まちカド☆白書   作:伝説の超浪人

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アニメ2期!やっぱり面白いです!
でも今回書いている話は暗い暗い……本当に今やっているアニメと同じ作品ですか?
ウリエルをちょっと改変。


39話「臭いと記憶操作です!」

那由多誰何と別れ、まぞくの名簿を求め商店街に向かう私たち。横にいる浦飯さんに先程の話を聞きました。

 

「浦飯さん、那由多誰何の口が臭うって言ってましたけど……本人は1000年食事してないって言ってましたよ?」

 

先程浦飯さんは臭いと言ってましたが、食事してないならあんまり臭いそうにないと思うのです。少なくとも私は喋っている最中に彼女の口からは臭いを感じ取れませんでした。

けど浦飯さんは納得してないようで、不満そうな表情です。

 

「マジで臭かったんだって。シャミ子は臭わなかったのかよ?」

 

「ほとんど臭いませんでしたよ?」

 

むしろ会話の中身が気になって口の臭いまで気が回らなかったというのが本音です。会話が明らかに物騒かつ不気味でしたし。

私が臭いを否定すると浦飯さんは思い切りため息を吐きました。むぅ、感じ取れなかったんですからしょうがないじゃないですか。

 

「ちなみにあいつの口の臭いよぉ、腕鬼や八つ手みてーな……人間喰ったやつの口の臭いにかなり似てるぜ」

 

「……マジですか?」

 

「マジもマジ、大マジよ」

 

……信じたくない言葉でした。魔法少女が人を殺すケースは以前聞き覚えがあるのでまだ耐性があります。しかし魔法少女というほぼ人が人を食べている可能性がある、というのはかなりショックです。

 

というより、はっきり言って気持ちが悪いです。思わず私は口元に手を当てました。

 

魔法少女は人の善性……正義を信じているから、正義を守るために魔法少女になるケースが多いと桃から聞いてます。

 

無論例外はあるでしょうが、闇堕ちの危険があるにも関わらず魔法少女が人を喰べる?一体何の冗談でしょうか。

 

「俺の親父……妖怪の方の親父だな。事情があって親父も500年喰べてなかったんだが、やっぱり全盛期よりすげぇ弱くなってたって親父の友達の妖怪が言ってたんだよ」

 

「500年……那由多誰何は1000年ですけど、それでも気の遠く成る程長いですね。 ……それで結局浦飯さんのお父さんは……」

 

「最後は空腹で見境なくてな。メシ喰わせろーって暴れたよ。まぁその後冷静になって遺言受け取ったけどな。

親父でも500年が限界だったのに、1000年も喰べてねー奴が、目の前で人が飯食ってても全然へっちゃらなんてどー考えてもおかしくねーか?」

 

「言われてみれば確かに……!」

 

確か浦飯さんのご先祖は魔界三大妖怪と言われるほど強かったはずですが、そんな妖怪でも餓死で亡くなるとは……何だか妖怪も生物なんだなって気がします。

 

喰べているものとか餓死するまで食事しなかった理由は何時聞いても教えてくれませんが。

 

そして今の話を聞くと、やはり那由多誰何はおかしい。

 

「そうすると1000年食事してないのに、食事を目の前にしても我慢している風にも見えませんでしたね。むしろ普通の感じというか……普通にお腹いっぱいとか?」

 

自分で言っておいて何ですが、何を喰べてお腹一杯になっているのか、自分で想像してしまい気持ち悪くなりました。

 

「シャミ子の言う通りマジでお腹いっぱいなのか、それとも本当に飯を喰う必要がない奴なのかもしんねーな。 おい! 魔法少女は食事の事情はどーなってんだ桃!」

 

浦飯さんに声をかけられた桃───今は中身の大人の桃───は何か嫌なことを思い出している最中のようで、顔が青くなってました。

 

「……ごめん。もう少しで思い出せるんだけど、もう少し時間が欲しい……です」

 

大人な桃はブツブツと何か言って、小さな桃に切り替わりました。

 

知っているのに思い出せないのか。それとも言いたくないだけなのか。なんだか二重人格のような感じがしますが、こちらからはどうすることもできません。

 

答えを知っているであろう桃が何も言わない以上、話が進まないと感じた私と浦飯さんは肩をすくませて大人しく桃について行くことになりました。

 

小さな桃が街の人に聞き込みしていると、魔族の戸籍を作っている人が図書館にいるらしいと言うことが発覚。

 

早速図書館に向かい、中に入ります。

 

すると図書館の内部全体に凄まじいノイズと黒いモヤがかかりまくって、私たちはほとんど何もわからない状態になりました。

 

「なんだこりゃ!?すげーうるせーぞ!!」

 

「パチンコ店よりやばいですー!」

 

「シャミ子、その例えはまずいよ」

 

仕方ないんです。浦飯さんに体を乗っ取られた時、パチンコ店に何度も足を運びましたから、自然と覚えてしまったんです。実際にプレイしているのは浦飯さんなので私自身は触ったことはないですけど。

 

小さい桃がノイズの中誰かと話してます。こちらからはほぼ見えないし聞こえない状態ですが、なんか仮面つけている黒髪の女性のようです。

 

………というか感じられる魔力が完全にグシオンでした。おい! ここで桃と出会ってたんですか!?

 

「この魔力はグシオンのヤローじゃねーか! 下手な変装しやがって……昔桃に会ってたんならさっき会った時に言えや!」

 

「何故あの時桃に会っていることを言わなかったんですか……!? 何か今日はグシオンに振り回されてばっかりですよ……」

 

何だがずいぶん時間が経っているように感じますが、今はまだグシオンの結界に入ってからまだ半日経ったかどうか。1日に何度もグシオンに振り回されると何だが非常に疲れを感じます。

 

なので怒りとため息が思いっきり出てしまいました。グシオンってば、桃には会ったことがあるとか記憶を思い出させられるようなことは言ってほしいです。

 

さて、目の前で仮面をつけたグシオンが小さな桃に色々喋っているようです。

 

しかし桃を含めて全員がノイズがうるさすぎて、グシオンの話を聞き取れませんでした。

 

どうやらここの部分の記憶も消されているようです。どうも貴重な場面はピンポイントで消されてます。意図的な記憶操作なのでしょうか?

 

肝心な部分が聞こえない、情報を得られないということが連続しているせいか、隣にいる浦飯さんもフラストレーションが溜まっているのかタバコを吸い始めました。煙がこっちに来てるぅ!?

 

副流煙を手で吹き飛ばしつつ見守っていると、小さな桃はグシオンから魔族の戸籍を受け取って図書館を後にしました。

 

帰る場所は桜さんの家……今は那由多誰何の家です。

 

帰ってきた桃は魔族の戸籍を那由多誰何に渡します。渡された魔族の戸籍をパラパラと捲る那由多誰何の表情は明るいものでした。

 

「うんうん、神話級の魔族がこんなにいるなんて。やはりこの街はいいね」

 

優しい笑顔のようですが、余すことなく戸籍を見る目はやたらと事務的でした。

 

「さて……善は急げってね。出かけてくるよ」

 

戸籍を持ったまま立ち上がった那由多誰何は音もなく歩き、ドアに手をかけます。

 

「どこに行くんです?もう夜ですよ?」

 

今の桃は単に心配してか、那由多誰何の背中に声をかけると、彼女はチラリと目線だけ振り返ります。

 

「人のためにも早めにこの街を引き継ぎたいから、魔族に会ってくるよ。

───【留守番よろしくね】?」

 

最後の一言だけ、重みがありました。

 

出て行った那由多誰何を追わない……否、追えなかったと言うのが正しいのでしょう。桃の横顔には冷や汗が流れてました。

 

そのまま家に残った桃はウリエルという那由多誰何のナビゲーターと何か遊んでました。

 

ウリエルは見た目は何だか豚みたいな感じですが、それよりも両手足についている枷が気になって仕方がありません。

 

「那由多の野郎、そーゆー趣味なのか……?」

 

女子高生の前で何てこと抜かしてんですか! 思い切り浦飯さんを睨みますが、本人はどこ吹く風で、妙に上手い口笛を鳴らしてました。

 

ウリエルなら何か知っているかもと考えた桃は色々話しかけますが、何を聞いても「イエスマム」としか返しません。

 

明らかに制限をかけられているような感じです。自分のナビゲーターにも警戒しているのでしょうか……?

 

「那由多の野郎の目的をナビゲーターに無理矢理吐かせる、自白剤みたいな能力が敵にいたら厄介だから喋れねーようにしてんのかもな」

 

「……何か戦闘系の能力より、非戦闘系の能力の方が警戒することが多くて厄介何ですけど」

 

「オレもマジでそう思う」

 

能力対策で喋れないと思われるウリエルですが、口では伝えられずとも、かるたの頭文字を使って言葉を作れるそうで、私たちに示してきました。曰く【桜の公園に行くといい】と。

 

小さな桃はその言葉に従い、桜さんのナビゲーターのメタ子を連れて丘の桜の木の下までやってきました。

 

街の1番高いところにある桜の周りは、1番結界の力が強いから悪しきものは近寄れぬ。そうメタ子は言います。

 

メタ子は桜の木の根元の土を掘り返すよう指示し、桃は言われるがまま地面から壺を掘り出しました。

 

「おお!すごい数の魔族討伐カードです!」

 

地面に埋まっていたのは小学生の桃が抱えるほど大きな壺。

 

壺の中には一杯になるほどの魔族討伐カードが詰まっていました。どうやらメタ子が言うには桜さんのへそくりのようです。

 

「なるほど、桜ってヤローも実は滅茶苦茶魔族を倒しまくってたってことか」

 

「いやいや、そんな人が魔族の私を救います?」

 

自分の身を犠牲にしてまで(死んでませんが)私の命を繋ぎ止めてくれている人がたくさん魔族を討伐しているとはとても思えません。と言うより、それだったら私を封印なりしたほうが彼女にとってはプラスでしょう。

 

それを聞いた浦飯さんは肩をすくめました。

 

「にしたってよー、この数はおかしくねーか?よっぽどの大物かすげー数を討伐したってことだろ?」

 

「うーん、言われてみれば確かに……」

 

私と浦飯さんの会話は憶測の域を出ませんでしたが、そのすぐ後メタ子がこう言ってました。

 

これらのカードはある大物魔族を封印した時の余りだと。

 

桃はそれを聞いても信じることができていませんでした。桜さんは魔族との共存を目指してこの街を作った人です。そんな人がわざわざ封印するなんて、と。

 

「まぁ危険なやつだったらイチイチ封印するよりぶっ殺した方が早ぇーもんな」

 

「確かに……封印とか難しそうですしね」

 

脳筋という他ないコメントに対しツッコミを入れようか一瞬迷いました。

 

しかし私も浦飯さんから封印とかそういう特殊な術は教わってないですし、ぶっちゃけ殴り合いしか学んでないので全面的に同意しかありませんでした。

 

「オレはバーサンに封印とかそっちのセンスはゼロって言われたぜ」

 

「私も絶対無理です!」

 

2人で軽く笑っていましたが、桃は黙ったままなのでチラリと横顔を見ます。深刻な顔をしている桃を元気づけようという会話だったんですが、どうにもうまくいきません。

 

そんな桃はこちらを見ておらず、桃の視線の先にいたのは笑顔を浮かべた那由多誰何。

 

いつの間に───!

 

「【こっちにおいで】」

 

彼女が手に持っていたカードが光った瞬間、桃は桜の下を離れ那由多誰何の横へ。メタ子は那由多誰何に抱えられてました。

 

移動した瞬間が見えませんでした。これが討伐カードによる願いの結果……!

 

しかしわざわざこの近距離でカードを使う意味。一見無駄としか思えない行為に見えます。

 

「もったいねぇ使い方だぜ。いくら自分が桜の木に近寄れねェからってよ、ケケ」

 

「やっぱりそういうことでしょうか……?」

 

那由多誰何は理解しているんでしょう。

 

自分が結界に拒まれているということを。そして桃を大量のカードのそばから離したかったということは、カードを使われることを防ぎたかったということ。

 

そしてカードさえなければ、那由多誰何にとって桃は相手にならないというのを。

 

「あいつ、隠す気ねーんじゃねーか?バレても問題ないくれーには余裕がある気がするぜ」

 

小さな桃でさえ、彼女の一連の行動のせいで、彼女への疑問は膨れ上がってました。

 

しかし彼女に対して抵抗できず、桃は眠りにつきました。

 

 

☆☆☆

 

 

翌日。桃は戸籍表の記載通りに色んな場所へ訪れても、存在が最初からなかったかのように魔族が姿を消してました。

 

正確に言えば姿だけではなく、魔族に対しての情報そのものが消えている、と言ったところでした。

 

図書館に訪れた際、職員の方に聞いても仮面かぶってコスプレした黒づくめの魔族───グシオンの行方を聞いても

 

「知らない」

 

すぐ言い切られてしまったのです。公共の図書館で、あんなインパクトのある魔族がウロウロしていたら覚えてないはずがないのにです。

 

さらにグシオンが座っていた図書館の椅子、そして椅子の目の前の机の一部が黒く焼け焦げてました。

 

ここで攻撃を受けたグシオンは、この後あの空間に逃げ込んだんでしょう。

 

「……この椅子、何か焦げてませんか!?」

 

「あれ、焦げてますね。片付けないと……」

 

「いや、反応おかしいです!」

 

焦げている椅子を見て片付けないと、で終わらせる人間がいてたまるか!

 

「記憶操作するにしたってよー、こんなあからさまな証拠があるのに桃以外誰も疑問に思わねぇってことは、かなりやばい能力者だぜ……」

 

浦飯さんの言う通り、明らかな異常事態にも関わらず何でもないかのように対応してしまうほど操作能力! もはや記憶消去というよりは、記憶と認識を改変する能力なのでしょう。

 

桃が指摘しても、何も疑問に思わず黒焦げの椅子を片付ける職員。

 

あまりに不気味な光景に、桃はそのまま図書館を飛び出し、さらに街の魔族の捜索を続けました。

 

【口の臭い】【結界に近づけない体】【長い間食事をしてないのに食べ物に執着すら見せない余裕】【消えている魔族を誰も覚えてない】【無駄遣いできるほどの大量のカードを持っている】

 

「誰何さん。あなたはこの街に住んでいる魔族を封印してますね?」

 

当時小学生であろう桃は、帰宅した瞬間、なんの捻りもなくストレートにソファにかけている那由多誰何に尋ねました。

 

「どうしたんだい、急に?」

 

「とぼけないでください! ここは姉が命がけで作った魔族のセーフティーゾーンです! そこであなたは魔族を封印しているのでしょう!」

 

突然の桃の質問に対しても、そらすことなく真っ直ぐに桃を見つめる那由多誰何。彼女は水筒の中身を少し飲み、蓋をしました。

 

「ああ、それは違うよ?」

 

しっかりと那由多誰何は否定します。そして華やかな笑顔を向けました。

 

「───全部食べてるから、皆殺しだよ」

 

つづく




断食の期間は間違いなく雷禅が長いでしょう。というより那由多誰何は黄泉みたいに好きなだけ喰いたい派と思われます。
那由多誰何の声は誰がいいんでしょうかね?幽白出身だと躯の高山みなみさん?
僕っ娘で不気味な感じ……いける!
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