ジェガン・サーガの武装による機体特性と施設内という地理的な要因から米軍特殊部隊『名も無き兵たち』の『隊長』を退けた康太だったが、エネルギーを失い機体を解除された彼女を殺す事はなかった
以前のヴァルハラの時は犯罪者相手だったが今回の相手は曲がりなりにも米軍である、貴重なISコアを失ったとあれば死に物狂いで追跡してこようとするだろう
それに比べれば姿を見られた程度は今更である、以前の暴走の際に既に存在を知られている為である
ならばコアとパイロットは放置する、研究所の喪失という痛手は負うだろうがそれはそれ、そもそもが非人道的な行為をやっている方が悪いと康太は割り切る
その場にパイロットを放置する康太、機体を展開出来ないパイロットなど大した戦力にはならない為に捨て置き、一度ミネッサの居る部屋に戻ると保護用のカプセルを抱える
『敵は倒したの?』
「倒したが殺してはいない。今はまだ本格的に米軍と事を構えるつもりはないからな。とはいえISが来た以上はコアネットワーク経由で情報が漏れる。そうでなくてももう少しでジャミングが切れるからな。増援が来ない内に撤退する」
ジャミング装置のコンデンサー内部の粒子残量は五分も経たずに尽きる
加えてGN粒子の散布下でもある程度の通信が可能なコアネットワーク経由で増援を呼ばれては康太でも厳しい、これが本来の機体ならば何機か相手にしても問題ないがエネルギー量が一機分のジェガン・サーガではこの辺りが限界となる
最後に康太は部屋の中に幾らかのグレネードを放り込み進んでいく、道中の幾つかの部屋も同じで徹底的に破壊した
中の研究員の死体も原型も残さず判別が出来ないレベルで損壊させて出口を目指す、これでミネッサの行方が分からなくなっても他の研究員と同じく身元の照合が不明な中の誰かだと判断されるだろう
『……他の被験者達は大丈夫かしら?』
「道は開いた。後は彼等の運を信じるしかない」
幸いと言うべきか彼等が奪った端末にクロエが彼等の生命維持に必要な化合物の保管されている倉庫や武器庫の場所をメッセージ付きで表示してある
その後で可能ならば回収する為に合流地点をマップに示してあるのだがリリアナとの取引でミネッサの保護を最優先としている為にそこまで辿り着けるかは彼等次第となっている
そして康太達が外に出た時、コンデンサー内部の粒子を使いきったジャミング装置が機密保持の為に自爆していく
だが地上近くを移動すれば敵に探知される可能性は低い、その為低空飛行を続け海まで出ようとした時だった
『コウタさん、南方より高速で接近するIS反応二機!米軍のファング・クエイクと銀の福音です!』
「クッ、あの二人か!米軍のISの配置場所は把握していた筈なのに、動きが早すぎる!」
『それが、たまたま休暇でサンフランシスコに居たようです』
「運が悪いってレベルじゃねえな!とはいえ、この状況であの二機を相手にするのは……!」
かつて臨海学校の際に共闘した事のある二人、使用されている機体から康太は近付いてきている二機がナターシャ・ファイルスとイーリス・コーリングだと把握した
同じ戦場で戦っただけにその技量は康太もよく知っている、加えてどちらかと言えば閉鎖空間での戦闘を得意とするジェガン・サーガでミネッサという御荷物を抱えて戦闘する事は現実的ではなかった
追加ブースターをくっ付ければ振り切れなくはないが、その場合は加速に生身のミネッサが耐えきれない、手詰まりとも言える状況に康太は歯噛みする
仕方なくこの場にミネッサを置いて撃退する為に戦闘をするか、そう考えた時だった
『これは!?コウタさんの後方より所属不明機!進路上の米軍と接触、交戦状態に入りました!』
「何だと!?」
立て続けに大きな変化を迎える状況、それに対して追加の情報がクロエからではなく日本のラボに居る束の方から送られてくる
この世界のISコアは全て篠ノ之束の生み出した物であり、そこで何か仕込んでいたのか不明機と交戦に入った銀の福音とファング・クエイクのコアから情報を得るという篠ノ之束にしか出来ない手段で集められた情報、そこに表示された機体を見て康太は己の目を疑った
「なっ!?RX-0 3号機、フェネクスだと!?」
そして、そこには追加で新たな漂流物だと記されていた
◆
久し振りの休暇を楽しんでいたナターシャとイーリスの二人ではあるが軍の上層部より唐突に伝えられた出撃命令により渋々ながらもそれぞれの愛機を展開、指定された座標に向かっていた
加えて相手は正体不明のISであるSNARKとなれば警戒もする、だが追い付こうとしていたところに上層部より伝えられる新たな所属不明機の情報、そこから放置すれば遠からず背後を突かれる形となる為に追撃を断念、SNARKよりも更に急速に接近してくる相手への対処をする事となった
しかし不明機の性能は二人の予想を超えていた、最新鋭の第三世代機が二機で当たれば大抵の相手に負けはしない、そう考えていたからだ
にも関わらず現実はどうか、大量のエネルギー弾を放つ銀の鐘は避けられ、命中しようとも装甲が強固な為か有効打になっているか不明だ
そして機動性も高く、イーリスのファング・クエイクが接近しようにも逃げられるのだ
加えて、その不明機の外見に関してナターシャとイーリスの二人が見覚えのある機体でもあった
「あの機体、色とか幾つかの違いはあるけどラビットフット社の機体よね?」
「ああ、名前は忘れたが白いのと黒いのが居たな。どうなってんだ?ラビットフット社がやってるのか?」
二人が対峙している機体、それは金色の全身装甲を持ち額に一本の角を備えた機体だった
加えて装甲の形状は一夏の使っているユニコーンと全く同じであり、ユニコーンには無かったが背中に二つ備えられているシールドが翼のように見える
考えられるのは同型の機体であり追加装備を加えたという線だが仮にラビットフット社だとしても目的が不明だ
まるでSNARKの撤退を支援するかのように現れたが、それならば身元を隠すのが一般的にも関わらずラビットフット社の機体で現れている
これが目撃者を全員排除するという事ならまだ納得はするが、相手は先程からずっと回避してばかりで攻撃もしていないのだ
明らかにおかしい、だが戦闘開始前からずっと呼び掛けていても不明機からの返信がない為に目的を知る事も出来なかった
しかし今になって通信機から声が聞こえてくる、それは年若い少女の声であった
『コウ、何処に居るの?この世界に居るのよね?何処?何処なの?答えてよ、私は此処に居るよ?』
「通信が繋がった!?貴方、何者?何が目的なの?」
『そっちなの?そっちに行けばコウは居るの?うん、ちょっとだけだけど感じる。コウは海の方に居るんだね。待ってて、私も直ぐに行くから』
「ちょ、ちょっと待ちなさい!貴方が何者なのかを―――」
通信は繋がったが少女の言葉は要領を得ない、誰かを探している事だけは分かるが、黄金の機体はそのままナターシャ達を置いて海に向かって進もうとする
流石にそれは見逃せない為、ナターシャは福音の手で黄金の機体の肩を掴む
だがそれに対する反応は今までの比ではなかった
『邪魔を、するなァッ!!』
「キャァッ!?」
「ナタル!?テメェッ!」
パワーに任せて銀の福音を振り払う黄金の機体、相方が弾き飛ばされた事でイーリスが声を荒げるが、そのイーリスに向けて黄金の機体が翼の先端を向ける
直感で危険だと判断したイーリスは横に瞬時加速すると、先程まで居た空間を強力なビーム兵器が通り抜ける
「マジかよ……」
その威力は下手をすれば絶対防御を破りかねない、そう思わせる圧力にイーリスが気を取られている間に黄金の機体がその場を離脱しようとする
だがその進路上に放たれた福音のエネルギー弾がその行く手を阻む
「イーリ、仕方ないけど倒した後で事情聴取をするわよ!」
「チッ、折角の休暇だったってのに面倒な事になったな!」
唐突に敵対行動に出た不明機に対して警戒を新たにするナターシャとイーリス、何が原因かは分からないが彼女は探し物の手懸かりを見つけたのだろう
だが米軍としての任務がある以上は簡単に取り逃がす訳にはいかない、その為に覚悟を決めて二人は黄金の機体に仕掛けようとする
しかしそんな二人の元に別方向からデータと通信が送られてくる
『米軍IS部隊へ。射線上より退避されたし。繰り返す、射線上より退避されたし』
「今度は誰!?」
男の声で伝えられる通信、先程から次々と切り替わる新たな情報にナターシャが困惑するが声は答える事なく続けた
『指示に従わない場合の安全は保証しかねる。10、9、8、7―――』
「クッ、イーリ、下がるわよ!」
「ああッ!?従うのかよ!?」
「いいから、急いで!」
「チッ!分かったよ!」
『―――3、2、1、今!』
一方的に伝えられる内容、しかしナターシャは相手の言葉が嘘ではないと仮定し迅速に行動する
イーリスも不満げな様子だがナターシャに従う、それからカウントダウンが終わるまでの間にナターシャは思考した、先程は気付かなかったが英語で語りかけてくる男の声に聞き覚えがあったからだ
しかしそれを思い出すよりも早くカウントダウンが終わり遠方より巨大なエネルギーの奔流がその場を駆け巡る
先程の不明機の砲撃よりも更に強力はビーム兵器、それはナターシャ達が元居た場所を貫き黄金の機体の横を通り抜けていく、まるで当てる気が無かったかのように
そしてビームが通り過ぎると同時にナターシャ達のセンサーが新たに北方より近付いてくるISの反応を捉える、その数十三機
「この数、まさか!?」
この世界に於いて十を超える数のISを同時運用出来る存在はそう多くない
大国でも各地の防衛の為に分散して配置している、なので実際にそういった運用をするのは防衛する範囲の狭いIS学園ともう一つ―――
『此方ラビットフット社IS部隊ロンド・ベル。フェネクスのパイロット、聞こえるか?我々はそちらと積極的に戦闘を行う意思はない』
資源さえあれば幾らでもISコアを生み出せる天災の私兵である
◆
ミネッサをノッセルまで送り届けた後、オレは改めて篠ノ之博士からの指示を受けていた
現れた新たな漂流物はフェネクス、ユニコーンの三番目の兄弟である
とはいえその存在は一夏やクロエの機体とは違う、二人の機体は篠ノ之博士が組み上げた模倣した存在であり、あれは正真正銘別の世界から流れてきた本物だ
そして回収する方法だが正面から接触となる、米軍のナターシャ・ファイルスやイーリス・コーリングといった人間がその場に居るが篠ノ之博士の方で米軍と交渉するらしい、まともに交渉出来るかかなり不安ではあるが
だが出撃が決まった以上は指示に従うだけだ、オレは本来の機体であるジェガンR型に乗り換え、無人機として残りのジェガンは二機をキャノンガンとして残りを全てM型に換装して出撃する
メガライダーにはオレが、無人機は二機ずつノッセラに乗って出撃していく
その後はノッセルの位置を知られないように多少迂回し戦場となっている場所の北から進入する
そして米軍とフェネクスの両方に射線上から退避するように指示を出した後でメガライダーのメガ・バズーカ・ランチャーを放つ
丁度両者の間を通るようにビームを放った後はようやくフェネクスと接触だ、漂流物であり動いているという事はパイロットかそれに準ずる何かが動かしているという事だ
フェネクスで有名なパイロットはリタ・ベルナルとヨナ・バシュタであるが他にもジョリオン・デイというパイロットが乗っていた事もある
例えそれ以外の人間でも同時代の地球連邦軍の主力機であるジェガン、そしてロンド・ベルの名を聞けば何らかの反応を返してくるだろう
例えネオ・ジオンの人間だとしてもこの世界で何も分からない状態よりは良いと判断してくれる事を願う、攻撃されたらその時はその時だが、少なくとも相手の正体は探れる
問題なのは人間が乗っていない時である、前述のリタ・ベルナル等はフェネクスのテスト中に死亡、以降はその魂が機体に宿って動かしていた
その場合は確保がかなり困難となる、最悪の場合は確保出来ず取り逃がす形になるだろう、だから可能ならば前者であり尚且つ連邦軍所属の人間であって欲しい、そう思いながら通信を開き問い掛ける
だが返ってきたのはオレにとって予想外の人物であった
『コウ!コウなのね!』
「ま、さか……」
その声を聞いた時、始めに思い浮かんだのは『有り得ない』という言葉だった
だがオレの事を『コウ』と愛称で呼ぶ彼女が、目の前の機体、フェネクスを動かしている者の名がその言葉を打ち消す
『私よ!貴方の幼馴染のリナよ!ずっと、ずっと会いたかった!』
「リナ、リナ=ゴールデンバーグ!何故だ、どうしてお前が此処に居る!?何故フェネクスに、ガンダムに乗っているんだ!?」
二度と会えないと思っていた人物、この世界でもガンダム世界でもなく、オレが元居た世界に居る筈の幼馴染、リナ=ゴールデンバーグだったのだから
◆
「良かろう、ならば家までの水先案内人はこの紫藤康太が引き受けた!」
彼に対する私の印象は率直にいって『変なヤツ』だった
当時小学生の中頃だったが、少なくとも同い年の口調としては明らかにおかしいというのはカナダで貿易関係の会社に勤めているパパの仕事の都合で日本に来たばかりの私でも直ぐに分かった
見知らぬ国、慣れない気候、拙い日本語、様々な問題はあったものの世界をその目で見て回るのも勉強の一環だと日本へ転勤していった両親について私も同じように日本へと渡った
そして日本の小学校に通ったりしていたのだが、私はそこで孤立した
私のママは日本人だった、そのママから日本語に関しては教えて貰っていたけど実際に聞いて話すのとは全く違った
ママはゆっくり話してくれていたから聞き取れる、でも回りの子供達は日本語で話すのが普通だし、時として不思議な言葉を自分達で作ったりしていたから私には何が何だか分からなかった
転校してきたばかりの頃は皆が物珍しさから話し掛けてきてくれた
私もそれに答えようと必死になったけど上手く聞き取れなかったり、発音や意図した言葉とは同じにならなかったりして上手く話せなかった
そして子供というのは堪え性というのがあまりない、そのまま私の事を話しても答えない面白くもないヤツだと思って離れていく
それに対して私は意固地になった、こっちも一生懸命にやってるのに、だったら友達なんて要らないと私から話し掛けようともしなかった
それから暫くした時だ、ママからちょっとしたお使いを頼まれて外出した事がある
場所は近くの商店街、ママと何度か来た事があるから迷わずに辿り着いて買い物を済ませた
そのまま帰れば良かったのに私は物珍しい日本の風景に興味が出て必要な場所以外にも歩き回っていた
少しだけ、ほんのちょっと寄り道しても直ぐに元の場所に戻れば問題ない、そう軽く考えて、そして案の定迷子になってしまった
道を聞こうにも周りには誰もいない場所だった、方角も分からなくなって途方に暮れていた時だ
「何を泣いている?」
どうしようもなくなって道に座り込んで泣いていた私に彼は気付いてくれた
ロボットの描かれた箱を手に持って、その時は読めなかったけど『武士道』と書かれたTシャツを着ていた彼は私の話を聞くと一つ頷き、冒頭のセリフを言い放った
私の家の場所なんて分からないだろうに、私の日本語での会話をしっかりと聞いて、少しの手懸かりを頼りに歩いて、暗くなっても諦めずに探してくれていた
それから歩いている内に見覚えのある場所に着いて、そのまま家まで着いた
帰らない私を心配したママが家から出て私を待っていてくれた
家に帰れたという思いが先に溢れて私は泣いていた、それから彼にお礼を言おうと振り返った時、彼の姿はなかった
その代わり、隣の家の玄関が開く音がして彼の声で『ただいま』と言っていたのが聞こえた、どういう偶然だろうか彼の家は隣だったらしい
私は慌ててその家に走って彼を追い掛けた、インターホンを鳴らして玄関を開けて貰うと彼のママと、頭を押さえて踞っていた彼の姿があった
私に付き合わせて遅くなってしまったのを怒られてしまったらしい、私は必死に日本語で説明して謝り、それから改めて彼にも謝った
でも彼は笑って気にしてないと返してくる、自分がやりたいからやっただけだと
その次の日から私は学校でも彼に話し掛けるようになった、同い年ではあったけれど別のクラスに居たから今まで知る事はなかった
それでも彼は私の友達だ、日本で初めて出来た友達だ、休み時間の度に彼に会いに行って、彼と話した
彼はどれだけ時間が掛かっても私の話を聞いてくれる、それから三ヶ月も経つ頃には学年が一つ上がってクラスも一緒になった
そんなある日、彼は所々間違えながらも英語で話し掛けてくれた、彼のパパが話せるからと教わっていたらしい
私が間違いを指摘すると彼はちょっとだけムッとした顔になって私の日本語の間違いを指摘してきた、それからは日本語と英語、どっちが早く習得出来るか競争になった
そして勉強方法を聞くと彼は映画を見て英語を学ぶ方法もしていると知った、じゃあ私はどうやって日本語を勉強しようかと思ってたら、彼からアニメで勉強したらどうかと言われた
日本という国はアニメ大国とも呼ばれる程に沢山のアニメがあった、その中から色々と観ていく、彼から勧められたアニメの中にガンダムがあった、そして観ていると彼の口調に似たキャラクターを見付けて、私にはそれが彼の憧れなんだと理解した
そうして日本に来てから一年もすれば日本語もかなりマスター出来た、その頃には彼も英語が一通り話せるようになっていたからカナダで通じるスラングを教えて、彼も私が分からない日本語を教えてくれた
日本語が話せるようになれば他の子供達とも話せるようになる、彼の他にも友達は出来たけれど私は彼と一番多く話していた
彼の事をもっと良く知りたい、そう思うようになったのはいつからだろうか
詳しい事は分からないけど、彼は将来宇宙に行きたいといっていた
単に宇宙飛行士になるのではなく、宇宙に人が住めるようにしたいのだという
ガンダムに夢中な彼らしいと思うけど、いつも自信に満ちた表情をする彼を見ていると本気で実現してしまいそうな気持ちになる
次点で戦闘機パイロットを選んでいたのは彼が憧れるキャラクターに関してだろう
彼と過ごす日々は本当に楽しかった、叶うならずっと続けばいいと思っていたけれど、いつかは終わりが訪れると理解もしていた
小学校を卒業すると同時にパパの仕事の都合でまたカナダに帰る事になったのだ
その頃にはただのご近所さんから家族ぐるみでの付き合いが出来ていた彼ともお別れだ、離れたくないと泣いたけど、お互いにメールや電話をする事、それからいつかまた会う事を約束して私はカナダに帰った
カナダの学校でも友達は出来た、彼から勧められて今ではすっかり私の趣味にもなってしまったアニメ鑑賞の繋がりで、だ
私が観る時は日本語音声で問題なく観れる、歌と可変戦闘機と三角関係な超銀河ラブストーリーやら、妖怪首おいてけな侍を始め偉人達が異世界に漂流する話やら、劣等生な最強のお兄様やらなのは声変わりして憧れのキャラクターに似た声になった彼の影響が大きいだろう
また、彼とのメールのやり取りも続いている、本当なら毎日したいが一週間に一通、週末にその週にあった出来事を互いに書き連ねていた
その頃には彼の口調も普通と変わらない物に変化していて宇宙を目指すという夢は諦めているような雰囲気ではあったが、特別な事のない日常、それでも彼が元気に過ごしている証明だと私は読んでいるだけで嬉しくなる
そうしている内に私も自分の気持ちが分かってくる、私は彼の事が好きなのだ、彼とずっと一緒に生きていけたら、そう思っていた
そしてそれは実際に彼がカナダまで会いに来てくれた事で大きくなり、彼が帰った後で抑えきれなくなった
だから今度直接会う日が来たら私はこの気持ちを彼に伝えよう、そう決意してからハイスクールに上がる前の夏休み、今度は私の方から日本に会いに行ける事になった
けれど不安があった、彼との連絡が取れなくなっていた事だ
四月からずっとメールに返信がない、これまでの彼なら絶対にそんな事はなかったから心配になる
試しにパパの方から彼の両親に連絡を取って貰った、でも向こうははぐらかしているみたいで細かな事は分からないらしい
その間に私は色々な考えが頭を過った、何か彼を怒らせたのなら今度会う時に直接謝ろう、でももしも彼に原因が無いのなら、例えば彼が付き合い始めた女の子が居てその子が自分以外の女の子とメールをするなと束縛してくるような相手なら直接決着を着けると決意した
私は彼が幸せならそれで良い、身を退こうとも思えるけどそんな相手ならば彼に相応しくない、そんな妄想から発展した考えで遂に日本へ向かった
けれど現実は全く違った、彼は四月からずっと行方不明なのだという
ある日を境に忽然と姿を消したのだという、携帯も財布も家に置いてあり、靴さえも無くなっていないのに夜の内に消えた
警察にも届け出ているが何の手懸かりも見付かっていない、たった一人の息子である彼を失い憔悴していた二人はそう語った
突然の失踪、手懸かりもなく生死も分からない、そんな彼の状況に私もその場に崩れ落ちた
それでも何か手掛かりになる物がないか、僅かな希望にすがる私は冷静な部分では意味がないと悟りつつも彼の部屋に入らせて貰った
小学生の頃にも何度も遊びに来た彼の部屋、記憶の中のあの頃よりもガンプラを始めとするガンダム関連のグッズがかなり増えている部屋
微かに彼の匂いが残っている部屋は物の配置は変えていないが掃除は彼のママが続けているから綺麗なままだ
何事もなく彼が此処に居ても不自然じゃない、だけど居ない部屋に泣きそうになりながらも、極力物を動かさないように気をつけて手掛かりを探す
当然、警察が一度は調べているだろう部屋にそのような物が残っている筈もなく、日が暮れても何も見付けられなかった私は一度休む為に彼のベッドに腰掛ける
その枕元にはフラッグ、マスラオ、スサノオ、ブレイヴ指揮官用試験機といった彼が憧れたキャラクターの乗機の他に、今の彼が好きだというジェガンシリーズが並んでいる
ガンダムに囲まれた空間を彼らしいと思いながら、その中に混じった機体に違和感を覚える
一人のキャラクターに関連する機体とジェガン、その中にある黄金の機体、フェネクスだ
特に彼が言及している事はなかった、ジェガンと同じく宇宙世紀の機体だからあってもおかしくはないが、そんなに思い入れがあるだろうか
何気なく触れてみる、すると突如としてフェネクスが光ったのだ
普通はガンプラが光るなんて有り得ない、だが不思議と私はこのガンプラが彼の元に連れていってくれるのではないかという直感にとらわれた
言うなれば女の勘という不確かなものであるが、この時の私には妙な直感があった
「お願い、私を彼の、コウのところに連れていって!」
例えそれがどのような場所だとしてと彼に会いたい、フェネクスはその想いに答えるかのように光を放ち、私の視界は埋め尽くされるのだった
キャラ解説、リナ=ゴールデンバーグ編
ISキャラ達のバリエーションもあるバンダイのアクションフィギュアシリーズ、アーマーガールズプロジェクトに登場するキャラの一人
MS少女のラインナップで登場する、が今のところFAZZのみが登場
キャラの設定を借りつつコウタくんの幼馴染として登場させました
バンダイさんフェネクスの登場まだですかね?と思っていたのもあってこうなりました
余談だがIS学園一年二組に他のMS少女のキャラ、雪菜=シュネーライン、ヒメ=スカーレットに似た人物が居るとかいないとか