MALE DOLLS外伝集   作:ガンアーク弐式

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白い武装勢力編の最終話です
今回で、白い勢力の巨大兵器……ガンダムとの戦いが決着がつきます

忍者は隠れる者でない……騙す者である



その時、人形達は知ってしまった:4(終)

白い二足歩行型砲台とM16A4達との戦闘をケントゥリアは主戦場である住宅街を見渡せる廃マンションの屋上から高みの見物同然に観察していた

 

「ほう……あのM14、ドッペルゼルドナーに怯みもせずに号令を出すとは……鉄血人形(エリザのオモチャ)共とは違うナ」

 

ケントゥリアは自身ががドッペルゼルドナーと呼ぶ白い二足歩行型砲台のセンサーユニットと自身の視覚と同調させながら、戦闘の様子を見ながら呟いた。フルフェイスヘルメットのバイザーで覆われているが、自身の願望を押さえているのが彼の声から察するのは容易であった

 

(できれば、ドッペルは待機させたまま俺自身が戦いかったが……俺の雇い主で機密保持で直接戦闘を禁じられているから……!?)

『敵性対象ヲ視認、攻撃ヲ開始スル』

「ワッショイ!!!!」

「バイツァダスト!!!」

「いくよ!!!」

「ブタのように泣かさせてあげるから!!」

「くたばりな!!!」

 

ケントゥリアがある種の妄想に沈みかけていた時、ドッペルゼルドナーの簡易AIのシステム音で現実に戻された彼が見たのは、左右から瓦礫から飛び出したM14とP228を除くBB小隊とU01小隊のうち、トンプソンとG36Cが叫び声を上げながら瓦礫から飛び出し、ドッペルゼルドナーに銃撃を加えながら突撃する姿だった

 

「バンザイアタック……いや、奴らは囮か。本命はどこかに潜んだあのM14がセンサーユニットを狙い撃つつもりか、面白い」

 

ケントゥリアはそう呟くと独自回線でデータリンクを結んでいるドッペルゼルドナーのセンサーを間借りしながら、M14の潜んでいるであろう場所を探していた。

 

(どこだ……M14(本命の戦術人形)はどこにいる?)

 

ケントゥリアが戦場をサーチしている間にドッペルゼルドナーが両腕の副砲をBB小隊やU01小隊のうちめがけて発射するも周囲を瓦礫や障害物を利用もしくは、トンプソンとG36Cが展開するフォースシールドで砲撃を防ぎつつ、M16A4達は銃弾やグレネード、焼夷手榴弾等で攻撃を加える

だが、ドッペルゼルドナーは彼らの銃撃にピクリとせずに、攻撃を受けた状態で副砲から小型の榴弾を短い間隔で連射していくなかで、パラが榴弾の至近弾を受けて、右足を吹き飛ばされ地面に転がる

 

「パラちゃんがやられた!!」

「チッ、奴はまだ撃たないのか……俺達の弾薬や義体のバッテリ―も長くはもたないぞ。」

「これで最後のグレネード!マガジンも装填している分で最後だよ」

 

トンプソンが舌打ちをするのと同時に彼女の背後から飛び出したリーがグレネードを発射し、ドッペルゼルドナーの左足に着弾するもまったく動じる副砲で反撃し、放たれた榴弾がリーとトンプソンの近くに着弾し、二人を爆炎が包み込んだ。

爆炎が経ち超えると手足を失ったトンプソンと人工皮膚が焼けただれ、服が焼け落ちたMk16を見たM16A4が二人の方にめがけて叫んだ

 

「リー、トンプソンさん…ウギャアアア!?」

「M16さん、あぶない!!」

「M16、逃げて!!」

 

G36CとMP5Fの叫びに気づいたM16A4はドッペルゼルドナーの蹴りを迫ってくるのに気づくととっさいに避けようとするも間に合わずに、敵の蹴撃をまともに受け、廃墟の壁に叩きつけられる

 

ドッペルゼルドナーの蹴撃をまともに受けたM16A4は全身から人工血液を流しながら、意識を失って地面に倒れるのをみたドッペルゼルドナーは止めをさすべく、右腕の副砲を彼に向けようとする

 

その瞬間、ケントゥリアはドッペルゼルドナーのセンサーを通じて南東の方向にある廃車の影から身を乗り出したM14を見つけるとすぐに司令を下した

 

『ドッペル、南東から20mの廃車の影に隠れている人形に変更、主砲で吹き飛ばセ!!』

『了解、攻撃対象ヲ変更、主砲発射用意』

 

ケントゥリアのネットワークから命令を受理したドッペルがM16A4からM14に攻撃対象を変え、ドッペルゼルドナーを狙い撃とうとするM14を正面に捉えるたが、M14はそれを見たは臆するどころか、勝利を確信したように言い放った

 

「私達の勝ちよ!!」

 

M114の勝利宣言とも言える言葉と共に三つの銃声が響き渡るや否やドッペルゼルドナーの背面に三つの弾痕が刻まれ、その直後に小さな爆発音が三つ立て続けに鳴り響くドッペルゼルドナーは主砲を発射することなく、その場に膝をついた状態で機能を停止させた

 

 

「リンクアウト……義眼を通常視界に切り替え………!?」

 

ドッペルゼルドナーとのリンクが途切れるとほぼ反射敵意に、彼はすぐに自身の義眼を通常モードに切り替えて屋上から乗り出して戦場となった住宅街を除いた瞬間、彼は唖然とした。

 

三つの弾痕が刻まれた箇所には、ドッペルゼルドナーの制御中枢ユニットが内蔵されている場所であった。

 

「バカな……あのM14の位置ではドッペルの背面を狙撃する事は……は!?」

 

ケントゥリアは自身の不安を払拭するためにに住宅街でもひときわ目立つ高い廃ビル――TR小隊の狙撃ポイントを義眼を望遠モードに切り替えて、サーチする。

無数の瓦礫とTR小隊のメンバーであったであろう戦術人形の残骸が散乱する中で、ほぼ衣服はおろか、人工皮膚すら焼け落ちて内部骨格を露出させるほどの重症を得たファルコンが自身の半身である同盟の対物ライフルを見た瞬間、自分の不安は的中していた事を悟った

 

すなわち、BB小隊はおろか、決定打を与えらえる可能性があったM14すら囮。本命は先ほどの砲撃を辛うじて生き残った対物ライフルのファルコンによる狙撃であったことに。

 

 

「鷹の目と12.7mm徹甲榴弾は……得物を逃がさないから……M14、君の作戦通りうまく行った……これでみんなの仇を討った……」

 

ファルコンは朦朧とする意識の中で、白煙を上げるドッペルゼルドナーをスコープ越しに除きながら微笑むと同時に、意識を失った

 

 

―――――――――

 

 

一方、ケントゥリアの方はファルコンが倒れる所を見た瞬間、茫然とした。自分が砲撃成果の確認を怠ったという大失態をしていた事が信じられないのか、バイザー越しに見えない表情でも彼の電子音声に恐れと恐怖の表情がこもっていた。

 

「俺は……戦争が出来る事に高揚して、砲撃の成果の確認を怠った……オマケに、ドッペルゼルドナーを撃破された……!?」

 

ケントゥリアは自身の失態に唖然としていると彼の脳内にノイズと女性の声をごちゃまでにしたような電子音声が響き渡った

 

「ケントゥリア・H、すぐに担当戦区内の補給線を遮断し、離脱しなさい」

「補給線の遮断はともかく、撤退しろだと? 「目撃者はすべて消せ」が雇い主からの命令だったじゃないのカ?」

「あなたの質問に答える義務はありません……そして、これはお父様からの()()()()()です」

「了解、補給路を自壊させた後に離脱すル」

 

ケントゥリアいや、ケントゥリア・(ハミルトン)の返答に、姿なき声からの通信が切れる

ケントゥリアは壁に立てかけていた光学式ロングライフルを抱えると自身の補助全能システムを介して、廃墟街の各所の地下街に設置された小型の転送装置――補給用物資転送ポーターに内蔵されたC4爆薬を起爆せる信号を発信すると同時に自身の認識を歪める特殊な信号――反認識信号発生装置を起動させて、廃マンションの屋上を後にする際に、彼は小さく呟いた

 

「あばよ……今度は()と戦争しようゼ、グリフィンの人形達」

 

 

 

――――

 

 

謎の白い兵器群と偶発的交戦した日から翌日、S07前線基地でサクラが端末に表示された作戦報告書を複雑な表情で目を通していた

今回の作戦でファルコンを除くTR小隊の人形4名を未帰還となり、帰還した人形達の大半がS07前線基地の設備では修理が困難ほどの損傷を受け、本部直轄の整備工廠へ搬送する結果に思わった。

あの作戦に参加した人形で、比較的軽傷だったのは身軽なMP5Fとフォースシールドを持つG36C、それとM14の三体のみ

その彼女達も未知の白い勢力と遭遇した事で事情聴収のためにグリフィン本社に召集を受けた事でS07前線基地には不在であった

 

「はぁ……まさかの鉄血を迎撃するつもりが二足歩行砲台と遭遇し、大損害を受けると華」

 

サクラがため息を付くと手にした報告書をデスクに放り投げると白紙のシフト表に手に取ると管轄区域の警備に出撃する人形達の名前をそこに書き込み始める。

 

負傷した人形達への不安や戦死させたTR小隊への悲しみを押し殺しながら……そして、デスク上に飾られた写真に見ると一言つぶやいた

 

「アラマキ指揮官いや、教官……これでいいですよね」




尚、今回M16A4達が対峙していたガンダムこと、ドッペルゼルドナーはケントゥリアのダミー人形のような存在で、先に彼が倒されていたらガンダムも止まっていました

尚、これもスレレットと同じようにモンキーモデルで白の特権ともいえるあの機能を搭載していません


余談ですが、M16A4と白の勢力との戦闘が起きた日は、大型コラボ企画「人類人権派団体補給路破壊作戦」の前日です
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