アイドル部短編集   作:F.ヴィンケル

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キャラ改変、カップリング等苦手な方は心の平穏のためにバック推奨です。
文章力がなく申し訳ないですが、思うがままに書きました。
ふーたまなのかよくわからないふーたまです。
個人的には恋愛的なものよりも友情的な物が好きです居候。


桜舞い散る、双葉生茂る季節

カチッ、カチッ

 

見慣れた扉を開くと、外とは逆に闇が落ちる。

 

カチッ、カチッ

 

整理されるように物が散乱する地面。

私は散乱するものを避けながら、暗闇の中の唯一の光源に向かってゆく。

 

カチッ、カチッ

 

気をつけながら少し進むと、目的のものが見えた。

そこに居るのはここの主。

 

カチッ、カチッ

 

私の大切な人。

 

カチッ

 

「それ、ロン」

 

カタカタと手慣れた速度で対戦相手にお礼を打つと、彼女はこちらを振り返る。

 

「ふーさん、いらっしゃい」

 

先程までの真剣な顔とは打って変わって、気の抜けた様ににへらと笑う彼女。

親しい人にしか見せない、人間離れした綺麗な顔を、これでもかというくらいに駄目にした愛おしい笑顔。

私の大好きな、無防備な表情。

私はそんな彼女の、嬉しそうな笑顔に笑顔で返す。

 

「たまちゃん、また部屋汚くなってるけど、なんなん?ふーちゃんが先週綺麗にしたばかりだよね?」

「あ、いや、その」

「しかも、毎回毎回ちゃんとご飯食べてって言ってるのに、またゼリーとかスナックバーで済ませたでしょ?」

「あの、その」

「しかも麻雀好きなのはわかるけど、ちゃんと睡眠と休憩は取る様にとも言ったよね?」

「…言いました」

「で、昨日は何時に寝たの?」

「……」

 

いつの間にか正座して黙り込む彼女。

目は水を得た魚の様に泳ぎ回り、全くこちらと瞳を合わせない。

 

「…たまちゃん?」

「申し訳ありませんでした」

 

私が笑顔で問いかけると、たまちゃんは潔く土下座をした。

 

ーーーー

 

「とりあえず、たまちゃんは少し寝て。その間にふーちゃんが片付けるから」

「ふーさん好きぃ」

 

かれこれ10分ぐらい黙って罰を与えていたが、そろそろ良いかと声をかけた瞬間、彼女は勢いよく腰に飛びついてきた。

 

「もー、たまちゃん。掃除出来ないから」

「んー」

「ほら、ご飯の支度もさっさとしないといけないから」

「んー」

「…なんかあったん?」

「……」

 

彼女は私のお腹の辺りに顔を埋めたまま、私の問いに無言で返す。

ただ、彼女の手に少し力が入ったのが返答になっていた。

私はそんな彼女の頭に手を置くと、彼女の回す腕に更に力が籠る。

 

「たまちゃん。ふーちゃんが膝枕してあげるから、とりあえずベッドで寝よう」

「…うん」

 

私の提案に彼女は少し時間を掛けて離れる。

そんな彼女の手を握るとベットまで連れて行く。

手を離し、私がベッドに座ると彼女は再び腰に抱きついてきた。

これじゃあ膝枕じゃなくて、抱き枕じゃん。

暫く彼女の頭を撫でた後、私は話を切り出した。

 

「で、何があったん?」

「………」

 

彼女は無言だが、なんとなく察しはついた。

 

「もしかして、またピノちゃんと喧嘩したの」

「……うん」

 

私はそっとため息をつく。

カルロ・ピノちゃん。

私達よりも年下の、大人しくて可愛い女の子。

普段はたまちゃんとピノちゃんは仲が良い。

ピノちゃんはたまちゃんの事を尊敬していて、勉強を教えてほしいと来るほどだ。

しかし、ある一点において彼女は異質を放っていた。

彼女、ピノちゃんは花京院ちえりちゃんにものすごい執着を持っていた。

何故かは解らないが、何となくは理解はできた。

それは一重に「人」であり、その中でも特別な存在であるからだろう。

そんなピノちゃんがご執心なちえりちゃんと、たまちゃんは、実を言うとかなり仲が良いのだ。

お互いがお互い、何の隔たりもない「素」で接することが出来る存在。

数少ない「本当の」ちえりちゃんを知る存在。

そんなの嫉妬するに決まっている。

しかし、ピノちゃんはその感情を理解できずにたまちゃんに当たってしまい、たまちゃんはたまちゃんで真っ直ぐに物を言う物だから、ちょっとした口論になるのだ。

と言うことは、恐らく向こうも今頃へこんでいるだろう。

まぁ、あちらは恐らくいろはちゃんあたりがフォローしているだろう。

 

「もー、いい加減わかりなよー。年下なんだから引いてあげないと」

「…だってピノちゃん、私とお話してるのにちえりちゃんの事ばっかり」

「恋する乙女か」

「いたい」

 

私がビシッと頭をチョップすると、さらにぐりぐりと頭を擦り付けてくる。

どうやら元気が出てきたみたいだ。

 

「ふーさん」

「なにー?」

「大好き」

「私も好きだよ?」

「本当に?」

「本当にー」

「…結こ「やだー」………」

 

あ、力弱まった。本当に身内に対しては豆腐メンタルだな。

 

「ん?たまちゃん」

 

うつ伏せだから表情が見えなかったが、どうやら寝てしまっていた様だ。

規則の正しい寝息が聞こえる。

私がそっと頭を撫でてあげると、気持ちよさそうに彼女腕に力が入る。

 

「…ふー…さん…いじわ…る」

「はいはい。ふたばはいじわるですよー」

 

彼女の寝言に少し笑いながら返す。

 

知ってる?たまちゃん?

ふたばだって、嫉妬するんだよ?

 

だから、鈍感なたまちゃんとは結婚はしてあげない。

でも、ずっとずっと、いつまでも一緒にいてあげる。

 

大好きだよ、たまちゃん。

 




全然関係ないですが、神楽すずさんの誕生日配信最高でした。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
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