Angel Beats!-Atonement for you- 作:柑橘類さん
また、感想や評価をいただきますと凄く嬉しいです。是非、よろしくお願いいたします。
では、どうぞ。
オールドギルドで新たなギルドの武器製造場を作り、ある程度手伝いをした俺たち戦線メンバーは、新しい武器や弾を手に入れてそれを持っていくことにした。地上に出るとすでに太陽は昇っており、眩しいくらいの青空であった。
「な〜んかっ!久々に太陽を拝んだ気分だな!」
「今の時刻はもう昼か。そんなにたってたんだな」
「かなり濃い時間だったしな」
「とりあえず、休みたいね」
「だな」
「ゆりっぺ!しばらく休みをくれよ!」
「はぁ、音無くんと佐野くんなら分かるけど、あんたたちは死んだだけじゃない」
「いやいや!!俺たちだってすぐにオールドギルドに行って手伝ったじゃねーか!」
「まぁ落ち着けよ日向。確かに、俺も多少は休みが欲しいな。佐野はどうだ?」
「そうだな、俺も新しい武器の調子を見たいし、自分で何か作ってみたいこととかやりたいことが沢山あるから時間が欲しい」
「仕方ないわね。じゃあ、今日から一週間は自由に行動して頂戴。あっ、でも定例会議には出席よ」
「よっしゃ!!」
「何する〜?」
ワイワイと喜んでいるが、それっていつも通りじゃないか。コイツら、そんなことも考えれないほどアホだったのか。まぁ、せっかく休みをくれたんだ。俺はやりたいことをするとしよう。
「何をするのですか?」
「うぉっ、お前いつからいたんだ?」
「つい先ほどです。休みを欲しいというところから聞いていました」
「ほぼ最初からじゃねーか。まぁいいか」
「で、何をするのですか?」
「ん?それはな、土塊だ」
「土塊.......ということは何か作るのですね」
「さすがだな。今の俺に何が作れるのかやってみたいんだ」
「では、私もご一緒します」
「あーそういえばそうだったな。そういう契約なんだよなぁ.....」
「何かご不満でも?」
「いや、まぁいいや。じゃ、行くぞ」
「はい」
俺は遊佐と一緒に行動をすることになった。
「とりあえず、土塊が沢山ある場所ってある?」
「それでしたら、オールドギルドがよろしいかと」
「あそこは今ギルドの本拠地だからあんま出入りしたくないから却下だな」
「では、校舎裏にある丘はいかがですか?」
「そんな所があるのか。よし、そこに行くとしよう」
遊佐が言う丘は正門の反対側にある大きな山に囲まれた丘のことである。そこは基本的に人が通らないため、自然のものが沢山あるらしい。だから、土塊もあるという。俺たちは、その丘へ歩いて行った。そこには思った以上に土塊があった。
「こんだけありゃ何でも作れそうだ」
「そうですね。で、何を作るのですか?」
「あぁ、まずは防弾チョッキだ」
「防弾チョッキ?それをつけてしまうと動きが遅くなり、天使にやられやすくなると思いますが」
「いやいや、防弾チョッキは捨て身に使うためだ」
「捨て身、とは?」
「簡単に言えば、天使に接近して攻撃しようとするだろ?そん時はまずハンドソニックで刺されて終わりだ。だが、チョッキがあれば刺さっても多少は動けるから強引に攻めることができるって俺は考えてる」
「なるほど」
「まぁ無意味だとも思ってる」
「??何故ですか?」
「まだ俺は天使の力量を知らない。チョッキ如きじゃ簡単に貫ける威力を持っていれば意味がないから」
「では、どうして作るのですか?」
「別にチョッキは作っても損はないから。それに、どれくらいの時間で作れるのかも簡単なチョッキで試したいからもある」
「分かりました。では私はここで皆さんを見ていますので、始めてください」
「あぁ」
それから、俺は土塊から色々と作った。最初は防弾チョッキをそのまま作ってみようかと考えてみたが、案外上手くいかなかった。これはもっと細かい所まで考えて作らないといけないのかもしれない。ということで、まずは防弾チョッキによくあるアラミド繊維の布をイメージしながら土塊をいじってみた。すると、どんどん土塊から他のものへと変化していった。なるほど、完成品じゃなくて部品をイメージして作らなければならないんだな。時間的には、1分弱といった所か。作る物の大きさによって変化していくのだろうか?よし、チョッキができたら他のも試してみるか。俺は、夢中で作り続けていた。
〜一時間後〜
「よし、これでいいな」
「もう出来たのですか?」
「あぁ、とりあえず確かめてみたいからナイフでも刺してみるか」
俺はナイフを取り出し、思い切り刺してみた。すると、完成したそれはちゃんと防弾チョッキとして機能を果たしていた。また、ナイフだけでなく銃弾も試してみた。これもちゃんと貫通していなかった。
「とりあえず、問題はないな」
「おめでとうございます」
「さてと、他のも作ってみるか」
「今度は何をですか?」
「何も考えてない」
「では、いつまでここにいるのですか?」
「会議までには終えるつもり」
「分かりました」
それから、俺は土塊とにらめっこをし、ぶつぶつ呟きながらガラクタを作っていた。一方、遊佐は少し高台になっているところから双眼鏡で周りを見渡して何かあればインカムで報告をするということを繰り返した。お互い、話し合うことはなかった。
~夕暮れ~
「佐野さん、定例会議のお時間です」
「んぁ?もうそんな時間か。気が付かんかった」
遊佐に言われて俺は思いきり大きなあくびをした。よほど集中していたのだろう。確かに、作業していた間は時間のことなど一切気にしていなかった。周りを見ると、良く分からんものが散らばっていた。刀や拳銃といった武器や、釘やネジといった工具などと様々なモノが存在していた。中でも一番すごいと感じたのが、マイクやテレビなどの機械類であった。土塊は本当に自分の記憶にある物なら何でも作り出すことができるんだなと改めて感じた。とりあえず、作ったものはいらないからそのまま丘に置いてきた。まぁ、また来ると思うからそん時に何とかするとしよう。そして、俺たちは校長室へ向かった。
「カミモホトケモテンシモナシ」
中は既に全員そろっていた。俺たちが最後尾だった。
「悪い、遅れた」
「いいわよ、物作りに夢中だったそうね」
「なんだ、遊佐から聞いたのか」
「えぇ、あなたはまだ記憶が完全じゃないから監視も兼ねてね」
「まぁいい、早く始めようぜ」
「じゃあ高松くん、本日の報告を」
「はい、先日はギルド降下作戦にて多くの命を失ってしまいましたが、何とか切り抜けることができました」
「いやいや、俺たちは既に死んでるから失わねぇーよ!」
「日向くん、ナイスツッコミだよ!」
「フッ」
「お前、ツッコミすぎだろ」
「hoooo!!!」
「しまった!嵌められたのか!」
「はい、日向これでマイナス10点な」
「うむ、さしずめ日向はツッコミキングだな」
「............何してんだ?」
「あれは日向さん、大山さん、藤巻さん、高松さん、TKさん、松下さん、音無さんの皆さんでツッコミ禁止勝負です」
「なんだそれ」
「簡単に言いますと、一日で一番ツッコミをした人が食券をあげるというゲームです」
「なるほど、アホだな」
「はい、アホです」
まぁ、そんなことは置いといて。そろそろ我らがリーダー様の怒りが頂点に達しそうだ。
「あ、アンタたち、会議中に良い度胸してるわね・・・・・・」
「やっべ!ゆりっぺが怒るぞ!死よりも恐ろしい命令が来るぞ!」
「ここは一時退散だ!」
「「「おぉ!」」」
メンバーが逃げようと校長室のドアノブに手をかけた瞬間、銃声が聞こえた。それは、ゆりが持っていたものからだった。ゆりは静かに息を一つ吐いて、
「アンタたちは今日から一週間死よりも恐ろしい罰ゲームよ!!」
と一つ命令を下した。案の定、音無を除いたメンバーはムンクの叫びみたいな絶望した表情とポーズをしていた。ここにきてもボケを入れるとはもしやこいつらMなのか?
「彼らはただ楽しんでるだけですよ。アホなりのですね」
「最後の一言がなければいいこと言うなと思ったがその一言も正しいから何も言えねー」
それから、ゆりの怒りが収まってからは普通に報告となって、解散になった。ここで俺は一つ話したいことがあった。
「ゆり、この後聞きたいからいいか?」
「あら何かしら?」
「お前の生前についてだ」
「............」
「お前の妹弟を殺したのは俺だ」
「.....................どういう意味かしら?」
俺は、ゆりに自分の生前を話してその辻褄が合う理由も話した。その間、ゆりはずっと真顔で俺を見ていた。
「.........というわけだ」
「なるほど、確かにあたしのと似てるわね」
「あぁ、俺はお前にとんでもないことをした。だから、償いをさせてくれ」
「償い?何であなたがするの?」
「それは、お前の家が狙い目だと強盗達に教えた俺は元凶だからだ。あれがなければお前はここにいないはずだ。だから、償わさせてくれ」
俺は深く頭を下げた。こんなことで解決するかと言えばしないと思う。自分の家族が失った悲しみはそれほど重い。悪いことをすれば謝って償いをすればその恨みなどが晴れることはある。だが、この世界に来ている人間は全員理不尽だった。償いでどうにかすることはできないかもしれない。しかし、今の俺にできることはこれしか考えれなかった。
「顔を上げなさい、佐野龍也くん」
「............」
「あなたのしたことは確かに許せないことだわ。あのときのあたしなら確実にあなたを殺すことが償いだと思った」
「あぁ、覚悟は出来てる。俺にできることなら何でも言ってくれ」
「じゃあ、あなたガルデモの護衛につきなさい」
「任せろ、俺がガルデモを守って.........て、なんだそれは?」
「なにって、あなたは今日から陽動班に移ってもらうわ」
「は?いや、それはお前の償いにならないだろ?」
「なに言ってるの!陽動が上手くいかないと今度天使の正体を暴く作戦が上手くいかないじゃない!」
「それって、前に話してくれた......」
「そうよ、もともとあなたのポジションは陽動の方に決めてたけど、償いとか言われたからいっそ陽動班にいてもらった方がいいと思ったの」
「だが、それはお前の償いにならないだろ?」
「なるわよ」
「なぜだ?」
「あたしはこの世界を支配したいの。だから今できることを佐野くんはあたしが支配するまでは手伝ってもらうのよ。それがいつまでとかは分からない。はら、償いになるでしょ?」
「いや、そう聞くと確かにそうかもしれないが、本当にお前はそれでいいのか?」
「もちろん」
「ふっ、お前は本当スゲーな」
「当たり前よ。あたしは死んだ世界戦線のリーダー様なんだから」
「あぁ、さすがだ」
最初はお互い神妙な面で見ていたが、いつの間にか頬が緩んで笑い合っていた。償いは、相手の負の気を自分が受けることだと思っていたが、相手の気持ち次第ではただ傍にいるだけでもよし、今まで通りに接したりするのもよしと何でもあるんだなと思った。
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彼は、今日ずっと土塊で何かを作っていた。それは、本当にガラクタばかりだった。彼自身も今日は必要なものを作るのが目的ではなく、物を作ることが重要だったらしい。私は彼が作業をしている間、見渡しのできる場所に行き、双眼鏡を使って他のメンバーを観察していた。
最初に発見したのは、日向さんたちだ。彼らは、皆で集まって何か会話をしている。私はお得意の読心術で彼らの会話を考察した。彼らは、一日で誰が一番ツッコミをするのかを競っているようだ。いや、逆にツッコミをしてはいけない方であった。そして、始まってすぐに日向さんがツッコミをしていた。本当にアホである。
次に見つけたのは野田さんだ。野田さんはいつものように河原でハルバードを振り回して特訓をしていた。因みに、野田さんが音無さんを何度もKOにできたのは単に身体能力の差である。なので、あの特訓は武器の扱いに長けるようになっているのではなく、身体を鍛えているだけである。また、彼は時々何かポーズみたいなことを決めて独り言を呟いていた。その内容は、今日も俺はカッコいい、待っててくれゆりっぺ!である。本当にアホである。
次に発見したのは椎名さんだ。彼女は体育倉庫によく籠る。中で何をしているのかというと、綿がはみ出ている犬のぬいぐるみなどをものすごいスピードで直しているのだ。そして、直し終えた後は、少し周りを気にして誰もいないと思えば思いきりぬいぐるみを抱きしめてキュート!と一番の笑顔をする。彼女も普段は私と同じように無表情であることが多い。しかし、可愛いものの前だとコロコロと表情を変える。本当にキュートである。
そんなこんなでいつも通りにしている戦線メンバーを観察していたが、ふと彼のことが気になって少しだけ顔を向けた。すると、彼は私の視線のことなど気にせずぶつぶつと呟きながら物を作り続けていた。それは、正に夢中になっている男の子のようであった。私は貴重な彼の素が垣間見えた気がしたと思った。やがて、定例会議の時間になったので、私は呼びかけた。すると、彼は時間のことなど忘れていたらしい。読心術を使うと少しは照れがあった。素直に可愛いと感じた。
定例会議ではまだゲームを続けていた日向さんたちにゆりっぺさんが死よりも恐ろしい罰ゲームの命令が下した。そして、佐野さんはゆりっぺさんに何か訊こうとしていた。それは、自分の生前とゆりっぺさんの生前が関わっていたことだ。初めは主ぐるしい空気に感じたが、徐々に明るくなり、二人の表情は笑顔になっていた。何はともあれ、無事に解決した。その結果、これから佐野さんは、私と同じ陽動班に加わるようになった。私は未だにゆりっぺさんの考えを読むことができない。ゆりっぺさんほど不思議な人は初めてだ。改めて、ゆりっぺさんには逆らえないと感じた。そして、私はもう一つ感じたことがある。それは、彼がどんな人だったのかも。
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ゆりと話を終えてから俺と遊佐は食堂に行き、晩飯を食って一度部屋に戻ってから風呂に行った。
「ふぅ~」
「あれ、佐野じゃん」
「あぁ~?日向と音無か」
「お前、今日は何か疲れてないか?」
「それ、そっくりそのままお返しするぜ」
「ん?あぁ日向の事か」
「なにがあったんだ?」
「いやな、罰ゲームが決まってから俺たちはゆりにゲームの内容を教えて日向が一番ツッコミをしたことを伝えたら日向だけが罰ゲームをすることになったんだ」
「そりゃ災難だな」
「まぁ、さすがに放っておくのは可哀そうだから応援してたらこんな時間になった。といっても俺と大山くらいしか応援してなかったけどな」
「後の連中は何してたんだ?」
「麻雀」
「悲しいなー」
「そんなわけで身体を休めに来たってわけだ」
「なるほど、じゃあ俺上がるからゆっくりしてこい」
「あぁ、ありがとう」
風呂から出て部屋に戻るといつもと同じように髪をストレートにした遊佐が部屋についている鏡を見て髪を拭いていた。髪が濡れているのはとても扇情的だ。これは普段は可愛い女の子が状況によっては美しい女性に変貌したようなものだ。俺は静かに目を閉じて腕を組み、うんうんと頭を振ると、
「またバカなことを考えていますね」
「お前、読心術で俺の顔を見ずにわかるなんてエスパーか何か?」
「あなたから邪なオーラを感じ取っただけです」
「マジか、今度から気をつけよ」
「そうしてください」
「........そういえばさ、女は男に風呂上りは見られたくないと良く聞くけどお前はどうなんだ?」
「それ、遠回しに私が女らしくないと言っているのですか?」
「いや別に他意はない。純粋な疑問だ」
「そうですね、一言でしたら気にしないからですね」
「そういうものか」
「そういうものです」
それから、俺たちは当り障りのない会話を続けてそろそろ寝ようかと思ったときに終わった。明日から俺は陽動班に行くことになる。そういえば、ガルデモのことは岩沢の事しか知らない。まずは自己紹介とかしてお互いの関係性を知っておかないとな。
そんなことを考えていたらいつの間にか夢の世界へ行っていた
ちゃんと貫通していなかった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今回は、遊佐さんの心情を少し意識してみました。私なりなので合う合わないはあると思います。ですが、そこはかる〜い気持ちで捉えていただきますと読みやすくなると思います。次回は、ガルデモが登場します。いつも不定期で遅い更新で本当に申し訳ございません。まだコロナの影響があり、中々仕事がキツくて。
これからも頑張りますので宜しくお願いいたします。後、前書きと同じことですが、感想と評価をいただきますとすごく嬉しいです。
では、また次回でお会いしましょう。