それでは、どうぞ!
ジャベリン達は、ポカンとなった。真面目そうな雰囲気を漂わせる女性、黒森峰の口から語られたのは、「我々は異世界からやって来た」というものであった。とてもじゃないが、信じることが出来ない。
「異世界からって、何を言ってるんですか?」
「そういう反応が普通だろうな。だが、言った筈だ。『最後まで話を聞いてほしい』と。我々の世界がどういったものかを説明させてくれ」
「……分かりました」
すると、大洗と呼ばれていた女性が、何かの装置の方へ向かった。
「あら? レーダーに何か反応です。3つですね~」
「ふむ、もしかしたらジャベリン達の仲間か、もしくはレッドアクシズとやらの者かもしれんな」
「私たちが対応してきますわ。黒森峰さんと大洗さんは、私たちの世界の説明をお願いします」
「承知した」
「愛ちゃんはどうする~?」
「お母さんとここにいる~!」
お互いに対峙している派閥の艦だというのに、その連携は目を見張るものがある。他の者たちはブリッジを後にして、残ったのは黒森峰と大洗、そして愛と呼ばれた少女の3人だけとなった。
「では、話すとしようか。我々の世界のことを」
「深海棲艦、ですか……」
「怒りや悲しみといった感情が集まることで生まれた存在……。特に怒りによって生まれた深海棲艦は、攻撃対象に見境が無い。怒りの者同士による争いは無いのだがな」
「そして、人間同士による争いもないと言っていましたが、それは……」
「うむ。そちらの方では、セイレーンの技術を利用した勢力が存在しているのだろう? だが、我々の方では、深海棲艦の技術を利用するという概念が無いんだ。向こう側から歩み寄ってきた例と言えば……」
黒森峰の視線を追うと、愛が大洗にレーダーの事を教えてもらったりしていた。
「元は深海棲艦だった、愛くらいだろう」
「え? あの子って、その深海棲艦という敵だったんですか?」
「種族だけで見れば敵かもしれん。だが、彼女を中心とした一部の深海棲艦は、我々と話をすることを求めてきた。我々はそれに応じ……。まぁ、紆余曲折あって、今に至るわけだ」
「……平和なんですね」
ジャベリンは思う。「どうして敵が違うだけで、こうも世界が違うのか」と。ほんのちょっとのすれ違いで、ここまで変わるとは思わなかった。
その様子を見た大洗が、声を掛けた。
「でも、まだまだ私たちの世界も、平和とは言えないわ~。深海棲艦は全員が敵だと思ってる人もいるし、怒りの深海棲艦も完全に居なくなったわけじゃないの。それに、政治的な意味での人間の争いがあって、それに巻き込まれたこともあったのよ~……」
「あぁ。こちらにはこちらの、我々には我々の事情があるということだ。『人間同士で争ってる場合じゃない』と余所者の我々が言っても、こちらの世界の人たちからすれば『何も知らないくせに偉そうに言うな』と返されるだろう」
「そんな……」
そんな時だった。ブリッジのドアが開けられる。
「大変だぁ!」
「アンツィオ、どうした。何かトラブルか?」
「アズールレーンとレッドアクシズの対立、思ったよりも深刻だったみたいだ! アズールレーンの艦船達が来たんだが、私たちがジャベリン達を拉致したと思ってるらしい!」
「えぇ!?」
「誰が対応した!?」
「……知波単だ」
『『『…………あぁ』』』』
見た目が重桜の艦船である知波単が、アズールレーンの艦船に対応してしまったという。誤解が生まれるのも無理はないと、黒森峰たちは納得してしまった。
さて、最後でトラブルが起きましたが、どうなるてしょうか。
次回をお待ちください