時系列は本編世界とはIFの未来、主役はグリフィンを引退したアラマキ爺さん
引退しているはずの彼がなぜ、戦場に舞い戻ったのか……それは作戦開始の4日前までさかのぼります
老兵は悪魔の巣に舞い降りる
S11地区某所
夕暮れ時に染まる平野の一角でフロントガラスが割れた旧式の軍用トラックが白煙をあげながら横転していた。
横転していたトラックの右前輪がズタズタに切り裂かれ、運転席は運転手らしき男の死体から噴き出した血で真っ赤に染まっていた。
見るも無残な姿のトラックの周りには、野戦服を着こんだ男達の遺体と彼らが使用していたであろう自動小銃とジープの残骸が転がっていた。
トラックの周囲に転がった男達の遺体は胴体を真っ二つに切り裂かれた物もあれば、個人の識別ができないほどに頭を潰されたり等の違いはあるが、人間がやったとは思えない程の無残な姿で平野に野ざらしにされているという点ではおなじであった
そして、平野の片隅で朽ち果てるだけの男達の亡骸に彼の存在を知らせるかのように一台のハンヴィーがエンジン音を響かせながら、凄惨な殺人現場のすぐ近くに停車していた。ハンヴィーに60歳を超えたばかりであろう老人がハンドルを握りながら、殺人現場に目を見開いていた
老人の名はオサム・アラマキ――第三次世界大戦の従軍経験を持ち、2年程前にグリフィンを退職した元指揮官である。
退職した現在はS07地区に存在する集落の一つに隠居生活を送りつつ、町の住人、も時にグリフィンの依頼でELIDや暴走した鉄血人形を狩る自衛団の一員として残り少ない余生を過ごしている。
今回、彼は町の連絡役を担っている男から「今日到着するはずの行商人達の連絡が途絶えたから探ってほしい」との依頼を受け、今に至るのだ
「遅かったか……行商人と護衛達は全滅か」
アラマキは悔しそうにつぶやくとハンヴィーを降りると大き目なリュックを背負い、原液時代から愛用していたM14を手に虐殺現場へ向かって歩き出した
「連絡役によると行商人との最後の連絡内容は「S11地区後方支援基地へ向かう」だったが……賊にやられたか?」
アラマキは一人で呟きながら、惨劇の手がかりを求めて横転したトラックの運転席を探り始めた。
「手がかりが残っていればいいが……これは?」
アラマキは運転手だったであろう首なし死体の足元に何かがある事に気づくとそれを拾い上げた。
それは画面がひび割れたタブレット型端末手のひらサイズのボイスレコーダだ。
アラマキは見つけたそれを注意深く調べる。
タブレット端末の画面が使い物にならない事以外は特に壊れている箇所はなく……バ簡単な修理で直せるとすぐに分かった
「ふむ……行商人達の業務記録用と防犯のために使っていた物か……」
アラマキはその端末をリュックにしまうと手がかりを再び探し始めた
―――――――――――
探索屋達が発見されてから四日後の深夜、S11地区後方支援基地付近の上空を一台の輸送用ドローンが飛行していた。
そのドローンの腹には夜間迷彩を施され、背中に正規軍払い下げの使い捨て式降下用ユニットを外付けしたボディーアーマー型強化スーツと軍用ヘルメットで身を覆ったアラマキが張り付く形で吊り下げられていた。
さらにアラマキの腰には大ぶりな斧とコルトガバメント入りのホルスター、右肩ににはM14自動小銃を提げながら、顔に怒りの表情を浮かべていた
「グリフィンの指揮官がアブノーマルと手を組んで、盗賊の真似事をやるとは夢にも思わなかったぞ」
アラマキは怒気を隠さずに小さく吐き捨てるとS11地区支援基地とそこからは放たれる姿を見せぬソレを睨み付ける
アラマキが見つけたボイスレコーダーとひび割れたタブレットを修理して得た情報と現場の状況から行商人達に何が起こったのかがすぐに判明した
当時、行商人達は道中で保護したはぐれ人形のT65をグリフィンに引き渡すために、S11指揮官の誘導で事件現場へ向かった。
そして、事件現場へ向かった行商人達は、そこで待ち受けていたグリフィン職員に擬態していたナニカ――アラマキがアブノーマルと呼ぶソレの奇襲を受け、行商人とその護衛達は全滅。
その後、アブノーマルによって、トラックに積まれていた貴金属類や高額なレアメタルが詰まったコンテナ数個と行商人達と同乗していたT65を強奪していた
事件の詳細を知ったアラマキはすぐに町の連絡役達と交渉し、積み荷の奪還とアブノーマルを殲滅する依頼を受注する許可と積み荷を奪還するために必要な輸送用ドローンとドローンと奪還したコンテナを運搬するためのトラックを譲り受けた
数日かけてS11地区後方支援基地から少し離れた森林地帯に休息を兼ねて潜伏した後に、町の協力者達と共にS11地区後方支援基地へ行先をセットしたドローンに懸架され、離陸後……今に至る
アラマキを吊り下げたドローンはグリフィンの識別信号を発信しながら、S11地区後方支援基地に到着するまで数分という時にそれは起こった
「よし、降下準備……なに!?」
アラマキを載せたドローンとは別方向の高台から放たれた水色の流星のような一閃が夜空を覆う雲を貫いた直後、大きな爆発音と共にまばゆい光が夜の闇をかき消した
そして、それを合図に鎌を持った死神のような姿をした悪魔のようなナニカが現れ、それと同時にS11地区後方支援基地の周囲に潜んでいた戦術人形達が飛び出し、あっという間に基地の周囲は戦場と化した。
「あの人形達はおそらく、グリフィンの……予定変更だな」
アラマキは腕に巻き付けた小型コンソールを叩くと同時にドローンの懸架ラックのロックが外れると同時に作動させた降下用ユニットの使い捨て用ブースターで落下速度を緩めると同時に手にしたM14で落下地点付近にひしめく悪魔達を狙い撃つ。
アラマキが放った弾丸は悪魔達を正確に撃ち抜き、霧散していく。
そして、アラマキが地面に着地する頃には周囲の悪魔はすべて彼の放った弾丸によって撃ち抜かれて霧散していた。
そして、背中の降下ユニットを脱ぎ捨てたアラマキは、ボディーアーマーのパワーアシストを全開にすると基地部に向かいつつ、今後どうするかを考え始めた
彼の周囲では彼の周囲で起こる常識や法則を無視した戦闘があちらこちらで起こっており、当初の隠密に潜入する計画を変更せざる得なかったからだ
(さて……ここは広域通信で知らせた方が後で楽になるか)
アラマキはヘルメットに内蔵された通信機を起動されると同時に、チャンネルを広域通信に切り替える。
基地への接近する事を阻止するようにアラマキに迫る悪魔達をM14による銃撃で撃ち抜きつつ、通信機から聞こえる声に耳を傾ける
<あの人、U05地区基地所属のハンターじゃない……誰!?>
<あのドローン、普通は人を運ぶ物じゃないよね>
<ノアちゃんも常識外れだったけど……あの人もむちゃくちゃだ!!>
(この混戦と闇夜に紛れ込めばと思っていたが……目立ってしまったか)
アラマキは混乱させたことを内心謝りつつ、この場に立つすべてに宣言するように通信機ごしに語りかけた
「元グリフィン所属のオサム・アラマキだ。ワシも貴官らの作戦に参加させてもらうぞ」
(
かつて現役時代……正確には、あの惨劇ともいえる大事件以降から心を刻み付けた信念を心に秘めながら、アラマキは悪魔達に銃と斧を使い分けながら、悪魔を狩っていく
すべては普通の人達が普通の生活をおくれるようにするために
闇夜に紛れて目立たない様にドローンから降下したアラマキ爺さん、結局目立っちゃいました……参加した皆さま、驚かせてごめんなさい
彼が参戦した理由は、悪魔の殲滅とS11地区基地の指揮官に強奪された積み荷を奪還する事です
その後の彼の行動は、白黒モンブラン氏にお任せします(オイ
で……作中で登場したアブノーマル用語、本編でも登場する概念でもあり……例の北蘭島事件に関連する独自設定の一端を担っています
そして、同時に参戦しているはずのM16A4の活躍は後日……投稿できればいいかなと思っていますが、予定は未定状態です
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