ジェガン、IS世界に立つ!!   作:RABE

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短編②開始、今回のは話は割りと長くなりそうな……そしてオリキャラも登場です


37話 教導

『2022年5月1日

 

親愛なるコウへ

 

四月からメールの返信がありませんが、お元気ですか?

そちらではゴールデンウィークに入った頃と思いますが、どうお過ごしでしょうか?

私の方はもう少しで高校受験があるので勉強の日々を送っています。

今は大変ですが新しい学園生活の事を思えばそれも苦にはなりません。

また近い内に会えますが、メールでもお返事を下さい。待っています。

 

リナより』

 

 

あの生涯忘れる事はないであろう出来事から五日が経った

 

思い出す限りでも恥ずかしいのだが、クロエのあの行動のお陰でオレは立ち直る事が出来たのだ

 

とはいえ人を殺した事実を忘れた訳ではない、そして目覚めてからオレはクロエに感謝の言葉を伝えると共に一つの決断をした事を打ち明けた

 

あの日、襲撃した拠点の地下で行われていたDG細胞を使った人体実験、そこで犠牲になったと思われる幼い子供達の嘆きをオレは恐らくはサイコフレームによって受け取った

 

その子供達の声と共に感じられた痛みと悲しみだけは忘れてはならない、だからクロエにも伝えたのだ『同じ思いをする子供達をこれ以上生み出さない為にも、オレは引き金を引く。今度は怨念に囚われず、オレ自身の意思で戦う』という事を

 

ガンダム世界の技術を使った実験だけじゃない、似たような事が行われていると知ったなら、オレはそれを襲撃して潰す事にした

 

その為に篠ノ之博士にもその意思を伝えた、あの人の事だ、オレが自らの意思で戦うと言えば喜んで調査も進めるだろう

 

クロエは支えると言っていたがオレは撃たせる気はない、それはオレがやる事だから

 

とはいえ流石に前の作戦の影響が残っている事から数日は安静にするようにも言われた、クロエから伝えられた仮説はオレも正しいと思うから逆らわず、自室でゆっくりと過ごすつもりだった

 

ISでの訓練も三日は禁止されていた、そこで何をしていたかと言うと―――

 

「ティエレン、イナクト、フラッグ、オーバーフラッグ、ジンクス、ジンクスⅢアロウズカラー、ジンクスⅢ連邦カラー、アヘッド、ジンクスⅣ、ブレイヴ一般用試験機……」

 

―――00系統の量産型機のガンプラ作成である

 

どうしてかと言うとまた流れてきた漂流物の中に大きめのコンテナがあり、中身が00シリーズの量産型モビルスーツのガンプラ詰め合わせだったからである

 

そして各キットがそれなりの数入っており、ならばと貰ってきて組み立てていたのだ

 

まず作ったのはオーバーフラッグである、キット数は十五個、まさにオーバーフラッグス隊を作れと言わんばかりの数に寝る事もせずに組み立て続けた

 

一つ組んだ後で開発者本人であるエイフマン教授に見せてみたが、なかなかの再現度だと言っていた

 

全て組んだ後は一つだけリニアライフルのラインを青に変えてディフェンスロッドとの位置を左右入れ換えておいた

 

その後は一先ず満足したので各キットを一つずつ組み立てて机に並べておいた、オーバーフラッグス隊のみ別のケースに入れて並べてだ

 

「コウタさん、コーヒーはいかがですか?」

 

「ありがとう、クロエ」

 

「いえ、丁度三時ですのでお茶にしようと思っていたところです」

 

全てを並べ終えた時、背伸びをしているとクロエが声を掛けてくれる

 

あの日からずっと一緒に居てくれるのだが……流石に風呂トイレ以外ずっと一緒というのは過保護すぎやしないだろうか?

 

気持ちはありがたいが、クロエは自分の為に時間を使っても良いのだがこうして今もコーヒーを淹れてくれている

 

お茶請けとして用意されたクッキーと共にコーヒーを飲んでいると自室の扉がノックされた

 

夏休みという事もあって実家に帰省している生徒は多く、この世界に実家のないオレ達を除けば学園内に残っている生徒は少ない

 

中には帰る暇を惜しんで今の生徒が少ない時に使える時間の増えたISの訓練に打ち込む生徒も居るが、オレ達の部屋を訪ねてくるような人間はどれだけ居たか、そう思いながらドアを開けると、そこに居たのはセシリアだった

 

「セシリアか、今日帰るって聞いてたけど、まだ飛行機の時間は良いのか?」

 

「えぇ、まだ大丈夫ですわ。それに、自家用機ですので多少の融通は利きますの。それよりも、本日お訪ねしたのは康太さん達への招待状をお持ちしたからですわ」

 

「招待状?」

 

「はい、こちらですわ」

 

そう言うとセシリアは一通の封筒を手渡してくる

 

受け取ってみると触れて直ぐに解る程に紙の質が良いのが感じられた

 

古めかしく封蝋で留められており、更には印璽が押されている

 

その印璽は獅子と一角獣が王冠のついた盾を持っている絵だ、別にバンシィとユニコーンを指している訳ではないだろうが、細かく彫られている

 

「この紋章、イギリスの政府紋章ですね。という事はイギリス政府からの招待状、という事ですか?」

 

「ええ、クロエさんの仰る通りですわ。伝えられていた内容を簡潔に説明しますと、本国よりラビットフット社にイギリスの代表候補生への教導依頼となります」

 

「成る程なあ。けど何でオレ達なんだ?確かにラビットフット社は世界から注目されてるが、まだ学生だぞ?」

 

「私も本国から言われた事をやっているだけですが、恐らくは臨海学校でデビルガンダムの配下との戦闘が理由だと思われます。本国からは特に康太さんを必ず連れてきて欲しいと念押しされましたもの」

 

「オレをか?それはまた、随分と高く買い被られたものだな」

 

「あら、そうでしょうか?少なくとも実際に交戦し、あの『シドウ・レポート』の作者と考えれば不思議ではないように思えますわね」

 

「そうか、『シドウ・レポート』の……ん、ちょっと待て、何だそれは?」

 

「えっ?康太さんが書かれたのではないのですか?各国に配られて、デビルガンダムとその配下に関する詳細な情報と対処法から世界中のISパイロットは一度は目を通している程のレポートだと思うのですが……」

 

何だそれは、オレは全く身に覚えがない

 

確かにデビルガンダムに関してこの世界でオレ以上に詳しい人間は居ないと思うがそんな資料を作成して提出した覚えはないぞ、書けば確実に覚えてる筈だ

 

「電子データで良いのなら此処にありますが、読みます?」

 

「すまない、ちょっと貸してくれ」

 

セシリアが鞄から取り出したタブレットを借りて少し読んでみると、確かに文面は書いた覚えのある内容だった

 

そして軽く読み飛ばして最後のページを見ると『著:紫藤康太』『監修:篠ノ之束』とある

 

うん、思い出したぞ、これ前に篠ノ之博士に提出したデビルガンダムに関する報告書だ

 

「大体分かった、犯人は篠ノ之博士だ。オレの報告書をそのままレポートとして世界にばら蒔いた訳だな」

 

「そうだったんですのね。ですが、間違った情報でもありませんわよね?実際に戦った私が読んでもおかしな点は見当たりませんでしたもの」

 

「まあ、嘘は書いてないんだけどよ……」

 

再生能力やらDG細胞の特性やら四天王の情報やら、嘘は一切書いていないからこそ資料としてこれ以上の物はないように思える

 

しかも最初のページにでかでかと『DG細胞は常に進化する。新たな情報が得られた場合は速やかな情報共有を望む』と注意書きがあったから、これを鵜呑みにするなと警告も十分だった

 

「そんな訳ですから、康太さんの参加を本国は是非とも望んでいるのです。ですが強制ではありませんわ。教導依頼は本当でしょうけど、きっと裏では世界にラビットフット社と仲が良いと見せ付けるチャンスだと思っているでしょうし」

 

「こっちとしてはそう言われるとありがたいが良いのか、そこまで暴露して」

 

「確かに私は本国からメッセンジャーとしての役目を任されましたけど、後は康太さんの自由意思に任せます。私はご友人に無理な負担を強いるつもりはありませんもの」

 

「フッ、分かった。前向きに検討してみるよ」

 

「そうですか。確かに政治的な思惑も混じっていますが、私としても本国がデビルガンダムに対する備えをする事は望ましいですから、そのお言葉が聞けて嬉しいですわ。話では明日から二週間、本国では代表候補生を集めた合宿を行いますの。その中で一日だけでも良いとの事でしたので、もしもご参加頂けるのでしたら宜しくお願い致しますわ」

 

伝えるべき事を伝え終えるとセシリアは去っていった、これから行われるというイギリス本国での合宿に参加さるのだろう

 

「コウタさんはこの話、どうされるのですか?」

 

「受けるつもりだ。リハビリにもなるし、また改修したジェガンのテストにもなるからな」

 

政治的な思惑もあっさりと話してくれたセシリアの期待に応えたいってのもあるが、何より多少のブランクがある

 

そういう訳で取り敢えず封筒の中身を確認、格式張った文面ではあるが要約するとセシリアの言っていた内容の通りだった

 

ただ、その中に面白い内容があったのでより参加の意思が強まる事となったのだ

 

篠ノ之博士達にも伝えるにしても旅立つ準備はしておこう、スーツケースに何日か分の着替えやらを詰めて足りない物は道中で補充するなどしてオレ達はノッセルにてイギリスへと飛び立ったのだった

 

 

「ふふん、布陣は完璧ね!」

 

そうして康太達が旅立った後、普段ならばISの訓練中である時間の内にピッキングで康太達の自室で待ち構えているつもりの更識楯無は自信満々にそう言い放った

 

数日は行っていなかったが、昨日から同じ時間に訓練を再開した康太達、ならば今日もそうだろうと思い、そして留守だった事から確信に変わり、水着にエプロンという格好で片手に京都の老舗菓子店から取り寄せた高級菓子を持っていた

 

最初は普通の格好だったのだが、お菓子の他にもどうせなら男の子が喜ぶような格好をと思い、折角買ったのに忙しさで使う事のなかった水着を使って一見して裸エプロンに見えるようにしたのは彼女の悪戯心からである

 

そして戻ってくるであろう予定時間の三十分前にやって来た楯無は待ってる間暇なので部屋の中を色々眺めていた

 

ベッドの下に何か隠してないかなあ、とか思って探っても何も無かった事に残念がり、ならばと机の引き出しを二重底にしてないかとか、参考書のカバーの下とかを探ったりして、机の上に飾られているガンプラに気付く

 

その中でも数が多いオーバーフラッグス隊に気付くと、それを興味津々に眺める

 

「これ、エイフマン教授が先日データを送ってきたフラッグね。もうこんなに模型を作ってるなんて、商品化でもするつもりなのかしら?」

 

見れば他にも似たような物はある、これも全てラビットフット社が計画している機体なのかと考えつつ、彼女の目にジンクスⅢアロウズカラーが留まる

 

不思議とシンパシーのような物を感じたそれを楯無がじっと見ていると携帯の着信音が鳴る

 

仕舞う場所がなかったので胸の谷間に仕舞っていたそれを取り出した楯無は発信者が虚である事を見て通話に出る

 

『お嬢様、今どちらでしょうか?』

 

「前に伝えていた通り、康太くんの部屋よ。それで、何かあったの?」

 

『はい。本日から数日、紫藤康太君はそちらには戻りません。先程学園側に外出申請があり、イギリスに発ちました』

 

「えっ!?ちょ、ちょっと待って!?私、そんな話聞いてないわよ!?」

 

『ですから、つい先程の話なのです。今待っていても無駄なので、その事をお伝えした次第です』

 

「も~!これじゃあ何の為にこんな格好したか分からないじゃない!」

 

こうして楯無の康太へ対するお礼を兼ねた接触は失敗に終わったのだった

 

後程、用意しておいたお菓子を消費期限の関係から生徒会室で食べている楯無の姿があったのだという

 

 

イギリスのロンドン郊外、そこに設けられたアリーナでは帰国したセシリアを始めとするイギリスの代表候補生が集まりそれぞれの技量を伸ばす為に訓練に励んでいた

 

帰国したばかりで時差もあるがセシリアは飛行機での時間を使い調整を行った為に翌日には直ぐに合宿に参加しているのだ

 

この合宿では対デビルガンダム軍団という明確な目的を持って訓練が行われている、通常のISを想定した訓練ではなく如何に素早く多くの敵を倒せるか、その技量を磨く為の訓練を行っているのだ

 

だから複数の的にどうすれば的確な射撃が行えるか、セシリアはそんな代表候補生達の中でも機体特性と相まって抜きん出た成績を叩き出していた

 

それは実際に一対多の戦場を切り抜けた経験があったからであり、訓練だけの他の代表候補生とは一線を画している

 

そうして今もスコアを更新したところで休憩に入る、そんなセシリアに話し掛けてくるのは同じ代表候補生の少女である

 

「ねえねえ、セシリアさん。例の噂って本当なの?」

 

「噂とは、何の事ですの?」

 

「ラビットフット社のテストパイロットがこの合宿に参加するって話よ!ねえねえ、どんな人なの!?」

 

「ああ、そう言う事ですの。話は通しましたが確定ではありませんわよ。ですが、そうですわね、一言で表すなら『強い人』でしょうか?」

 

「セシリアさんがそう言う程!?他には!?」

 

セシリアは適性もありブルー・ティアーズという機体を駆り、その実力は元より同年代の間では頭一つ抜けていた

 

話し掛けてきた少女もそれは知っているだけに、そのセシリアが強いという相手に強く興味を惹かれたのだ

 

「くっだらない。何が強いよ。篠ノ之博士のIS使ってるんだから強いのは当たり前じゃない。そんなので強いなんて馬鹿じゃないの?」

 

しかしそれに対して難癖をつけてくる輩というのは何処にでも居るものだ

 

他の代表候補生の少女はセシリアの評価を一笑した、康太の事を性能頼りの男だと考えているようである

 

「確か、マリーさんでしたわね。康太さんの機体は確かにカスタムされてますが、ベースは第二世代機のジェガンですわよ?」

 

「ならアンタが弱いだけよ。アンタなんてブルー・ティアーズに適性があっただけで、今のスコアもそのお陰でしょう?ブルー・ティアーズが無ければアンタなんて雑魚よ、雑魚」

 

マリーと呼ばれた少女はそう言ってセシリアを笑う、代表候補生として選ばれたという事はそれだけの自負が多少の差はあるものの、誰もが持っているのだ

 

そして彼女はセシリアの事を挑発する、それまで一番次の国家代表に近いとされていたセシリアが負けたという事が彼女の気を良くさせていた

 

しかしIS学園に入学する前のセシリアならば兎も角、今のセシリアはそんな事で一々怒りを露にしたりはしない、それだけ学園での日々は彼女を精神的にも成長させていた

 

「そうですか。なら貴方は内臓が破裂した状態でも戦闘が出来るのですね?」

 

「は?何言ってるのよ?」

 

「私が康太さんを強いと言ったのは何も技量だけではないのですよ。あの人は敵を討つ為にPICで打ち消せない程のGを体に受けても戦いますし、それで内臓が破裂しようと最低限の治療を受けて再出撃しました。今の貴方にそれだけの覚悟がありまして?」

 

「な、何よ!?私だって出来るわよ、それくらい!」

 

「言葉だけなら幾らでも。ですが本当に信念を貫くような方はそのように信じられないような戦い方をするのです。それと、これはこの合宿で想定しているのと同じ、デビルガンダムの配下を相手にした時の話ですわよ」

 

それだけ言うとセシリアは休憩は終わりにして再び訓練に入ろうとする

 

マリーは納得いかないような顔をしており、最初にセシリアに話し掛けてきた少女の方は話を聞いて康太の事を筋骨隆々な大男として想像していた

 

そんな二人を置いてブルー・ティアーズを展開した時の事だった、セシリアは近付いてくるISの反応に気付く

 

悠々と自らの存在感を示すかのように高度を取り一定の速度で此方に向かってくる機体、セシリアは直ぐ様何か予定にある機体か教官に確認するが、教官はこの時間に近付いてくるISの予定は無いという

 

「正体不明、敵か味方かも不明。一度呼び掛けてみるしかありませんわね」

 

相手の意図も正体も分からない以上は一度通信で呼び掛けなければ後で問題になりかねない

 

その為、セシリアは油断なくライフルを構えながら近付いてくる機体に向けて全周波で呼び掛ける

 

「接近中のISに警告します。直ちに所属と目的を明らかにし武装解除しなさい。聞き入れられない場合は実力を以て排除します。繰り返します―――」

 

数度繰り返される警告、向こうにも確実に通じている筈だが返答はない、そればかりか明らかに増速し此方に向かってきている

 

「反応なし、所属不明機を敵と判断し迎撃に移ります!」

 

「て、敵って、本当なの!?」

 

「明らかに此方の警告を無視している時点で怪しいに決まってますわ!先行し、敵の出鼻を挫きます!」

 

「ま、待て、オルコット!?」

 

教官が制止するがまだ訓練機の出撃準備は整っていない為にセシリアは時間稼ぎを行う事を優先し迎撃に向かう

 

距離のある内に狙撃で敵の足を止められれば、そう判断してセシリアは機体を飛翔させ、射程圏内ギリギリのところで静止して狙撃の体勢に移る

 

センサーで遠目に敵の姿を捉えると、それは既存のISとは大きくかけ離れた姿をしていた

 

戦闘機にしては人のような手が前に出ており、セシリアの脳裏に可変機という可能性が過る

 

ならば話に聞くイタリアのテンペスタⅡかと思うが、それともシルエットが一致しない

 

一体何者が、と考える間も無く所属不明機はブルー・ティアーズの射程圏内に入って来た為に狙撃する

 

光速と同じレーザーによる一撃をこの距離で避けられる筈がない、そうセシリアは確信していたが次の瞬間には覆される

 

当たると思ったレーザーは発砲と同時に変形した所属不明機により空を切る

 

「私が外した!?ですが、二度目はありませんわ!」

 

偶然同じタイミングになったから外れたのだと見たセシリアは立て続けにレーザーを放つ

 

しかし所属不明機は機体を左右に振ってそれも回避する

 

「二度も避けた!?何なんですの、この敵!?」

 

『敢えて言わせて貰おう、グラハム・エーカーであると!!』

 

此処まで来るとセシリアも相手が偶然ではなく撃ってくるのを分かって回避していたのだと認めざるを得なかった

 

だがそれよりも衝撃を受けたのは距離を詰めてきた敵が発した声は男性の物だったからだ

 

更にその隙に距離は縮まり、敵機が腕から取り出したナイフのような物からプラズマによる刃が伸びる

 

「インターセプター!」

 

最早ライフルの間合いではない、セシリアは慣れてはきたが少しでも早く武装を展開する為に音声で近接戦闘用のブレードであるインターセプターでプラズマの剣を受け止めた

 

「私に剣を使わせるなんて!」

 

『身持ちが固いな、ブルー・ティアーズ!』

 

プラズマを発生させているナイフ部分を押し付けてくる敵機、距離を取らなければ自分の不利は免れない、そう理解しているセシリアは自身の弱点をよく把握し、そしていつもその対処法を模索していた

 

「ですが!」

 

『何ッ!?』

 

その答えの一つが鍔迫り合いになった時に相手の懐へとビットを飛ばし至近距離からの砲撃である

 

敵のパイロットはその動きに意表を突かれつつも素早く後退している、しかしセシリアは冷静に四基のビットによる射撃を行う

 

しかしその四発の攻撃は敵機が左腕に装備していた楯が回転し全て防がれる、多少は楯が凹んだが機体本体は全くの無傷である

 

「そんな、受け止めた!?」

 

『よくも、私のフラッグを!!』

 

あの状況ならば絶対に直撃させる事が出来た、だが目の前の敵はそれに対処して見せた

 

そんな出鱈目なパイロットが何人居るのか、敵の技量に舌を巻きつつセシリアはライフルとインターセプターを持って構える

 

敵機もまた右腕のライフルと左手のプラズマの剣を持ち気迫を増す

 

「参りますわ!」

 

『ブルー・ティアーズゥッ!』

 

そして再び二機が激突しようとした時の事だった

 

『ふむ、演習としてはその辺りで良かろう。二人とも剣を引くが良い』

 

「なっ!?」

 

『流石にこれ以上は互いに危険か。了解した、王女殿下』

 

二機に向けて同時に流れる通信、それを聞いたセシリアはその声の主に驚き、可変機の方は素直に武装を格納しそれまで纏っていた気迫を霧散させる

 

所属不明機がそのようにあっさりと戦闘を停止した事にも驚き、何が起きているのかセシリアが理解出来ず混乱していると近くに一機のISが寄ってくる

 

白を基調としスカートのように広がる装甲、各所に見える青いクリアパーツはセンサーを兼ねており、肩部アーマーからは生身のそれよりも一回り巨大な腕が伸びている

 

「余興は此処までとする。これはレイネシア・ビクトリア・カミラ・ステュアートの命である」

 

「お、王女殿下!?」

 

「うむ、久しいなオルコットよ。混乱するのも解るが今は剣を収めるが良い。コウタ・シドウも良い働きであった」

 

『お褒めに預り光栄です、殿下』

 

「シドウって……康太さんでしたの!?た、確かに言われてみれば声が……」

 

『そうだぞ。詳しい事は後で話すとして、今は戻るとしよう。王女殿下が説明してくれるさ』

 

次々と明かされる情報にセシリアの許容量は限界寸前であったが、王女を先頭に三人は元の訓練場所へと向かうのであった




そんな訳で開始しましたイギリス編、どうしてコウタくんがフラッグで戦闘仕掛けてきたのか、詳しい内容は次回説明します

そしてオリキャラな王女殿下ですが、軽く解説するとイギリス王室の血を引いている女子の中で一番IS適性が高かった為に士気高揚の目的もあって担ぎ上げられた人物で、本来の王位継承権はかなり下も下、ISの台頭と共に成り上がった人物です

まだ王位継承権は低いですが、大会での優勝などを重ねていけば武勲として更に王位継承権が上がっていく、かも

なお機体はワンオフの専用機カリバーン、王女殿下共々見た目はまんま武装神姫のアルトレーネ型と思ってて下さい
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