まちカド☆白書   作:伝説の超浪人

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大変遅くなり申し訳ありませんでした。ウガルルの扱いをどうしようか考え中です。


26話「新学期、ミカンさん転入です!」

さて、本日は何か色々あった夏休みが終わって新学期になってからの初登校日です。

 

朝の登校は私・桃・ミカンさんの3人で通学路を歩いてます。今日からミカンさんもウチの学校に転入です。

 

しかも何と私と同じクラスです。普通当日まで分からないものだと思ってましたが、ミカンさんがネタバレをかましてくれました。

 

 

「私……きちんと転校の自己紹介できるかしら……?呪いとかのことでドン引きされたらどうしよう」

 

「もう緊張しないように、あえて学校行かねーって手段もあるぜ?」

 

「いきなり初日でサボリは良くないわ浦飯さん」

 

 

浦飯さんの提案に対しミカンさんは首を横に振りました。初日からサボリをかます生徒は中々いないでしょう。ある意味でインパクト大です。

 

 

「大丈夫、皆受け入れてくれるよ」

 

「一緒のクラスで嬉しいです!」

 

「……そんなエモいこと言われても呪いしか出ないわよ!」

 

 

励まそうとしたのもあったし、本当に一緒のクラスで嬉しいので素直に口にすると、突然近所の人の飼い犬が私に襲い掛かってきました。

 

そういえばミカンさんてば、興奮しても呪いが出るんでしたっけ……。

 

でも私は暴れる犬を受け止めて、お腹をまさぐって大人しくさせました。ふふふ、いつまでも吠えられてビビる私じゃないのですよ!

 

とまぁこんな感じでやり過ごし、学校に着きました。

 

どうやらクラスの皆も、我がクラスに転校生が来ることは知っていたようです。漫画でもそうですが、転校生の情報とか皆手に入れるのがすごく早いですよね。

 

よく漫画とかで「見たことない子がいるー!」

 

とかよく言いますが、私は学年全員の姿を覚えてないですので、そんな見分けはつきません。あの調査能力は本当に謎です……。

 

そして朝のSHR。ミカンさんの転校の挨拶が始まりました。

 

ミカンさんは堂々と自己紹介をしています。魔法少女と言うことも、呪いのことも話してました。

 

質問タイムでどんなものが来るのか、ミカンさんはかなりソワソワしている様子でした。

 

 

「目玉焼きには何をかける派ですか?」

 

「朝から揚げ物は食べられる派?」

 

「質問が食べ物関係ばっかり!?」

 

 

しかし質問タイムでは食べ物の話ばっかりで魔法少女というか呪いなどの超常現象とは欠片もかすらない質問です。皆それでいいんでしょうか……?

 

 

「緩いな~このクラスは」

 

「浦飯さんもそう思います?」

 

「まーな。でもオメーがその姿で普通に学校に通ってるんだから、今更な感じもするがな」

 

「そういえばそうでした……!」

 

 

そういえば私は春から尻尾と角が生えたけどそのまま皆「変わっているね~」程度で話が終わって、その後は普通に通ってました!

 

もしかしてこのクラスはすごくゆるゆるなのでは……!

 

 

「え、今更?」

 

 

杏里ちゃんが少し驚いて私を見てきました。私は悪くねぇ!

 

そしてSHRの後の授業が終わり、休み時間になるとミカンさんの席に色んな人が集まりました。うーん転校生は大人気です。

 

1時間目終了後、ミカンさんと桃・杏里ちゃんで集まりました。

 

 

「自己紹介上手く言ってよかったわ……ここの学校の人たちはいい意味で緩いから、上手くやっていけそうよ」

 

「良かったですよミカンさん!」

 

「ありがとう、シャミ子」

 

 

興奮しても発動するミカンさんの呪いですが、何とか乗り切れたようです。しかし今日は乗り切れましたけど、学校行事の発表とかってヤバそうなんですが、今までミカンさんはどう乗り切ってきたのか気になり始めました。

 

ちらりとミカンさんを見ますが、これを聞いてトラウマだったら呪いが発動しそうなので聞くのはやめます。やばいやばい、質問も慎重にしなくては……。

 

 

「そういえば次は体育なんだけどさ、魔法少女や魔族の速さってどれくらいなの?例えば50m走とか」

 

 

杏里ちゃんの言葉で、そういえばそういった記録などで魔法少女の実力を聞いたことがないなとふと思いました。というよりフルパワーでやるもんなんでしょうか?

 

 

「私は前の学校で6秒くらいだったわ」

 

「3秒」

 

「ちよもも早すぎじゃね?」

 

「確かに……」

 

 

ミカンさんの6秒も普通に考えたら速いですが、桃の記録は世間に出たら世界新です。

 

オリンピックは出る気ないですか?と聞いたら桃は首を横に振りました。せっかく応援するため我が家の杖を『ガンンバリスト桃!』と書かれたアイドルうちわに変化させたのに……。

 

桃は私のうちわを何とも言い難い表情で見て首を振りました。どうやらお気に召さなかったようです。

 

 

「いや、魔法少女の体は魔力……エーテル体で構成されているから普通じゃない。ズルしているようなものだから……」

 

「ほうほう。ところでシャミ子と浦飯さんはどうなの?」

 

 

よくぞ聞いてくれました。最後に測定したのは去年の話なので、魔族に覚醒する前のボディですので、ある意味びっくりするスピードです。

 

 

「体育なんざサボってたから知らねー」

 

「私は11秒です!」

 

「おい魔族チーム!」

 

 

まぁ浦飯さんがまともに走ってないことは何となく予想していたので驚きません。杏里ちゃんはツッコミを入れてきましたが、まだまだ甘いですね。

 

 

「確かに魔族に覚醒する前は遅かったです!しかし今はかーなーり鍛えてます!桁違いに速くなっていることは間違いないです!」

 

「おおー!シャミ子自信満々だ。なら勝負しようぜシャミ子!」

 

「どんとこいです!」

 

 

杏里ちゃんの挑戦に胸を張って答えます。ぬふふ、今の私の実力ならば杏里ちゃんに勝てるのだ……!

 

 

「いや、今のシャミ子じゃ無理だろ」

 

 

しかし私の考えを読んだのか、浦飯さんがダメ出しをしてきました。

 

 

「いや、杏里ちゃんの勝負に妖力は使いませんよ。それやったらズルじゃないですか」

 

「アホかオメーは。呪霊錠のこと忘れてんだろ」

 

「……あ!」

 

 

言われるまですっかり忘れてました。そういえば今の私は呪霊錠をつけているので、常時妖力で体を強化しないと動くこともできないのです。

 

普段の生活を強化している状態で行動しているので、それは体育の時間も例外ではありません。

 

なので杏里ちゃんが生身の何も強化していない状態に対し、私がズルして勝負するようなものです。

 

 

「そうか。今のシャミ子は呪霊錠つけているから、いつも妖力で強化している状態。だから素の身体能力での測定ができない状態だね」

 

「それじゃ確かに勝負にはならないわね」

 

 

桃とミカンさんが肩をすくめながら答えると、杏里ちゃんが少し首を傾げてました。

 

 

「そう言えば何度かシャミ子の実力がアップした話は聞いているけど、そんなに強くなったの?」

 

「そうだね、大分強くなってきているよ。初めて会ったときから考えるとまるで別人なんだよ」

 

「桃が褒めてくれるなんて~、えへへ~」

 

 

私の実力について杏里ちゃんが質問すると、桃がすぐ答えてくれました。ストレートに褒められると何だか嬉しくて体をクネクネさせてしまいます。

 

 

「うわぁ凄い笑顔。いやぁシャミ子って魔族になってから体育とか皆と普通にやってて、ちよももみたいに突き抜けて凄いところは見せてなかったんだよね。

だから私も含めてクラスの皆はシャミ子が強いのかどうかイマイチ分かってなかったんだよ」

 

 

杏里ちゃんとしては、私がどの程度動けるようになったか、イマイチ想像がつかないようです。

 

修行し始めてからも皆に合わせて体育を行ったりしていたので、桃みたいに握力計ぶっ壊したりなど大活躍はしてませんでした。

 

私としては魔族になる前は体育どころか学校に通うのもやっとの体力だったので、皆に合わせて運動できる喜びを体育で感じていたので、目立とうという気はあんまりありませんでした。

 

しかしそのせいで魔族になっても実力不明というクラスの認識だったそうです。

 

その話を聞いていたのか、周りのクラスメイトもこちらに向かって頷いてました。

 

 

「なら証明するのに良い方法がある。授業が始まる前の体育館でやるから」

 

 

さて、桃は一体何をやる気なのでしょうか?尋ねてみても唇の端に人差し指をつけて「内緒」としか応えてくれません。

 

むむう、何か大がかりなことをやるのでしょうか?

 

とりあえず浦飯さんをカバンに入れて体操着に着替え、体育館に来ると桃が浦飯さんをミカンさんに預けるように言いました。

 

何でもこれから私の動きを皆に見せるそうです。私と桃以外の人は距離を取るよう桃がお願いをしてました。

 

何か広い空間を使って1対1で対峙するって……すごく嫌な予感がするんですが。

 

 

「それじゃシャミ子、行くね」

 

「いや行くって言ったって――――!」

 

 

桃は右手に黒い日本刀を出した瞬間、躊躇なく私に攻撃を仕掛けてきました。

 

私は咄嗟に横薙ぎを後退することで回避しますが、桃は距離を詰めてあらゆる方向から連撃を繰り出します。

 

躱せない速度ではないので、よく見ながら少し余裕を持たせた距離を保ちつつ躱し続けます。

 

 

「?」

 

「え、何これ」

 

「うそぉ、何が起こってるか全然見えないんだけど」

 

 

ふと杏里ちゃんやクラスメイトのそんな声が耳に届きます。その声が聞こえると桃は剣速を速めてきました。ちょっとムキになってませんかね?

 

 

「(思ったより速くなっているわね……)」

 

 

ミカンさんがいる方向から鋭い視線を感じますが、そちらに目を向けるとバラバラになりそうなので目の前の桃の攻撃に集中します。

 

首に対しての右からの横薙ぎの一閃に対し、刀を右手で掴んで防ぐことに成功しました。

 

 

「ふぅ……怖かったです……」

 

 

私がポツリと呟くと刀から力が弱まり、桃は刀を消しました。どうやら終わりのようです。

 

 

「うん。前より見切りが上手くなっているね」

 

「上手くなってるね……じゃないですー!いきなり危ないじゃないですか!」

 

 

私は心底憤慨しました。いくら実力を見せるためとはいえ真剣で切りかかる人がどこの世界にいるんですか!

 

バンバンと地団太を踏むと、桃は首を少し横に傾けました。

 

 

「……拳のほうが良かった?」

 

「得物の差じゃないですー!」

 

 

桃の魔力で強化した拳は地面にクレーターができるんですよ!?どちらにしても凶器です。

 

自分の攻撃力を分かってないのか、桃は不思議そうな顔をしてました。

 

おのれぇ……実力アップしてなくて、もし足を切られたら危うくジオングシャミ子になるところでしたよ。

 

 

「でもこれで多分シャミ子が凄いって納得してくれると思う」

 

「もう少し穏便にやるという発想はないんですか!?」

 

「……シャミ子は頑張っているから、弱いって誤解されたくない」

 

 

そう言いながら、桃は私から視線を逸らしました。もしかして敢えて過激なものを見せることで皆を納得させざるを得ない状況にしようとしたのでしょうか。

 

もし格闘技をやっている普通の人ができる程度のパフォーマンスだったら「魔族って言っても大したことないじゃん」という印象を持たれてしまうかもしれません。

 

そういう人たちに舐められる可能性だったり、大したことないと思われて余計なトラブルになるのを回避してくれたということなんでしょうか。

 

もしそうだとしたらそれを敢えて説明せず、ぶっつけ本番でやるのが桃らしいです。

 

だがちょっと怖かったことには変わりありません……!

 

 

「凄いよシャミ子ー!」

 

「わぷ!?」

 

 

桃にどう言ってやろうかと考えていると、杏里ちゃんが抱き着いてきました。横からタックルをしてくるような形ですが、倒れずに堪えて杏里ちゃんの目を見ると、やたらキラキラしていました。

 

 

「いやマジ半端ないっすよ!シャミ子さんパネェ!」

 

「いやぁ、それほどでも……」

 

 

褒められてうれしくなり頬を指で何度か掻くと、他のクラスメイトもこちらにやってきました。皆明るい表情です。

 

 

「凄かったよシャミ子ちゃん!」

 

「私全然見えなかったよー」

 

「千代田さんが凄いことは聞いてたけど、シャミ子ちゃんもあんなにすごかったんだね!」

 

 

とこんな感じで皆にべた褒めされてしまいました。これ、何か癖になりそうなくらい気分がいいです……!

 

日本刀振り回して躱したなんていうシチュエーションなんか普通ドン引きされるんじゃないかと考えましたが、ウチのクラスは特殊なのか皆好意的に受け止めてくれました。やっぱりウチのクラスはいい意味で変わってますね!

 

 

「はーい、皆授業始めるわよー……て、皆どうしたの?」

 

 

先生が来るまでどう躱したのかとか技の解説を桃と2人で続けており、その光景を見た先生は目を丸くしてました。

 

さて今日の体育は桃のクラスとウチのクラスの合同でのバレーボールの授業でした。体育の時間中は浦飯さんを先生に預けて受けます。

 

そして始まるクラス対抗戦。

 

 

「千代田さん、お願い!」

 

 

桃のクラスメイトから上がったトスに対し、桃はネットよりも遥かに跳躍し右手をやや体の後方に構えてました。何か右手が魔力で輝いてません?

 

 

「……ふん!」

 

 

そして魔力の籠った手から放たれる激しいスパイク。爆発したかような音共に、ボールが私に迫ります。

 

 

「(これは……!避け……いや!)」

 

 

その威力とスピードは生身で受けたら大怪我間違いなしの一撃です。しかし私は回避という選択肢を放棄しました。何故なら桃がスパイクを放つ前、一瞬私に笑いかけたのです。

 

 

「(あれは受けられるのか?と言わんばかりの表情でした!)」

 

 

つまり私に避けさせないための挑発!この攻撃を逃げるのか?という挑戦と私は受け取りました。

 

ライバルからの挑戦は避けない!魔族のパワーを見せてやらぁ!

 

 

「いくぞー!レシーブ!」

 

 

返すために腕にボールが接触した瞬間、後方へ体を引きました。これは浦飯さんにパンチをもらう瞬間、後方に飛んでダメージを減らすときに使うテクニックの感覚です!

 

……まぁ後方に飛んだところで浦飯さんのパンチのダメージは凄すぎて意味ないんですけどね!

 

まるで鉄球が高速で来たかのような凄まじい衝撃のボールでしたが、何とかレシーブすることに成功しました。

 

しかしボールは私たちの自陣からかなり高いところへ上がってしまいました。

 

もしボールが普通に撃てる高さまで落ちるのを待っていると、現在空中にいる桃が着地して完璧に迎撃態勢を整えてしまいます。

 

返されないためには、桃が着地する前に攻撃する必要性があるのです。

 

 

「任せなさい!」

 

 

そしてそれは同じチームのミカンさんも分かってくれてました。すでに跳躍し、かなりの高さにあるボールまで追いついたミカンさんは攻撃態勢に入ります。

 

 

「それ!」

 

 

振り下ろした攻撃は、桃ほどではないにしろ鋭いボールでした。

 

 

「……まだ!」

 

 

桃は着地と同時に、ボールの落下地点へ弾丸のように滑り込みます。体からは魔力で強化している感じではありませんが素の身体能力……あの鍛え上げられた筋肉で弾丸の様なスピードを出しているのです。一言で言って、驚異的でした。

 

 

「……甘いわね桃」

 

 

だがそんな桃の動きに動揺するどころか、ミカンさんは笑いました。後方右隅に向かっていたボールが、突如進行方向を変え左に急カーブします。

 

 

「しまった……!」

 

「私は狙撃が得意なのよ?あなたがそうやって追いつくことも――――計算済みよ」

 

 

バァン、とミカンさんは撃つマネをしたと同時に、ボールは後方左隅のラインギリギリに入りました。

 

 

「すごーい陽夏木さん!」

 

「千代田さんたちから1点取ったー!」

 

 

クラスメイトとミカンさんを囲み、盛り上がってました。ミカンさんは笑いながら私の目の前に立ち、腕を大きく上げます。

 

 

「やったわねシャミ子!」

 

「はい!」

 

「「よっしゃあ!」」

 

 

2人で思い切りハイタッチしました。凄いです、何かこう、青春て感じです!

 

 

「なぁ先生よー、あれって授業的にはありなのか?」

 

「あー……ルール違反ではないですからね……」

 

 

しかし浦飯さんのツッコミから、先生が私たち3人に「もう少し普通に」という注意を受けました。

 

調子に乗りすぎてしまったようです……。

 

そんなこんなでバレーボールの勝負は無事私のクラスが勝ち、杏里ちゃんやクラスメイトからも私がちゃんとパワーアップできているという証明ができました。

 

 

「いやー、ちよももは凄いとは知ってたけど、シャミ子やミカンも凄かったね!でもこうなると、もうすぐ体育祭だけど魔法少女や魔族のチーム分けはどうしよう」

 

 

杏里ちゃんの言う通り、もうすぐ体育祭です。しかしこれだけ身体能力に差があると点数がばらつきそうですね。

 

 

「やっぱり身体能力に差があるから魔法少女と魔族は得点に入れないほうがいいんじゃないかしら?」

 

「じゃあ魔法少女や魔族から一時的にパワーを奪う薬なんか使えばいいと思うよ?」

 

「どっから出てきた小倉」

 

 

ミカンさんが提案すると、ひょっこり現れた小倉さんが何やら凄い発明品らしき何かを持ってやってきました。

 

しかしポンポン色んなもの作れる小倉さんの頭の中身ってどうなっているんでしょうか……?

 

 

「浦飯さんからもらったピンク色のヒスイで作った千代田さんのための闇堕ち安定剤とか、千代田さんが戦った魔族が使っていた闇堕ちの煙なんかで作った新開発のやつとか色々あるけど……ダメェ?」

 

「……あの魔族の煙か。どうやって回収したの?」

 

「空の箱に成分が付着してたからね。持ち帰って分析して、少しだけど再生したんだ~」

 

「え、この人チートですか?」

 

 

私が呟くと、他の皆も頷いてました。少なくとも高校生ができるような作業ではない気がします。科学捜査班ですかねこの人?

 

 

「色々突っ込みたいけど、今回は要らないかな」

 

「そっかぁ」

 

 

NGを出した桃の返答に小倉さんがショボーンとしてしまいました。闇堕ち安定剤はともかく、後半が怖いです。

 

落ち込んだ小倉さんの頭上にあった校内放送用のスピーカーから委員会会議のお知らせが響きました。

 

ウチの学校は何かしら委員会に入らなければならない規則なのですが、ミカンさんは知らないかったそうで、杏里ちゃんが説明してました。

 

私は保険委員会、杏里ちゃんは体育祭委員会、桃はねこに群がられ委員会、小倉さんは内緒。

 

 

「可笑しくないかしら?特に後半2人!」

 

「そんなことはない。街に必要なこと」

 

「そうだよ~」

 

 

桃のは必要とはとても思えませんが、小倉さんは何故か突っ込んじゃいけない闇を感じるのは気のせいでしょうか?

 

クラスメイトもミカンさんが委員会が決まってないことを知ると、グイっと勧誘に来ました。

 

 

「それなら陽夏木さん、ぜひとも人体標本磨き委員会に!」

 

「つるむらさき栽培委員会が人手不足だよ」

 

「ゾンビ対策マニュアル作成委員会はどう?」

 

「普通の委員会はないのかしら!?でも最後のゾンビ対策は必要かも……」

 

 

ミカンさんがツッコミを入れると、ゾンビ対策委員会に誘った黒髪ロングの子は少しドヤ顔をして、他2人は入ろうよ~とミカンさんを手招きしてました。

 

 

「いや~、浦飯さん見てくださいよ。ミカンさんてば大人気ですよねー……っていない!?」

 

 

返事がないので机の上に置いてあった邪神像を見ると、あるはずの邪神像がいつの間にかなくなっていました。

 

 

「ま、まずいです!浦飯さんがー!」

 

 

慌てて教室中探そうとすると、桃が私の肩を叩いて大丈夫と言いました。まさか行方を知っているんですね!?

 

 

「それなら浦飯さんと小倉がなんか話し合ってて、少し借りていくって。閉門までに返すって言ってたよ」

 

「私に言ってくださいよ桃~!」

 

 

小倉さんのことは信用してますが、せめて私に一声欲しかったです。

 

しかし怪しげな機能とかつけられないといいんですが………桃も首を横に振っているので割と不安になってきましたが、ダメだったら元に戻してもらいましょう。

 

さてミカンさんですが、面白い委員会の誘惑を振り切って、体育祭委員会に入ることを決めたようです。

 

 

「でも今の時期大変だよ?」

 

 

杏里ちゃんが忙しいから敢えて誘わなかったと言うと、ミカンさんはだからこそ入りたい、と言いました。

 

 

「魔法少女は体育祭の点数に関われないから、裏方でも関わって皆ともっと仲良くなりたいの」

 

「良い話です~」

 

 

ミカンさんは本当にいい人です。最近殺伐とした事が多すぎて、久しぶりに学生っぽいやり取りを見た気がします。

 

ミカンさんの心意気に感動した杏里ちゃんは力強く手を握りしめました。

 

 

「ありがとう!これからよろしくね!……来たからには逃がさないぜ、魔法少女パワーでガンガン設営を手伝って頂こう」

 

「あら?思ったより大変っぽいわね……」

 

 

ガチっぽい雰囲気が漂わせた杏里ちゃんの言葉にミカンさんは少し危機感を覚えてましたが、そのまま体育祭委員会に入ることとなりました。

 

これからそれぞれの委員会は会議ですのでいったん解散となりました。

 

私が入っている保健委員会は定期報告と体育祭での時間制の当番を決めることとなったので、少し時間がかかりました。

 

 

「おーいシャミ子、こっちこっち!」

 

「あ、皆さんも終わったみたいですね」

 

 

会議を終えて校舎を出ると、3人ともすでに集まっていました。どうやら意外にも私が一番遅かったようです。

 

……桃の足にじゃれついている猫の軍団は委員会活動の結果なのでしょうか?

 

3人と猫を引き連れて、浦飯さんを引き取りに校舎の片隅にある小倉さんの研究室に向かいます。

 

 

「うーん、怪しげなオーラを感じる……」

 

 

小倉さんの研究室は校舎の外れにあるのですが、何となく不気味な雰囲気が部屋から漏れている気がします。

 

 

「でも小倉さんは普通の人間ですし、大丈夫だと思うんですが……」

 

「まぁ入ってみましょ」

 

「賛成!たのもー!」

 

 

桃が少し二の足を踏みましたが、ほぼ躊躇なく杏里ちゃんが研究室のドアを開けました。

 

すると驚くべき光景が広がっていました。

 

 

「おい小倉!これじゃ虫みてーだろーが!」

 

「やっぱり邪神像の重みにホムンクルスの素材の粘土だと耐え切れないか……?」

 

 

邪神像に細長い手足がついていますが2本足で自立できず、まるで虫の様にカサカサと手足を地面に着けて素早く移動してました。

 

どうやら自立して動けるようになるため、2人で試行錯誤を繰り返していたようです。

 

でもこれははっきり言って――――気持ち悪い!

 

 

「全くこれじゃ自力で戦えねーぜ――――って」

 

「いやー!虫ー!?」

 

「むぉ!?」

 

 

ミカンさんが虫と勘違いし、変身を完了して矢を浦飯さんに向けます。動揺したためミカンさんの呪いが発動し、蛇口からピンポイントで桃に水が狙い撃ちされます。ああ、このままでは研究室が呪いで大変なことに……!

 

 

「落ち着いてくださいミカンさん!いくら気持ち悪くても、あれは浦飯さんなんです!キモくても見逃してあげてください!」

 

「ほんとだわ、よく見たら浦飯さんじゃない。かなり手足が気持ち悪いけど!」

 

「誰がキモいだコラァ!好きでやってんじゃねーんだぞ!」

 

 

慌てて危機管理フォームに変身し、ミカンさんを桃と一緒に押さえつけます。たとえキモくても、浦飯さんはやらせません!

 

浦飯さんも反論しますが、そのカサカサ動くのやめてくれませんかね?

 

 

「虫は私ダメなのよ!というか見かけが!」

 

「……確かにあれは夢に出そう……気持ち悪くなってきた」

 

「テメーらいい度胸じゃねぇか!シャミ子代われ!コイツラぶっ飛ばす!」

 

「あはは、本当に面白いな~」

 

「う~ん。もう少し改良する必要が……」

 

「皆さん人の話を聞いてくださーい!」

 

 

ダメです!誰も人の話を聞いてません!

 

誰かー!この場を収めてくれる素敵な大人の方はいませんかー!?

 

私は思いました。いくら力が強くなっても対話しなきゃ揉める一方だと。というか浦飯さんが大人なんですから、何とかしてください!

 

頑張れシャミ子!力だけでなく、コミュニケーション能力も学生の内に鍛えるのだ!

 

つづく




大分遅くなりました。ゴキブリの話をリーダー伝たけしっぽく書いたりしましたが、どうも世界観に合わない感じがして消したりなど繰り返してました。
ここらあたりの話は微妙に飛ばせないので、山なし落ちなしの話となってしまいました。
まちカド原作では書いてませんが、体育祭や球技大会も書いてみたいですね。
球技大会はドッチボールがいいです。
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