ジェガン、IS世界に立つ!!   作:RABE

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また多少感覚が空きましたが、投稿です

お盆休みで久し振りにPSO2にログインして来ましたが、かなりストーリー進んでたんですね、エトワールとか知らんし(EP6の最初の方までしかしてませんでした)

なお私はゲームのキャラは美少女、に見える美少年を作るのが趣味だったりします、そういう意味ではPSO2は最高傑作が作れたんですよね、なので個人的にそれだけで神ゲー認定です


53話 夏祭り

お互いに此処に来ているとは思わなかったが、偶然とはいえ合流したのであれば共に回ろうと一夏から提案される

 

それに一秋とラウラ、箒も賛成した事で決定する

 

「それにしても康太の方は大所帯だな。クロエ以外は初めて見た顔ばっかりだ」

 

「そういえばそうだな。ついでだし、紹介しておくか」

 

夏休みになってから仲間になったり家族となった面々なので一夏達が初対面なのは当然の事だ

 

なのでまずは自己紹介となる、ミネッサとリリアナに関しては日本語がまだ上手く話せないので通訳込みで、だ

 

「まずは妹達の方から紹介するか。上から奏、菊代、萌、静流だ」

 

「紫藤奏です。一応はパイロット候補です。今後も訓練等で一緒になる事があるかもしれないのでよろしくお願いします」

 

「紫藤菊代。まあよろしく」

 

「紫藤萌なのです。よろしくなのです」

 

「紫藤静流です。いつもコウタお兄ちゃんがお世話になっています」

 

手短ながらもそれぞれの性格を反映したような自己紹介をする四人、改めて同じ紫藤姓が並ぶのは不思議な気分だ

 

「い、妹!?康太にか!?」

 

「血は繋がってないけどな。というか此処に居るのは殆んどが孤児だ。四人も普段は紫藤院っていう施設に居る」

 

「そうか……それは不躾だったな……」

 

「気にするな、悪気がないのは分かってるからな。それで、次は外国人チームか?」

 

以前にオレが天涯孤独の身だと聞いていた事から箒が驚いた様子を見せていたが仕方のない事だろう

 

四人もそれは受け入れている事だ、実の親が親だっただけに未練も少ないらしい

 

それでも幼い子供なのだから支えられるところは支えていきたいが

 

そして残りの外国人三人の方だが取り敢えずリリアナとミネッサは英語で話しておきたい事を聞いておきそれを代弁していく、リナは自分で話せるからスルーだ

 

「まずこの小さい方がリリアナ・トムソンだ。詳細は話せないが任務で外国に行った際にスラムで保護した。コイツもパイロット候補になる」

 

リリアナは紹介を丸投げしてきたから当たり障りのない事を紹介するに留める、アメリカでマフィア襲撃して救出したとか言えないからな

 

「そしてこっちがミネッサ・トムソンだ。ラビットフット社の新たな技術者になる。専門は機械工学、生体工学、脳科学といった分野だ。リリアナと同じように任務先で拾ってきた。主に機械式の義手義足、パワーアシストスーツの開発をしている」

 

「えっと、ヨロシクオネガイシマス」

 

オレが一通り説明するとタイミングを見てミネッサは日本語で挨拶をする

 

まだ発音やら拙い部分はあるものの意味も理解してきている為にミネッサが日本語を習得するのも近いだろう

 

「リナは自分でやれ」

 

「私だけ扱い酷くない!?まあ日本語話せるから当たり前だけど!初めまして、私はリナ=ゴールデンバーグ。コウの幼馴染よ。よろしく」

 

「あれ、康太の幼馴染?」

 

オレの出自を知っている一夏だけが幼馴染という単語に引っ掛かる、まあ別の世界から来た人間の幼馴染となれば気になるだろう

 

「本当、偶然出会ってな。詳細はこれまた機密に触れるから話せないが、オレの幼馴染だ。カナダ系のハーフになる」

 

「そっか、良かったな、康太」

 

「ああ、そうだな」

 

会えないと思っていた人間との再会は素直に嬉しいものである、一夏の言葉に素直に頷くが、今度は向こうの番だな

 

「それで、そっちも自己紹介したらどうだ?オレも一人知らない顔があるからな」

 

「そういえばそうだな。まずは俺からにしようか。初めまして、俺は―――」

 

一夏、一秋、箒、ラウラがそれぞれ奏達へと自己紹介をしていく、ミネッサ達へは同時翻訳をしつつ、リナは余計な口を滑らさないように釘を刺しておく

 

そして一夏達の一行の最後の一人、オレも見覚えのない赤毛の少女が最後に自己紹介をする

 

「あの、初めまして。私は五反田蘭と言います。普段は私立聖マリアンヌ女学院の中等部に通っています」

 

「ああ、オレは紫藤康太。ラビットフット社のテストパイロットをやってる。一夏とは同じ企業のパイロットという事になるな」

 

初めて会った少女、五反田蘭に対してオレは名乗ってもなかったので軽く自己紹介をしておく

 

年下かと思っていたが中等部という事で正解だったか

 

「あ、一夏さんからも聞いています。とても優秀なパイロットだって!」

 

「成る程、一夏がなあ」

 

反応から見て、この子もまた一夏に心惹かれている一人なのだろう、普段会う機会は少ないしIS学園には他にもライバルが多いが頑張ってくれと思うしかない

 

それにしても、聖マリアンヌ女学院か

 

「奏、お前達が通うのも聖マリアンヌ女学院だよな?」

 

「そうだけど」

 

「そうなんですか?あの、私は今中等部三年生で生徒会長をやってます。何か困った事があったら言って下さいね」

 

「あら、私と同い年なのね。改めて私は紫藤奏。よろしくね、五反田さん」

 

「蘭で良いですよ。その代わり、私も奏さんって呼ばせて貰いますね」

 

「良いわよ。よろしく、蘭さん」

 

「はい、奏さん」

 

奏達だが近くで且つ名門は何処か無いかと探していたら聖マリアンヌ女学院という場所があったので全員で確認してそこに九月から編入する事になっていた

 

エスカレーター式の学校だから高校まで進路に悩まなくても済む、奏は兎も角として菊代達の方も問題ないと言っていたから初等部に編入する

 

成績の方も、意外と全員頭が良かったので大丈夫だろう、本当普段の態度から想像もつかないが菊代が頭が良かったのは驚いた、その時に思わず感想を漏らしたら脛を蹴られたけど

 

「取り敢えず射的でもするか。花火の時間的に終わったら移動しようぜ。実は綺麗に花火が見える穴場を知ってるんだ」

 

ある程度の自己紹介が終わったところで一夏からの提案により射的をする事になる、今からレクリエーションを交えて親睦を深めれば良いからな

 

という訳でまずは一夏達の番となる、箒と蘭の二人に挟まれる形だからか屋台の主人がおまけ無しにしていたが

 

その後、コルク銃を受け取った三人と一秋にラウラの五人が並んで射的を始める

 

そんな五人だがそれぞれ銃の構え方に特徴がある、箒やら一夏、一秋は適当に、蘭は一見すると堂に入っているが強張っている様子が見える事から緊張しているな

 

そして軍人だったラウラは見事な構えをしていた、とはいえそれで結果が伴う訳ではないのだが

 

「兄ちゃん、小物ばっかだな……堅実と言えば良いのか、地味と言えば良いのか……」

 

「あはは……」

 

一秋はかなり当てていた、とはいえ落としたのはキャラメルやチョコレートといった駄菓子ばかり、当たれば倒し易いが単価的には低い目標ばかりだった

 

「くっ、弓ならば必中なのに!」

 

「くっ、実弾ならば命中していた筈だ!」

 

そして箒とラウラは殆んど命中していなかった、箒は普段の様子を見ていれば射撃が苦手なのは分かる、ラウラは単に構えが良くてもコルク銃の弾道に慣れていないからだな

 

まあその後は一夏と一秋がそれぞれフォローしていたから本人達は満更でもなさそうだったけどな

 

また、残る最後の一人、蘭はと言うと

 

『おー』

 

なんと液晶テレビの代わりとなっていた鉄の板を倒していた、緊張も合間ってラッキーヒットだろうが、それが偶然にも景品を倒すのだから中々の強運の持ち主だな

 

まず絶対に店側も取らせるつもりがないだろう景品を撃ち倒したことで周囲からも拍手が上がっている

 

まあ、本人が微妙な顔をしている辺り、箒と同じように一夏にフォローされたかったのかもしれないが

 

そして一夏達の番が終わった後はオレ達の番になる、参加者は年少組とオレだけだな

 

「大将、四人分」

 

「おう、見ての通り今日は大損だったからな。お手柔らかに頼むぜ」

 

「ははは、それは状況によるかな」

 

菊代、萌、静流の分も合わせた四人分の代金を払いコルク銃を受け取る、だがオレは装填はしておくだけで三人の様子を眺める

 

「それで、何狙うんだ?」

 

「萌はあのひよこさんが欲しいのです」

 

「結構大きいね。これで取れるかな?」

 

「なら三人で一緒に当てれば良いだろー。ほら、せーので撃とうぜ。ひよこが取れたら次はあのゲーム機な!」

 

と、まずは萌の希望でまんまるなひよこのぬいぐるみ兼クッションを狙う事にしたらしい

 

とはいえそこそこ大きめのぬいぐるみだ、おまけにクッションにもなるからコルク銃で撃っても衝撃を吸収されそうだ

 

それでも三人はぬいぐるみを狙う、五発ある弾を使い、最初の内は狙いもタイミングも合わなかったが四回目でかなり揃っていた

 

それなりに台から押しているのもあって、あと一押しといったところだろう、だから三人に合わせてオレも同時にぬいぐるみを撃つ、四発のコルク弾が一斉に命中し、それが切っ掛けとなりぬいぐるみを台から落とす

 

ラウラが構えも綺麗で狙いも正確だったからな、弾道を見極める手間が省けたのが良かった

 

「がはは、嬢ちゃん達の仲の良さに兄貴の手助けが加わればそりゃ落とされるわな。ほら、嬢ちゃんのお望みのひよこだ」

 

「ありがとうなのです、おじさん!」

 

そして萌がひよこのぬいぐるみを受け取り胸に抱き抱える、さてオレは一発しか撃ってないから残り四発か

 

「菊代はゲーム機として、静流は何か希望はないのか?狙ってみるぞ」

 

「えっと、それじゃああのシャボン玉セットじゃダメかな?」

 

「あれか。ゲーム機よりはずっと簡単だろう」

 

静流が示したのはよくある小さなシャボン液が入ったプラスチック容器が二つにストローの付いた小さなシャボン玉セットだった

 

正直に言うとかなり簡単な部類だからな、新しい弾を装填して構え、一撃で倒す

 

「自分じゃなくて妹達の欲しい物を狙うとは最近にしちゃよく出来た兄貴だな。それで、ゲーム機を狙うのか?」

 

「ああ、やるだけやってやるさ。ところで、そのゲーム機、台に固定してないよな?」

 

「がはは、その点は安心しろ。ほれ、ちゃんと空き箱の方を設置してあるからよ」

 

台にある箱を持ち上げ、中身のゲーム機を別の棚から見せる店主、だが箱を持ち上げる際にちょっと力を入れた辺り、中に重りを仕込んでるな

 

さて、残り三発で足りるかどうか、取り敢えず作戦を立てて実行出来るかオレ自身の動きを確認する

 

コルク銃はよくある空気式のもので動作方法はボルトアクションライフルと同じものだ

 

射撃訓練の時に同じボルトアクションライフルを扱ったとはいえ、あれは実弾で、尚且つ速射ではなかったからな

 

空撃ち禁止なので実際にレバーを動かしたりする事はなく動作確認だけだが、重りの重量次第ではいけるか?

 

「よし、やるか」

 

構えてまずは一発、ゲーム機の箱の上部に当たった事で対象は倒れる程ではないが大きく揺れる

 

そのまま振り子のように前後に揺れるのを見て上手く作戦が決まれば成功するのを確信して素早く次弾を再装填、まだ揺れる標的が奥へ向かって倒れるタイミングを合わせて再び箱の上部に命中させる

 

それにより更に大きく仰け反る景品、オレは先程と同じように素早く装填を終えると最後の一発を標的へと命中させ箱を倒す

 

箱の中から重りが転がる音が聞こえてくるのに苦笑しつつ、オレは静かにコルク銃を置く

 

「重りの量が足りなかったみたいだな、大将」

 

「がはは、あんなやり方されたら仕方ねえわな。全く、末恐ろしい坊主も居たもんだ。がはは……」

 

豪快そうな性格の店主が力なく笑いながら景品を渡してくる、まあ液晶テレビに加えてゲーム機まで一回分の代金で取られたからな、大損だろう

 

「まあゲーム機は俺が商店街の福引きで当たって持て余してたものだから、あんまり痛手って訳じゃないんだがな」

 

「成る程、それは良かった」

 

「がはは、だが目玉商品を持ってかれた事に変わりはねえ。来年はもっと取り難く工夫する事にするぜ」

 

そのようなリベンジを誓いながら店主はオレへと景品のゲーム機を渡してくる、それを菊代に渡してオレ達は店を後にするのだった

 

 

射的屋の後にもオレ達は様々な屋台を巡った、遊んで食べて、おおよそ祭りという物で思い付く限りの事はやったつもりだ

 

そして時刻も夜の八時に近付いてきた頃、そろそろ花火が始まるという事で一夏達が知るという花火を見れる穴場とやらに案内して貰っていた

 

神社の境内の裏手にある林の中を進んでいくオレ達、この林を抜けると一ヶ所だけ綺麗に木が存在しない場所に出るらしく、殆んど知られていない場所らしく他に人が居ない中で見られるというのだ

 

屋台を回っている間は軽くだった食べ歩きも、そこでならゆっくり腰を下ろして食べられるという事もあり、屋台の料理やラムネといった飲み物を買い込んで大所帯で薄暗い中を進んでいく

 

だがそんな時の事だった

 

「きゃっ!?」

 

「おっと。大丈夫か、クロエ?」

 

「は、はい。ですが、急に足元が……」

 

ある程度進んだ辺りで隣を歩いていたクロエが躓いた為、オレは腕を前に出して受け止める

 

明かりもなく薄暗い道の為に木の根にでも引っ掛かったのかと思い足元を携帯端末のライトで照らす、するとクロエの履いていた下駄の鼻緒が切れていた

 

「あー、鼻緒が切れたのか」

 

「今日の為に束様から頂いたものなのですが……」

 

今さらだがクロエは此処に来る時に、祭りに行くと聞いた篠ノ之博士から、博士が小さい頃に着ていたという浴衣を着て来ていた

 

紺色に朝顔の柄が描かれた浴衣であり、それと一緒に女性用の下駄も受け取っていた

 

だがお下がりだったからか、下駄の鼻緒にガタが来ていたのかもしれないな

 

「それだと歩けないな。仕方ない、一秋」

 

「ん、どうした?」

 

「すまん、ちょっと荷物預かっておいてくれ」

 

「分かった」

 

此処に来るまでに買っておいた食べ物やらラムネやらを一秋に預かって貰い、オレは一度身軽になるとクロエに向き直る

 

「鼻緒が切れた時の応急処置は博士から習ったから後で直せるけど、あと少しのところに良い場所があるならそこでやろう。それまでオレがクロエを抱えていくな」

 

「えっ?大丈夫、なんですか?」

 

「ああ、クロエ一人なら軽いし、鍛えてるから問題もない。まあ、クロエが嫌ならこの場で直すが」

 

「い、いえ!大丈夫です、お願いします!」

 

「そっか、ならちょっと失礼して」

 

クロエが許可してくれたので足と背中の方に手を回してその体を抱き上げる

 

小柄なクロエだから軽々と持ち上げる事が出来たし、後はオレが転ばないように足元に注意すれば良い

 

そうして予想外のアクシデントこそあったものの穴場という場所に来た

 

確かにその周辺だけ木々が存在しておらず、また花火が打ち上げる方に向けて緩い斜面がある事から腰掛けて花火を見るには最適と言えた

 

「それじゃあ、降ろすぞ」

 

「あ、はい……」

 

鼻緒を直すまでは片足だけ裸足になる為に適当なシートを敷いておいた

 

そして鼻緒の切れた下駄を受け取る、よりしっかりと見ると親指と人差し指の間に挟む前ツボという部分が切れているが、これなら応急処置が可能だ

 

「これなら直せるな。ちょっと待っておいてくれ」

 

財布の中の硬貨を見て五円玉があったので、これを使うか

 

「大丈夫ですか?」

 

「ああ、歩ける程度にはな」

 

簡単な修理だからそこまでの時間は掛からないだろうな

 

適当な紐を取り出して五円玉の穴に通す、それを下駄の底の方から前ツボが通っていた穴を通して鼻緒を通すように紐を結ぶ

 

そうする事で簡易的ではあるが歩ける程度には使えるようになる、五円玉は底の方で紐が抜けないように引っ掛かる役割をしている

 

「よし、出来た」

 

「ありがとうございます、コウタさん。あっ、花火が始まりましたね!」

 

軽く引っ張ってみて問題なさそうな事を確認したところで下駄を目線の高さに持っていっていたところ、その向こうから花火が上がってくるのが見えた

 

一夏や箒からこの花火は一時間は続けて打ち上げると聞かされているが、見事なものだな

 

「これが花火なんですね」

 

「クロエは花火を見るのは初めてなのか?」

 

「はい、映像では兎も角、直接目にするのは初めてです」

 

そう言うクロエを見ると珍しく普段は閉じている瞼を開き、その黒と金の瞳で花火を眺めていた

 

「来年も同じように見れるさ。オレ達はIS学園の生徒だ。この町の近くに居る以上、来年も、再来年もな」

 

「そうですね。あの、コウタさん。その時はまた、一緒にお祭りを回ってくれますか?」

 

「ん?オレで良ければ別に構わないぞ」

 

「それでは、また来年も楽しみにしておきますね」

 

「そうだな。来年はもう少し遊びたいもんだが」

 

夏休みに入っての事を思い返すが、撮影やら戦闘、教導といった事ばかりで学生らしく遊びに行った記憶があまりない

 

そして夏休みといえばで一つ思い出した事がある

 

「そういえば、プールとかに遊びに行く約束してたが、結局行けなかったな」

 

「そうですね。ですが、私はこれまでの日々も十分に楽しかったですよ」

 

「そうなのか?」

 

「はい。以前までの生活ではこうして学生生活を送る事なんて考えもしませんでしたから。それもこれも、コウタさんのお陰ですね」

 

「そんなにか?」

 

「そんなにです。コウタさんがこの世界に来て、そこから色々と動き出したんです。そうでなかったら束様が表舞台に出る事もなく、私もまた同じように外に出る事は無かったと思います」

 

そう言うとクロエは体ごとオレの方へと向き直り、言葉を続けた

 

「だからこうして花火を見る事が出来たのもコウタさんのお陰なんです。コウタさん、私は貴方と出会えて本当に良かったと思っています」

 

とても綺麗な笑顔で面と向かって言われると恥ずかしいが、オレもクロエと同じような気持ちだった

 

「オレも、この世界に来れて良かったよ。初めは何も分からない事だらけで不安もあったけど、また夢を見る事が出来た。惰性で生きていた状態から、生きてると感じられるような状態になれた。だからオレもクロエと出会えて良かった」

 

だからオレもまた同じように自分の思いを素直に伝える事にした

 

流石にオレは面と向かって言うのは恥ずかしいから視線を花火の方に向けてだからクロエの反応は見えないが、お互い様という事で良いだろう

 

「コウ~!もっと集まって見ましょうよ!料理も冷めちゃうわよ!」

 

「分かった!やれやれ、クロエも行くだろう?まだ下駄の調子が分からないから、手を貸すぞ」

 

「そうですね。では、少し手をお借りします」

 

言ってから恥ずかしさで何を話せば良いか分からなくなったが、そこでぴったりのタイミングでリナから声を掛けられた事でこれ幸いと立ち上がる

 

その際にクロエに手を差し伸べ、クロエもまたその手を取って立ち上がる

 

向かう先に居るのは学友に幼馴染、会社の同僚に義理の妹達、殆んどがこの世界で結ばれた縁だ

 

両親に会えなくなった寂しさもある、自身の手を血に染めた事への負い目もある、それでもオレはこの世界で生きていく、この世界で結ばれた縁を守っていく

 

今クロエとそうしているように、繋いだ手を離さないよう守ろう、花火の光に照らされてクロエの瞳のような月が浮かぶこの夜に、オレは改めてそう誓った

 

此処が、オレの生きる世界なのだから




此処までの応援ありがとうございました。RABE先生の次回作にご期待ください(大嘘)


さて次回は映画の試写会シーンですかね、コウタくんがISを使える理由をさらっと入れる予定です
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