かなり被弾したもののオルコットとの試合を制したオレはピットの方へと戻る
装甲の方はダメージレベルB、結構傷ついたな
おまけにスターク・ジェガン用の追加装備は全損、機体本体の装甲は予備パーツがあるから損傷の酷い箇所を交換すれば良いとはいえ、ジェガン・ジャグラーでなければ機動性の向上はない、か
第二試合が行われている間に交換して慣らし、それから第三試合に出場か……やるべきことは色々とあるが、まずは一言
「あぶねぇ……あんだけ啖呵切っといて負けたら洒落にならなかった……」
特に隠し武器であるミサイルはヤバかった、直撃すればジェガンの装甲でも抜かれていただろう
それで即負けにはならなくとも機動性が落ちてビットにやられていたかもしれない、あの状態で負ければ赤っ恥も良いところだ、よく咄嗟で装甲パージして楯に出来たな、あの時のオレ
「心配はしてなかったけど、思ったより元気そうだな、康太」
「あ?ああ、一夏か。そっちも今から試合だろう、準備は良いのか?」
「誰かさんが派手な戦いをしてくれたんだ。俺も負けてられないよ」
「そうか。なら勝って来い。兄貴を超えるんだろう?」
「ああ、俺は今日こそ一秋兄を超える。お前に教えられた事を実践してやる。じゃ、行ってくるぜ、康太」
「おう、行ってこい」
ユニコーンを展開した一夏の背を見送り激励する
カタパルトから射出されてアリーナに向かうのを確認してピット内のモニターの方に視線を移すと、既に箒がモニター前で一夏の様子を見ていた
「む、康太か。まずは勝利おめでとうといったところだな」
「ありがとう。かなり厳しいところがあったけどな」
「あのミサイルだな。あれは私も驚いた。よく凌げたとのだと感心する」
「あれで終わったと思ったよ。あの一瞬で対処出来たオレを自分で誉めてやりたい」
モニターに近付くと箒はオレに気付いたのか労いの言葉を掛けてくる
オレはそれに応えつつも視線はモニターに向ける、そして先に出ていた一夏のユニコーンとは別に白い機体が現れる
IS特有の完全にはその姿を隠していない装甲が脚や手を中心に纏われているが、それ以上に肩の辺りで浮遊している装甲と大きな翼のようなスラスターが目を引く機体だ
初めて見る機体ではあるものの、その存在は知っている、篠ノ之博士が設計に一部関わっているという機体、白式だ
武装は近接ブレード一本という完全に剣での戦闘しか想定していない機体、速度等の性能はかなりのものだがピーキー過ぎる
どうやら一次移行は終わっているようだが、正直に言えばユニコーンとの、というよりも全身装甲の機体とは相性が悪い機体だ
「なあ箒。オレは織斑一秋の事をあまり知らないんだが、どういう人間なんだ?一夏から聞く限りでも優秀な人間としか聞かされないし、他の知っている人間は面白味がない人間って言っていた。お前さんの目から見て、どういう試合展開になると思う?」
「そうだな。一秋は確かに幼少の頃から一夏より一歩は上に居た感じだ。無論、一夏とてそんな一秋に追い付こうとしていたが、兄としての矜持か、一夏と同じように努力もしている。それを知っているだけに、一夏もまた尊敬しているのだろうな」
「成る程、天才とか才能ではなく、努力家なのか」
「ああ、剣道の腕も中々のものだ。中学に上がってからはバイトに専念するといって剣を捨てたが、それも一夏の為にとの事だった。一秋と一夏はその時には殆んど同格の剣士であったが、今はどうだろうな。一夏は一秋が剣道を続けるようにと奨めたお陰で中学の全国大会優勝だ。その間のブランクとISへの習熟具合、この試合は一秋が何処まで一夏に追い付けるかが問われるだろう」
「へぇ、そういう事なのか。いや参考になった。なったんだが、二つ言える事があるんだ」
「ほう、それは?」
「一夏の性格からして、まず間違いなく射撃武器は捨てるな。兄貴に勝つという意思があるなら相手と同じ土俵で勝負する筈だ」
「だろうな。一夏はそういう性格だ。ふむ、どうやら早速捨てたようだな。ガトリングガンを格納した」
モニターに映し出されるユニコーンは出撃時には右手に持っていたビームガトリングガンと左腕に固定していたシールドを格納した
そして背中にマウントしてあったクレセントムーンを抜き放ち構える
おお、あれはサンライズパース!カメラアングルもうちょい下からなら完璧だった
コホン、それはさておき試合開始のブザーが鳴る、だが織斑兄弟は互いに仕掛けずに地上に降りた
どうやら剣道と同じように踏み込みの出来る地上で決着を着けるつもりのようだ
「そういえば康太。もう一つは何なのだ?」
「ん?ああ、二人とも剣の腕で競い合うつもりなのは間違いないんだが、一つ問題があってだな」
「問題?何だというのだ?」
剣道なら白黒ハッキリ付けられたかもしれないんだけど、これはなあ……
「あの二機、性能差が割りとあるんだよなあ」
特に装甲とか機動性とか、鍛えた肉体をぶつけ合うのとは違うわけで
「ぶっちゃけ、一夏に有利しかない」
そこまで言ったところで両者は同時に剣を振るっていた
◆
時間は少し巻き戻り一夏が一秋と対峙した頃、二人は互いの機体を確認していた
とはいえ一秋の白式は武装が近接ブレードの雪片弐型のみであり、それを事前に情報として篠ノ之束より教えられていた一夏は迷わず武装をクレセントムーンのみに変更する
「自分に付き合う必要なんてないのに……」
「それでもだよ、一秋兄。アイツに言ったからな、俺は今日こそ一秋兄を超えるんだって」
「……とっくにお前は自分なんて超えてるよ。強くなった。ISの動きにも迷いがない。四苦八苦しながら動かしている自分とは段違いだ」
「確かに練習した時間の差はある。でも一秋兄は直ぐにコツを掴むのが上手いだろう?なら、手加減の必要だってない。一秋兄はもう俺と同等くらいには白式を動かせる筈だ」
「それも買いかぶりなんだけどなあ……」
あくまでも自分と同格の相手であると信じて疑わない一夏と苦い笑みを浮かべる一秋、だが試合開始を告げるブザーが鳴ると共に表情を真剣な物に変えた
そして互いに地上に降り、剣道のように地上を移動しながら剣を振るう
「ハアァァァッ!」
「イヤァァァッ!」
気迫と共に振るわれる二本の剣、だがその特性は違う
片や日本刀のような形状と細身の刀身を持つ雪片弐型、片や片刃とはいえ機体の全高に匹敵する長さを持つ大剣のクレセントムーン、その違いが同じ流派を剣術の基礎とする二人の動きに違いを持たせた
レーザーが刀身に沿って展開されている以上は鍔迫り合い等をすれば雪片弐型が損傷する、そうさせない為に一秋は斬り結ぶ事をせず可能な限り回避を選択し隙を見ては細かな動きで反撃を加える
対して一撃必殺とも言える威力を持つ大剣のクレセントムーンを持つ一夏は武器の持つ重量に振り回されていた
大剣である以上は当然ながらその重量もかなりの物となる、幾らISのパワーアシストがあるとはいえ、その質量から生み出される慣性を制御するのは並大抵の事ではない
加えて刀身の峰に備えられたスラスターを噴かせばその勢いはとてもではないが制御出来るものではない、何かにぶつかるか勢いが弱まるまで止める事さえ出来ないのだ
一週間その扱いを康太と共に訓練していたとはいえ、まだまだ完全に使いこなすには到っていない
それに対して一秋はというとブランクがあるとはいえ武装のバランスは剣道の頃に近い、その為に慣れない武器を扱う一夏よりも早くに武器の扱いについて習得する事が出来ていた
それでも反撃として放つ斬擊が有効打とならないのはひとえにユニコーンの装甲の堅牢さ故である
そしてこのまま続けていれば一夏はやがて武器を扱えるようになる、そう確信していた一秋は早めに勝負を付ける事にした
その為に白式の持つ特殊な能力を発動させる
「なっ、レーザーが!?」
「零落白夜!エネルギー兵器は無効化させて貰った!」
「千冬姉の武器か!けど、その為のクレセントムーン!」
切断力を上げる為のレーザーが無力化されるものの、本来の刃は実体である為にエネルギーを消滅させる零落白夜の効果は及ばない
その事を承知で武器破壊を狙った一秋だが一夏が左手に展開したビーム・トンファーを見ると後ろに飛び退く
刀身の長さこそ本来の竹刀とは違うものの二刀流の姿となった一夏、しかし直ぐにクレセントムーンを構え直すと互いに仕切り直しとなった
「強くなったな、一夏」
「ああ、当然だよ、一秋兄。でもまだなんだ。まだ俺は一秋兄に勝てるっていうビジョンが思い描けない」
「諦めるのか?」
「前までの俺ならそうだったかもな。一秋兄に負けても、『相手が一秋兄だから仕方ない』って言い訳して諦めていた。でもな、アイツが、康太が言ってたんだ。『それでもと言い続けろ』って。この先、俺の力を否定したりする人間に出会うだろうけど、それでもと、俺自身が諦めてしまおうとするだろうけも、それでもと、可能性を捨てるなって言ってくれたんだ。アニメの受け売りだなんて言ってたけど、その通りだと俺は思う」
―――だから、と一夏が言った時、ユニコーンの姿に変化が、装甲の継ぎ目から赤い光が溢れ出した
その光は少しずつ強くなり、一定量を超えた時、機体に明確な変化が訪れる
光が漏れ出している継ぎ目を境に装甲が開き、フレームが露出、赤く光り輝いていた部分は使用されていたサイコフレームであった
脚部から順に装甲が展開していき残ったのは頭部のみ、側頭部のパーツが百八十度回転し、額の辺りのパーツが上部に稼働、その下には機械による双眸が現れ、ユニコーンという名に相応しい特徴的だった一本角が左右に割れV字状のアンテナへと変化する
「俺は今日こそ、一秋兄を超える!可能性の獣である、このユニコーンで!」
◆
「おぉ、遂に起動したか!」
「康太、アレは一体何なのだ!?一夏の機体が変身したぞ!?」
「あれはユニコーンの真の姿、デストロイモードだ。普段は抑えている機体のリミッターを解除して戦闘を可能にするシステムになる」
「リミッター、そんな物が……」
「プロフェッサーによるとISでも搭乗者の保護の限界を超えるような機動性を引き出す事が出来るらしい。アレはそんな機動性を獲得すると引き換えに、時間制限付きではあるがISの限界を超えた動きを可能とする。効果は五分だ」
「それは大丈夫なのか?一夏の体が耐えきれるのか?」
「下手に制限時間を延ばそうとしなければ平気らしいぞ。尤も、それだけの機体を制御するんだ、その疲労は半端な物ではない。リミッターの解除条件もISが搭乗者の強い思いに応える為に外れるようにしてある。今回は一夏の兄貴を超えたいって思いにユニコーンが応えてくれたんだろう。信じてやれ、一夏の可能性を」
「可能性……そうだな、行け、一夏!」
◆
「ハアァァァァァァァァァァッ!」
「クッ、この力は!?」
デストロイモードへと変化したユニコーンの機動性は圧倒的という一言に尽きた
更に言えばデストロイモードは人間の限界を超える力、その制御の為に機体が一夏の動きに合わせた動きをするのに対して今の一夏はユニコーン自体を己の肉体のように動かしていた
ユニコーンの手足の中に入っている一夏本来の手足はユニコーンの動きに追従しているだけだ
しかし自らが思い描いた通りの動きをするユニコーンの事を一夏は目まぐるしく切り替わる視界の中でしっかりと信頼していた
そしてその迷いの無さは太刀筋に顕れ、リミッターの外れたユニコーンの膂力が、機体本体と同じようにサイコフレームの輝きを放つ刀身を持つクレセントムーンを軽々と振るい、一秋の白式を強かに打ち据える
それにのり弾き飛ばされた一秋はその勢いに逆らわずに流されるまま大きく距離を取る
しかし離れてから体勢を整えた時、目の前には既にユニコーンがクレセントムーンを両手で上段に構え、今にも振り下ろさんとしている姿があった
最早避ける事は叶わない、勝敗は決した
機体性能の差も当然ながらあっただろう、だがそれを成したのは一夏の意思の強さと、その機体を制御出来るだけの技量である
それを理解したからこそ最後の瞬間、一秋は呟く
「―――お見事」
そして白式の絶対防御が発動、第二試合は織斑一夏の勝利で終わった
◆
ふむふむ、機体の性能差があったとはいえ一夏が勝ったか
普通に射撃を有りにすればより簡単に勝てただろうがそこは男の意地というもの、何も言うまい
完全に実力だったかは少し怪しいが、慢心しない為の念押しをしておくか
ピットへとユニコーンが、一夏が戻ってくる
ふらついているのは疲労の為だろう、心配をした箒が機体へと駆け寄っていく
「一夏!」
「あ、ああ、箒か。どうかしたか?」
「どうかしたか、ではない!体の方は大丈夫なのか?康太からアレは体にも大きな負担を掛けると聞いたぞ!」
「俺は大丈夫だよ。確かにちょっと疲れたけど、それだけだ」
「そうか……何はともあれ、おめでとう。遂に一秋を超えたのだな」
「実感は薄いけどな。でもやっと勝てたよ。これも動きの基礎を教えてくれた康太と、近接戦の稽古をつけてくれた箒のお陰だ」
「そうか、まずはおめでとう。だが忘れるなよ。お前が勝ったのではない。そのガンダムの性能のお陰だという事を忘れるなよ!」
「康太、一夏が勝ったというのにそのような言い方は……って、何だそのヒゲは」
「最初は一夏が慢心しないように言いたかったけど、いつの間にか名言を再現する方に比率が偏った結果の付け髭だ」
ランバ・ラル大尉の名言を少しアレンジしたのだが、元ネタを知らない箒には通じないか
とはいえガンダムという単語から一夏はなんとなく察してくれたらしい、苦笑いを浮かべつつも言葉を返してくる
「分かってるよ。それと箒、康太はたまにこういったアニメとかの台詞を使うのは良くある事だから、普段と違う口調とかだったらネタに走ってると思った方が良いぞ」
「そうなのか。だが、もう少し時と場所を選ぶべきだと思うぞ」
「善処しよう。これは半ば本能みたいなもんだからな」
簡単に止められるようならガノタなんてやってないわけで、これは既にオレの中では遺伝子レベルまで組み込まれていると思うんだ
「次は康太との試合だな。今まで模擬戦では負け続けてきたけど、今度こそは、俺が、勝、つ……」
「お、おい、一夏!?大丈夫なのか!?おい、おい!」
「……寝てる、のか?疲労がそれだけ溜まっていたのが、さっきので糸が切れたのか?。何はともあれ、医務室に連れていくか」
その前に織斑教諭に報告しないと、確かIS初心者の織斑一秋に説明とかの為に向こうのピットに居るんだったな
えっと、確かこのコンソールを使って、ああこれだこれ
『む、紫藤か。何かあったのか?』
「えぇ、さっきの試合の疲労からか一夏が眠りこけまして。今、箒が介抱してます」
『何?ふむ、次はお前と織斑弟の試合だったが、目覚めそうか?』
「まだ分かりません。それで、どうしますか?」
『先にオルコットと織斑兄の試合から始めるとしよう。本来なら不戦敗だが、そのような結果を他の生徒も納得するとは思えないからな。それでも目覚めなければバケツで水でも掛けてやれ。それで駄目なら不戦敗とする』
「分かりました。オレからは以上です」
通信終了、相変わらず実の弟でも容赦のない人であった
箒も今の通信は聞いていたようだし、取り敢えずは一夏をベンチに寝かせておいてやるか
「全く、余計な心配をさせおって」
「膝枕でもしてやればどうだ?その方が疲労も抜けるかもしれないぞ」
「な、ななな、膝枕だと!?そ、そのような不埒な真似が出来るか!?だ、大体、私と一夏はそのような関係ではない!」
「あんまり問題ないと思うんだけどなあ」
それとそのような関係でなくても、箒の方は一夏に惚れてるというのが分かりやすいんだよなあ
とはいえ枕も無しだと一夏も辛いだろうし、適当なタオルでも丸めて頭の下に置いといてやるか
そして箒も名残惜しそうな表情をするなら、始めから膝枕してやれば良いのに
この二人の仲は前途多難だな、鈍感な一夏と奥手な箒とで、進むのか?
篠ノ之博士からは特にオーダーとかないから、俺は見守るだけに徹させて貰うけどさ
さて、オルコットと織斑一秋の試合も始まったし、オレはバケツの準備しつつモニターで観戦するか
なお結果から言うと一夏がこの日に目覚める事は無かった、ジェガンで両足掴んで逆さ吊りにして水入れたバケツに頭突っ込んだけど駄目だった、オレとの試合で勝つとあれだけ言っておきながらコレである、訓練じゃ機体の損傷に気を遣って本当の意味で本気にならないからデストロイモードは使わないだろうし、一夏との全力勝負はいつになるだろうか
この日の模擬戦での結果は一夏は一勝二敗で終わった
その後、オルコットが一切の油断をせずに最初から本気で試合をした結果、織斑一秋は距離を詰める事が出来ず、中距離以遠から一方的な射撃により試合を終えた
そしてオレと織斑一秋の最終戦が始まろうとしていた
◆
アリーナに到着した康太と一秋、互いにあまり言葉を交わした事のない二人はこの場で試合開始前に会話をしていた
「まずは一夏を鍛えてくれた事、礼を言う。まさかあんなに強くなっていたなんて、自分には思いもよらなかったよ」
「その点は気にするな、同じ会社の同僚だ」
「そうだね。でも一つ訊きたい事がある。君の所属するラビットフット社、そのプロフェッサーっていう人についてね」
「他の企業からの引き抜き対策としてその素性は一切明かせない。当然ながら素顔は愚か、名前さえもな」
(というかどちらかでも晒してしまえば世界中から余計な手が来る事は想像に難くない。だがこの男、プロフェッサーが篠ノ之博士であると見抜いたか?)
「だろうね。大体予想はついているけど、その反応からすると当たりかな。大丈夫だよ、特にこっちから何かする気はないから」
「そう言われて素直に『はいそうですか』とはならないんだよなあ」
(怪しさしかない言葉だからな、もし匿名で何処かに洩らされでもすれば篠ノ之博士に迷惑が掛かる事になる。よし、速攻でコイツの意識を刈り取ってその間に篠ノ之博士と相談しよう、あの人ならその辺りの事も上手くやれるだろう)
なお一秋にはそのように脅そうとか交渉材料とかの考えはなく単なる確認だけなのだが、その意図を理解していない康太に盛大な誤解を与える結果となった
そしてブザーと共に試合が開始、元より武装が雪片弐型しかない一秋は
炸薬が詰まっている攻撃用と判断した一秋はそれを避けようと急減速したのだが、炸裂したグレネードの中身はスモークであった
「爆弾じゃない!?ハイパーセンサーが!?」
そのスモークはISのハイパーセンサーを阻害する物質の入った篠ノ之博士特性のスモーク・グレネードであった
そして一秋はセンサーの封じられた中でスモークの向こうに見えた影に対して攻撃する
だがそれは確かにジェガンの姿をしているものの零落白夜を発動させた雪片弐型が触れると破裂、追加のスモークを周囲に拡げていく
それこそは康太がスモークで相手の視界とセンサーを封じた後に放ったダミーバルーンである
ジェガンの指の辺りに格納されているそれは使用するとガスの膨張により一気に展開されてジェガンとそっくりの見た目になる
とはいえ間接等が動いたりする訳でもなく直立した姿をしているのだが、こうしてスモークの中に紛れる形で展開されると本物と見分ける事は難しくなんとISコアの偽装情報まで発信しているのである
更にダミーバルーンを割れば追加でスモークが拡がるという悪循環を生んでいた
ダミーバルーンは全部で八個展開されていたのだが既に三個が斬られスモークは拡がる
そこでスモークからの脱出を最優先に考えた一秋は頭上に向けて一気に加速、それによりスモークの中から抜け出す事に成功するが、地上を見下ろした時には此方を向く巨大な砲が目についた
頭部をエコーズ仕様と同じ開閉式の狙撃用バイザーユニットに換装しメガ・バズーカ・ランチャーで狙いを定めていた康太、一秋がスモークから出てくるのをチャージを完了して待っていたのだが、驚愕に表情を歪ませているのを見て即座に引き金を引く
「なんじゃそりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」
相変わらずミノフスキー粒子は使えないもののその巨大な砲から放たれた既存のISのどのような武装よりも強力なレーザーが白式を包み込む
当然、そのような攻撃に白式が耐えきれる訳もなく全身の装甲の大部分を破損、ダメージレベルDという損傷を受け絶対防御も発動、試合が終了した
零落白夜を起動出来ればレーザーを無力化出来たかもしれないのだがそこまで頭が回らなかった一秋はそのまま意識を失い一夏と共に医務室送りとなるのであった
一秋くんが最初格好良くなりすぎたので落としていくスタイル
こんな感じで半分ネタキャラと化すのか、それとも……詳しくは次回やる予定です