ジェガン、IS世界に立つ!!   作:RABE

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タイトルは某ロボット大戦の楽曲の一つを元にしてます

そして本文中のISに関する設定や束さんの言葉は私なりの解釈によるものです


※最近ドイツ空軍に入隊し、スツーカや爆撃機飛ばして爆弾の雨を降らすのが日課です(WarThunder始めました)


54話 鋼のレジスタンス

地上から空へと向け幾本もの火線が放たれ、逆に空から地上へと砲撃が叩き込まれる

 

戦闘機だけでなく攻撃機やヘリコプターといった本来は空戦には向かない機体までが駆り出されて、ミサイルや機銃を放っては反撃の砲火により翼がもがれる

 

唯一対抗出来ているのは数の少ないISのみ、だがそれも徐々に撃墜されていく、何故ならば敵はそれ以上の数のISだからだ

 

2032年の夏、男女戦争とも呼ばれた第三次世界大戦を経てその結果により、女尊男卑によって抑圧された男達、そして愛する者を女性権利団体によって奪われ復讐を誓った女達、ただ家族と共に居たいというだけの者達、そういった人々が集まり暮らしていた一つのコロニーが今、女性権利団体からの攻撃により滅びの危機に直面していた

 

既にこの世界には国家という存在も無く、ISという圧倒的な力を背景に弾圧を行う女性権利団体によって支配されようとしていた

 

そんな中でかき集められるだけの兵器によってなんとか弾圧をはね除けてきたコロニーだが、戦力を集中させた女性権利団体の攻撃がこの日、開始されたのだ

 

高い機動性を誇るISに対して対空砲は目標を追う事が出来ず、元より空の敵に対して攻撃する事を想定していない戦車は陽動という役割しか出来ない

 

多少は対抗出来る戦闘機も、旋回性能の違いから直ぐに後ろを取られ撃墜される、戦闘機だけでは数が足りないからと本来は地上の目標を攻撃する筈の攻撃機やヘリコプターといった兵器はそもそもの足の遅さから的にしかならない

 

それでも人々は諦める事無く弾が尽きるまで攻撃を続ける、敵が此方を狙えばその分だけ残弾を消耗させる事が出来る、そうすれば虎の子であるISがきっと女性権利団体のISを撃墜してくれると信じて

 

ISを信奉し、IS以外の兵器を持たない女性権利団体は数が少ない、故に数では勝っているコロニー側だが、今回ばかりは数が違った

 

コロニー側が保有するISが六機程度に対して敵は三十を超える、だが元より他に生きていける場所など存在しない為に彼等は例え自分達が倒れようとも後に続く者達の為に戦う

 

そんな他の兵士達の希望を一身に背負うISパイロット達、その中で一人のパイロットが二機のISを相手にしていた

 

女性にしか動かせないというIS、しかしそのパイロットは男でありながらISを起動し、このコロニーに合流してから幾度もの戦いを生き延びベテランと呼ばれるだけの場数を踏んだ少年だった

 

「男の分際で神聖なISに触れるなんて!」

 

「その命で罪を購いなさい!」

 

故に女性権利団体の側からは優勢して狙われる、乱戦の様相を呈しているが位置情報が共有されている以上、長引かせれば他のISも集まってくるだろう

 

その為あまり時間を掛ける訳にはいかない少年は敵のISと斬り結ぶ、ジェガンと呼ばれる機体がベースになっているそれは幾度の戦場を経て少ない物資を遣り繰りしてきた事で最早その原型を留めてはいない

 

装甲は全身を覆っていた物から別の機体の物を継ぎ接ぎしており、塗り直す時間も余裕もなかった為に斑になっている

 

武装も航空機用の機関砲を無理矢理転用しており、唯一IS用の近接武装であるレーザー対艦刀であるエクスカリバーだけが正規品の状態を保っていた

 

今、鉄板を厚く重ねただけのシールドで一機の斬撃を防ぎ、エクスカリバーでもう一機と鍔迫り合いをしている少年、機体を回転さて二機の体勢を崩すと片方の敵に蹴りを叩き込み、距離を大きく離す

 

その隙を狙って近くを飛行していた戦闘機が残っていたミサイルをISへと全て放ち、撃墜する

 

そして残った一機にはエクスカリバーで直撃を与え、撃墜する

 

「ハァ、ハァ……これで四機目……」

 

ミサイルを放った戦闘機に向けてサムズアップし、僅かな余裕を持った少年、獅子堂劫火は戦場を見渡す

 

味方が不利になっている場所、敵の数が多い場所、自身の機体のコンディションを鑑みて補給も視野に判断する

 

しかし戦場をマップで確認していた時、先程ミサイルで援護してくれた戦闘機が一条の閃光に貫かれ撃墜された

 

同じような閃光は無数に放たれており、その全てが味方を次々に撃破していく

 

つい先程まで同じ空を飛んでいた戦友の死に歯を食い縛りながらそれを行った敵を確認する劫火、だがその姿を見た時、戦場にありながら劫火は呆然とその場に佇んでしまった

 

「何だ、アレは……!?」

 

それは異様な機体であった、円盤のような形状をした頭部らしき物に鳥の脚のように逆に関節が曲がっている脚部を備えた胴体という外見もさることながら、通常のISと違い十メートルを優に超える巨体を誇る黒い機体であった

 

その威容に呑まれていた劫火、だがその頭頂部にある四門の大型砲が自身に向けられる事に気付き、即座に瞬時加速を行う

 

だが時既に遅く、砲口より放たれた大出力のビーム砲により劫火の機体は半壊、地上へと墜落していくのだった

 

 

女性権利団体の側が持ち込んだ巨大兵器、その巨体は戦場の中であってかなり目立つ

 

そして見たところ巨体故に動きも鈍い、その為、地上に展開していた戦車や各地に設置されている砲台、空を行く航空機から一斉に攻撃が行われていた

 

空を駆け抜けるISに対しては牽制にしかならずともあれだけの巨体ならば命中させる事が出来る、今まで防衛に貢献出来なかった彼等はその思いを今此処で返すかのように砲撃を集中させた

 

爆煙の中に消えていく敵機の姿、これだけの火力を集中させればという思いが防衛側に流れる

 

だが次の瞬間、爆煙を幾つも切り裂きながら無数のビームが戦車を、砲台を、航空機を貫いていく

 

大勢の悲鳴が木霊する戦場、自身の姿を覆い隠していた爆煙が晴れ、巨体が一歩踏み出す

 

異様な機体であった筈の敵機、だが煙の中から現れたそれは大きく変わっていた

 

円盤状の頭部はバックパックとして背面に移動し、円盤内に格納されていたのかそれまで見えなかった腕が存在している

 

加えて鳥の脚のような脚部は腰から前後が反転した事で人間と同じ関節を持つものに変わっていた

 

そして指や円盤状のバックパック側面より追加で放たれたビームが容赦なく全てを薙ぎ払う

 

「味方機、半数以上が大破!」

 

「他の敵ISも次々に防衛線を突破していきます!」

 

「怯むな!我々の背後には戦えない市民達が―――!!」

 

コロニー内に設けられた司令部ではなんとか侵攻を阻止しようと必死に部隊の立て直しが行われていた

 

だが圧倒的な戦力差を前に残存戦力を再編する間もなく味方の被害報告が入ってくる

 

それでも諦める事は出来ない、元よりこのコロニーに居る者達に行き場などない、他のコロニーも此処と同じような状態であり、よしんば脱出出来たところで此処に住む者達を受け入れられるような余裕など存在しないのだ

 

故に彼等は最後まで戦う、そうしなければ守れない為に

 

「司令、あのデカブツが!」

 

「何だとッ!?」

 

しかし現実は非情であった、先程から強大な火力で以て味方に多大な損害を与えていた巨大な敵、中央モニターに映し出されたそれは胸部に三つ備えた巨大な砲口を此方へと、コロニーへと向けている光景だった

 

「いかん!奴の狙いは―――!?」

 

非戦闘員であるコロニーの住人ごとの殲滅、そう司令官が悟った時には敵機はエネルギーのチャージを終えたのか三門ある胸部の砲口より強力なビームを放つ

 

コロニーは高い防壁によって囲われており防衛力を高めてはあるが、砲弾ならばともかく大出力のビームを防げるものではない

 

瞬きする間にも到達せんとする熱量、だがそれらは割り込んだ何者かによりそのビームが弾かれる

 

拡散したそれは勢いを殺せずに後方へと流れるが防壁に当たるが、拡散された為に耐えきれる程度まで威力が下がっていた事で居住区への被害は皆無となっていた

 

そしてモニターにはビームを防いだ機体の姿が映し出される

 

「あの機体は……」

 

それは見慣れない機体であった、既存の機体のどれにも当てはまらず、白と赤紫を基調とした装甲に包まれいるが、一番に目を引くのは背中から展開される翼であろう

 

機体本体のものよりもより赤みがかった赤紫色をしている機械の翼、良く見ればその背にはニ門のビーム兵器と身の丈程の剣が二本、備えられている

 

司令官はその剣に見覚えがあったが、先にオペレーターからの報告が入った

 

「ISコアの照合確認!あの機体は、獅子堂君の物です!」

 

「何と……」

 

先程撃墜されたとの報告を受けたが、機体形状が一変して出てくるという予想外の事態にその場の誰もが困惑する

 

そして、それと同時に、この世界のありとあらゆるモニターに一人の女性の姿が映し出されるのだった

 

 

世界中のモニターをジャックして再生される映像、それは各ISを起点として発せられていた

 

ISコアからネットワークに繋がり、そこからありとあらゆる場所に接続されていたのだ

 

そして、それは大本であるISパイロット達にも閲覧が可能な代物であった、というより強制的に見えるようにされていた

 

『このメッセージが再生されているという事は、残念ながら私が求めていた世界にはならなかったようだね』

 

「篠ノ之束!?既に地球を見限った人間が、今更何を!?」

 

モニターに映った女性、それはISの生みの親であり、数年前の男女戦争の際に地球を捨て宇宙へと去っていったとされる人物であった

 

それは元より数の少ないISコアの新規生産が不可能となったことに加えて撃墜されたISの補充も出来ないという事実でもあった

 

完全に失われたISコアの製造方法、その事もあって女性権利団体からは目の敵にされていた、ISの開発者であっても自分達に協力しないならば不要だという勝手な理屈でだ

 

『人間は未だ愚かで、戦いを好み、世界を破滅に導こうとしている』

 

だがこれは事前に仕込まれていた録画映像であり、実際に篠ノ之束本人が今に話し掛けて来ている訳ではない為に女性権利団体側のパイロットの言葉に反応せずに、淡々とメッセージを再生していく

 

宇宙(そら)へと上がる為の翼であるIS。それを軍事利用する事を企んだ何者かによるミサイル攻撃。この私でも流石に自分の住んでいた国を簡単に焼かれたくはないから白騎士を使った。他に方法が無かったとはいえ、翼を兵器として利用するしかなかった』

 

それは篠ノ之束という人間の回想だった、世間一般ではISの利用価値を示す為のマッチポンプとされた白騎士事件、その通説と真逆の事を示す内容であった

 

『結果として私の懸念通りに、人々はISを兵器としか見なかった。そしてISコアを造れる私にその生産を命令してきた。だから私は自分の子供とも言えるISを汚い大人達に利用される事を避けるため、生み出したコアは全て男には使えないように調整した』

 

それは全ての人間が驚愕する事実であった、ISが女性にしか扱えないという原因が不明だったのが、たった一人によって仕組まれた事だったのだから

 

『だけど、世界は何も変わらなかった。女性をパイロットにして兵器としての運用を続け、あまつさえISを自身の欲を満たす為だけに利用する女性権利団体なんて集団が生まれ、世界に女尊男卑なんていう思想が蔓延する事になった。そして、あの大戦が起きる事になった』

 

第三次世界大戦、男女戦争とも呼ばれるようになった大戦は世界秩序を完全に破壊した

 

ISの迎撃の為に、核の使用も行われた大戦により地球上の多くの範囲が汚染され、人類の総数はかつての七十億という人数から一億にも満たない数となり、その生活圏は限られ、少ない物資を利用して生活するしかなかった

 

そして、今もまた人間は自らの過ちを正そうともせず、戦いに明け暮れている

 

『だから私は人類を捨て、これから宇宙に旅立つ事にする。けど、もしもまだ人類に良心とも言うべきものがある事を信じて、私はこのメッセージを残そうと思う。ISコアには意思がある。私はそう生み出した。そして、このメッセージが再生されているという事は、ISコア自身が認め、自らの担い手として選んだという事なんだろう』

 

そう言うと映し出されている篠ノ之束の雰囲気が変わる、その目はまるでモニターの向こうに居る誰かを見据えているかのような光があった

 

『男でありながらISに選ばれた誰か。君が何を願ってISが応えたのかは分からない。でも、ISが選んだというのなら、私は人間という種に対して最後の希望を、ISコアの全能力を君に託してあげようと思う。このどうしようもない世界で、唯一ISに選ばれた君が、望む未来を勝ち取る為に』

 

それは明らかに特定の人物に向けられた言葉であった、そしてこの世界に存在する、その男性パイロットとなれば目の前の一人しか該当しない

 

「獅子堂劫火、デスティニーインパルス、未来を切り開く!」

 

それまでの静寂を打ち破るかのように、背中に背負っていた二本の巨大な剣を両手に持ち、運命を関する機体が飛翔した

 

 

篠ノ之束の仕組んだプログラムによりISコアのリミッターが外され真の能力を解放された機体は、獅子堂劫火という人間の意思により二次移行(セカンドシフト)を行った事も合わさり、圧倒的な力を振るった

 

残存していた敵ISに肉薄すると二本の大剣にて切り裂き、距離があれば背中から伸びた二本の砲により撃ち抜かれる

 

火力を集中させ攻撃を命中させようとすれば両手より発生したビームによるシールドで悉くが防がれる始末だ

 

そして弾切れのタイミングを見計らうと再び飛翔した機体は更に撃墜数を増やしていくという結果となった

 

三十は超える数が居た筈にも関わらず、既にその半数以上がたった一機のISによって撃墜されたのだ

 

その光景に巨大ISに乗っていた女性権利団体幹部の女は歯噛みし、忌々しいという感情を全て乗せるかのように全ての火器の照準を獅子堂劫火へと向ける

 

「例え二次移行したとはいえ、そのISに使われているコアはたったの一つなのよ!ISコアを五つ搭載したこのデストロイの、敵じゃないわ!!」

 

敵対した全てを焼き尽くしてきた巨大IS、デストロイは目の前の空間全てを滅ぼさんと四方八方にビームを放つ

 

それは時として味方までも巻き込んでの攻撃であったが、当たるような奴が悪いと悪びれる事もしない

 

だがその一つも獅子堂劫火を捉えるには至らない、避けられ、防がれ、全く損傷を与えられない事に女は焦れる

 

対して獅子堂劫火は機体の翼を展開する、今まで使用されなかった飾りに思われたそれは、翼を延長するかのように光が展開され幻想的とも思える姿を現す

 

その事が更に女パイロットの勘に障る事になるが、次の瞬間にはそれを消え失せる

 

それまでも高い機動性を誇っていたデスティニーインパルスと呼ばれた機体が更に加速したのだ

 

その速度からか残像が発生して見える程であり、それが両手の剣を組み合わせた状態で構えてデストロイへと迫る

 

慌てて迎撃しようとする女だったが、あらゆるセンサーを凌駕する性能を誇るISのハイパーセンサーであっても捉えるには至らず、それどころか残像にまで反応が検出される為に本体を捉える事が更に難しくなる

 

そうしている間にも獅子堂劫火は接近し、デストロイのその巨大な腕を切り落とす

 

「ぐうぅっ!?何故だ!?何故、そうまでして戦える!?お前の何をISが選んだというんだ!?」

 

それは女の口から咄嗟に漏れ出た言葉であったが、通信によって獅子堂劫火のもとへと届いていた

 

「破壊する、認める事もせず人を見下し続け、相容れないからと気に食わないもの全てを破壊していくお前を止める為だ!」

 

だからこそ獅子堂劫火も答えた、自身の望みと、自らが駆るISのコアとの対話によって得た答えを

 

「世界がこうなったのも全てISに原因があるというのなら、この世界からISを無くす!人を殺す事を望んでいないISコアに宿る意思達の為にも!」

 

「そんな、勝手な事を―――」

 

「その為にも、アンタ達は俺が討つんだ!今日、此処で!!」

 

機体の各部を切り裂かれていき戦闘力が失われていくデストロイ

 

女が視線を正面に向ければ大剣を構え、一直線に矢のように飛んでくる獅子堂劫火とデスティニーインパルスの姿、そして幻のようにその傍らへと寄り添う銀の髪を持つ少女の姿が見えた

 

だがしかし、それが本当に幻だったのか確かめる余裕もなく、デスティニーインパルスの持つエクスカリバーがデストロイの腹部を貫き、コックピットでもあったそこに居た女の意識はそのまま永遠に閉ざされる事になるのだった

 

 

激闘の後、獅子堂劫火が、コアの回収を終えたら全てのコアと共に宇宙へと向かう事を告げ、残りのISコアの回収の為に旅に出たところで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

それから暗かった部屋が明るくなり、映画の試写会が行われていたホールの壇上に映画の監督や脚本といった製作陣と主要キャストが登っていく

 

獅子堂劫火役を演じたオレこと紫藤康太もまた同じように他キャストに混じって壇上に上がっていく

 

夏休みに入って映画の撮影依頼があったが、八月の中旬の今に完成したそれの試写会が行われる事になり、撮影協力と出演の事もあってオレがラビットフット社の代表としてこの場に呼ばれたのだ

 

それからは監督の方から映画のコンセプトやらの話となり、事前情報で色々と注目を集めていた事からマスメディアによる質問も行われていく

 

「―――いやあ、本当に幸運だったのはラビットフット社の協力のお陰で本物のISを撮影に使えた事ですね。本当、篠ノ之博士にも、そしてこの場に居る紫藤君にも改めて感謝を伝えたいです」

 

「成る程。では紫藤康太さん、質問よろしいでしょうか?」

 

「ああ、はい。可能な範囲になりますが」

 

と、記者からオレにも質問が飛んでくる

 

予想はしていたが、改めてとなると少し緊張するな

 

「ありがとうございます。これまで映画への出演などは無かったと思うので、今回の初出演はどのような感じだったでしょうか?」

 

「結構NG出したので共演者の方には本当に申し訳なかったと思います。けど、役になりきったというか、恥とか感じなくなった時点からは自分でも上手く演じられたと思いますよ。ただ、一つだけ気になる事がありまして。佐渡監督、今回私は出演依頼に準主役ってありましたけど、途中からあれ主人公交代してません?」

 

撮っている途中から違和感はあったが、改めてスクリーンで見れば結末はあれだった、なので監督に確認したのだが

 

「あれねえ。本当は紫藤君の役の獅子堂劫火から男性でもISを動かせる秘密が見付かった、てシナリオだったんだけど、紫藤君の演技力が予想より大分高かったのと、篠ノ之博士からのあの重要な情報と、撮影協力の出演で、つい熱が入っちゃって。それもこれも、紫藤君が良いメカデザイン持ってきてくれたり、篠ノ之博士が爆弾情報放り投げてくるからだよ」

 

「まあ、そこは理解してますが」

 

撮影途中で篠ノ之博士が色々とやってた事は聞いている、だがあそこまで暴露するとは思わなかった

 

お陰で上映中に篠ノ之博士が出てきた辺りのシーンでは観客の方からも動揺が伝わってきていたのだ

 

「えー、紫藤さんに質問ですが。劇中、篠ノ之博士が語っていた件に関しては真実なんでしょうか?」

 

だからこそこういった質問も来るのだろう、ラビットフット社の紫藤康太に正式にインタビュー出来る場として、映画ではなくオレを目当てに来る記者も居るとは予想されていた

 

なのでオレは事前に篠ノ之博士から伝えられた事をそのまま伝えるだけだ

 

「一部は真実、だそうですよ。何が何処から何処までかは聞いてませんが、一つだけ確実に伝えて来いと言われました。『例え男性でもISコアに願う事があって、それをコアの方が力を貸そうと決めたなら男であってもISを動かせる。男性が基本的に扱えないのは兵器利用される事を防ぐ為だった』らしいです」

 

そしてこれが試写会に参加したもう一つの理由でもある

 

オレはISコア共々特殊ケースなので当てはまらないが、一夏や一秋がこれに当てはまるらしい

 

その基準はかなり厳しく、そう易々とISコアが力を貸そうとは思わないだろうが、それでも今まで男には使えないという常識を打ち破る事が出来る希望が出てきただろう

 

この事が記事にされて世界中で公開されてどのような影響があるか、正確なところまではまだ分からない

 

希望ではあるが、中には余計な事をしたと篠ノ之博士に批判的な事を言う人間も多く出てくるだろう、ISを利用してきた女性権利団体はこの情報を嘘だと決め付けたりするだろう

 

世界中で混乱はあるだろう、それでも未来の為に、あの映画のような男女間の戦争なんて事が起こらないようにする為にも

 

だからこそ篠ノ之博士はこの事を公開する事を決めたんだと思う、もう一度世界を変える為に、オレ達の夢である宇宙への道として、余計な火種を抱えない為にも、世界は、人類は、変わらなければならないのだから




メカニック紹介

◆ジェガン・パッチワーク……安定しない補給パーツにより様々な機体のパーツを利用して修復されているジェガン。獅子堂劫火の搭乗機。武装も航空機用の機関砲やミサイル、果ては歩兵携行用のロケットランチャーまで装備してなんとか戦力として数えられている。

コウタ「物資やりくりして苦肉の策的な機体ってロマンあるよね」


◆デスティニーインパルス……ジェガン・パッチワークが二次移行した設定の機体。実際には光の翼などのデータがないので外見と光るだけ、分身といった能力はCGで誤魔化しているだけである

コウタ「獅子堂劫火が二次移行するって聞いたから、ガンダムタイプにしたいと思った。で、最初の方にインパルスのシルエット使ってるから、それで良いやと適当に決めた」


◆デストロイ……ISコアを五個搭載した事で圧倒的なエネルギー総量を誇り、既存のISを凌駕する性能を得た機体。なお、結果武装を載せる事も考えたら大型化した機体である。

コウタ「ラスボスっぽい機体を聞かれたからCGデータを見せたらそのまま採用された。まあインパルスが相手だし、別に良いかと放置してたらああなった」
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