IS学園の文化祭までの期日は残り二週間とない、それでもオレ達は生徒会としての狙いもある為に訓練は続けており、ある程度の準備を手伝った後はラボでシミュレーターを使う、という日々が続いている
そしてクラスの出し物も既に衣装や内装の準備は終わっており、前日に飾り付け等を手伝うだけであり、他の接客担当や料理担当の生徒達がそれぞれの役割の練習をしているくらいに落ち着いている
なので比較的時間は取りやすく、生徒会のメンバーとして当日は文化祭の見回りという役目もある事と相まってオレは訓練に打ち込めていた
そんな中、一年生の専用機持ち全員が揃って訓練をしようという話になったので、オレは全員を訓練の為に学園の地下にあるラボまで招待する事にした、当然ながら篠ノ之博士の許可は取り付けてある、というより話したら特に箒とかに仕事場を自慢したいという事で見学ツアーが企画される事になった
「それにしても珍しいな。束さんのラボに全員を招待するなんて」
「今のところ、各アリーナに設置されているシミュレーター六基の中で四基は三年生が独占してるからな。最新鋭の訓練が出来るのに卒業までの時間が無いと、不満が多かったからな。かと言って残りの二基を一年二年でそれぞれ一基ずつ使っても学年全員で、だから順番待ちだ。実機で訓練しても良いが、シミュレーターでの状況設定に慣れると物足りなく感じるだろう?」
現在、シミュレーターはかなり先まで予約で埋まっている、三年生は追い込みの時期でもあるので少しでも多くの訓練が行えるように、その鬼気迫る様子は文化祭での勝負を捨ててでもという想いが伺える程だ
そして他の学年も、此方は文化祭で一位になれば暫く『戦技研』でのシミュレーター独占も出来るとあって文化祭の方に力を入れている様だが、人数が多いから使えても一日だけ、なら文化祭の準備期間でも一日だけ抜けても大丈夫と、予約が殺到している為に今更予約したところでずっと先になる
専用機持ちの全員も一度シミュレーターを使えば、可能ならシミュレーターを使いたいという点には同意のようだった
という訳でどうせならと誘った、シミュレーターでもAIを相手にするだけというのは味気ないのもある
それでオレ達はシミュレーターのあるラボに向かっている、実際のところ学園のあちらこちらに入口を作っているのだが、表向きの入口となっているゲートに向かう
場所は職員室の直ぐ隣、そこにゲート兼エレベーターが存在しており、厳重なセキュリティによって閉ざされている場所だ
しかし、そんな入口の前に一人の人物が立っていた
「待っていたわよ、康太くん」
「何か用があるにしても事前連絡くらい寄越して下さい、会長」
というか生徒会長である
「それで、何の用ですか?生徒会の方は特に何も無かったと思いますけど」
「実は康太くんに聞きたい事があったのよねぇ。地下で造ってるっていう戦艦の事よ。流石に真偽の程が気になるみたいで、学園長からも可能なら調べて欲しいって頼まれたのよ」
「拒否権は?」
「此処はIS学園、少なくとも土地を提供してる中で戦艦なんて代物を建造してるのに学園に何の情報もありません、じゃ外聞も悪いのよね」
「まあそれはごもっとも」
ある程度は自由に研究開発させて貰っているとはいえネェル・アーガマは流石に向こうの許容範囲外だったという事だろう、それは分かる
とはいえ会長は更識だ、そう簡単にラボの中に入れる訳にもいかない
しかしラビットフット社はIS学園の防衛等に協力する代わりに土地を借りている身、貸してる側が強いというのは世の常だ、ネェル・アーガマは対デビルガンダム用という点でゴリ押せない事もないが、筋は通すべきだろう
少し悩んだ末に、オレは一つの決断を出す
「……オレの権限の及ぶ範囲で、セキュリティ付きでならラボへの立ち入りを許可します」
「随分慎重ね」
「外から命令されるのを嫌う篠ノ之博士を通すんです。多少の不便は受け入れて下さい」
「……まあ、それもそうね。その条件でお願いするわね、康太くん」
「はいはい」
取り敢えずは篠ノ之博士へは連絡を入れておく、許可は割りと直ぐに出た為にオレはエレベーターのセキュリティ認証を解除していく
その間、会長はあまり接点の無かった一年生専用機持ち達に自己紹介をしている
網膜認証を始めとした各種生体認証のみで開くエレベーター、登録の無い者達は今回限りのゲストとして登録しておき、地下のラボへと降りていく
それなりに降りたところでエレベーターの扉が開くが、そこには四機の軍用オートマトンが並んで待ち構えていた
機動戦士ガンダム00の二期から登場する視聴者に軽くトラウマを植え付けたこの兵器だが、警備用のセキュリティとして開発し配備しているのだ
普段は鎮圧モードで警告を聞き入れない場合、もしくは有事の際には戦闘モードに入るように設定してある、入口のエレベーターでゲスト登録もしていない相手なら即座に襲い掛かってくるだろう
完全な機械であるが故に冷徹さすら感じられる存在が扉の向こうで待っていた事に何も知らない面々は一歩退いていたが、成る程こうする為に簡単に許可を出した訳かとオレは納得する
「気にするな、妙な真似をしなければ害は無い」
試しにオレが前に出てみれば軍用オートマトンは左右に分かれて道を空ける、それを見て全員が一先ずは安心したように続き、通路を進んでいくと軍用オートマトンもまた前後左右を挟み込むような形で着いてきた
「ねえ康太くん、何で私だけこの警備ロボに照準されてるのかしら?」
「オレは軍用オートマトンに何の指示もしてませんよ。やったとすれば篠ノ之博士です」
なお四機の軍用オートマトンの本体下部にある機銃だが全ての照準が会長に向いていた、今は鎮圧モードだから撃つのはゴム弾だろうが、銃口を向けられて良い気がする訳もない
とはいえ本当にオレは何も手出ししてないので犯人は篠ノ之博士だろう、恐らくは本気で撃つ気はなく、からかってるだけだと思われる
尤も、分かっているとはいえ止めるつもりは毛頭ない、今のオレは生徒会の紫藤康太ではなく、ラビットフット社の紫藤康太だからな
そうして少し歩いていると通路の一部がガラス張りの窓の付いた物に変わる、会長のお目当ての物は此処にある
「此処が造船ドック、会長のお目当てのネェル・アーガマを建造してる所です」
「うわ、本当に造ってるのね。改めて見ても、凄い巨体だわ」
「しかも殆んど形が出来上がってますわ。七割が建造済みというのも嘘ではなかったという事ですわね」
窓の向こう側では大きなパーツの取り付けを行っているエウクレイデスと、散らばって細々とした作業を行っている作業メカであるカレルの姿が見て取れ、その様子に先日のシミュレーターで戦闘を行った面々からは感嘆の声が上がっている
「今後、武装の方も取り付けを行っていく予定になります。エンジンもまだですし、重要な物はもう少し後ですよ、会長」
「そう。それで、完成したら進水式でもするのかしら?」
「最新技術の塊なんで盛大にお披露目するか、戦艦という形から秘匿するか、まだ未定ですね。篠ノ之博士はドヤ顔して見せびらかす気のようですけど」
理論があったとはいえ形にしたのは篠ノ之博士なのでその気持ちは分からなくもない、誰だって自分が創り出した物は誇示したいものだ
「個人的には外部が煩そうなので公開は気乗りしないですけどね。各国には対デビルガンダム戦での切り札として伝えておいて有事の際にスムーズに動けるようにする程度、ですかね」
それも篠ノ之博士の方針によっては切り替えるつもりだ、原作とは違いミノフスキー・クラフトにより単独での大気圏離脱能力を付与したのだ、宇宙での航行能力に加えその積載量は既存のロケットの比では無い事から宇宙開発に対する本格的な活動の開始として印象付けられる為に悩みどころなのだ
「あまり此処に留まっても仕方ないですし、次に行きますよ」
「もう少し見ていたら駄目かしら?」
「構いませんけど、離れた途端に軍用オートマトンから機銃掃射されても知りませんよ」
「それは残念ね」
あくまで今日の目的は訓練であり、シミュレーターの置いてある部屋まではそれなりに距離がある
とはいえ半ばラビットフット社の見学ツアーみたいなものなので、他にも寄る場所はあるのだが
「代わりに、此処にある物を少しだけ紹介しますよ」
「あら、今度は何があるのかしら?」
「見れば分かりますよ」
造船ドックのある区画の次の区画にある扉を開くと、まず眼に入るのは巨大な航空機であるアルバトロスだ
この部屋は格納庫、作った物や待機中の機体等を保管しておく為の部屋である、ちゃんと地上への入口も設けてある部屋だ
そしてその他にも色々と置いてあり、一夏がその一つに目を向けていた
「すっげぇ、これ戦車か!こんな物まで束さんは造ってたんだな!」
「61式戦車、操縦士と砲手兼車長の二名で運用可能なMBTだ。155ミリ連装砲をメインに、7.62ミリ主砲同軸機銃を備え、車体上部には重機関銃と取り外して携行も出来る軽機関銃も搭載してる。後部ハッチのある収納スペースには物資の他、兵員を四名まで搭乗させる事も可能だ。詳細なスペックは省くが、現行の戦車より一回り大きい事を除けば世界最強の戦車だと自負してる。バッテリー駆動で、コロニー内での治安維持活動なんかを想定した車両だ」
正に陸の王者とも言うべき威容を備えたその戦車はガンダムシリーズに登場する地球連邦軍の主力戦車である61式戦車5型である
いざという時の為に治安維持活動にISは過剰戦力かつ絶対数の不足が予想される為、一般兵でも使用可能で見た目にも分かりやすい兵器、更にコロニーという閉鎖空間で大気汚染を行わないバッテリー駆動という点に着目し、篠ノ之博士にプレゼンを行った上で試作した物だ
ラビットフット社の人員不足により部隊として運用する事は叶わないが、将来を見据えて生産しておいて損はないと思っている
「康太くん、これ外に販売する予定とかあるかしら?」
「ありませんし、出来ません。あと自動化や衛星とのデータリンク能力とか電子機器も多く搭載してるので、売るとなると値段もそれなりですよ」
多くの部品をこのラボで生産可能とはいえ、売るなら売るで技術料は多めに取るつもりだ、現行の戦車より多少安くしてやったとしても、数十億はするだろう
まあ、生産能力は限られるから売るにしてもライセンス生産になるだろう事は間違いないが
「じゃあ、このタイヤの見当たらない装甲車は何かしら?」
「74式ホバートラック、通称ブラッドハウンドです。通信、レーダーの他に地面に杭を打ち込んで音で索敵可能なソナーを装備した指揮車両です。ホバーエンジンにより水上さえも移動可能な高い走破性能を誇り、後ろの荷台には物資を積み込む事も出来、積み込んだ物によってはISの整備も可能になります。その分、武装は20ミリバルカンしかないので直接戦闘はオススメしません」
次に会長が興味を示したのは61式戦車の隣に置かれていたホバートラックであった
08小隊を始め様々な外伝作品に登場する本車は主に部隊の指揮を行う為に用いられる事が多い
トラックと名前のついているだけに荷台も広く、地上での走破性能も高い事から生産している、此方は戦車よりも実用性が高い為に使うかどうかは別としてアルバトロスで移動する際には常に搭載している
それよりも小回りを求めるならば1/2tトラックのラコタがあるが、そちらは単にオフロード車の電気版みたいな感じなので特に触れなくて良いだろう、それをベースにエレカー作れるからある意味で一番有用ではあったのだが
「他には、あのストライカーパックシステム試験用の機体と、新型動力炉搭載型MSくらいですかね?」
「新型MS、それは是非とも気になる話ね」
「まあラビットフット社は人数居ないので量産しませんし、それなら最初からIS配備するから使わないんですけどね」
もしもISを扱えない男性がラビットフット社に入ったら使う事になるかもしれないが、まずそのような信用出来る者が何人も入って来る事が想像出来ないのでその日は来ないだろう
しかし一機だけ試作はされてるので、それを全員に見せる
機体色が白一色なのは装甲材の元の色であり、胴体からX字状に伸びる粒子発生機が外観の一番の特徴と言えるだろうその機体はガンダム00に登場したジンクスである
夏休みのあの日、疑似太陽炉を手に入れた事で本格的に研究が進み、実際にGN粒子を用いた機体が作れるかどうかのテストで作られた機体だ
ISコアを使わず、事前に供給された電力に応じてGN粒子を生産する特徴を活かして機体駆動用のバッテリーと併用する事でMSでありながら高い性能を発揮するようになったジンクスだが、第二世代ISくらいなら十機も揃えれば対抗出来なくはない性能に仕上がった
GN粒子を利用した武装と装甲により火力や耐弾性も高く、もしも世界に公表すれば今以上に兵器としてのISの価値が下がるだろう機体になってしまった
なのでこの機体は大っぴらにする気はない、この場で見せはしたものの、それは此処に居る者達を信用しての事である、会長もこの機体の齎すであろう影響を考えれば不用意に漏らす事はない筈だ、正確なスペックは伏せておくしな
「あら?背中の方が空っぽになってるわね?」
「件の新型動力炉なら外してありますよ。それがあってこそこの機体の真価が発揮される訳ですが、それは別の場所で厳重に保管されています」
具体的には此処よりセキュリティの高いエイフマン教授の研究室である、初期型疑似太陽炉であるが故のGN粒子の毒性を解決する為に疑似太陽炉の改良に取り組んでいるところだ
とはいえ初期型疑似太陽炉を使い一通りのテストは行ってある、ライフルとサーベル、バルカン、シールドという基本的な装備のみのジンクスだからテストにも最適で、特に問題無く動けたからな
因みに、人が着込むような形で搭乗する都合上、太陽炉は後ろの方に移動する形で搭載している、結果としてオリジナルの機体よりも更に後方へと太陽炉搭載スペースとコーン型スラスターが配置される形になっていたりする
格納庫内には他には特に目に付く物はない、此処でもカレルが動き回っていたりするが、主にメンテナンス作業をしているくらいだな
「そろそろ次の区画に行くが、大丈夫か?」
「ほう、まだ他にもあるのか?」
「ああ、次は研究室のある辺りだな。研究内容によって更に区分分けされてるが、今回は表に出しても問題ない代物が主に集まっている場所だ」
「その言い方だと、表に出せない研究もしてるって意味に聞こえるんだけど……」
「大丈夫だ、人体実験とかの倫理的に問題のある研究なんて真似はしてないからな。どちらかと言うと機密レベルで表に出したらマズい物を秘匿してる感じだな。核融合炉とか、転用すれば純粋水爆が出来るからセキュリティは必要だろう?」
その言葉には納得したのか、質問をしてきたシャルロットを含む全員が頷いていた
それで次の研究室になるのだが、今度はセキュリティ認証の扉を一つ潜ってから新しい区画に入る、表に出しても問題ないとはいえ大事な研究成果があるのでセキュリティは怠っていない
今回はその中の一室を全員に見せる事にした、そこには幾つものコンテナが並んでいた
「此処は食糧生産プラントだ。宇宙に出た時に自前で食糧生産が出来るように研究してる。此処にあるコンテナ一つ毎に異なる植物を育ててるんだ。遺伝子操作によって収穫サイクルも早めてある。この大豆なんて一週間もあれば収穫可能だ」
「それは食べて大丈夫なものなのかしら?」
「特に変異とか見られませんよ。まあ自然界に放たれたらあっという間に繁殖してしまうので、こうしてコンテナ内で完全管理しているとも言えますが」
遺伝子操作に関する倫理観?リソースの限られた宇宙での食糧自給と地上からの輸送コストを考えたらあっさりと蹴飛ばせる程度のものだな、あと人間の遺伝子操作とかじゃないからセーフ
それと味は保証する、栄養価とか諸々も問題ないからうっかり自然界に放ったりとかに気を付ければ問題ない、収穫したものは全て此処で加工してるし
「この隣で食品を加工してあります。此処も梱包材に可能な限り自給自足が出来るよう、寒天を利用したプラスチック等を利用しています」
「姉さんは食品会社でも始めるつもりなのか……?」
「今のところ幾らかの備蓄の他は、ちょっと外に流してるぞ。以前、外国に行った時に知り合ったスラムの孤児達が居てな。可能性は無いと思うんだが食べて問題ないか、試して貰ってるんだ」
「それこそ人体実験ではないのか?」
「他にも医薬品を渡してるし、スラムじゃ他より真っ当な食い物なんだとよ。ちゃんと合意も取ってる。お互い利益しかない取引だよ」
箒に言ったように、此処で生産した物は以前にアメリカの実験施設で保護したイーノを始めとした子供達に体の維持に必要な化合物と一緒に送っている
向こうは大量の食糧と化合物を、此方は実際に食べた際の影響を知る事が出来る、限りなく低いが危険性があると伝えたら「明日よりも今日の飯が心配だ」とのことだった、ちょっとした拠点を手に入れたらしく其処にラビットフット社という事を隠して送ってる
「ただ、大豆なんかの植物性タンパク質から作った代替肉を使ったポーク風ランチョンミートを多く送ってたら、飽きたって返事が来たな」
「康太さんの話を聞いていたら祖国の古いコメディ番組にそんな話があったという事を思い出しましたわ」
「あー、アレか。スパムメールの語源になったっていう」
正直に言えば一番初めに成功したのが大豆だったからそうなっただけで、今はこうして複数の種類の生産に成功した事でメニューも豊富になってきている
米と麦、ジャガイモに人参、トマト、トウモロコシ、キャベツといったメジャーな植物の生育に成功し、それらを用いて保存の効く料理として各国のレーションをモデルに作り、それをイーノ達へと送っているのだ
「これ、日本の食糧自給率の向上に使えそうね。けど遺伝子操作っていうのがネックね。でもいざという時の為に…………ねえ、康太くん。今気付いたのだけど、ラビットフット社って最悪此処だけで生きていけるって事よね?」
「ああ、会長は気付きましたか。そうですよ、水はまだこれからですが、将来的にコロニーでの事を目的として一種のアーコロジーとなってます。現状でも海さえ干上がる事がなければ核で世界が滅びようが、氷河期で地球が覆われようが、此処だけは生き延びられるようになっています」
会長の言ったように、此処の設備はコロニー等の宇宙開発を目指して開発されたものの、応用すればシェルターとして機能するのである
今のところは水のみ完全循環に至ってはいないが、IS学園の周囲にある海を濾過すれば問題はない
食糧はこの生産プラントで、エネルギーは核融合炉、地下という構造上核にも強く、対EMP防御も完璧、つまりは方舟とも言える場所なのだ、此処は
「世界がどんな事になってもしぶとく生き残れるって事は分かったわ。本音を言えば、上に居る他の生徒達の避難所として開放されれば嬉しいわね」
「状況次第で考えなくもないかもですね。まあ、地下シェルターを別で建設する事くらいは検討しておきますよ。それより次に行きましょう。あ、興味があればお土産に其処に積んである保存食幾らか持っていっても良いですよ。健康被害はまだ把握出来てませんけど」
「ふふ、丁重にお断りしておくわ」
オレの軽口にそう返しつつ、食糧生産プラントを後にして別の場所に向かう
例えばトレーニングルーム、主に肉体を鍛える為の器具を揃えた部屋や射撃訓練を行う為の射撃レーンを見せ、実機での訓練や機体のテストを行う実験場を経由し、本来の目的地であるシミュレーターのある部屋へ到着する
此処は学園に設置したシミュレーターより小型で同時接続可能な人数は十人になるが、此処に居る人数なら十分な数の為に問題はない
「あら、今日はとても人数が多いのね」
「やっほ~、こーたん、みんなぁ。あれぇ、今日は多いねぇ」
しかし此処には先客が居るのだった
ポークランチョンミート、有名なのはスパムですね。
第二次大戦に於いて米軍のレーションで在庫が有り余っていたのをイギリスに飽きる程送り、それをイギリスのコメディ番組が後世でネタにした結果、「うんざりするほど大量に送ってくる」というのがスパムメールの語源になりました。
なお日本軍の兵士を捕虜にした時、在庫処分も兼ねて与えたらとても喜んだそうで、米と一緒に作ったスパムチャーハンは米軍の兵士にも好評だったとかなんとか