは千歌の頭を撫でる。

へにゃへにゃっと顔を緩ませて喜ぶ千歌と、そんな顔を見て微笑むゆづ。

 

柚「それにしても、果南ちゃんってばほんと綺麗だったなぁ」

 

果「えっ?いきなり何?!///」

 

柚「とっても優雅だったし、艶麗って言うのかな?とにかく綺麗だった!」

 

えっ、えっ、なに?なんなの?!

急にそんな綺麗綺麗って……///

ゆ、ゆづがそんな風に私を見ていたなんて……///

 

柚「内浦の海の中とっても綺麗だったけど、果南ちゃんの方が綺麗だったな〜、なんて♪」

 

果「なっ、ななななな?!?!///」

 

ば、バカじゃないの?!///

そんなの告白も同然なフレーズじゃん!///

 

千「はぁ、ゆづにぃってばほんと学ばないね〜……」

 

柚「えっ、何が?」

 

千「自分で考えて〜。それじゃ、千歌は先に家に戻るからばいばーい」

 

柚「あっ、ちょっと千歌ちゃん?!……行っちゃった……」

 

ちょっと千歌!なんでこの状況で2人きりにしたの?!///

 

柚「はぅ〜、それにしても今日は本当に楽しかったよ!まぁ、千歌ちゃんを誘ったのはどうかと思ったけどね……」

 

それはつまり2人きりがよかったってこと?!///

 

柚「いや〜、それにしても綺麗だった!新しい視点で見られたって感じで、知らなかった魅力を感じられたよ♪」

 

新しい視点?!知らなかった魅力?!///

潜りながら魚じゃなくて私を見てたってこと?!///

 

柚「ん?果南ちゃん顔赤い……大丈夫?」

 

果「だ、大丈夫!!なんでもないから!!///」

 

柚「???」

 

おちちゅけ私!松浦かにゃんしっかりしろ!///

いちゅも通りちゃんとやりゅ……

 

ダメだー!脳内でもこんな噛むなんて相当動揺してるよぉ〜……///

うぅ、ゆづのばか……ゆづのくせに変に意識すること言いやがって……///

 

柚「あっ、もしかして風邪?ちょっと失礼……」

 

果「ひゃっ?!///」

 

急におでこに手を当てて……って何してんの?!///

うぅ、恥ずかしすぎる……年下の男の子におでこ触られて熱の有無を確認されるだなんて……///

誰のせいで体温上がってると思ってんの!!!///

 

柚「うーん、やっぱりちょっと熱いね……このまま家まで送るよ」

 

果「えっ?い、いやいや平気だよ!1人で帰れる!///」

 

柚「だめだめ、風邪気味の女の子を1人残して帰る訳には行かないよ……っと」

 

え?

あれ?これどういう状況?

私の足が地面についてない……宙に浮いてる?

体は、どこか頼りないのに大きな背中の男の子に預けられている。

ん?

それってつまり……

 

果「なんでゆづ私の事おんぶしてるの?!?!///」

 

柚「えっ?だってほら、熱出てると足元覚束無いだろうし、この方が楽かな〜って!」

 

なんでそんな穢れのない綺麗な瞳でそんな事言えるのかなほんと……

下心だとかそんなものが一切ない、ただの善意でこうしてるのが、お年頃の男子高校生とは思えなくて私は少し不安になってきた……

 

柚「年下だし、力持ちでもないし、頼りないかもしれないけどさ、たまには立場逆転してもいいんじゃないかな、なんて♪」

 

本当に、これじゃあどっちが年上なのかわかんないね。

ずっと弟みたいだと思っていたゆづはもう、こんなに大きくなったんだなってようやくわかったよ。

 

果「じゃあ……よろしくおねがいしましゅ……///」

 

柚「うん、お願いされました♪」

 

ばか……

余計に意識しちゃう……///

こんな気持ち私には似合わないのに……

 

でも。

伝えるなら、今……なのかな?

 

でも。

それは同じ気持ちを持ってるAqoursのみんなに失礼なのかな?

 

でも。

恋は団体戦じゃない、個人戦だ。

誰かと同じ人を好きになるってことは、私か他者かが結ばれない結末に至る。

 

ならば、先手必勝じゃないのかな?

 

果「ね、ねぇ、ゆづ……」

 

震えるな、頑張れ私。

ただ一言、「好きだよ」が言えればいいんだ。

落ち着け、落ち着け……

 

果「私、さ……ゆづのことが――」

 

柚「わあっ!綺麗な夕日!内浦の海の中といい勝負だ!」

 

果「えっ?」

 

柚「ん?あぁほら、さっきも言ったじゃん。新しい視点で新しい魅力を知れたって。内浦の海の中ってあんなにも綺麗なんだなぁって!」

 

えーーーーーっと……

え?

海の中が??

綺麗???

じゃあゆづはさっきから私のことじゃなくて、内浦の海の中の話をしてたってこと……?

 

果「は、はは、はははははは……」

 

柚「か、果南ちゃん……?」

 

果「ゆづ、ちょっと降ろして」

 

柚「えっ、う、うん……」

 

ふぅ……

 

果「こんのド天然女ったらしがぁぁぁぁぁ!!!!!

 

柚「ホゲーーーーーーッ!!!!!

 

水飛沫を上げてゆづは海の中に消えていった。

正確には私が海の中に投げ入れた。

 

はっ!そんな事だろうとは思ってたよ!

期待した私がバカだったよまったく!

 

……でも。

そんな天然でアホでドジでマヌケですっとこどっこいなゆづだけどさ。

 

 

私は、そんなゆづのこと、大好きだよ。

 

 

いつか、言える日まで、この言葉は大切に取っておくからね。

だから、その日まで待ってて――

 

 

果南side off

 

 

 

To be continued!




いかがだったでしょうか!

自分の中で勝手に果南ちゃんは少し男勝りなところがあると思っていて、それが言葉の節々で出てきていたかと思うのですが、お気づきであれば作者としましては幸いでございます笑
男勝りなイメージはありつつも、あのぐら〜まらす(言ってみたいだけ)なぼでぃはほんま魅力的ですわよね。
きっとふかふかなんだろうなぁ……(どことは言っていない)

さて次回から2年生編が始まります!
トリは恐らくみなさん分かってらっしゃるとは思いますが、先方と中堅は誰がやってくるのか乞うご期待ですわよ奥さん()

それでは、また次回のお話でお会いしましょう。
(・ω・)/ばいにー☆

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