ジェガン、IS世界に立つ!!   作:RABE

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4話 織斑一夏

オレと同じく男の身でアイエスを扱える存在、数は少ないと聞いていたが目の前の男、織斑で三人目というのは初耳だ

 

実際にジェガンを操ってみて分かったがアイエスはかなりの性能だ、兵器として見てもあれ程までに小型で小回りが利く兵器は既存の兵器で相手するにはさぞや骨の折れることに違いない

 

「待って下さい、束さん!一秋(かずあき)兄がISを動かした後、俺も適性試験を受けさせられたけど俺にISは動かせなかった筈だ!そんな俺が三人目の操縦者だなんて、あり得ねえよ!?」

 

「大丈夫だよ、いっくんが動かせなかったのは束さんが裏で細工したからなんだから。本当ならいっくんはちゃんとISを動かせるよ」

 

「なっ!?」

 

う~む、話が見えてこない

 

どうにも織斑の親戚か何かがアイエスを動かしたのは何らかのイレギュラーであり、織斑もまたイレギュラーな存在の筈なのに篠ノ之博士が隠した、という事か?

 

「なあクロエ、アイエスってのはそもそもどういった存在なんだ?篠ノ之博士が作ったパワード・スーツってくらいしか分からないんだが」

 

「ISとはインフィニット・ストラトスの略称で頭文字を取ってISです。本来は束様の夢である宇宙開発の為に作られた存在です。ですがとある事件を切っ掛けに軍事利用され、今では世界各国の軍事力に大きな影響を与えています」

 

「で、話を聞いていると男だと動かせないって事で合ってるのか?」

 

「はい、その認識で間違いありません。ISはそれまでの既存の兵器を圧倒した性能を持ち、文字通り一騎当千の存在です。ですが女性にしか動かせず、結果としてISを使える女性の方が偉い、女尊男卑の風潮が広がっています」

 

「とんでもない世界情勢なんだな……そこまで極端になるとは」

 

「更に付け加えればISの核でありエネルギーの供給源等になっているISコアなのですが、世界に467個しか存在せず、またコアの製造も束様にしか出来ないので、よりエリート思想が強まったといった感じです」

 

「予想以上に篠ノ之博士の能力が高かったのは分かった。それに、こうして隠れ住んでいる事を考えればその理由も分かるな」

 

「世界中が束様の身柄を狙っていますので、その推測は正しいかと」

 

もしも篠ノ之博士を手に入れる事が出来ればアイエスもといISの数を増やせる可能性がある

 

そしてそれは他国に対する絶対的なアドバンテージとなる、世界中が血眼になって篠ノ之博士を狙っていることなど想像に難くない、月並みな考えだが世界征服すら可能となるだろうしな

 

そして篠ノ之博士と織斑の方はまだ口論、というか織斑が何か言っても篠ノ之博士がのらりくらりと受け流している感じか

 

というか織斑で遊んでるといった様子だ、話を進める為にも介入するべきだろうか

 

「博士、そろそろ本題に入られては?」

 

「ん、確かにそうかもね。じゃあいっくん、何で私がいっくんのIS適性を揉み消したか話をしよっか」

 

「……色々納得いきませんけど、ちゃんと説明してくれるなら」

 

「大丈夫だよ、きっといっくんも分かってくれるから。こーくんも何やらくーちゃんから色々聞いてたみたいだし、補足として聞いてね。まず事の発端は二月、いっくんの双子の兄に当たる織斑一秋が高校の試験会場に一角にあったIS学園保有のISを起動させた事にあります」

 

そこはまあクロエから聞いた、織斑との関係までは知らなかったがそうか、双子の兄が居たのか

 

「そしてもしかしたらと世界中の男性にISの適性検査が行われたのですが、他には見付からなかったのです、いっくんを除けばね」

 

「あの、束さん。もう一人居ますけど?」

 

「こーくんに関しては後でね。いっくんが私の事を本当に信用してくれるまでは秘密だよ」

 

おや、織斑にはオレの素性を話すつもりなのかな?

 

まあ篠ノ之博士が愛称で呼んでいる人物だし、信頼しているのか

 

「それでいっくんにこんな事をした理由なんだけど、実は織斑一秋の件で既に解剖やらして男性でISを起動出来た理由を調べようという話が出てたんだ。でも世界でたった一人の男性操縦者を使い潰すなんて真似はしたくない。でも二人いれば?片方を実験に使っても問題ないなんて考えを持つ人間が居てもおかしくないよね?」

 

「それは、でもそれなら俺に適性がある事を隠せば」

 

「本当に?世界に絶対なんて事はそれ程ないよ。何かの拍子に露見するかもしれない。抜き打ちで検査がされて、今度は私が隠蔽出来ないかもしれない。そんな時、いっくんはどうするの?大人しく実験材料にされる?」

 

「それは……」

 

「でもそんな事はさせないよ。この私がさせない。だからこうして色々とやってるんだ。まずはちーちゃんに手伝って貰っていっくんもIS学園に入学させる。これはちーちゃんにもちゃんと許可を貰ってる事なんだよ」

 

「千冬姉が!?でも、IS学園にどうやって?」

 

「あ、そっか、ちーちゃんまだいっくん達には話してないんだったね、IS学園で教師をしてるってこと。まあいっか、どうせ学園に行ったら分かるんだし、気にしない気にしない♪」

 

「気にしますよ!」

 

「もう、細かい事ばかり気にしてたら眉間にシワが出来ちゃうぞ。それで、IS学園に入れる理由だけどISの事を学べるからって理由の他に、あそこは各国の影響を排除出来るんだ。絶対って訳じゃないけど、入学さえしちゃえばそう簡単には手出し出来ないよ」

 

「……分かりました。束さんが俺の為に色々としてくれたって事は感謝します。ありがとうございました」

 

「気にしなくて良いよ、私も大好きないっくんの為に勝手にやってた事だからね」

 

どうやら第一段階、というか織斑の警戒心を解くという事には成功したらしい

 

と、そこでクロエに袖を引かれた

 

クロエの方を見てみればあまり聞かれたくない事なのか手でメガホンを作り小声で話し掛けてきたので、オレも身長差があるので姿勢を低くして話しやすくする

 

「あの、コウタさん。束様が織斑様を大好きと言われたのは、そういう意味なのでしょうか?」

 

何の相談かと思ったが思いの外可愛らしい内容であった

 

つまりは焼きもち、という事なのだろうが二人の様子を改めて確認してみるがクロエが心配するような雰囲気はない、対人経験が少ないのか、クロエはそういった事に疎いようだ

 

「お前さんの心配するような事は何もなかろうよ。千冬姉っていう人とちーちゃんって人が同一人物なのは間違いないとして、織斑はその弟か何かだろうな。そして篠ノ之博士は千冬という人物を大親友といっていたから、博士にとって織斑はその大親友の弟、なんだろう」

 

「そうですか、ありがとうございます」

 

可能な限り分かりやすく、色々と証拠を並び立てて説明してやるとクロエはホッとした様子を見せて元の落ち着いた表情に戻った

 

というか論理立てて考えてみればIS学園でオレを事情聴取していたあのスーツ姿の女性、織斑の姉なのか

 

何というか、雰囲気がまるで違うな、柔和そうな織斑とあの威圧感たっぷりの姉、ここまで違うとは

 

おっと、その前に篠ノ之博士達の会話も聞いておかないと

 

「さてさて、それでは私がいっくんを連れてきた理由を話すね。実は織斑一秋には既にデータ収集の目的もあって日本から専用機が与えられる事が決定しているのです。いっくん、流石に専用機の意味は分かるよね?」

 

「一秋だけの機体って事ですよね?それがどうしたんですか?」

 

「うん、間違ってはいないんだけど本質までは理解してないみたいだから説明するね。現在、世界に存在するISはコアの関係でどうしても467機となってしまいます。更にそれを国ごとに分配してるから国力の差で数の多い少ないに違いはあっても一国の保有台数は限られています。ここまでは理解出来た?」

 

「な、なんとか……」

 

「続けるね。日本が保有するコアの数は十個くらいだったかな?当然、ISは国の戦力として大きな意味を持つ存在だけど、そんな存在を男性だからって理由で簡単にくれると思う?」

 

「思いません」

 

「うん、当然だよね。で、既に織斑一秋に一機渡される事でいっくんがこのまま適性があると名乗り出ても機体が支給されない可能性の方が高いんだ。そして日本が織斑一秋に専用機を与えるのにはデータ収集の他に自衛の為の手段っていう理由があるの。そうなれば必然的に敵はISを相手にする事になる。すると敵も迂闊には手を出せない。けどもしも、そんな自衛手段を持たない男性操縦者がもう一人居たらどうする?」

 

「それは……」

 

どうやら織斑も気付いたらしい、少なくとも研究目的で手段を問わずに拉致しようとするならば楽な方を狙うだろう

 

その際に自衛の手段がない状態で今まで一般人だった人間に何が出来る、拳銃どころかナイフを使われただけでも危険だ

 

そして解剖を含めた実験材料扱い、誰もそのような未来は望まないだろう

 

「もしかしたら他の国がコアをくれるかもしれない。でもそれはその国に対して借りを作る事になる。卒業したらその国で働け、なんて言われたらいっくんも断れないでしょう?」

 

「はい……」

 

「でも全ての問題を解決する手段があります!この天才にしてISの産みの親である束さんがいっくんの為の専用機を用意すれば良いんだよ!こーくん、ちょっと来てくれる?」

 

「了解」

 

呼ばれたので篠ノ之博士の元へ向かう、さて何の話だろうか?

 

「いっくん、こーくんの事なんだけどね、実を言うと平行世界から来たんだ」

 

「………………へ?すみません、束さん。よく聞こえなかったです」

 

「だから、平行世界人だよ。私達の世界とは別の日本からやってきたんです」

 

「からかうのもいい加減にして下さいよ。その人も迷惑でしょうに」

 

「いや、残念ながら事実だ。オレの知る日本、世界にはISなんていうパワード・スーツは存在しない。そして、この世界にはオレの生き甲斐であるガンダムが存在しないんだ」

 

「いや、だからって。ガンダム?」

 

「ああ、ガンダムだ。リアル系ロボットアニメの先駆けとなり、重厚過ぎる程の設定を持つ日本が誇る代表アニメ。それが!この世界には!存在しないんだよォォォ!!」

 

「えっと、何というか、ゴメン……」

 

「おう、信じてねえな?よしよしよし、ならば証拠を見せてやる。この世界で、オレと共に世界にやってきたガンダムの存在を。とくと見るがいい、富野監督が産み出し、継承されしガンダムの姿を!」

 

ハロの中にあるガンダムのアニメのデータ、それを呼び出して空中に可能な限りの大画面、大型テレビくらいのサイズで投影する

 

織斑の声があれだからこの作品にするとして、やっぱり一番の目玉は戦闘シーンだよな、あんまり後の方だと時系列が分からないから序盤で、かつ人の目を惹く部分、よし!

 

『私のたった一つの望み、可能性の獣、希望の象徴……父さん、母さんごめん、俺は……行くよ!』

 

やっぱりOVA版の第一作、ユニコーンの日の最後の場面だよな

 

これなら最初の方だから一部を見ても大丈夫だし、何よりバナージの見せ場だし、ガンダムという存在を示すにはぴったりだ、劇場版だから作画も良いし

 

そしてクシャトリヤからのファンネルをサイコフレームの発生させた力場で屈折させガンダムへ変形、ビームサーベルを抜き放ったところで映像を止めた

 

「これがガンダムだ」

 

「おー、本当にいっくんと声がそっくりだったよ!」

 

「俺ってあんな声してるのか?」

 

「そこに反応するのかあ……」

 

悲しい、やっぱりファーストから教え込まないと駄目なんだろうか

 

全話見るのは時間的な問題もあるし、見せるなら劇場版三部作だな

 

とはいえ時間が惜しいから今すぐという訳にはいかないが

 

「でも、何でこれが証拠になるんだ?俺はアニメに詳しくないけど、訳が分からないぞ」

 

「適当にインターネットでガンダムと検索してみろ。ヒットが一件もない筈だから」

 

そう伝えると織斑は検索してみたが結果は当然ながらゼロだ

 

「本当だ。こんなアニメなら何か一つでも情報が出る筈なのに……」

 

「取り敢えずはこれで理解出来たか?そんな訳でオレは平行世界から来たんだ。自分でもどうやって、どうしてなのかは分からないけどな」

 

「嘘みたいな話だけど、嘘じゃないんだな?」

 

「うん、ちーちゃんにも同じように言ったけど、正真正銘、平行世界の住人だよ。あ、勿論他の人には内緒ね」

 

「言いませんよ、そんなこと」

 

「言ったら頭のおかしな人扱いだからね。それで、こーくんなんだけど実は平行世界、それもアニメの技術が現実になって流れてきてるんだ。それが私の夢にとても役立つ物なんだよね」

 

「オレはこの世界で生きていくという理由以外にも、篠ノ之博士が目指している宇宙に行きたいからって理由で協力してる。ガンダムのようにスペースコロニーが浮かぶ世界を現実にする為に」

 

「で、その為に企業を立ち上げたんだけど、いっくんもそれに所属してね」

 

「えぇっ!?」

 

「だって、いっくんにも専用機を与えるとなればカムフラージュがいるよね?こーくんの機体もそうやって隠すんだよ。なら、二人で所属した方が良いよ。例え拉致目的の襲撃があってもISを二機も相手にするなんて生半可な戦力じゃ太刀打ち出来ないんだから」

 

篠ノ之博士の考えは理にかなっている、一機でも厄介なISが二機だ、しかもIS学園は名前からも何機かISを保有しているだろう、それも警備として出てきたら同数以上のISでの襲撃くらいしか勝算がない、そしてそんな数は一国の全ISを使用してやっとの数だ、現実的ではない

 

つまりオレ達の身の安全は学園に居る限りは保たれる、卒業する頃には篠ノ之博士も表舞台に出てくるだろうから、そこに合流する、そうして宇宙への道を進むつもりだ

 

「別に強制じゃあないんだけどね」

 

「選択肢があるようでないのは強制と変わりありませんよ。でも分かりました。束さんが俺の事を考えての行動なんですよね?ならその話、受けます」

 

「ありがとう。それじゃあこーくんとは同僚になるね。扱いとしてはこーくんは会社の量産型ISのテストパイロット、いっくんには技術試験機のテストパイロットという事にしておきます」

 

「了解。これからよろしく頼む、織斑。オレの事は康太でいいぞ」

 

「なら俺も一夏で良いよ。俺の方からもよろしくな、康太」

 

「応」

 

こうして織斑一夏が仲間になった

 

その後、篠ノ之博士からISについての授業を受けたが、教科書の内容を椅子に拘束された状態で頭を覆う機械を被せられた状態で焼き付けられる事になった

 

一時間程で終わったその授業によりオレと一夏はISに関する教科書の内容を全て覚える事が出来たのだが、終わってから少しの間、頭痛に悩まされる事になる、でもあの電話帳みたいな参考書をこれで覚えられたので実際はお得と感じてしまっていた

 

更にその頭痛から解放されること少し、オレ達は全員で実験場を訪れていた

 

「今度は何をするんですか?」

 

「いっくんは見るの初めてだよね。実はこーくんの世界から流れてきた漂流物が他にも幾つかあって、他の物を回収してきたところなのです」

 

実験場の中央、そこに並べられたのは一つのコンテナと二つのアタッシュケースだった

 

コンテナはまあデカい、よく船で運ばれるようなサイズであり、アタッシュケースは両方とも逆にガンプラの入っていた物よりも小さかった

 

「これだけ大きいから、今度はガンプラが詰まってるなんて事はない筈だよ!」

 

「全てのガンプラを集めたらこのコンテナでも足りないのが怖いんですけど」

 

「嫌なこと言わないでよ!?流石に何かのテクノロジーが流れてきても良いじゃん!」

 

「どういった基準で流れてくるんですかね?まあ、まずはこのコンテナの方から」

 

取り敢えずこのサイズでガンプラのみだったら篠ノ之博士が可哀想なのでそろそろ何か出て欲しいと思い、コンテナの扉を開く

 

すると中に入っていたのは三メートル程の歪な人型をしたオレンジ色の機体だった

 

「おー、トロハチだ。やりましたね、篠ノ之博士。割りと当たりじゃないですか?」

 

「人型の機械?ガンダムとはまた別だね」

 

「ガンダムの事をモビルスーツと分類しますが、これは主に作業用等で使われるプチモビルスーツ、プチモビという種類です。さっき見せたガンダムUCの主人公、バナージ・リンクスもアルバイトで操作して宇宙のデブリと化したジャンクの回収をしてました。つまり、学生がアルバイトで動かせる宇宙でも使える作業機械、という訳です。これからの宇宙開発でも船外作業用として役立つと思いますよ」

 

「おお、良いね!操作も簡単なら、数を増やして一気に宇宙での人手が増やせるよ!」

 

「コンテナの中身は完品が一機に、後は予備パーツ一式でした。後は小さなケースに取扱説明書があったので、後でデータとして読み込んでおきます」

 

「お願いね、くーちゃん。ふふん、これは残りの二つも期待出来るよ~」

 

「サイズからして、データ端末ですかね?取り敢えず一つを、と」

 

まずトロハチという宇宙での作業用重機が手に入りテンションが上がっている篠ノ之博士、これが続けば良いがと思いつつ一つのアタッシュケースを開ける

 

中に入っていたのはピンク色の小さなハロ、多分だがSEEDでのハロだな、サイズ的に

 

「うーん、またデータ端末になってるみたいだね。取り敢えず、それ!」

 

どうやらオレのジェガンと同じようなハロらしく、また端末を繋いで中のデータを確認していく

 

そこに写されていくのは銃の写真、それが幾つも並んでいき、やがて剣やバズーカ等に切り替わっていく

 

「武装データ、それもU.C.100年頃までの物か」

 

連邦、ジオンとか関係なく様々なデータの集まりだな、一応は陣営や種類でも分類可能なようだが

 

おや、アレは試作2号機用の核バズーカ……

 

「ねえ、こーくん。もしかしてガンダムって、核兵器運用能力ある?」

 

「もしかしなくても、オレのジェガンに装備追加したスターク・ジェガンの三連ミサイルポッドの側面にも二発ずつ、計四発搭載可能ですよ……」

 

「核は止めとこうか……流石にISに核兵器持たせるなんて絶対にさせたくないし」

 

「爆撃機でもなく、ミサイルでもなく、街中で展開出来るISで核攻撃とか世界が軽く終わりますね」

 

このデータは封印、といってオレ達はそれを見なかった事にした、流石に一般人の一夏でもその危険性は分かったようだ

 

「でも、ニュータイプ用の兵器のデータもあったし、これもまた収穫だね!」

 

「そうですね、残りの一つも期待大ですね!」

 

そのまま無理矢理にでも話の流れを変えて今の記憶を消そうと努力した

 

そして、最後のアタッシュケースが開かれて中身が露となる、それはT字型の金属であった

 

「コイツはまさか、こんな物まで流れてきていたのか……」

 

「んー、今度はデータチップも一緒みたいだね。それで、これは何なのかな?」

 

「サイコフレーム、サイコミュの基本機能を持つコンピューターチップを金属粒子レベルで鋳込んだ代物です。これだけでサイコミュとして機能するのでサイコミュ装置の小型化に成功したんですが、何故か単体でもフルサイコミュ装置と同じか、それ以上の性能を発揮したりと、謎が多い物です。他にもビームバリアーや機体出力の増大等、科学的に説明のつかないオカルトの域に達している物です。他のサイコフレームと共振する事で強力な力場を発生、それこそ既に地球への落着コースを辿った小惑星を押し戻す力さえあります。確か、設定だと約一億トンの小惑星が地球の重量に引かれた際の落下エネルギーでしたかね」

 

「待って、軽く計算したけどそれ水爆三百万発くらいのエネルギーだよ。それを、押し戻したの?」

 

「それもコックピット周りに使用したサイコフレームだけで、ですね。ガンダム世界でも『アクシズ・ショック』と呼ばれる現象です。さっき見せたガンダム、ユニコーンが変身した際に赤く光っていた箇所、あれ全てサイコフレームですよ。そして後にユニコーンが起こした数々の奇跡、それによりサイコフレームは技術的特異点(シンギュラリティ・ワン)として封印処理がされる事になりました。そもそも謎が多すぎて、これだけでも能力を発揮しますよ」

 

「まさに未知の技術だね。でもそう言われると科学者としての本能が疼くなあ」

 

「まあ今は唯一のサイコミュですからね。他にも人の意思をエネルギーに変えますが、これがアクシズ・ショックを起こした機能かと。また使用者の意思を増幅させたり、逆に他者の意思を受信したりしてニュータイプのテレパシー能力みたいな物を発動させたりもしています」

 

「扱い次第では危険だけど、捨てるには惜しい存在かあ。うん、なら使おっか!いっくんの機体もユニコーンにしちゃおう!」

 

「言っておいてなんですが、大丈夫ですか?それに複製出来ますかね?」

 

「ニュータイプへの進化が分かりやすい形で見れるからね、利用しない手はないよ。それにデータチップの方もサイコフレームの製造方法が記されているし、複製は可能だよ。現物が目の前にあるなら尚更ね」

 

「分かりました。ならオレからは何もありません」

 

確かに使わないには惜しい存在だ、それに封印されたのもニュータイプの力を恐れた地球連邦政府の思惑が大きいからな

 

資料によってはF91にも使われたとか、後の時代にG-フェネクスとして蘇っていたりするし、大事なのは使い方か

 

「さてと、それじゃあ漂流物の確認が終わったところで色々と始めようか。いっくん、IS貸すからちょっとこーくんと模擬戦してね。ジェガンのデモンストレーション動画を撮影します」

 

「分かりま、って無理ですよ!?せめて練習時間を下さい!」

 

「大丈夫、いけるよ。いっくんは昔からぶっつけ本番に強かったでしょう?」

 

「仕方ない時にやるのと、余裕があるのにやるのとでは全く違いますって!」

 

「しょうがないなあ。じゃあ、あそこに適当にいじった打鉄あるからそれで練習して良いよ。それまでにこーくんには海上で標的用のドローンを撃墜していこうか。その後でいっくんの打鉄との模擬戦の様子を撮影して広報映像にしよっか」

 

こうして唐突にオレと一夏の模擬戦、というかジェガンの販売用のデモンストレーションが行われる事となった

 

それを篠ノ之博士が編集、オレ達が所属する事になる企業を通じて世界中のマスコミに同時に提供、全世界が二人目と三人目の男性IS操縦者の存在を知ったのはIS学園の入学式の前日になったのである




一夏にオリ兄を追加、詳細は恐らく次の話にて
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