まちカド☆白書   作:伝説の超浪人

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ゲームの心理戦難しすぎぃ!やっぱ脳筋バトルの方が描くの楽ですわ!


43話「ゲームで宣言!です」

罰ゲームにより動かなくなった幽助とシャミ子のそばで佇む遊賭と小倉。先に口を開いたのは小倉だった。

 

「ゲームは私が指定していい?」

 

「構わないよ。カードゲームなら何でもいい」

 

「ルールもこちらで決めていいのー?」

 

その言葉を聞いた遊賭はフッと口角を上げた。今までの2人はただこちらの提案を飲んでいただけでまともにゲームしていたが、もう少し目の前の少女は慎重なようだ。

 

「もちろん。本当にカードゲームなら何でもいい。ただルールは開始前に明確にしておく必要があるけどね」

 

発案者が後出しルールを言い出したらキリがないし、何でもありになってしまう。最初に定めたルールを破ってしまった場合、罰ゲームが強制発動する仕組みとなっている。

 

遊賭としてはその時点で勝利となるので敢えて言う気はなかった。

 

「後から卑怯なことを行ったら罰ゲームになるんでしょ?」

 

「……本当に君は2人とは違うようだ」

 

しかし小倉はそれを看破し指摘する。よくこちらを観察している。

 

感情に任せてゲームをするタイプではない、遊賭は警戒レベルをさらに引き上げた。

 

「私が提案するのはゲスイット。1回きりの勝負でどうかな?」

 

「……なるほど、そう来たか」

 

ゲスイットとは!

 

①特定の絵柄(例えばスペードのみ)の1−13までのトランプをシャッフルし、お互い6枚配る。

②余った1枚を場の中央に置く

③プレイヤーはお互いに何番のトランプを持っているか質問する。その際は正直に答える。

④繰り返し③を行い、中央の1枚が分かった時点で「分かった」と宣言し、数字を答える。

 ただしこの宣言は相手の質問に答えた直後に行うこと。つまり相手のターンで回答すべし。

⑤数字が合っていれば、宣言側の勝利。違う場合は敗北となる。

 

以上がルールである!

 

「私が勝ったらその2人を解放してもらうよ〜」

 

「この能力は負けた場合、罰ゲームの効果が切れる。だから自動的に2人は解放されるから安心してほしいな。まぁ多分だけどね」

 

自信たっぷりな遊賭の様子に、小倉は少し首を傾げると、彼は楽しそうに笑った。

 

「この能力を使ってから負けたことがないからね。引き分けは一度だけあるけど」

 

「ふぅん」

 

───思い返すのは底の知れない依頼主。人畜無害そうな魔法少女の姿をしていたが、アレは出来れば二度と会いたくない人物だ。

 

『ぼく、ゲームには自信あったんだけどね。君は強いな』

 

美しい容姿によく似合う白髪の魔法少女は、コロコロと天真爛漫に笑う。

 

見惚れていた遊賭だが、心のどこかで恐怖を感じていた。選択肢を間違えたら、ここで自分は死ぬと、何となく感じ取っていた。

 

『せっかくそんな能力を手に入れたのに、使う機会がなくて退屈だと思うんだ』

 

見透かされている。ゲームを楽しみたいのに、強い自分と勝負してくれる人が年々減ってきているのを。

 

もっとヒリついた勝負を楽しみたいのに、賭けをすると途端に皆避けていくのを。

 

だがそれも当然だ。恐ろしいペナルティありのゲームであることを知っていて参加してくる人間なんて、頭のイカレたやつだけだ。

 

『その能力を使って、一つ頼みたいことがあるんだ。君の能力は上手くいけば敵なしだからね』

 

蠱惑的に笑う彼女に対する憧れと恐怖から、頷く以外の選択肢はなかった。

 

 

 

そして今、こうして能力を知りつつ挑んでくる相手がいる。遊賭は笑みを浮かべるのを抑えられなかった。

 

「さぁ、ゲームの時間だ」

 

2人の間に出現した13枚のトランプ。それをお互いシャッフルし、小倉が山札の1番上を中央に置き、残りをお互いに配った。

 

プレイヤーは配られたカードを一度見て覚えた後、見えないようにカードを伏せる。

 

小倉は2、4、5、6、8、9。

 

つまり遊賭は1、3、7、10、11、12、13の内6枚と言うことになる。

 

「先攻・後攻はコインで決めようよ〜」

 

「いいよ。オレは裏だ」

 

「私は表だね。えい」

 

小倉が懐から出したコインを親指ではじき、テーブルの上に落ちる。

 

何度か回転した後、止まったのは表であった。

 

「よーし、私からだね。7、持ってる?」

 

「持っているよ。次はオレだね。2あるかい?」

 

「あるよー」

 

回答に嘘をついてはいけない。だからここで確定したのが小倉は2、遊賭は7である。

 

このゲームは6ターンになれば自身の持っている全てのカードを宣言することとなる。つまりそれ以前に決着をつける必要がある。

 

「1、ある?」

 

「あるよ。9はあるかい?」

 

「あるよ」

 

小倉の確定は29。残りは4568。

 

遊賭の確定は17。残りは3、10、11、12、13のうち4枚。

 

お互い質問の際、少しも瞬きせず、真っ直ぐお互いの目を見つめている。これは質問した際に、動揺して目線がぶれたり変化があれば様々な情報を読み取れるからだ。

 

故に、小倉は仕掛けた。

 

「8は……ある?」

 

自身の手札にあるはずの8を持っているか?と質問する。

 

「いや、持ってない」

 

遊賭側からすれば、小倉は4568と持ってない1枚のいずれか4枚持っているはず。しかしここで質問すると言うことは小倉が8を持っていない可能性がある。

 

と、素直に受け取るとそういった答えになるが、遊賭はすぐ内心否定する。

 

「(ここは素直に表現して、質問も素直にやろう)」

 

中央のカードは8だろう思わせるような心理戦を仕掛けてきたが、確定するにはまだ早い。

 

なので冷静に、真っ直ぐ目を見つめて質問する。

 

「6あるかい?」

 

だがここで8に対して質問はできない!もし8に質問し、小倉が「ない」と答えた場合、本当に中央のカードが8であると確定してしまう!

 

そして宣言は相手の質問に答えた直後。この場合は、小倉に宣言の権利が与えられている。

 

故に質問できない!

 

「6あるよー」

 

小倉269、残り458

 

遊賭17、残り3、10、11、12、13のうち4枚

 

この時点で遊賭は8への質問ができなくなったので、実際4、5、と持ってない1枚の3択。

 

持ってないカードを聞くのもありだが、目の前の女の勘が鋭かった場合、敗北が決定する。

 

次で決めないとそろそろまずい、焦りが徐々に心の底から浮かび上がるように湧いてきた。

 

そんな遊賭の内心とは裏腹に、彼の態度は全く変わらず真剣そのものだった。むしろ軽い笑みさえ浮かべているではないか。

 

3ターン目。

 

小倉は彼の様子を見てもニコニコと笑みを浮かべて───

 

「4あるー?」

 

「───っ」

 

またこちらの持ってないカードを指定してきた。小倉が4も8も持ってないと言うことはあり得ない。

 

「(どちらかが嘘!いや、両方持っている可能性もある!)いや、持ってない」

 

しかし宣言の権利は質問された側である。今現在宣言できるのは遊賭であるが、踏み込めなかった。

 

何故なら遊賭自身のカードは1、3、7、10、11、12である。小倉からしてみれば17しか確定しておらず、ハッキリ言って的を絞りきれてないはずだ。

 

遊賭から見た小倉の手札は269は確定、残り458、13のいずれか3枚。

 

だが遊賭は宣言できなかった。ずっと笑みを浮かべる少女の内心を読みきれなかったからだ。

 

「(だが、4か8の片方がない可能性が高いはずだ!)」

 

2択を選ばせるつもりなのだろう。だがもう一つ潰しておきたい。慎重に事を運ぶつもりだった。

 

だがここで遊賭は固まった。

 

「(───待て、オレが質問しようとしている5、13もまずい!)」

 

何故ならどちらかはほぼ確定で持っているだろう。しかしもし小倉が持っていないカードを指定してしまった場合、あちらに確信を持たせてしまう。

 

かといって、質問で遊賭の手札を言うつもりもない。遊賭からすれば勝利のために確率を上げたいのに、こちらの手札を晒しただけで終わるにはターンが経ち過ぎているし、相手が有利になるだけ。

 

───仕掛けるのが遅かった……!?

 

今更気づいてももう遅い。だが負けてはいないのだ、半分の確率で小倉が持っているカードを読み取れるのだ。

 

そして次回の質問で宣言を行使すればいい。だから賭けに出た。

 

「13、持っている?」

 

「いや、持ってないねー。───そして宣言!」

 

ぁ、と遊賭は声を漏らした。ほとんど読み取ってないはずの状況での宣言は、もう止められない。

 

「中央は13!」

 

小倉の宣言とともに、中央の伏せカードがひとりでに表になり、宣言通り13の数字を両者に見せつけた。

 

「オレの、負け……!?」

 

「なら。2人を解放して、さらに───罰ゲーム!」

 

小倉の宣言通り、遊賭は自身の額が瞳のように光った瞬間、その場で倒れた。まるで悪夢に魘されているかのような声を漏らしながら、空間が解除されていった。

 

どうやら罰ゲームは能力者自身にも自動的に適応されるらしい。

 

「君の敗因はカードの引きは強いけど、ギャンブラーとして大胆な攻めがなかったことかな?」

 

遊賭VSシャミ子と幽助の戦いを物陰から見ていた小倉の感想だった。恐らくイカサマではないのかもしれないが、2人との戦いでは遊賭はカードの引きがかなり強く、最低で引きわけレベルだった。

 

恐らく本人はあまり意図してないかもしれないが、自身の能力内では望んだカードを引き当てやすくなっていたのだろう。これではまともなカードゲームになるはずもない。

 

だから小倉はカードの引きに関係ないゲームを選択し、心理戦に持ち込んだ。

 

そして最後の決め手はぶっちゃけ勘だった。

 

「まぁ額に汗かいてたし、表情はともかく体温とか色んなものが変化してたから、割と読みやすかったけどねー」

 

小倉しおんは段々グシオンの能力である観察眼に磨きがかかっていた。目線や表情だけでなく、手や顔の肌から滲む汗、興奮状態における爪や唇の色の変化や振動など様々な情報を読み取ってゲームをしていた。

 

「ガチンコはともかく、こっちの分野なら結構いけるかも〜」

 

少し成長して嬉しいと思っていると、シャミ子がうめき声をあげて頭を振っており、邪神像は幽助の歯軋りが聞こえていた。

 

「さて、元に戻ったら撤収だね!」

 

研究用に遊賭の毛髪を頂いた小倉は元に戻った2人に声をかけるのであった。

 

つづく




今回のゲームは実際にあるゲームです。ぶっちゃけカードゲーム主人公のディスティニードローに勝てるわけないやん!と言うことからドローなしのゲームで決着です。
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