Angel Beats!-Atonement for you-   作:柑橘類さん

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大変長らくお待たせしました。続きになります。
世間話になりますが、最近夜になって漸く部屋の室温が28~26℃くらいになってきましたね。こう涼しいと秋がきたなぁ~と感じます。(笑)
では、どうぞ。
感想をいただけますと幸いです。


EPISOUDE8 Angel

暫く休憩をして、再び歩き出したゆり、音無、俺の三人。

 

「何か音がするな」

「ギルド本部が近いんじゃねーか?」

「えぇ、その通りよ。これは武器を作ってる音ね」

 

本部が近いということで、音だけでなく鼻に鉄の匂いがしてきた。相当大きい工場になってそうだ。やがて、広場に出た。そこは、見渡す限り機械だらけであった。

 

「すげーな、これ全部武器を作るためなのか?」

「そうよ、彼らの記憶にあるものをそのまま作ったのよ」

「どうやってだ?まさか全て鉄やら何やらを集めて作ったのか?」

「いいえ、土塊からよ。この世界ではね、土塊なら自分の記憶にあるものなら何でも作り出せるようになってるのよ。あたしのこれもそうよ」

 

そういってゆりは俺たちにハンドガンを見せてきた。これも土塊からできたのか。なら、俺のこのナイフも土塊なのか?触ってみても特に土の感触はない。それよりもナイフの刃もステレンス鋼のようなツルツルしたものの感触だ。

 

「ゆりっぺだ!」

「無事だったんだ!」

「あの罠だらけの中を抜けてきたのか!」

「おい!仲間もいるぞ!」

「おぉー!あんたらも無事だったのか!」

 

何やらすごい歓迎された。それにしても、すげー人の数だな。地上にいる戦線メンバーも多かったが、地下にもこれだけの人がいるとは、ゆりのカリスマは改めてすごいな。

 

「ゆりっぺ!他のみんなはどうしたんだ!?」

「........他はやられたわ......」

「何だって!やっぱ解除しとくべきだったかな」

「いや!それだとすぐに天使が来るだけだ!」

「じゃあ!どうするんだよ!」

「俺に言われても分かんねーよ!」

 

おいおい、喧嘩が始まったぞ。このままだとただ天使を待つだけだぞ。

 

「どうすんだよ、リーダー?」

「そうね........ここを爆破するわ」

「「えぇ!!?」」

「正気かゆりっぺ!?」

「せっかく効率よく武器が作れるのに!」

「それより天使を倒そうぜ!」

「いいえ!ここは爆破するわ!」

「何故だ!ゆりっぺ!!?」

 

今度はゆりと言い合いになったか。こいつは早くしねーとマズイぞ。その時、一人のおっさんが来た。

 

「お前ら!そこまでにしな!」

「「!!?隊長!」」

「チャー........」

 

そのおっさんはチャーと呼ばれていた。ここは青春を送れなかった若者が来るはずだが、まさか教員として呼ばれたのか?

 

「久しぶりだな。ゆり」

「えぇ、久々ね」

「さて、ここを爆破する理由は何だ?」

「ここにいても天使にやられるのが見えてる。だから、オールドギルドに行ってもう一度始めるのよ」

「オールドギルドか、あそこは土塊しかなかったな」

「えぇ、あたしたちは最初あそこで武器を作ってたでしょ?」

「そうだな。また一からか。よし!爆破の準備をするぞ!」

「「えぇぇぇぇ!!!!??」」

「な、なぜですか!?隊長!」

「お前ら!いつから効率重視になったんだ!この世界は永遠に長い!だったらまた一から作り出す時間もある!大切なのは、効率じゃなくて記憶だ!!」

「「!!!」」

「記憶があれば何度も作れる!それが俺たちギルドだ!!」

「...........おれ、爆破に賛成だ!」

「お、俺もだ!」

 

チャーの言葉で次々とギルドのメンバーが爆破に賛成してくれた。そして、全員の心が一つになったとき、ゆりとチャーは握手をした。何か古い仲という感じだな。その時、頭上から大きな音がした。

 

「ヤバイ!最後のトラップが発動した!」

「これはすぐそこだぞ!」

「お前ら!急いで爆薬を出せ!」

「あたしは天使を食い止めるわ!」

「頼んだ!」

「お、おいゆり!ったく佐野、俺たちも行こうぜ!」

「そうだな。.........チャーさんよ」

「なんだ?」

「あんた、高校生なのか?」

「佐野!この非常時に何を訊いてるんだ!?」

「どうも気になって仕方ないんだ。すぐ済む。教えてくれよ」

「フッ、お前は面白いな。以下にも、俺は高校生だ」

「マジか。どう見ても30代のおっさんにしか見えねぇ〜」

「ハハハハッ!正直だな!気に入った!お前には無事にここを脱出できれば俺たちの昔話をしてやる」

「ありゃ、俺の考えが読まれてたか」

「俺もゆりと同じくらい長くいるからな。それくらいは分かる」

「じゃ、頑張らないとな」

「佐野ー!早くしろ!」

「へいへい!行きますか」

「..........頼んだぞ」

「おう」

 

俺は天使に足止めに向かった。そこは、すぐそこまで煙が立っていた。かなり爆発したようだな。その煙の中、何かが見えた。白く長い髪に小柄な体型をした女の子が歩いていた。あれは見たことがある。動画で遊佐と一緒に見た天使だ。ついにご対面だ。

 

「あれが天使か。ただの小さな女の子だな」

「えぇそうよ。でも、見た目で判断してはダメよ。ああ見えて力とかはエグいんだから」

「分かってる。やるからには全力だ」

 

先手必勝といってゆりが拳銃を天使に撃った。天使の足にあたり、天使は膝を折った。今がチャンスと言わんばかりにゆりはナイフを持ち出し、一直線に駆けていった。俺はとりあえず少しでも情報が欲しいからゆりに任せていた。その時だ。天使はどんな力を使ったか分からないが、足から銃弾が抜けてみるみる傷が塞がっていった。

 

「(回復が早いな。だからすぐに息の根を止めようとしたのか。)」

 

ゆりがナイフで首を落とそうとしたが、その攻撃は、天使の手から出た謎の刃物が止めていた。ゆりは止められたがこのまま押し切ろうと体重をかけた。だが、天使はそれを物ともせずゆりの体制を崩してきた。

 

「(マズイ、これだとゆりがやられる。なら、もう一度足を狙う)」

 

俺は天使の足に撃った。すると、天使はまた膝を折って倒れかけた。

 

「ゆり!やれ!」

「クッ!!」

 

ゆりがナイフを刺そうとした。だが、

 

「ガードスキル、ディレイ」

 

天使がそう呟いた瞬間、ゆりの背後に回ってきた。それは、瞬間移動と考えるのが正しいのかもしれない。そして、ゆりの背中を刺そうとしたが、

 

「オラァー!!」

ドスッ!

 

音無が天使に体当たりをした。天使はゴロゴロと転がり、止まってからまた立ち始めた。その隙を逃さないと言わんばかりに俺は接近した。そして、ナイフを持ち、攻撃をした。

 

「ガードスキル、ディレイ」

「それは読んだ!」

 

天使が瞬間移動した背後を読んで、俺は攻撃を後ろにした。すると、天使の足にナイフが刺さった。天使は表情を変えていなかったが、ナイフが上手く足に刺さったことで膝を折っていた。

 

「ゆり!足止め成功だ!ここを去るぞ!」

「えぇ!音無くん、行くわよ」

「あぁ!」

 

その時、後ろから大きな声が聞こえた。

 

「三人とも!そこを離れな!」

 

誰かが俺たちを避難させるよう誘導してきた。何事か振り向くと後ろからギルドの連中が大きな赤い大砲を持ってきて、構えていた。

 

「こいつで天使を倒してやる!」

「音無くん!佐野くん!こっちよ」

 

ゆりに促されて小さなシェルターらしき場所に避難した。そして、

 

「ファイヤァァーーー!!!!」

ドゴォーーーンッ!!!

「「ぐわぁぁぁぁぁー!!」」

 

凄まじい爆音が聞こえた。だが、そこに彼らの悲鳴に近い声も聞こえた。

 

「..........やったか!?」

「いや、ダメだろ」

 

見ると、そこは大砲が爆破したようだった。その周りには、ギルドの連中がいた。

 

「へへっ、やっぱ記憶にないものを適当に作っちゃダメだな.....」

「適当に作るな!!」

「グヘッッ!!」

 

爆風で飛ばされたギルドの一人がそう呟いた後、ゆりがそれはもう華麗でものすごく痛そうなエルボードロップを決めていた。あれは下手をすると骨折、内臓が破壊されたかもしれない。それにしても、こんな緊急事態でもしっかりとボケとツッコミができるとは、緊張感がない奴らだな。だが、神妙な面をしてやるよりも、こうして楽しくやるのもいいのかもしれない。生前の俺にはなかったことだ。

 

「ゆり!準備出来たぞ!」

「分かった!音無くん!佐野くん!次はこっちよ!」

 

ゆりの指示に従って今度はチャーたちがいるシェルターまで走った。そこでは、すでに何かのスイッチを持っているチャーが立っていた。やがて、俺たちがたどり着くと、

 

「本当にいいんだな?」

「いいわ、派手にやってちょーだい!」

「よし!爆破だ!!」

 

そして、スイッチを押した。俺たちは、シェルターの扉を閉めていたため、爆風に巻き込まれることはなかったが、あの場所に置き去りにされた天使は今ごろ瓦礫が落下してたり、あちこち燃えているギルドで様々な傷を負っているはずだ。いや、もしかすると天使だから死にはしないのかもしれない。なにか特別な力を使ってあそこも抜け出せるかもしれない。まぁ、今回はギルドで武器の調達が目的だ。だから、天使は足止めにするのが良い。まだ始まったばかりだ。この世界は、永遠に続く。だったらゆっくりと天使の攻略を考えるとしよう。今回で気が付いたことは、天使の能力の発動を防ぐのはほぼ不可能ということと、奴が使う『ディレイ』は、本当に危機が迫った時にしか使わないということだ。ここから考えると、天使は遠距離攻撃、近距離攻撃に対する術を持っている。一番有効と考えていたふいうちでもディレイによって避けられてしまうのが目に浮かぶ。結局、天使を倒す手掛かりは得られなかった。銃とナイフで攻撃した時、確かに天使はダメージを負っていた。だが、そこからの傷の治りが凄まじいほど早かった。ということは、心臓を潰せば殺れるのではないかと考えたが、そこまで接近するのがまず不可能にまた戻った。俺は、小さくため息をついた。この件はもう考えないようにした。

 

 

しばらく歩いていると、広い場所に出た。そこは、古くなっており、ボロボロであった。

 

「ここも変わっていねぇーな」

「また一つよろしくね」

「あぁ、任せときな。お前ら!まずはここを綺麗にするぞ!」

「「おぉーー!!」」

「頼もしい連中だ」

「ふぅ、それじゃあ、アホどもを起こすとしますか」

 

そう言ってゆりはポケットからトランシーバーを取り出した。そして、大きな声で叫びながらやられた戦線メンバーをおこしていった。ある程度終えると、今度はギルドの指示に回っていた。

 

「戦線にギルド、全員がゆりを信頼してるんだな」

「あぁ、あいつはひどいリーダーと言ってたが、こんなに明るく作業をこなせるのも普通じゃできない。だから、立派なリーダーだよ」

「そうだな」

 

 

*******************

 

無事にギルドにたどり着くことができていることを確認した。先ほど、ここではない場所から大きな音が聞こえた。恐らく、天使が地下に侵入したことで罠が作動したのだろう。映像を見ると、ゆりっぺさん、音無さん、佐野さんの三人しか生き残っていなかった。それほどギルドの罠が恐ろしいと改めて分かった。ギルド本部では、まだ天使は訪れていない。そこで、ゆりっぺさんが爆破することを告げていた。ギルドで作業をしていた方は反対をしていたが、佐野さんがゆりっぺさんの提案に賛成をした。そこから、他の方も賛成することになった。彼がいなければ手遅れになっていたのかもしれない。ギルドは爆破の準備に入り、ゆりっぺさんたちは天使の足止めに向かった。その途中、佐野さんがチャーさんに話しかけていた。さすがに映像での表情だけでは相手の思考を読み取ることはできない。自分の目で直接見ることで、声のトーンや表情の微妙な変化などを見ることで、ある程度の考えが読み取れる。その中でも私は人の変化に敏感だ。だから、佐野さんの考えが全て読み取れる。だが、今回は映像での声しか聞こえないため、全くというほど読み取れない。何だか釈然としない。というより、腹が立つというのが正しい気がする。急に心を閉ざされて拒絶されたようだった。佐野さんにはとんだ理不尽だが、無事に帰ってきたときはこの腑に落ちない気持ちをぶつけてやろうと私は一瞬考えた。

 

*******************

 

オールドギルドに来てから、数時間が経過したころ、休憩に入っていたチャーが話しかけてきた。それは、約束をしていた昔ばなしをしてくれることだ。

 

「まずは何が聞きたい?」

「そうだな、あんたの生前を訊いてもいいか?」

「俺の生前か......。俺は結婚してたんだ」

「高校生でか?」

「あぁ、といっても俺は高校生らしいことをしてなかった。酒も普通に飲んでたしな」

「ただのおっさんじゃねぇーか。本当に高校生なのか?」

「年は一応な。だが、俺の人生は唐突に終わった。そして、この世界に来たってわけだ」

「なるほど。じゃあ、次はゆりとの関係についてだ」

「ゆりとは、この世界に来て薄気味悪いと感じて校長を襲ったときに出会った。初めて見たあいつは俺の奥さんに似ていた。その姿を見たら何だが従わずにいられなくてな。気が付けば、俺はゆりに協力するようになった」

「そうなのか。ゆりが奥さんに似てるということは、ゆりが好きなのか?」

「いや、そういう気持ちは一切ない。俺が好きなは、生前結婚していたあの人だけだ」

「一途だな」

「羨ましいか?」

「いや、何と言うか、俺はそういった気持ちが良く分からない。多分、生前で恋とか愛情?とか、そんな気持ちを経験してないからだと思う.......」

「記憶は全て思い出したのか?」

「いや、まだ一部だ」

「そうか、ならそのうち見つかるだろ」

「..............なぁ」

「なんだ?」

「誰かを想う気持ちってどうなんだ?」

「それは自分で感じな」

「.....................そう、だな」

「一つ助言だ。誰かを想う気持ちは複雑だ。幸福であったり、不幸であったりと忙しい。だが、時期に分かる時が来る。その人に最高の笑顔を見せたいとな」

「何だか良く分からないな」

「はっはっはっは!!若造よ、これから知ってこい!」

「あんた、俺と高校生なんだろ?何で若造なんだよ。やっぱおっさんか?」

「それも自分で探しな!」

「...................なんかあんたはゆりたちと違って謎が多すぎる」

 




最後までお読みいただきありがとうございました。今回は天使との対面になります。が、もしかするとちょっとサブタイトル詐欺かもしれないと思っていました。(苦笑)
次回も、頑張って書いていきたいと思います。後、評価と感想をいただきますとものすごく嬉しい気持ちになるのでそちらの方も宜しくお願いいたします。
では、また次回お会いしましょう。
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