ジェガン、IS世界に立つ!!   作:RABE

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前回の投稿からいつも以上に間隔が空いてしまい申し訳ありません。

基本的にスマホから投稿してるので、ソシャゲのイベントと時期が重なりこうなってしまいました。

次回はまだ早く投稿出来るようにしたいと思います。


それと、何のゲームをやってるかは言いませんが、十一連ガチャ一回でボイジャー来ました(最早隠れてない)


49話 二つの世界

幼馴染との邂逅という有り得ない筈の出来事があったものの、リナの乗る機体がフェネクスである事を思い出しオレは咄嗟に動く

 

「リナ、フェネクスから今すぐ降りろ!」

 

『えっ?』

 

「そいつにはNT-Dがある!」

 

篠ノ之博士の言うようにオレにニュータイプとしての能力があるのならフェネクスが反応してもおかしくはない、そう警戒しての事だが一歩遅かった

 

フェネクスの装甲から青い光が漏れ出し、各部のパーツが開いていく

 

デストロイモードへの変形、それはNT-Dの発動を示すものでありオレを明確な倒すべき敵として認識した事の証だ

 

だが機体が何か分かり、予想も出来ていた為にオレも素早く動ける、変形をするフェネクスに向けて二重瞬時加速(ダブルイグニッションブースト)で接近、展開されそうになっていた頭部アンテナ及びアームドアーマーXCに対してビームサーベルで切り捨てる

 

ニュータイプでもないリナが感応波を扱えるようにするにはアームドアーマーXCに搭載されている『ナイトロシステム』が必要となるのは分かっていた

 

そしてユニコーンタイプの機体は額のブレードアンテナを用いて感応波の送受信を行う以上、その機能を司るアンテナを失えばオレの発する感応波を感知する事も出来なくなる

 

結果、『敵性ニュータイプ又は強化人間の感応波を感知する』というNT-Dの発動条件を満たさなくなった事で変形が解除された

 

「危なかった……」

 

本物のNT-Dと戦闘を行うような事にならずオレは一先ずは安堵の息を吐く、あと一歩でも遅れていてばリナはシステムで脳を弄られ下手をすれば廃人に、オレもまた最悪の場合は『デストロイ・アンチェインド』と呼ばれるニュータイプを抹殺する為だけの状態に陥ったフェネクスを相手にするところだった

 

そして、今度こそフェネクスを量子化し格納する事が出来たリナをオレが抱える、その手にはガンダムNTに於いて主人公ヨナ・バシュタの持っていたペンダントが握られている、あれがフェネクスの待機形態という事だろう

 

とはいえ回収して直ぐに帰れる訳ではない、福音とファング・クエイクが目の前に居るのだ、米軍として二人は職務を果たす必要がある

 

『まずは久し振り、と言った方が良いのかしらね』

 

「一応釈明すると、篠ノ之博士が今の状況を含めて米軍と交渉してる途中ですよ」

 

『そうだろうと思ってるわ。何しろ、正規軍の前で名乗って戦闘行為を行ったんですもの。けれどそれとこれは別、私達は新たな命令が下るまでは貴方達を押さえておく必要があるのよ』

 

その理由は分かる為にオレも大人しくする、強硬突破は最後の手段だ

 

そのまま空中で待機すること五分くらい、篠ノ之博士からメッセージが届き、福音の方にも通信が来たらしい

 

『上層部から追加の命令が来たわ。「ラビットフット社に協力して暴走していた実験機の確保」ってね。もう終わっちゃったけど、これで正式に貴方達の行動は認可された物になったわ』

 

「此方もですよ。協力すればコアを一つ進呈。米軍だけで捕縛に成功すれば追加で更に一つ。この場合は前者になるんですかね?」

 

『残念ながらそうでしょうね。けどISコアが増えるなら一つでもありがたい事だわ』

 

どの国でもISコアは欲しい、それがオレ達の不法入国やら戦闘行為といった犯罪行為を見逃す事で手に入るなら安いと上が判断したという事だろう

 

そしてリナとフェネクスも確保した以上はこれ以上の戦闘もない、この後は山中に移動し待機しているノッセルに戻り日本へ帰還するだけだ

 

「では我々はこのまま撤収します。お疲れ様でした」

 

『そう、もう行くのね。もう少しゆっくりして行けば良いのに』

 

「そこはまた正式な手順で入国してからにしますよ」

 

『そうね。英国でのようにアメリカでも教導をお願いしたいところだわ』

 

「イギリスでも色々大変だったので暫くは絶対に嫌です」

 

『それは残念ね。さてイーリ、そろそろ私達も移動するわよ』

 

『あー、もう終わりか?全く、休暇から駆り出されたと思ったら直ぐ終わって、この後は報告書だろう?せめて埋め合わせが欲しいよなあ』

 

『その前にSNARKの追撃があるわよ。もう逃げられたと思うけど、可能な限りで痕跡を見付けろですって。今回はISコアが追加で手に入ったのだから我慢しなさい。他国に先駆けて新規コアを入手したのだから、上も悪いようにはしないわよ』

 

『だと良いけどなあ。じゃあな、紫藤康太!叶うなら今度も味方として会おうぜ!』

 

そう言うと米軍の二人はSNARK、オレが撤退していった西へと飛行していく

 

ノッセルも移動してるから何も見付かる事はないが、この場から離れたというのはありがたい

 

オレもまたその場を離れ、ノッセルのある座標へと移動するのだった

 

だがリナをかかえて移動を始めた時、そのリナから衝撃的な言葉が告げられた

 

「ねえ、コウ。さっきのってもしかして銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)?」

 

「ああ、アメリカとイスラエルが共同開発した第三世代型IS…………待て、何でお前がそれを知っている!?元の世界とは違ってISはこの世界にしか存在しない筈だぞ!?」

 

「えっ?でも、前の世界で『インフィニット・ストラトス』ってアニメに出てきた物と全く同じ外見だったよ?」

 

そんな爆弾とも言える情報をオレは幼馴染の口から伝えられるのだった

 

 

リナ=ゴールデンバーグは始めは戸惑っていた、幼馴染である康太がなんとなく居ると思われる場所を目指そうとし、そこでどういう事かフェネクスを起動して飛行していた

 

その後はアニメで見たような敵に襲われて、余裕がなかったから反撃して暴れてしまったものの、そこを探していた幼馴染の手で救出された

 

そのままいわゆるお姫様抱っこの状態で幼馴染、此方もまたガンダムに登場するジェガンの姿だが不思議と康太だという確信がある中で抱えられている

 

アニメの敵が居たり、フェネクスやジェガンといった代物が存在していたりとまだ上手く現実と飲み込めない事は多いが幼馴染と一緒なら何とかなる、リナはそう考えていた

 

日本のアニメでありカナダの友人から勧められた『インフィニット・ストラトス』の話をした途端に康太は考え込むように黙ってしまったが、そのまま山の中に停泊している船のような形の移動拠点、ノッセルに辿り着く

 

地上に降りた事でお姫様抱っこが終わったのは多少不満ではあるが、そう言えばこうして直接会えた以上は自分の気持ちも伝えるチャンスだと思い出した

 

後は告白するのに良さそうなタイミングを見計らうだけ、そう考えた時の事である

 

「お疲れ様でした、コウタさん。今後は出撃する予定はないので少し休んで下さい。コーヒーでもお淹れします」

 

「ああ、頼む。けど、その前に。被験者の子供達との合流地点は此処だよな?」

 

「はい。裏口とも言える場所から歩いて一時間程の場所になりますので、もう暫くしてから到着すると思います。五人全員の脱出は確認してあります」

 

「そうか、ならもう少し待機しておくか」

 

ノッセルのキャビンから現れたクロエが康太ととても親しそうに話している、人形のように整った顔立ちでクールそうに見えながらも康太と話していると嬉しそうに表情が変化しており、リナの目には明らかに特別な感情を抱いているように見えていた

 

「―――ナ。おい、どうしたリナ?」

 

「えっ?あ、どうしたの、コウ?」

 

「改めて紹介するが、コイツがこの世界で色々と世話になってるクロエだ。クロエ、こっちはリナ=ゴールデンバーグだ。オレの幼馴染で、さっきのフェネクスに乗ってた。どうやって此処に来たのかは知らないが、簡単に言えばオレの同郷という事になる」

 

「クロエ・クロニクルと申します。コウタさんのサポートを含め、ラビットフット社と呼ばれる企業で色々な活動を共にしています。よろしくお願い致します」

 

「ええ、よろしく。私はリナ、リナ=ゴールデンバーグ。コウの幼馴染よ」

 

手短に自己紹介をするクロエとリナ、そして互いに笑みを浮かべながら相手を観察し、同時に同じ結論へと辿り着く

 

ああ、この子は確実に恋敵(ライバル)だな、と

 

 

さて、被験者となっていた子供達と合流する時間まではそれなりの時間がある、リナが言っていた『インフィニット・ストラトスの世界』というのも気になるがこの場には他にリリアナやミネッサも居る、下手な話題を出すのは得策ではない

 

なのでその辺りの話は日本に帰還してから、篠ノ之博士辺りも含めて話をしようと思う

 

それで今は何をしているのかというと―――

 

「ふ、ふーん、そう。クロエはコウと同じ部屋で過ごしてるのね……」

 

「学園側が纏めておいた方が便利と判断したからのようです。私生活でも、コウタさんにはお世話になっています」

 

「そ、そうなの……」

 

「あの、リナさんはコウタさんの幼馴染という事ですが、どのように知り合ったのですか?」

 

「ああ、それはカナダから引っ越してきた後で少しして私が迷子になって、そこを助けられたの。その後は家が隣同士という事もあって、色々と一緒に動く事が多かったわ。夏には海とかプールとか山とか、家族ぐるみで遊びに出掛けた事もあったわ」

 

「そうなのですね……」

 

なんというか、空気が重い

 

クロエとリナ、共通の話題がオレの事なのは良いとして、何故かお互いに牽制するかのようにピリピリとした雰囲気が漂っている

 

ミネッサも居心地が悪そうにしているし、リリアナは自分の前にノッセルの中に置いてあったお菓子を持ってきて食べている、この状況でそこまで自由に振る舞えるのは素直に尊敬する

 

そしてオレは取り敢えずは余計な事をしないように気を付け、コーヒーを飲みながらタブレットを操作、ニュースを確認している

 

おっと、イギリスのレイネシア王女殿下が声明を出したのか

 

『イギリス王女、欧州各国にIS連合軍の結成を提案』か、確かに欧州各国が一機ずつ派遣すれば二十を超える数が直ぐに揃う

 

表向きはテロ対策とか色々言ってあるが真実はデビルガンダム対策だろう、市民には伝えられていないが各国の首脳陣には伝えてあるのだ、前向きに検討するとしてある

 

まあ参加しとけばいざという時に援軍としてIS二十機は確定、他国だとしても一機の派遣でも義理は果たせるとなれば受けるだろう、国民感情的にもISの派遣が期待出来るとなれば安心感が違うだろうからな

 

「おっと、センサーに反応か。そろそろ来たな」

 

まだ各国の派遣メンバーは決まってもいないが、その続きを見るよりも先にノッセルのセンサーが接近してくる人間を捉えた

 

人数は五人程度、予定していた被験者の子供達だろう

 

直接会い、これから先をどうするのか話し合う為にオレはこの場を後にするのだった

 

 

被験者達は全員が十代の子供ばかり、奪ってきた武器や弾薬、缶詰めといった食料、そして何よりも彼等の命を繋ぐ為の化合物をありったけバッグに詰め込んでいる者達が近くの茂みから様子を伺っていた

 

そこに非武装かつ両手を挙げて近付き、警戒を解かせた後が本題である

 

向こうも脱走に手を貸して此処まで誘導してきた相手が敵だとは考え難いのだろう、武器を向けてはいるが目を見れば警戒しているだけだと分かる

 

内訳としては少年が三人、少女が二人である

 

そんな中で一人の少年が前に出てくる、残りは後ろで銃を構えたままだから彼が交渉役という事だろう

 

「アンタが助けてくれたのか?」

 

「そうだ。正確にはオレは表で襲撃、お前達を誘導していたのは仲間の方になる」

 

「……何が目的なんだ?」

 

「一つは人体実験の停止。そして被験者の保護だ。二つ目は他で救出した被験者からの依頼だな。そちらが望むなら身柄の保護は可能だ。その手足の維持も、化合物の提供も続けられる」

 

少なくとも彼等だけで今後も化合物の精製が出来る訳がないので選択肢はあってないようなものだ

 

だが目の前の少年は首を横に振った

 

「その保護ってのはおれ達五人だけだろう?だったらおれ達は行かない」

 

「そうか。それなら何処へ向かう?」

 

「元のスラムに、オークランドに戻る。そこで仲間が待ってる。三十人程度の人数だけど、それまで助け合って生きてきたんだ。今度は無理矢理だったけど改造されて力もある、武器も良い物を手に入れた。おれ達は成り上がるんだ、あの街で」

 

「……そうか」

 

ラビットフット社で作った孤児院には流石に三十人も入る事は出来ない、そして彼等が望む以上は無理に連れていく事も出来ない

 

そして彼等の命は化合物が尽きた後、長くは持たない

 

だからせめてもの餞別として、その命を長らえさせる手段を教えておく事にした

 

「なら、化合物が切れた時はキャラメルを食べると良い。必要な化合物はキャラメルにも多く含まれている物と同じだった。スラムで手に入れるには厳しいかもしれないが、少なくとも希望にはなったか?」

 

「勿論だ。それにしても、キャラメルなのか?」

 

「キャラメルだ。冗談抜きでキャラメルなんだ」

 

研究員も摂取する化合物に関して元から食用である物から取ってきた方が余計な影響が出ないと考えてのものらしい、まあ下手に毒性がある物を摂取させて体調を崩したりすれば兵器として使えないからという理由だろうがな

 

「それと、オレ達への連絡先をそっちの端末に登録しておけ。武力が必要な時、もしもタイミングが合ったりすれば何らかの協力が出来るだろう。化合物の方も都合出来るかもしれないしな」

 

「本当か?おれ達を研究所から助けて、他にも色々と都合してくれて……兄ちゃんには借りが出来てばっかりだな」

 

「気にするな。研究所への襲撃も、何もかも勝手にオレ達がやってるだけだ」

 

「それでも、だぜ。おれ達の中では受けた借りは必ず返すって信念があるんだ。そうやってスラムでも信頼を築いてきた。だから借りは覚えておく、何か兄ちゃんの手伝いになれそうな事があったらその時には教えてくれ。借りを返すからな」

 

「なら、その時は頼らせて貰うさ」

 

「おう!それでこそスラム魂だぜ!」

 

何やらシャングリラ魂的な事を言う少年だが、取り敢えず互いに信頼はした、保護は出来ないが別の方向で協力するという形で

 

「そういえば名乗ってはいなかったな。オレは康太だ、紫藤康太。とはいえあまり他人に吹聴しないでくれ。一応はテロ行為をやった訳だからな」

 

「分かった。おれはイーノだ。姓はない。捨て子だからな」

 

ますますシャングリラ魂がありそうな名前だった少年ことイーノ

 

その後はお互いの端末に連絡先を登録し、その場で別れる事になった

 

彼等は彼等でスラムに拠点を作ってあるらしい、鉄屑やら武器やらスラムで拾える物を色々と拾って生計を立てているのだとか

 

その稼業の途中でマフィアの連中に拉致されたのだとか、今後は何人かで武装して行動するから再び捕まる可能性は少なくなるだろう

 

此処からオークランドまでは結構な距離があるがイーノ達は大丈夫だという、スラムという環境でスリや窃盗を行い走って逃げていた為に体力やらはかなりあるらしい

 

イーノ達がそのような真似をせずとも済む世界になれば良いのだが、その道は長いだろうな

 

「じゃあな、兄ちゃん。またいつか会おうぜ!」

 

「ああ、その時は出来れば平和な時が良いな」

 

情報を交換し、イーノ達の今後の活動の予定を聞いたりした後、山を降りる為にイーノ達は行動を始めた

 

既にある程度は森の外の景色も見えている、山の中で迷う事はないだろう

 

「さてと……」

 

イーノ達が去った事でこの国でのオレの目的も全て果たされた、後は日本に戻るだけであり、その間は結構な時間が空く

 

オレはオレで向き合わなければならない事があるのだ

 

 

ノッセルのキャビンに戻った時、一度休憩にでもしたのかクロエとリナは一緒に紅茶を飲みながらお菓子を食べていた

 

そのお陰か先程までのピリピリとした雰囲気は霧散している、話を訊くならば今か

 

「リナ、少し良いか?」

 

「ん、どうしたの、コウ?」

 

「少し訊きたい事がある。二人だけで話したい内容だ」

 

「分かったわ。私も、改めて話したかったから」

 

そう言うとリナは椅子から立ち上がる、オレはリナをキャビンの一室に招く、此処ならば他の人間に聞かれる心配はない

 

「改めて、久し振りだな、リナ」

 

「えぇ、本当に。まさか別の世界に行っていたなんて思わなかったわ」

 

「全くだ」

 

まずは再会した事に対して改めて挨拶を交わす、このような常軌を逸した事態に直面しているが互いの表情には苦笑が浮かんでいる

 

「ねえ、コウ。コウはこの世界でどう過ごしていたの?」

 

「ああ、そうだな。オレは四月辺りにこの世界に来た。IS学園の敷地内で倒れているのを見付かって、紆余曲折あったがラビットフット社という企業の所属になって活動している。今は夏休みだが、普段はIS学園に一年生として通ってるよ」

 

「oh!やっぱり『インフィニット・ストラトス』の世界なのね!それにしても、一年生……もしかしてワンサマーとか居るの?」

 

やはりというべきか、元の世界には『インフィニット・ストラトス』というISの正式名称のアニメなりが存在しているのか

 

リナの反応は明らかにISを知っていたものだったが、そういう理由なのだろう、オレはそんなアニメ全く知らなかったけど

 

それにしても、ワンサマー?

 

ワンサマー、ワンサマー、1、夏?

 

「ワンサマー………………一夏のことか?」

 

「そう!それで、IS学園って事は、色々とトラブルがなかった?例えばクラス対抗戦で無人機が乱入したり、タッグマッチでVTシステムの暴走があったり、臨海学校で銀の福音が暴走したり!」

 

どうやらリナの知るアニメではそのような展開だったらしい、確かにどのイベントでも似たような騒動は起きている、とはいえ無人機ではなくクロエとBD1号機、銀の福音ではなくデビルガンダム軍団と違いがあるのはオレを含めガンダムシリーズが介入しているから、と見るのが正確か

 

「概ね、そのイベントの時にトラブルが起きてはいるが色々と違いがあるな。まずはクラス対抗戦だが―――」

 

その為、オレはこの世界での出来事をリナに伝えた、リナも自分の知る作品との違いに驚いてはいたが許容範囲内といった様子だ

 

「むむむ、ガンダムがこの世界に……」

 

「そもそもオレの機体もジェガンD型だったからな。そして普通に過ごしていてもオレというイレギュラーが存在する以上、お前の知る作品と解離していてもおかしくはないさ」

 

とはいえ、これは上手くすれば未来の情報を得る事が出来るという事でもある、当然ながらオレ達という存在で変化している分、正確なところを予測する事は出来ないにしても目安にはなるだろう

 

だがそれらを考えるにしても、まずは―――

 

「なあリナ。この世界がお前の言う『インフィニット・ストラトス』の世界なのは分かった。けど、それでもオレにとっては紛れもない現実だった。どういう理屈か知らないが、ガンダム世界の人達とも出会って実際に話もしたんだ。だからお前がどう思ってるのかは知らないが、この世界で出会う人達の事をアニメキャラクターだとか思わず、一人の生きた人間として接してくれるか?」

 

「当然よ。さっきのクロエって娘とも話したけど、あの娘はちゃんと一人の人間だもの。アニメじゃ見なかった人間だけど、ちゃんと生きてるって感じたもの」

 

「そうか、なら良いんだ」

 

少なくともリナの言葉に嘘は感じられない事から一先ずは安堵する

 

だがクロエはアニメに出てないのか、篠ノ之博士の従者といった感じだったから居てもおかしくはないのだがな

 

とはいえまずは懸念事項を一つ解決出来た、そして次こそが本命とも言える内容だ

 

「リナ、オレ達はこの世界に迷い込んだ形なんだと思う。正直、どうやって来たのか、どうすれば戻れるのかも分からない」

 

「それは……うん、分かってる。ねえ、コウ。コウのパパとママ、どうしてるのか、知りたい?」

 

「……ああ、実はそれも訊こうと思ってた。オレが消えて、親父達はどうしてるんだ?」

 

リナに訊ねたかった内容、それはオレの両親についてだ

 

心配してくれているだろう、叶うならもう一度顔を合わせてしっかりと話したい

 

そしてリナはさっきの口振りから確実に二人がどのような状況に置かれているのか知っている、だからオレも覚悟を決めて訊いた

 

「二人は、健康的な意味なら元気よ。病気とか、そういった事にはまだなってない。でも、コウが居なくなった事でとても落ち込んでる。コウの事を心配して、あまり休めていないようだから……」

 

「そう、か……」

 

やっぱり心配してくれているのか、それを知れただけで自然と目頭が熱くなり、二人の顔が鮮明に思い出せた

 

視界が歪み、鼻をすすりながら、少し自分を落ち着かせる

 

「オレは、幸せ者だな」

 

一人息子という事もあるが、ここまで愛してくれていたのだと両親の想いを感じる事が出来た

 

そして、そんな二人に何もしてやれない自分自身の親不孝を呪う

 

「そうね。だから、早く帰れるように方法を探しましょう!何が出来るか分からないけど、私も手伝うから!」

 

「ああ、その事なんだが―――」

 

親父達の事を教えてくれたリナが、元の世界に帰る為の手段を探すという

 

どうしてオレ達がこの世界に来ているのか、その理由も何も分からないが、オレは一つの決意をしていた

 

それは右も左も分からない世界で自分を奮い立たせる為に立てた目標とは違う、明確な目的があっての事だ

 

だからこそオレはオレの意思をしっかりと込めてリナも言葉に返した、これがリナと二人で話したいといった理由の中でも半分くらいを占めるものだった

 

そしてオレは―――

 

「―――オレは、元の世界には帰らない」

 

明確に、例え親不孝だと罵られようとも、自分の意思を告げた




なおリナですが、原作ライトノベルは未読であり、アニメ版のみ視聴、しかもOVAは未視聴だったりします。

が、この世界はナターシャが居る事からも原作ベースで進んでいるのです。


そしてコウタくんの覚悟、決意に関しては次回です。

宇宙開発以外にこの世界に留まる理由が出来た、その理由が伝えられる予定です。
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