Angel Beats!-Atonement for you-   作:柑橘類さん

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遊佐さんをメインにしたお話を書いてみました。拙い文章ですが、よろしくお願いします。


EPISODE1 Encounter

目が覚める。最初に感じたのは、

 

「ここはどこだ?」

 

だった。それはそのはずだ。何故なら、俺はこんな所を見た記憶もなく、来た記憶もない。いや、まてよ?俺は誰なんだ?........あぁ、そうだった。俺の名は佐野龍也(さのたつや)だ。よし、とりあえず自分の名前は思い出せたな。しかし、それだけしかわからない。どこ出身でいつ生まれたのか等名前以外の記憶は1つも思い出せない。これは、記憶喪失なのか?自分のことを考えていたら1人の女に声をかけられた。

 

「貴方は人間ですか?」

 

俺は声のする方に身体を向けた。そこには、まるでキラキラと輝く黄金の財宝を見つけたかのように金色の長い髪をツインテールにして左耳に妙な機械をつけており、絶対感情を表さないと言いそうなほど無表情な女がいた。俺はそいつのあまりにも違う何かを感じ取り、しばらく見つめていた。それは向こうも同じだった。一言発してから何も言わない。............どれくらい沈黙が続いたのか分からない。このままでは拉致が開かないと思い、俺は返答した。

 

「あぁ、人間だ」

「そうですか。では、生前の記憶はありますか?」

「生前の記憶?悪いが俺は名前以外の記憶は一切分からん」

「なるほど。では、よく聞いてください。貴方は死んでしまったのですよ」

「........は?」

 

ちょっと待て。見知らぬ女にいきなり死んでるなんて言われて納得できる奴がいるのか!?ましてや俺は記憶喪失だぞ!というか、今こうしていること自体生きている証拠じゃないか!

 

「何言ってんだ?こうして生きてるじゃないか」

「ここは死後の世界です。貴方が死んだことでこの世界に来たのです」

 

あぁ、なるほど。そういうことか。なら、本当に死んでるなら不老不死なのではないか?よし、やってみるか。

 

「おい、お前はナイフみたいなのを持っているか?」

「いえ、持っていません」

「そうか、しゃーない。ちょっとこの建物の屋上への行き方を教えてくれよ」

 

そうして、俺は金髪女に屋上を案内してもらった。屋上に着くと、思いの外風が強くそして高かった。

 

「本当に俺は死んでいるんだな?」

「はい」

「じゃあ、その証明をするからお前は見てくれ」

「はい」

「.......じゃあな」

 

そして、俺は飛び降りた。落下する時、全身に風が当たり何だかよく分からない感覚になっていた。そのまま、地面に激突した。

 

 

************

 

「.......は.....ど...だ!」

「........だと、.......ない」

「じゃあ................とかは?」

「それもう、..........ないじゃない」

「やっぱフジツボ戦線だって!」

「気持ち悪いだろ!」

「グハッ!」

「やっぱ元に戻す!死んだ世界戦線よ!」

 

徐々に意識がはっきりとしてきた。目を開ける。そこは最初と同じように上を見ていた。しかし、最初と違ってここは建物の中みたいだ。そして、さっき出会った女もいた。何故か俺の真上にある。この状況、膝枕してくれているのか。膝枕なんて初めてだ。すごく安心するような優しい感じがする。とりあえず、身体を起こした。

 

「う、くぁ〜」

「あ、その人起きたみたいだよ」

「お目覚めね。貴方、自分が何したか覚えてる?」

「あぁ、この女に死んでいるなんて言われたからそれを証明しようと屋上から飛び降りた」

「マジか!普通は驚いたりするんじゃないのか!?」

「こいつは、変わったやつだな〜」

「アホなのかもしれないな」

「貴方たちも言えないでしょ?」

 

目を覚まして周りを見てみるといろんな奴がいた。紫っぽい髪色の女。チャラそうな青髪男。赤髪の男等個性豊かな奴が沢山いた。

 

「ここはどこだ?俺はサーカスにでも出るのか?」

「何言ってるのよ?ここは死後の世界よって遊佐さんから聞いたから飛び降りたのよね」

「あぁ、納得した。俺は確かに飛び降りて死んだはずだ。ここが死後の世界なら死という存在すらないと思っていたからな」

「なるほど。貴方あたしと同じ勘が鋭いわね」

「喜んでいいのかよく分からないな」

「まぁ、そんなことは置いといて。貴方、名前は?」

「佐野龍也」

「佐野くんね。生前の記憶は?」

「名前以外はサッパリだ」

「なるほど、記憶喪失か。安心して、そのうち思い出してくるから」

「どういう意味だ?」

「この世界で記憶喪失になってる人は時間が経てば思い出すし、きっかけがあったりしても思い出したりするのよ」

「ふーん」

「さぁ、こっちの質問は終わり。佐野くんはある?」

「俺か?そうだな」

 

俺はもう一度周りを見た。そこであることに気がつく。

 

「なぁ、お前たちは一体何なんだ?戦線とか言ってたが何かと戦っているのか?」

「あたしたちは、死んだ世界戦線よ。この世界を作った神を滅ぼし、支配することよ」

「神?支配?」

 

益々混乱してきた。何なんだここは死後の世界なんだよな?ということは、一種の天国みたいなそういうものではないのか?それに、神がいる?どういうことだ?頭の整理が追いつかない。

 

「ここはね、生前過酷な人生を過ごし、ありふれた学園生活さえ送れなかった若者の魂が行き着く場所なの。人の死は無差別に起きるものだった。だがら抗いようがなかった。でもここは違うわ。抗えばいつまでも存在し続けられるのよ」

「抗う?何に対してなんだ?」

「さっきも言った神と天使よ」

 

紫髪の女が淡々とこの世界のシステム等を話してくれた。要は、ここは理不尽な人生を送った奴が来て新たな人生を歩む場という感じか。

 

「なるほど。ここは天国みたいなやつではないんだな」

「さぁ?それは人それぞれね」

「ある程度はわかった。他にも質問をしていいか?」

「知っている範囲なら」

 

その後も質問した。何故抗っているのか。それは、何もしなければ神の使いである天使に消されるらしい。消されるくらいならこの世界を支配していきたいらしい。他にも、死ぬことはできないが、死ぬ痛みを味わうことができるや怪我等をしても次の日には必ず治っている。精神病等もならないらしい。自分にとってマイナスなことは起こらない。歳も取らない。記憶があるものなら土塊から作り出すことはできる。確かに歪な世界ではあると思う。しかし、これは捉え方によっては自由な暮らしが出来るのではないか?俺はひたすら考えた。

 

「さて、佐野くん。ここからはよく聞きなさい」

「あ、あぁ」

「あたしたちは神に抗っている。天使に消されないために戦線を立ち上げた。だから、入隊してくれない?」

 

俺は、とんでもない場所に来たんだな。確かに何もせずに天使に消されるのは嫌だな。なら、必然的にこっちの方がいいか。

 

「あぁ、入隊するよ」

「賢明な判断ね。あ、そうそうまだ名前を言ってなかったわね。あたしはゆり」

 

そうして、ゆりは手を出し、俺も手を出して握手した。

 

「他のメンバーも紹介しましょうか。まず、このチャラそうな見た目の人が日向くん。やる時はたまにやってくれるわ」

「よろしくな.....て!音無のときと同じ紹介じゃねーか!」

「でもその通りじゃない」

「違いますから〜!!」

 

何だかよく分からないが日向はテンションが高い奴ということにする。

 

「はいはい。で、こっちの特徴がないのが特徴の大山くん」

「ようこそ戦線へ」

 

中性的な顔をした男が大山。というか、特徴がないのが特徴て日向と同じくらい酷い紹介だな。

 

「この目が鋭い人が藤巻くん」

「藤巻だ........よろしくな」

「あれ?お前音無のときはもっと強気じゃなかったか?」

「い、いや、何かコイツには逆らっちゃいけねぇような気がしてよ」

 

何だか逆に俺は藤巻に悪い印象を与えてしまったみたいだ。

 

「すまない」

「え、いや!お前が謝ることじゃねぇ!とにかく!仲良くしてくれ!」

「あ、あぁ」

「次いくぞー。あのハルバートを持ってる人が野田くん」

「フン!」

 

この大きな武器を振り回しているのが野田か。一番覚えやすいかも。

 

「で、この図体が大きい人が松下くん。みんな、柔道五段だから『松下五段』って呼んでいるわ」

「よろしくな」

 

確かに松下五段、相当でかいな。俺も一般的な身長だと思ってたが、それを遥かに凌ぐ大きさだ。

 

「Come on! let's dance!! ho---!!!」

「うぉ、あ〜えっと、踊らないけど.....」

「この人なりの挨拶よ。彼はTKよ」

「TK?イニシャルか何かか?それともあだ名か?」

「いいえ、とにかく狂ってるからTKよ」

 

何て可哀想な名前なんだ。まぁ、それはいいとして、こいつ海外出身なのか?かなりネイティブな発音だな。にしても、こいつもでかいな。

 

「あそこの眼鏡をかけているのが高松くん。知的そうに見えて実はバカよ」

「よろしくお願いします」

 

眼鏡をクイっとしていていかにもガリ勉キャラに見えるが、俺には分かる。こいつ、着痩せするタイプなんだと。

 

「で、影であさはかなりと言っているのが椎名さん」

「あさはかなり」

 

この椎名って奴、ものすごく戦闘に向いた感じがするな。敵になって欲しくないタイプだな。

 

「彼女は岩沢さん。見ての通り、バンドのリーダーよ」

「よろしく」

「バンド?ここにはそんなものまであるのか」

「えぇそうよ。彼女の活躍は後で分かると思うわ」

 

薔薇に近い色の髪の女が岩沢。見た目はすごく男勝りな感じがしてクールに見える。

 

「あと、日向くんの隣にいるのが音無くん。彼も記憶がないから同じね」

「音無だ。記憶がない同士仲良くしてくれ」

「こちらこそ、よろしく」

 

音無か。すごい名前だな。

 

「で、貴方が初めて会った人が遊佐さん。あたしたちの通信使よ」

「遊佐です。よろしくお願いします」

 

そういえば、こいつの名前を聞いていなかったな。遊佐は頭を少しだけ下げていた。俺は思う。こいつも普通の人とは違う何かを持っている。いや、変な雰囲気という方が正しいか。まるで幽霊か何かそんな気もする。よく分からない。俺はただ遊佐を見つめていた。

 

「............」

「............」

「貴方たち、いつまで見つめ合ってるつもり?」

「あぁ、すまない」

「もしかして、遊佐さんに気があるの?それとも、タイプとか?」

「さぁな。そう言った感情は全く分からん。だが、不思議と嫌な気分にはならなかった」

「へぇ〜」

 

その後、ここのルール等も教えてもらい、ある程度終わるとゆりがこう言った。

 

「佐野くんの力量を測りたいわ。だから、椎名さんと戦ってみて」

「おいおいゆりっぺ!いくらなんでも椎名はダメだろ!」

「大丈夫よ。あたしの勘がそう言ってるから」

「ったく、どうなってもしらねぇぞ?いいのか、佐野?」

「え、あぁそういうことなら別に構わない。」

 

突然椎名と戦うことになった。ということで戦線メンバー全員がグラウンドに集まった。

 

「勝敗は相手を降参させるか、トドメをさせる状況になった時と戦闘続行不可能とみなした場合ね。武器はこの中から選んで」

 

武器の中には刀、拳銃、ナイフなど多種多様だった。俺は、拳銃とナイフを選んだ。

 

「あら?それだけ?」

「武器が多いと迷いが生じやすくなる。それに、動きづらくなるしな」

「ふーん、貴方、戦闘経験がありそうね」

 

確かに、なぜ俺はこんなことが分かるんだ?もしかすると、そういった記憶があるのかもしれない。そして、そのままグラウンドで椎名と対峙する。

 

「では、初め!」

 

ゆりの合図で始まった。

俺は椎名の様子を伺った。椎名は先手必勝と思い正面に来た。そのスピードは速い。尋常じゃない速さだ。普通なら恐ろしいと感じたりするが俺は何も思わない。なぜなら、戦闘で一番大事なのは平常心だ。平常心は瞬時にその場の適切な判断ができる。そのまま俺は椎名を見た。そして、俺のそばに近づいた時、下に何かを投げた。

 

パンッ!

それは、瞬く間に視界が悪くなった。

 

「(煙玉か!)」

「(なるほど。すげー身体能力を生かした方法だが、あまりにも単純すぎる。この場合、狙うとしたら)」

カキィィン!!

「!?」

「やっぱりな。死角である後ろからか」

「クッ!」

 

椎名はすぐに距離を取った。そうして、煙が晴れた。俺たちはただ立っていた。

 

「お前、なぜ私の動きが読めた?」

「簡単なことだ」

「まず、お前の動きが単純だったこと。これは戦闘経験が豊富な奴ならできる。そして、一番は俺の直感だ」

 

椎名は首を傾げた。まぁ、そうだよな。直感なんて分からないもんだよな。けど、これはすごく便利なことなんだぞ。そして、椎名はクナイを持ち出して動き出した。単純な身体能力なら椎名の方が圧倒的に有利だ。さぁ、どう出る?

 

「ッ!ふっ!」

 

椎名は左右に動いてクナイを投げた。俺はそれを避けたがその隙に椎名がそばに来ていた。そして、もう一本のクナイを持っていた。これはまずいが、仕方ない。俺は覚悟を決めた。そして、

 

ザシュッ!

「くっ!うっ!!」

 

左腕にクナイが刺さった。だが、これは好奇だ。今椎名はクナイに集中している。油断している証拠だ!そのまま俺は椎名を押し倒すようにした。椎名は驚いていたが、俺は馬乗りになってナイフを首に当てた。

 

「チェックメイトだ」

 

こうして、戦闘が終わった。

 

*********

 

あの後、みんなから騒がれた。椎名に勝てる奴がいるとは思わなかったらしい。そんな中、ゆりが質問に来た。

 

「貴方、記憶がないのによくあんなことができたわね」

「あー何だろうな。お前が最初に言ってたきっかけかもしれないな」

 

確かに、俺は戦闘に慣れているようだった。これが記憶が戻るという感覚なのか。不思議な感じだな。

 

それからは、みんな自由に行動していた。俺も今日は疲れていたから自分の部屋と思われる場所で寝ることにした。しかし.......

 

「何でお前がいるんだよ」

「ゆりっぺさんからの命令なので」

「何の命令なんだよ?」

「記憶がない方は常に戦線メンバーと行動を共にしなければなりません。現在、男性陣は誰も空いていませんので、私になりました」

「なるほど。そういことなら分かる。が、ここは男子寮なんだ。女の子が入っちゃいけませんよ」

「別に、私は気にしていませんので」

「いや、お前が気にならなくても周りの男子たちが気になるだろ?」

「戦線メンバー以外は私の存在に気づかせないのでご安心ください」

「はぁ、もういいか。あくまで命令だからか。なら仕方ない」

 

ゆりの命令には絶対的な感じなのだろうか?何を言っても無駄だった。とりあえず、寝ることにしよう。そして、俺は二段ベッドの上の方に寝ようとした。しかし......

 

「お前さ、下で寝ようと思ってないのか?」

「私は上の方が落ち着きますので」

「俺も上がいいんだけど.........一緒に寝るか?」

「嫌です」

「即答かよ」

「はい」

「.................」

「...........わかったわかった。下で寝るよ」

 

遊佐の威圧感に耐えられなくなり、下で寝ることにした。

 

「じゃ、お休み」

「はい。お休みなさい」

 

そして、一日が終わる。




最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今回はキャラ紹介的な感じになりました。また、戦闘描写はとても難しかったです。色々とよく分からない点が多いかもしれませんが、次回もお楽しみにしてください!
また、感想等をくださると嬉しいです。
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