宇宙を駆ける紅い軌跡、その正体に康太は心当たりがあった
それと同時に笑みを浮かんでいる、西暦世界のガンダムならばそれを打ち破らねば超えた事にはならないと思ったからだ
しかしその切り札の存在を知らない地上組は混乱していた、計測される速度は軽く見ても先程の三倍はある
機体性能ではアストレアが上なのだ、にも関わらず更に機体性能が上がる等とは思ってもみなかった
それには先程までの康太の奇行に振り回されていた者達も冷静さを取り戻し、固唾を飲んでモニターを見詰めていた
『トランザムシステムか!そうだ、これとやりたかった!』
それに対して康太の様子は変わらないが、少なくともその切り札についての知識は持っているらしい、ならばその対処法も準備しているだろうと安堵する
だが康太が剣を振るうもアストレアには当たらない、それ程の差が二人の間には存在していた
そして遂には完全に背後を取られ、背中に装備しているノワールストライカーがアストレアの持つ二本のビームサーベルによって破壊される
『グゥッ、これほどとは!?』
焦りの色を含んだ康太の声に流石に本気で追い込まれているのだと全員が理解した時には既にビームサーベルを構えたアストレアが康太へと迫っていた
だがジェガンが貫かれる寸前でピンク色のビームの幕がその攻撃を阻む
それと同時に複数の方向から放たれたビームがアストレアを狙い、それにはフォンも後退する
「増援!?いや、あれは!」
「前に一度、臨海学校の時に見た事がありますわね」
ビームを放ったものの正体、それは小型の移動砲台のような物で、ある程度の射撃でフォンを引き剥がすとジェガンのバックパックへと戻っていく
そこにはフォンに破壊されたノワールストライカーとは別に新たなストライカーパックが装備されていた
『賭けには勝ったか。危機的状況に陥った際の生存本能からの能力の喚起。進んでやりたいものではないな』
『ハッ、ようやく本気を出しやがったか。今度こそニュータイプの力、見せて貰うぜ!』
『行け、ドラグーン!』
新たに装備されたストライカーパックに関してセシリアは見覚えがあった、臨海学校で一度だけ見た自身の機体であるブルー・ティアーズと同コンセプトの装備、シラヌイである
あの時は細かに観察する事が出来なかったが今はその全てを見る事が出来る、このような状況ではあるがセシリアはその動きに注視していた
宇宙空間を飛ぶ七つの遠隔操作型の移動砲台、初めて見た他の代表候補生達はそれとは別に大きく衝撃を受けていた、イギリスの開発している第三世代武装と全く同じ武装を康太が使っている事に対してだ
「あれはBT兵器!?でも、動きが!」
セシリアも自分と康太の違いは分かっている、かつては機体かビットか、どちらかしか操作出来なかった己に対して康太はドラグーンによる射撃を加えながらもビームサーベルを両手に握り戦闘を行っているのだ
初めて康太と戦った時にその欠点は改善されてきているとはいえ、セシリアには今の康太のように動けるかと言われれば否と答えるしかない
そして、ドラグーンの動きもまた格段に上だった、セシリアの場合は移動させる時にどうしても直線的な動きになりがちなのだが、康太が操るそれはまるで生きているかのように動く
狙われても蛇行して回避し、別のドラグーンがカバーし、それらが全て一個の生命体であるかのように錯覚する程である
未だにフォンのアストレアを捉えるには至っていないが、その精度は確実に上がってきている
しかし完全に決める前にドラグーンのエネルギーが切れ康太のもとへと帰還していく
背部のシラヌイに装着されエネルギーの補給が行われるのだが、その間は康太の戦闘力が下がってしまう
シラヌイは機動性が大きく上がるといった機体本体の変化は少ない、多少は上がるがメインとなるのはドラグーンによるオールレンジ攻撃なのだ
その為、肝心のドラグーンが使えないのでは話にならない、アストレアが康太の周囲を高速で飛び回り撹乱するのをまた見ている事しか出来ないのだ
ISのハイパーセンサーでさえも全てを追いきれない程の機動性、だがビームライフルに持ち替えた康太は一度目を閉じると意識を集中させる
その場で静止している康太の様子を怪しみつつもニュータイプの力を見る為に仕掛けるフォン、高速移動により十分にセンサーを撹乱したところで頭上より襲い掛かる
だが康太はそれを直感で悟り、ビームライフルだけを頭上に向けて発砲する
相手の姿を全く見ていないにも関わらず放たれた射撃、それは違わずフォンへの直撃コースに乗り、回避するも右肩部を掠め装甲に傷をつける
トランザムの使用から明確なダメージにフォンが舌打ちするが、康太は更に射撃を続ける
ダメージを受けたが足を止めるような愚行をフォンは犯さない、だが康太へと攻撃は全てフォンの進路上へ置く形で放たれたものだ
それは康太がフォンの動きをセンサーではない部分で察知し対応している事に他ならない
『成る程、大まかに分かって来たぜ。お前、オレ様の殺気を感知しているな?オレ様が攻撃に移ろうとした時だけ、先んじて射撃が来る。それがニュータイプの力の一端って訳だ。ならよ、この状況ならどうするんだ?』
『ッ?しまった!?』
宇宙空間に漂っていた武装を回収したフォン、それは最初に撃った後で取り回しが悪いからと放棄していたGNランチャーである
そして康太は今の全体の位置関係を即座に理解した、もしフォンがこのままGNランチャーを放った後、それを康太が避けると射線上にはエクスカリバーが存在していた
チェルシーの妹であるエクシア・カリバーンの救出も目的としているだけに避けられない、特にトランザムを使用し威力の上がっているGNランチャーの直撃を受ければエクスカリバーやエクシアにどれだけの被害が出るか未知数なのだ
更に言えばフォンが使っているアストレアの持つGNドライヴは初期型の擬似太陽炉、そのGN粒子には毒性があり、撃たれれば現状では治療する術がない
だからこそ康太は避けられない、防がなければエクシアの命を危険に晒すと理解してしまっているからだ
『ニュータイプは奇跡を起こせるんだろう?ならその奇跡、オレ様に見せろよ』
『クッ!』
トランザムによって強化された出力より放たれる高濃度の粒子ビーム、それを康太はエネルギー補給の終わったドラグーンを展開し三基ずつでビームシールドを二枚展開する
更には自身もシールドを二枚持ち、重ね合わせるようにして粒子ビームを待ち構える
そして遂に粒子ビームが一枚目のシールドを破り、二枚目も多少は威力を軽減させたものの破られる
そこに七基目のドラグーンが割り込み、ビームを放ち相殺しようとするが押し切られ、康太へと直撃する
数々の防御により放たれた当初よりはエネルギーを消費していた粒子ビームは、しかし簡単にシールドを破壊し、ジェガン本体の装甲に達する
ISの基本機能であるシールドバリアに加えて絶対防御の発動、そこでようやく粒子ビームを相殺する事に成功するが代償は大きかった
『ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?』
「コウタさん!?」
「兄さん!?」
康太の痛みに呻く声と、粒子ビームを喰らったジェガンの姿に地上で見ていた者達からも悲痛な声が上がる
そして爆発の中から現れたジェガンは機体の上半身を半壊させ、頭部は砕けていた
パイロットである康太は生きてはいる、だが着弾の衝撃によりヘルメットのバイザーは割れ、その破片で切ったのか頭部から血を流している
まだ生きているISの保護機能で窒息するような事はないが、それはジェガンが解除されれば保護機能も失われ気密の失われたパイロットスーツでは生存が出来ない事も示していた
『サイコミュとかいうのを使えば防御出来ただろうが、それだけの力が無かったのか?まあいい、その程度だって言うなら見る価値もねえ。此処で殺してやるぜ』
ニュータイプの力が見える事を期待していたフォンはそのような結果に落胆した様子で改めてビームサーベルを構え直す
そして康太へと止めを刺そうと推力を全開にしてビームサーベルを突き付ける
だがその切っ先が康太へと触れる瞬間、康太は自身の血で閉じていた右目を開き、機体を操作する
すると今度は康太の姿がフォンの目の前から掻き消える事態になり、その動きにフォンが意表を突かれると背後から突き立てられたビームサーベルによりアストレアの右脇腹を貫かれる
『これは、お前とは別のガンダムマイスターが見せた技だ!』
『へっ、やれば出来るじゃねえか……』
自らにビームサーベルが突き立てられる直前に肩部スラスターによる瞬時加速と背部スラスターの調整で敵の背後に回り込む、ワンセコンドトランザムを基に咄嗟に康太が機体制御方法を編み出したのだ
そのまま互いに距離を離す二人、アストレアの装甲の輝きが消える事でトランザムの限界時間が来た事を示していた
『紫藤康太、お前の強さの理由は分かったぜ。ニュータイプ能力だけじゃねえ。様々な機体、戦術に精通し状況に応じて使い分け応用する、それがテメェの強さって訳だ』
絶対防御を抜かれ負傷しているにも関わらずフォンは楽しそうに笑う
『トランザムはもう使えない。擬似太陽炉が焼き切れる前に止めたようだが、機体に蓄積したGN粒子は大分消耗した筈だ。まだ続けるか?』
『いいや、今日はこのくらいで十分だ。紫藤康太、次はそのニュータイプ能力をもっと引き出しておくんだな。あげゃげゃげゃげゃげゃ!』
『逃がすと思うか!?』
『思わねえな。けど、お前はオレ様を逃がすしかない』
『何をッ!?』
『ハナヨ、やれ』
機体の損傷は大きいが戦意は全く衰えていない康太、それに対してフォンは負傷したが余裕のある態度を崩さない
そしてフォンの合図と共に宇宙空間に浮かんでいたエクスカリバーの各所から爆発が起きる
『エクスカリバーが!?』
『事前に爆弾を仕掛けといたのさ。なに、パイロットの居る中央部分は無事だ。けどよ、早く助けないとどうなるか分からねえぜ?』
『グッ、そういう事か……!』
エクスカリバーの接合部等を集中的に狙った爆破、しかしパイロットであるエクシア・カリバーンは無事だとフォンは言う
そして地上でエクシアの救出を誓っている以上、康太は直ぐにエクスカリバーへ向かうしかない
『……口惜しさは残るが、私とて人の子だ!』
救助を最優先に、康太はストライカーパックシステムのコネクタがある背部が比較的無事である事を確認するとスペキュラムストライカーに換装しエクスカリバーへと向かう
その間にフォンは自身の保有する輸送コンテナへと帰還していった
「フォン、直ぐに治療を」
「いや、まだ平気だ。望遠カメラは回してるな?最後まで見届けようぜ」
輸送コンテナに戻ると専用のハロから現れたハナヨがフォンに治療を勧めるが、負傷を放置してフォンはモニターに映した康太の様子を眺めるのだった
「テメェはまだまだ強くなる。また近い内に会うとしようぜ、紫藤康太!あげゃげゃげゃげゃげゃ!!」
◆
一方、エクスカリバーに向かった康太は近くまで行くと中枢部分をハイパーセンサーで捜索していた
多少の破片が飛び回っており、康太も万が一の為に破損したパイロットスーツを無傷の予備と交換はしている
しかし宇宙空間でのスペースデブリは速度によっては銃弾や、砲弾と全く変わらないレベルの威力になる事もある為に全く油断は出来ない状況だった
そして捜索を初めてから一分、エクスカリバーを調べていた康太は生体反応を捉え、その周辺の装甲を剥がす
そこには体のラインがかなり浮き出る形の宇宙服らしき物を纏った一人の幼い少女が居た
顔に面影もある事からその少女こそがエクシア・カリバーンだと見抜いた康太は直ぐに周辺の機械を見て動かして良い物かを探る、そしてエクスカリバーのコア反応がエクシア自身から発信されている事に気付いた
「これは……そういう事か」
クロエと同じ生体融合型のISだと思い至った康太はそのコアの保護機能が動いている事を確認するとエクシアの体を抱き抱えてエクスカリバーより離れる
残骸が漂う中をエクシアの保護の為にドラグーンで張ったビームシールドを頼りに進み、宇宙に来るのに使ったストライクブースターに到着する
そのまま康太はストライクブースターに設けられたハッチを開くと内部に詰め込んでいた予備の武装を放出する、貨物用に輸送スペースを確保しており、そこにエクシアの体を収容、ベルトを使い固定すると通信を開く
「クロエ、エクシア・カリバーンの身柄を保護した。ストライクブースターをそっちで制御して帰投させてくれ」
『確認しました。コウタさんもお早く』
「いや、まだやるべき事がある」
『やるべき事、ですか?それは?』
「エクスカリバーを砕く。クロエ、コアネットワーク経由でヴェーダに接続。現在のエクスカリバーの軌道を演算してくれ」
『は、はい!これは…………エクスカリバー、爆発の衝撃で軌道上より移動!このままではイギリス首都ロンドンに落下します!』
「やはりか」
司令部ではイギリス代表候補生達が息を呑む声が聞こえてきていた
康太だけがフォンがただエクスカリバーを爆破するだけで終わりではないと見抜いていたのだ
『エクスカリバーの装甲材は不明ですが、ISの装甲材なら大気圏で燃え尽きない可能性が高いです』
「分かっているさ。だから燃え尽きるサイズになるまで砕く!」
スペキュラムストライカーのブースターに点火し康太は再びエクスカリバーに向かい飛ぶ
それからエクスカリバーに追い付くとその周囲をハイパーセンサーで調べ、そのデータをヴェーダへと送る
「クロエ、最も効率的な破壊箇所を試算してくれ!サムブリットストライカーを使う!」
データを送った後は機動性ではなく火力が必要になる為に康太はサムブリットストライカーに換装した
通常はアグニ改を装備しているサムブリットストライカーだが、エネルギー消費が激しすぎる為に今回は通常のアグニを装備している
それでも十発も撃てばエネルギーが切れるだけに、康太は一発でも無駄にしたくないとより確実性を取った
そしてヴェーダによる演算結果が送られ、その指示通りに康太が狙撃していく
次々に砕けていくエクスカリバー、的確に装甲の薄い箇所を狙い放たれるビームがその巨大な剣を粉砕していく
だが予想外の事態が起きる
「駄目だ、予測よりもエクスカリバーの装甲材が強固だ!」
『外周部分は今の状態でも燃え尽きます。ですが、中枢部分が!』
「分かっている!やれるだけやるだけだ!」
アグニで足りないのならばとトーデスブロック改やミサイルによる攻撃を中枢部分へと集中させる康太
だが中枢部分だけは他の物とは比べ物にならない程頑丈に作られており、砕くには至らない
『サムブリットストライカー、全武装エンプティ!これ以上は!』
「ぐっ、まだだっ!」
実弾もエネルギーも使い果たしたサムブリットストライカーを量子化し、康太はスペキュラムストライカーを装備し直すと未だに外観を留めている中枢部分に組み付いた
『コウタさん、何を!?』
「このサイズでも宇宙から落とす訳にはいかない!」
中枢部分に組み付き、そのまま宇宙へと押し返そうとする康太だが、既に地球の重力に捕まりつつある中枢部分は落下する事を止めない
スペキュラムストライカーの推力を全開にしてもそれなのだ、地球への落下は避けられないと思われた
「まだだ!まだ終わらんよ!」
通常の推力で駄目ならばと康太は瞬時加速を行う、それにより多少は押し返す事が出来たが瞬間的なものではまだ足りない
同じ理由で二重瞬時加速でも足りないだろう、だから康太が取った手段は一つだった
「上がれえぇぇぇぇぇッ!!」
スペキュラムストライカーに備えられた四基のブースター、それを全て連動させて絶え間なく瞬時加速を行うという離れ業、
その技を編み出したアメリカのイーリス・コーリングでさえ成功確率は低い、戦闘ではないとはいえその高難易度の機動を康太は土壇場で実行してみせた
瞬時加速の爆発的な推力が連続し、中枢部分を宇宙へと押し上げていく
『もうすぐ地球の重力圏から抜けます!コウタさん、それ以上は貴方が危険です!早く離脱を!』
「いいや、確実に行く!」
『それではコウタさんが帰還する為のエネルギーが残りません!』
エネルギーをかなり消費する瞬時加速、それを連続して使えばどうなるかは明白である
目に見えて減っていくジェガンのシールドエネルギー、それが残り一割を切ったが、康太は噴射を続けている
『これは死ではない!地上に住む人々が生きる為の―――!』
エクスカリバーの中枢部分が完全に重力圏から抜ける、少なくともこれで地上に被害が出る心配はなくなった
だが、それと同時にストライク・ジェガンのシールドエネルギーもゼロとなり、機体が解除され康太の体がパイロットスーツのまま宇宙へと投げ出されていった
◆
「早く救助隊を編成しろ!恩人を死なせたとあっては何と顔向けすれば良いか!絶対に生きて連れ帰るのだ!」
司令部ではレイネシアが軍に連絡を取り、軍のIS部隊の派遣を行おうとしていた
機体は解除されてもISのコア反応は宇宙に健在だ、そこまで辿り着ければ救助も出来る
だからこそパイロットスーツの酸素が持つ僅かな時間を無駄にしない為にも迅速な行動を行っているのだが、軍の動きは鈍い
『しかし王女殿下。いくら王女殿下の御命令とはいえ、いきなりロケットを打ち上げるには時間が―――』
「ISだけを送れれば問題ない!適当なミサイルにくくりつけるなり何なりしてでもあの座標へと向かうのだ!事態は一刻の猶予もないのだぞ!?」
『ですが、他国にミサイルの打ち上げを伝えるにもその理由が宇宙条約に違反していた兵器をテロリストに奪われ、その奪還に向かったパイロットの回収となると、共同開発をしていたアメリカにも影響が―――』
「既にテロリストに奪われていたという時点で醜態だ!その奪還に協力した恩人を見捨てて更なる醜聞を作るのか!?」
腰の重い軍部とのやり取りは続く、そうしている間にも残り時間は少なくなっている
それとは別にセシリア達も自分達で動けないか話をしていた
「クロエさん、あのブースターはもう一度使えないのですか?」
「エネルギーが殆んど空です。もう一度宇宙に上がる為には、最低でも三時間はエネルギー補給に要します」
「それでは間に合いませんわね。せっかくチェルシーの妹を助け出してくれたというのに……!」
「出来るなら私が出ています。ですが、今はコウタさんを信じるしか……」
クロエの言葉に暗い表情をするイギリス代表候候補生達
そんな中、モニターを見ていた一人が異変に気付く
「ああっ!?ジェ、ジェガンの反応が!?」
その言葉に全員がモニターに注視する、そこには康太のジェガンのコア反応を指し示していた反応が途切れた事を示す表示が行われていた
「何ッ!?一体、何があったというのだ!?」
「分かりません!ですが、記録を見る限り何らかの手段により妨害されたようです!」
「妨害だと!?そのような事が出来るのは、まさか!?」
「皆、外を見て!空にアレが!」
更に司令部の外を映していたカメラの映像に切り替わる
そこに映された空には砕かれたエクスカリバーの破片が大気圏で燃え、火球となっていた
昼でも見える流れ星、そんな中に真紅に光り輝く物体が同じように降下してきている
そしてこの場に居る全員がその光を知っていた
「アレは、まさか!?」
「……ガンダム!」
先程まで康太が戦闘を行っていたフォンのアストレア、それが背部より放出していた光と同じという事実に全員が身構える
だがクロエだけはそれが敵ではないと感じていた
「違います、アレは―――」
『GN粒子、最大散布から散布中止。全く、理屈の上では可能と分かっているとはいえ、ぶっつけ本番になるとは』
通信機より聞こえてくる声、それは宇宙空間を漂っていると思っていた康太の声だった
それと同時に外部カメラに映っていた赤い球体が崩れトリコロールカラーの機体、康太がプルトーネと呼んでいた機体が現れる
それを見てクロエが通信機を掴み、通信を行う
「コウタさん、無事ですか!?」
『問題ない。ただ、通信プロトコルとか全く違い過ぎて手こずった。これは聞こえてるのか?』
「はい、聞こえています。ちゃんと、聞こえていますよ」
『そうか。ならこのままアリーナに着陸する』
「分かりました。コウタさん―――」
『うん?』
「お帰りなさい」
『ああ、ただいま』
その後、ガンダムプルトーネを動かしていた康太は先に伝えていた通りにアリーナへと着陸した
そんな彼をクロエの他にもその場に居た全員が出迎え、康太はあまり慣れない敬礼で応えるのだった
これにてフォン戦は決着となります
次でイギリス篇は終了の予定です、その次は一話の短編書いて、夏休み篇最後の短編を書こうと思います