それいけポンコツ指揮官とM1895おばあちゃん!! の設定の一部が登場します
それと今回大陸鯖のネタバレネタがでてくるので、注意してください
夕日でオレンジ色に染まるS07地区前線基地の地上部出入り口ゲートの前を二体の戦術人形が警備をしていた。
一人は迷彩柄のチャイナ服が印象的な目つきが鋭い黒髪の人形――03式が両手に彼女の名と同じアサルトライフル――03式自動歩槍を手に周囲に目を光らせていた。
もう一体は、赤みががかった金髪と碧眼、中性的な顔立ちが印象的な茶色のセーラー服を着た少年型人形――Mk16、通称リーである。彼の自身の愛銃であるMk16……SACAR-Lを手に暇そうにあくびを噛み殺しながら、周囲を見渡していた
「暇だな……例の監視システムが復活してからここら辺に敵が攻めてくる事がすくなったね」
「Mk16、少しの油断が大惨事につながる事もあるのですよ……」
「だって……大規模な襲撃も去年のS地区大攻勢以来ないじゃん」
03式はリーを気を緩めているMk16を戒めるも彼は暇そうにあくびを噛み殺しながら言葉を返すと彼女は更に声を張り上げた
「だからこそ、気を引き締めるべきなのです。それこそ監視システムが無力化しても私達をS07地区を護衛できるように鍛錬を積み重ねるべきです」
「いや……それは分かるけど……うん!?」
03式が早口で囃し立てるの見たMk16は、彼女にドン引きしつつも彼女を落ち着かせるための言葉を言おうとした瞬間、彼の聴覚センサーが聞き覚えのあるエンジン音を感知し、音のある方へ顔を向けた。
そして、03式もそのエンジン音に気づいて、言葉を止めてMk16と同じ方向を向いた。
エンジン音が聞こえる方を二人を見るとそこには、一台の装甲車が砂煙を上げながら地上部ゲートの方へ向かって走っていた。
そして、二人のカメラ性能では判別しにくいがの車体側面部部に二つのエングレムが横並びに描かれている。
一つはPMCグリフィンのエンブレム、もう一つはフチが白線のサクラの花びらと女性の横顔を組み合わせた絵柄――PMCグリフィン・S07地区前線基地のエンブレムであった
「あの装甲車はパトロールに出かけた一号車だ」
「どうやら、パトロールから戻ってきたようですね」
二人はその装甲車が自分達の所属だと分かるとホッとしたようにその装甲車がゲート前に近づいてくるのをじっと待った
―――――――
S07地区前線基地はデータルームやIOP社製戦術支援ドローン通称、妖精の格納庫等主要な設備は地下に設けられているが兵舎の一部やサクラが普段のデスクワーク等を行う中央建屋等は地下ではなく地上部に設置されており、戦術人形達が普段の食事をとる食堂も地上部の建屋に設けられている施設の一つである
後方担当の人形と人間のスタッフの手が調理、提供する食事は食材こそ合成品が多いが味は保障できる物で、S07地区前線基地の人形や職員達にとっては士気を維持するのに一役買っていた
夕食の時間になり、Mk16は湯気が立つスープ皿を乗せられたお盆を持って、普段座る椅子へ足を運ぶと青い作業着を着た青年型人形――M16A4が先に食事をしていた
「M16さん、隣いいですか?」
「いいですよ。警備お疲れ様」
M16A4が微笑みながら答えるとMk16は彼の隣に座るとスープ皿に盛られたスープを口にする。
それをみたM16A4は思い出したかのように話し始めた
「なぁ……リー、最近鉄血の襲撃が異様に減っていると思わない?」
「鉄血自体がS07地区から撤退したからじゃない? 例の監視システムのおかげで鉄血の動きが筒抜けになっているも同然だから、戦線を縮小したとかじゃない?」
「いや、鉄血が撤退したにしても敵の動きをS09P基地が見逃すはずがない……指揮官も気になって、周囲の基地やS09P基地に確認を取ったらここ一週間辺りから鉄血の反応が極端に少なくなっているらしい」
「もしかしたら、他のPMCやグリフィンの秘密部隊が倒したからじゃない? それよりも今はご飯にしよう!!」
Mk16は一瞬悩むもすぐに興味がスープに移ると食事を続けるのをみて、M16A4はため息をついた。
「リー……分かった。この話は食事の後にしょうか」
M16A4はそう言ってテーブルの上に置かれた皿に盛られた人造豚肉のボークソテーの一切れを箸で掴んで、口へ運びながら先ほどリーに切り出した鉄血の不自然な動きについて考え始めた
(リーが言う通りに他のPMCか秘密部隊がS07地区の鉄血を掃討したとしてもS09P基地がそれを見逃すか?)
M16A4は食事をしながら、ここ最近の鉄血の不自然な動向について考えるも判断材料が少なすぎて正解だと思う結論に達する事ができなかった
彼が鉄血の奇妙な動きについて考察をしている間、Mk16はスープ皿に盛られた野菜とベーコンなどの具がたっぷり入ったスープを美味しそうに食べていた。さきほどの彼の話題よりも食事の方を優先したいように
「M16、考え事もいいけどさ。早く食べないと料理冷めちゃうよ」
「……リー、君って民間人形だった頃から変わってないよな」
M16A4は呑気な彼を目にするとため息をつくとポークソテーを食べ始めた
―――――――
翌日、S07地区前線基地中央建屋の地下に存在するミーティングルームにはS07地区前線基地の主であり、M16A4とMk16の指揮官でもあるサクラ・カスミとS07前線基地に所属するすべての人形達が集まっていた
「私の人形達……S09P基地からポイントF2に進行中の鉄血の部隊を発見したとの報告が届いている。予想ルートから敵はポイントD1――メメントス三番街に向かっているそうだ」
「メメントス三番街!?」
「そうだ、メメントス三番地下街にはS09地区やS13地区方面に伸びている物資輸送用のトンネルの入り口だ。そして、D2ポイントの廃都市区画で移動中の敵を殲滅する」
サクラの言葉を終えるとディスプレイに表示された予想される敵戦力の編成情報に戦術人形達は息を飲んだ。
侵攻部隊はリッパ―やヴェスピド等の下級人形以外に、イージスやマンティコア等装甲兵、支援砲撃型機械兵器のジャガーで攻勢されていた。
だが、M16A4達S07前線基地の人形達が唖然とした理由はそれらを率いるハイエンドであった
「ボス……あたしの目がおかしいのか? 鉄血を率いているのがゲーガーと書いているぞ?」
「残念だが、S09P基地の監視システムは正常だらしい」
「確かゲーガーって、S09P基地に投降していたハイエンドじゃなかったの!?」
S09P基地から伝えられた情報で、鉄血の侵攻部隊の指揮官がゲーガーであることに薄紫色の短髪の人形――トンプソンがデイスプレイの表示を胡散臭そうに視線を移し、その隣で赤フチのリボンを結った金髪碧眼の人形――MP5Fは動揺を隠せなかった
【ゲーガー】とは、かつて寒波吹き荒れるS03地区内で展開された【低体温症作戦】後に鉄血を離反し、現在S09P基地預かりとなっているハイエンドモデルである。
グリフィンに寝返った後、自立モードで運用されているダミー以外に目撃情報がないために、「鉄血はゲーガーモデルの再生産を行っていない」のがヘリアン上級代行官の見解であった
だが、S09P基地が探知したゲーガーの反応は自立行動のダミーではなく、メインフレームの本人であった。これは、同時期に鉄血を離反したハイエンドモデル【アーキテクト】による照会でも侵攻部隊の【ゲーガー】がダミーではないと確証されたとサクラは人形達に伝えるとM16A4が手を上げた。
「どうした、M16A4?」
「侵攻部隊のゲーガーが再生産されたのはでなく……S09P基地のゲーガーが再び鉄血に戻った可能性はありませんか?」
「M16さん!?」
凄まじい形相を受かべるM16A4を隣で見たMk16が肩を震わせた。
彼の言葉からは明らかに殺意と憎悪が滲み出しており、その場にいた人形達が彼の言葉に凍り付くもサクラは冷静に諭すように口を開いた
「安心しろ……S09P基地に確認させたが間違いなくグリフィンに投降されたゲーガーと侵攻部隊のゲーガーは別個体だ。S09P基地が嘘をついてないければな」
「分かりました」
サクラの言葉を聞いたM16A4が落ち着くのを見てから、サクラは言葉を続けた
「よし、これより出撃させる部隊と編成内容を説明するからよく聞け……」
サクラが出撃させる小隊と編成内容を話し始め、M16A4達戦術人形達はそれを真剣な表情で聞いていた
だが、人形はまだ知らなかった。
白の兵士達が鉄血の侵攻部隊の通過地点である廃墟区画に潜んでいた事に
M16A4達が戦場へ向かう頃には鉄血部隊は指揮官のゲーガーも含めて白の兵士達によって殲滅されていた事に
彼らは自身を見た者を必ず消す事を……
その日、人形達は知ってしまった――自分達を脅かす敵が鉄血だけでない現実に
まぁ……大陸版のネタバレ情報を知っているか。ヴァルハライベをやった事がある人は分かると思います
白の兵士達が何をあらわしているのか?