MALE DOLLS外伝集   作:ガンアーク弐式

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ドールズディフェンスラインとのコラボ企画編です

https://syosetu.org/novel/176480/


証明戦線~Doll's Defense Line
火槍準備


今、S07前線基地内はかつてS地区全域での大規模攻勢を受けた時以来の大騒ぎとなっていた

 

「救援部隊のダミーを早くヘリポートまで運べ!!!」

「よし、BB小隊向け弾薬コンテナの梱包は完了。次は護衛部隊用の弾薬だ……弾頭は徹甲榴弾仕様だ、高速弾仕様と間違えるな!!!」

「チビ達の装備の積み込みはまだか!?」

 

基地内に俺達の装備をヘリに積み込む後方支援スタッフ達の怒声が響き渡る中で、俺は半身であるM16A4を始めとする装備一式の最終チェックをBB小隊の面々と共に黙々と行っていた

 

「今回はいままで以上にやばい事になったね~というか、勝てるかな?」

「下手すれば、グリフィンが文字通り壊滅だ……今回ばかりは一回休みも覚悟しなきゃいけないですね」

 

リーがSCARの弾倉に5,56mmNATO弾仕様高速弾を震える手で装填しながら質問すると俺は愛銃であるM16A4の動作を確認しながら答えた。

「だよね……怖いよ」とリーの恐怖を滲ませた声色で答えるが正直な話、俺も銃の整備をしていないと手が震えるほど恐怖を感じていた……鉄血に対する憎悪が霞むほどに

 

この騒ぎの元凶であるグリフィン本社から緊急指令この基地に届いたのはつい先ほどのことだった

 

「鉄血工造の大規模攻勢部隊を撃滅するため、重装部隊を試験運用中の前線基地所属の戦術人形部隊はグリフィン本社地区へ集結せよ!!尚、鉄血部隊には既存のハイエンドモデル以外に未知のハイエンドモデルも多く確認されている」

 

鉄血工造の大規模侵攻部隊がグリフィン本社に接近しているというだけでも大事だというのに、未確認ハイエンドつ最優先排除対象「集合体(アグリゲイター)」の存在が指揮官と俺達に恐怖と危機感を煽った

極端に言えば、多数の人形を取り込んで巨大化するという鉄血ハイエンドモデルの中でも異常ともいえる存在であった

 

これを迎撃するために集められるだけの戦力を他の前線基地から集結させる事になり、俺達S07前線基地部隊も重装備部隊であるAGS-30チームと彼女の護衛として二個小隊分を派遣することになったのだ

 

そして、基地や周囲のTVRチームの研究所やメメントス街、そしてそこに繋がる地下道を護衛に必要な人形を除いた中で、戦況にマッチした人選を指揮官が考えた結果、前衛として、戦力のバランスに優れた俺達BB小隊がまず選ばれた

そして、後衛の護衛部隊に俺達BB小隊からp228さん、MG型とSG型を中心としたBS小隊からMK48とM1897さん、狙撃部隊であるTR小隊からR93さん、そしてE小隊員候補からK3が選ばれたのだ

つまり、M1897さん以外の護衛小隊とAGSチームによる弾幕で鉄血を薙ぎ払い、弾幕を突破した鉄血が入れば、BB小隊とM1897さんで蹴散らすというシンプルな戦術だ

 

俺がその事を回想に浸っているとMP5FさんとP228さんの悲痛な声が俺を現実に引き戻した

 

「状態構わずに人形を取り込んで自分の一部にしてしまう大型ハイエンドモデルなんて……鉄血の連中、とんでもない物を送り込んできたわね!?」

「下手をすれば、私達もアグリータに取り込まれてしますね」

「おまけにアグリゲイター以外にも未確認のハイエンドもいるから、相手がどういう敵かもわから……パラ?」

 

P228さんとMP5Fさんが顔を覆っている中、パラちゃんは疑問の表情を浮かべている事にM14さんが気づき、声をかけた

パラちゃんはサイドアームであるジェリコ941を組み立て終えるとと顔を上げた

 

「うん……どうしたの?」

「アリグータの話をしていた時、パラが意味深な表情をしていたから、皆は気になったんですよ」

「うん……アグリゲイターって、どんな状態であれ人形だったら取り込む機能を持ったハイエンドなんでしょう?」

 

パラの質問にナニカを感じ取ったのか、MP5Fさんがすぐさま答えた

 

「そうらしいです……だから、M16A4の銃剣突撃は自殺行為なのよね」

「それ以前にあんなデカブツ相手に銃剣突撃など、足先に小さなトゲが刺さった程度しか効きそうにないです」

「だったら……アグリゲイターの本体ってどんな姿をしているんだろう?」

「「「「「!?」」」」」」

 

俺がM16A4の最終チェックを終わらせるのと同時にパラちゃんが放った一言に全員が言葉を失った

考えてみるとあのデカイ恐竜はアグリータが多数の人形と一体化した着ぐるみもしくは、鎧のような物。だれでもアグリゲイター本体らしき人形の姿を誰も見ていないのだ

 

「確かに……あの恐竜みたいな姿は多数の人形が集合した姿であって、言うならば着ぐるみを着ているような物。誰もアグリゲイター本体の姿を目撃していない」

「むしろ……メンタルモデルが本体で肉体自身がないという可能性もあり得ますよね」

「それって、倒した瞬間に体を乗っ取られるということもありえるよね!?」

 

皆がアグリゲイターの異常さに恐怖を隠せずに顔を青くする中で俺はパラちゃんの言葉で冷静さを取り戻し、アグリータについて考えた

 

(確かに……誰もアグリータ本体の姿を目撃した者はいない。ここで問題なのは本体を定義するソレが実体を持った鉄血ハイエンドモデルか否かだ……だが、今大事なのは)

「みなさん、俺の顔を見てください」

 

俺はアグリゲイターに恐怖を感じている仲間達を落ち着かせるために俺ははっきりと言った

 

「アグリゲイターも既存の鉄血ハイエンドモデルとおなじように鉄血人形であることには変わりない……これまで通り、既存のハイエンドモデルと同じように破壊するだけだ」

 

俺の言葉に周囲の皆がキョトンとするのを見て、恐怖が緩んだのを見て、俺はさらに言葉を続けた

 

「それにこのメメントス街やTVRチームの研究所を護衛するSDMRを始めとしたS0小隊に恰好悪い所を見せられませんよ」

 

それを言った瞬間、リーが笑みを浮かべた。その顔にさきほどまでの恐怖の表情は無かった

 

「そうだね、それに怖いのは他の皆だって同じだもん」

「それに……私達にはASG-30チーム達が付いているし、他の前線基地や本部の人形達だっている……不用意に恐れていた私達達が馬鹿だったね」

「護衛部隊を率いる私が怯えていたら、MK48に何を言われてるかたまったもんじゃありません」

 

リーの言葉に、MP5FとP228が笑みを浮かべるとそれを見たM14さんが力強くこう言った

 

「だけど、油断は大敵よ……かならず、ここS07前線基地に帰るわよ!」

 

彼女の言葉にその場で頷かなかった人形は誰もいなかった




地味にうちの子達に死亡フラグが立った気がしますが……大丈夫だな!!
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