ジェガン、IS世界に立つ!!   作:RABE

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今回色々な物をコウタくん達は入手します

そして一人のガンダム世界の技術者も……


26話 海に眠る巨影

臨海学校の初日、IS学園のモノレール乗り場ではバスに乗る為に本土に渡る前に一年生の全員が集合していた

 

各クラスの担任、副担任の教師に引率される生徒達だがそんな中で織斑一夏は周囲を見渡して一年一組の中に居ない二人を探していた

 

「千冬ね……織斑先生、康太とクロエが見当たりません」

 

「かなりギリギリだったが、言い直したから良しとしよう。紫藤とクロニクルの両名は緊急出撃だと昨日の夜に出た。後で現地合流となる。というか、お前もラビットフット社の所属だろうに、何も聞いていないのか?」

 

「あの二人、というか束さん絡みだろうから俺は知らない事が多くて……」

 

「どうもお前は社員として見ていないようだな。ラビットフット社に入れたのも専用機を与える口実だろう。ラウラはどうなんだ?何か聞いているか?」

 

「ハッ、私の方にも別行動とだけ連絡が来ました、教官」

 

「織斑先生と呼べ。聞いての通り、紫藤とクロニクルは別行動となった。まあ束の奴が共に居ると襲撃のリスクも高まるから分散しての移動は効果的と言えるだろう。では全員モノレールに乗り込め。移動するぞ」

 

千冬の言葉に生徒達は元気よく返事をしてモノレールに乗り込んでいく

 

康太達が居ない事も話題には上がるが、全員がこれから向かう臨海学校の話題で持ちきりである

 

そんな生徒達の様子を眺めつつ千冬は独り言を呟く

 

「また余計な厄介事を持ってこなければ良いのだがな……」

 

 

「接触回線オープン、データ受信完了。博士、そちらはどうですか?」

 

『問題ないよ、こーくん。それと、今回は水中だけど機体の様子はどう?』

 

「此方も問題なし。この辺りの深度なら被弾しない限り問題なく行動可能みたいですね」

 

さて、臨海学校が今日から始まるというのだがオレとクロエ、そして篠ノ之博士は別の場所に居た

 

ある意味ではこれも臨海学校と呼べるかもしれないが、今のオレは太平洋の水深五百メートル程の場所にいる

 

クロエと篠ノ之博士は海上で船のように停泊しているノッセルの中だ、オレだけがジェガンを使って此処まで潜航している

 

何故このような事になっているのかというと、昨日の夜に篠ノ之博士が突然部屋までやってきて理由の説明なくノッセルに詰め込まれて移動した

 

そのまま移動している途中で説明を受けて理解したのだが、篠ノ之博士が急ぐ理由も分かる

 

オレの元いた世界に存在するガンダムシリーズというアニメの品物がこの世界に流れ着くのは今更だが、今回の反応は今までの物とは比べ物にならない程の巨大な物だったのだ

 

全長三百メートル程という段階で既に驚きなのに、一瞬だけとはいえ新たなISコアの反応が四つも確認された

 

恐らくはガンダム世界に於ける艦船の類いだろう、既に篠ノ之博士が無人機を派遣して確保しているが直接確認する必要したいのだという

 

更には秘匿性を上げる為に通信は有線で限定、現物を確保した無人機からのデータは直接受け取るようにして、更にはガンダム関連なら大体の知識を持つオレが駆り出された訳だ

 

問題となるのは確認した場所が海中であるという事で、全身装甲のジェガンは元から水中での運用に適していたが、更に篠ノ之博士が最適化する為にシージェガンというジェガンの水中用バリエーションへと装備を換装した

 

それにより潜航していたのだが、そこで先に確保していた無人機であるゴーレムと接触、それを経由してオレのジェガンへとデータが転送されて、更にジェガンに繋がっているケーブルを通してノッセルまでデータが行った

 

そうしてデータの確認をしていたのだが、外から確認された形状を見てオレは即座に艦名を識別する

 

「データを確認しました。艦名、【エウクレイデス】。西暦世界(機動戦士ガンダムOO)に登場する宇宙ファクトリー艦です」

 

『こっちでも見たよ。それで、この船の特徴って何かな?』

 

「この艦がいつの時の存在かによりますね。もし最後に登場した頃なら四機のガンダムと、あの世界でも最高の量子コンピューターであるヴェーダのターミナルコアが存在してる筈ですよ」

 

『成る程ねえ。となると、確認されたISコアの反応はそのガンダムの物かな』

 

「そうだと良いんですが……これに乗員が居たら手が付けられなくなりますよ」

 

少なくともオレでは勝てないだろう相手だ、念のために後ろに十二機の無人機のシージェガンが居るが、全機でも勝てないだろうな、あの最凶には

 

なので出来るなら乗員までは再現されていませんように、そう思いながらオレはエウクレイデスのハッチに取り付く

 

ロックが掛かっていると思ったがジェガンを使いアクセスすると簡単に扉がスライドして開いた

 

それと同時に海水も流れ込んでくるがそこは宇宙艦、後続のシージェガンも内部に入ると扉が閉まり排水される、エアロック機能は万全らしい

 

ともかくこれで排水はされた、後は艦内の探索だが広い艦内を纏まっても非効率だ、幾らかは分散させる事にする

 

よって二機一組の部隊を別に三つ編成して艦内の探索に当てる、オレは残りの六機を連れて移動だ

 

居るかも分からない存在に対して備えるよりも効率を取る、最悪撤退だけなら他の無人機を楯に下がる事も可能だ

 

ケーブルは扉の時に外しているから篠ノ之博士達に連絡はコアネットワークを通じての物になる、いざという時は情報だけでも向こうに送ろう

 

何が潜んでいるのか分からない艦内を警戒しつつ進む、幾つかの部屋を見て居住区らしい区画を進む、今のところは誰かが居た痕跡はないし、センサーに反応もない

 

そして幾つかの扉や通路を抜けた時、大きな空間に出る、此処はハンガーか?

 

本来ならモビルスーツが四機は格納されるのだろう場所、マンガでも見たが原作ならソレスタルビーイングの第二世代ガンダムが存在する場所には何もないがらんどうだ

 

だがある意味でこの世界を大きく変えてしまう存在は見付かった

 

ハンガーの中央にある幻想的にも見えるデザインの球体を擁する柱、ヴェーダのターミナルコアだ

 

「そうなると00Fより後の時代の物か。だがガンダムの姿はない。コアの反応もない。誰かが持ち去ったと考えるのが普通だが」

 

周囲を改めて見渡すがモビルスーツとしてのガンダムはなく、ISになったと思われるガンダムの姿もない

 

コアネットワークで繋がっている他の場所を探索している無人機からも何の報告もない、反応はあって今も艦内を移動している事から無事だと分かる

 

一瞬だけ確認されたコアの反応が嘘ではないのなら、やはり誰かが持ち出したか、ならば誰が?

 

この艦は篠ノ之博士のゴーレムが確保していた、その間に誰かが出入りしたという記録はなかった

 

なら考えられるのはゴーレムの到着前に艦を放棄して何処かへと去っていったという事だが、その人物は何が目的なのか

 

本当にガンダム世界の人間ならばこの今の世界を見て何を思うのか、何をするのか、そもそも誰が此処に居たのかも分からないのでは推測も出来ない

 

「仕方ない、今は先に進むか」

 

ハンガー内には他にも幾つかの物がある、ヴェーダはこの世界では単なるコンピューターとしてしか使えないが既存の物を上回るスペックの演算機となれば篠ノ之博士は喜ぶだろう

 

他にはソレスタルビーイングが所有していた整備マシンのカレルがそれなりの数並んでおり、使えれば色々と利用出来る

 

この艦もまた装甲材はEカーボン製だ、現実に存在するカーボンナノチューブの二十倍もの引張り強度があるらしいし、炭素系素材なので生産さえ出来れば鉱物資源に生産を依存せずに済む、コロニー開発の素材としても有用な筈だ

 

無人機部隊も他の区画を粗方確認したらしいし一度戻ろう、そう思った時に無人機部隊から反応が来た

 

「生体反応!?」

 

確認されたのは居住区の近くであり、その中の一室だ

 

オレは全ての機体をその場所に向かわせるよう指示を出し自らもそこに向かう

 

部屋の前で集結した後で武装を確認、何が起きても良いように覚悟を決めて一気に突入する

 

「動くな!」

 

部屋の中を確認すると同時に生体反応の出所を探す、だがそこに人影はなく、あるのは治療用の医療ポッドだけだ

 

「反応の正体はコイツか」

 

生体反応の位置は目の前の医療ポッドが中心となっている、誰かが眠っているのは確かだ

 

他に反応もないので取り敢えず武装を下ろしてポッドの中を覗き込む、そこには白髪の老人の姿があり、オレはその人物を知っていた

 

「まさか、レイフ・エイフマン教授!?ほ、本物なのか?」

 

医療ポッドにて眠っていた人物、それは機動戦士ガンダム00のファーストシーズンに登場してユニオンの技術者だった

 

ユニオンフラッグの開発者、世界的な機械工学、材料工学の権威、技術力だけでなく洞察力にも優れた天才的な人物である

 

その能力は『知りすぎた』故に暗殺される程のもの、そんな人物がアニメではなく現実として目の前に居る、そんな状況にオレは必死に自分を落ち着かせるよう努めていた

 

まさかパイロット等ではなく技術者が居るとは思わなかった、ガンダムに殺されたこの人がソレスタルビーイングの艦に居る理由が分からないが、それでもこの人だけは是非とも味方へと引き入れたい

 

何にせよこれは一番の発見である、オレは今まで封鎖していたコアネットワーク経由の通信を篠ノ之博士に繋げた

 

「博士、大至急報告したい事があります」

 

『お、ようやく繋がったと思ったら何かな?ガンダムでも見付かった?』

 

「ある意味ではそれ以上の存在です。ガンダム世界の技術者を発見しました。西暦2307年に於いて最高の頭脳を誇る技術者です」

 

『本当に!?こーくん、その人は今どうしてる!?交渉なら私も直接会おうか!?』

 

「そうですね。今は医療ポッドで眠ってますが、交渉するにしても組織のトップが直接顔を合わせるのは良いと思いますよ」

 

人間性に問題はある篠ノ之博士だがオレやクロエのトップだ、エイフマン教授を仲間として引き入れるなら三顧の礼に倣うのも良い

 

篠ノ之博士の到着までオレは近くに資料か何かが無いか探して待つのだった

 

 

「この人がガンダム世界の技術者。なんだか見た目は普通のお爺ちゃんだね」

 

「まあ御歳73歳ですからお爺ちゃんって表現は間違ってませんね。それと調べた結果、ポッドの方で眠らせてあるみたいです。操作すれば目覚めさせる事は可能ですよ」

 

「成る程ねえ。けどその前に、このお爺ちゃんって具体的に何処まで凄いの?束さんより上かな?」

 

「博士と比べるのは分野が違いますから一概に言えませんけど、少なくとも天才と表現して不足ないですよ。何の手掛かりもない手探りの状態で同じ世界の天才科学者であるイオリア・シュヘンベルグの計画の全容に辿り着いた人物です。その後、口封じとしてガンダムに殺されましたが……少なくとも、その知性は本物です」

 

「ふーん。ガンダム世界の技術者、今から約三百年後の人物。興味は尽きないね」

 

「ポッド、開きます」

 

クロエと篠ノ之博士と合流した後、篠ノ之博士にはエイフマン教授に関する説明を、クロエは医療ポッドを操作していた

 

そしてクロエの操作によりポッドが開放される、患者衣に身を包んだエイフマン教授が呻き声を上げながら上体を起こす

 

「此処は?わしはガンダムにやられた筈では?」

 

どうやらトリニティに暗殺された時の記憶があるらしい、図らずもエイフマン教授が何処までの記憶があるのか知る事が出来た

 

この部屋が医務室だと周囲を見渡して理解はしたらしいエイフマン教授の視線は次に此方へと向く

 

「初めまして、エイフマン教授。私の名前は紫藤康太、コウタ・シドウと言います。御加減はいかがですか?」

 

「ふむ、どうやら君達が治療してくれたようだな。わしはどれだけ眠っていた?」

 

「その辺りを説明する前に、幾つか確認させて頂きます。今現在、記憶の欠損などはありますか?」

 

「ふむ……少なくとも、自覚出来る範囲ではない」

 

「分かりました。では質問です。貴方が開発した現在のユニオンの主力機の名前は?」

 

「ユニオンフラッグだな」

 

「そのテストパイロットを務めた者の名前は?」

 

「グラハム・エーカー、当時は少尉だった」

 

「貴方の弟子で長い髪を後ろで纏めていた人物の名前は?」

 

「ビリー・カタギリかね?そういえば、彼等はどうなった?ガンダムは?」

 

「分かりました。結論から言うと両名とも無事です。それと、今が何年か分かりますか?」

 

「わしの記憶では2307年だ。あれからどれだけ経った?」

 

さて、此処からが本題である

 

誤魔化す事は出来ない内容、だからこそ事実だけを伝える

 

「残念ながら、今は2022年です。そして恐らくはエイフマン教授の居た世界とは違う歴史を辿っているかと思います」

 

「待ちたまえ。そのような事があり得る筈がない。第一、此処が過去の世界だというのであれば、君は何者なのかね?」

 

「私もまた、この世界の人間ではありません。教授と同じように別の世界の人間です。そこはまた、教授とは違う世界ですが」

 

「俄には信じられん話だ……君が嘘を言っている可能性もある」

 

「その点は空を見れば分かりますよ。この世界には軌道エレベーターはなく、ユニオン、AEU、人革連といった三大勢力も存在しない。そして日付は全て2022年です。混乱される気持ちも分かりますが、それは紛れもない事実なのです」

 

「つまり嘘ではないのだな。長く生きてきたが、このような状況になる等とは考えた事もない」

 

それはそうだろう、オレも別の世界に渡る事になるなんて思ってもみなかったのだから

 

「それで、シドウ君。君は何故、わしの事を知っているのかね?先程の質問といい、やたらと詳しいように思えるが」

 

「荒唐無稽な話に聞こえるかもしれませんが、私の元いた世界には一つのアニメシリーズがありました。機動戦士ガンダムシリーズです」

 

「ガンダム?」

 

「はい。ガンダムシリーズというアニメ作品があり、その中の一つにエイフマン教授が登場します。こうして世界が幾つもあるなら、そんな世界があるとは思えませんか?例えば今この瞬間、私達は生きていますがこの世界での出来事もまたアニメ扱いな世界があってもおかしくはない筈ですよ」

 

例えばこの世界にはISという超兵器がある、こんな存在をアニメとして設定にするなら面白そうだ

 

前の世界のオレの日常もアニメになってるかもしれない、平凡な人間の日常なんて全く面白くもないが

 

「成る程、確かにな。ふむ、ならば君はガンダムの、ソレスタルビーイングの、イオリア・シュヘンベルグの目的も知っているのかね?」

 

「ある意味では神様視点でしたからね。色々とイレギュラーな要素がありましたが、ソレスタルビーイングの目的は紛争根絶、だけではありません。全世界の悪になる事で地球圏の統一という目的がありました」

 

この辺りは劇中でもエイフマン教授が独自に辿り着いていたところだ

 

「だろうな。紛争根絶などという夢物語を本気で信じている筈がない。そしてあれだけの性能を誇るガンダムの数が少ない理由。あの特殊な動力源にも秘密がある」

 

「その通りです。木星の高重力下でのみ精製可能なTDブランケット、教授の読み通りかつての木星有人探査の時に開発された物です。そしてそこから放出されるGN粒子、それを圧縮した高濃度圧縮粒子を使えば人は齟齬のない意思疎通が可能となり、粒子を介さずとも脳量子波により同様の事が可能なイノベイターと呼ばれる種へと進化を促す。それにより外宇宙に出た時に地球外生命体との対話を行う。それがイオリア・シュヘンベルグの目的です」

 

「成る程、まさかガンダムの動力炉にそのような能力があったとは。やはり恐ろしい男だったのだな、イオリア・シュヘンベルグは」

 

「あとソレスタルビーイングの活動開始から七年後に逆に外宇宙から金属生命体ELSの襲来があったので、下手するとその段階で地球が滅んでました。ガンダムのパイロットの一人がイノベイターとして覚醒し、対話を果たした事でその危機は回避され、人類はELSとの共存の道を選ぶ事が出来ましたけど」

 

流石にそれはイオリア・シュヘンベルグでさえも予見していなかった事態であり、殆んど綱渡りみたいな状況だった

 

エイフマン教授も同様なのか呆然とした表情の後、自嘲気味に笑う

 

「ガンダムにより殺された私だが、ガンダムは後に地球を救ったか。皮肉なものだな」

 

「あの新型の三機は本来の計画には存在しないイレギュラーでした。それに、最初の四機とは別の存在で、対立した挙げ句に全滅してますよ」

 

「ほう、詳しく聞かせて貰おう」

 

「はい。それより、まず時系列順に行きますと―――」

 

その後、オレはアニメ本編の流れを簡潔に説明していった

 

エイフマン教授の死後に起きた事、ソレスタルビーイングの壊滅、地球連邦政府による統一、その後の独立治安維持部隊アロウズによる反連邦勢力の行き過ぎた弾圧とそれに対するソレスタルビーイングの再起と、色々だ

 

その中でもエイフマン教授と関わりの深いグラハム・エーカーやビリー・カタギリの事に関しては詳しく説明した

 

二人が憎しみを超えて前に進み始めた事を知った時は感慨深そうにし、グラハム・エーカーがソレスタルビーイングに入った話には呆れ、ビリー・カタギリが結婚して子供も授かったと話した時には意外そうにしていた

 

そしてある程度話終えると、穏やかな笑みを浮かべていた

 

「世界は良き方へ歩み始めたのだな。そこに立ち会えなかった事は残念だが、死人が出る物でもなかろう。本来知るはずの無かった未来を教えてくれた事、礼を言おう、シドウ君」

 

「いえ、此方もユニオンの高名な技術者と直接言葉を交わす事が出来て光栄です」

 

アニメの登場人物と会話する、それだけでも感無量なのに相手はユニオンフラッグの開発者だ

 

オレは00では一番はジンクスが好きだが、引けを取らないレベルでフラッグも好きだ

 

当時の最新鋭機ではあるが圧倒的なガンダムの性能には及ばなかった

 

だがグラハム・エーカーはその操縦技術を以て時としてガンダムを圧倒してみせたのだ

 

あのスローネの腕を斬り落とした名場面は感動した、即座にガンプラを確保しようと走り売り切れていたのは良い思い出だ

 

「では、今度は我々の未来についてだな。期せずして得た第二の生。それをどう生きるか。シドウ君、君はわしに何かを期待しているのではないかね?」

 

「それは……」

 

正直に言えば宇宙開発の為に力を貸して貰いたい、だがこうして言葉を交わした事でエイフマン教授には何者にも縛られずに残りの余生を過ごして貰いたいという思いも生まれている

 

それは篠ノ之博士の本意ではないが、それでもそう願わずにはいられない

 

だからオレは意を決して偽りのない言葉を口にする

 

「本音を言うなら私の、オレの夢である宇宙開発にその力を貸して欲しいと思っています。ですがエイフマン教授は自らの人生があります。教授程の頭脳ならこの世界でも自由に研究を続けて過ごせるでしょう。なのでオレは教授が望まれるならこの世界で自由に生きられるよう微力を尽くします」

 

「ちょっと、こーくん!折角の技術者なのにそんなの勿体ないよ!」

 

「申し訳ありません、篠ノ之博士。それでもオレは尊敬するエイフマン教授を自分だけの都合で無理矢理協力させるなんて真似は出来ません!」

 

この人はアニメの登場人物じゃない、現実に生きる一人の人間なのだ、そんな人を犠牲にしてまでオレは自分の夢を叶えたくはない

 

「ふむ、良かろう。わしの技術、存分に使うと良い」

 

「……えっ?」

 

「意外か?シドウ君の今の目は純粋な目だ。長く生き、時として権力者とも対面していたわしが断言しよう。わしとて宇宙開発には興味もある。わしの研究にも手助けすると言った。ならばその思いに応えてみようとも思おう」

 

「良いんですか?こんな初対面の相手を信用して」

 

「これでも人を見る目はあるつもりだ。でなければ当時は無名だったあの男(グラハム・エーカー)にフラッグのテストパイロットを任せようとは思わんよ。例え本人が志願してきたのだとしてもな」

 

そういうとエイフマン教授は篠ノ之博士の方を向き、不敵な笑みを浮かべる

 

「さて、ミス・シノノノと言ったか。改めてわしの名はレイフ・エイフマン。ユニオンの技術者だ。この世界でその技術がどう役立つか未知数だが、宜しく頼む」

 

「むむ、そう言って全然自分が劣るだなんて思ってない顔してるね。こーくんの言うガンダム世界の天才技術者でもこの世界で一番の天才はこの私、束さんなんだからね」

 

「フッ、己に自信が持てねば政治にしか関心のない者達の相手は出来んよ」

 

そうして篠ノ之博士とエイフマン教授は握手を交わすが二人の間にはピリピリした雰囲気が流れている

 

とはいえこうして正式にガンダム世界の技術者であるレイフ・エイフマン教授が仲間として加わった

 

未だにこのエウクレイデスについての謎は残るが一先ずは良いスタートが切れた、そう思える結果となったのだった




という訳で新たに機動戦士ガンダムOOよりエイフマン教授が加入しました。

誰かって?フラッグの開発者で麻薬嫌い、カスタムフラッグやオーバーフラッグを作り上げ、最後はスローネの攻撃で死亡した人だよ

※エイフマン教授の凄い点
ビリー・カタギリがエイフマン教授のメモからトランザムを再現する→トランザムはエイフマン教授の死亡後に初めて発動した→ソレスタルビーイングどころかリボンズでさえ把握していなかったトランザムの存在にその時点で気付いていた

と、この人生きてたら絶対自力で疑似太陽炉作ってだろうなって人です
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