MALE DOLLS外伝集   作:ガンアーク弐式

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あけおめです

今回はNTK氏の人形達を守るモノ(https://syosetu.org/novel/190134/)との大型コラボです
その後日談です


連携救援:FIN

『リヴァイル・ウィッカーマンより全部隊へ。アイソマーの救助、感謝する。また、キミらが得た情報は彼らの悪行を晒すのに充分過ぎるものだ。これらはキミらの協力なくしては得られなかった。イレギュラーにより決して少なくない被害がでたが、これだけは言わせてくれ…本当にありがとう』

「リヴァイルの通信は聞いたな……S07前線基地所属の部隊は各自状況を報告しろ」

 

西行号の砲手席に座るサクラは半ば気が抜けたようにシートに寄りかかると通信機からBB小隊を始めとした人形達の声が車内に響き渡る

 

「こちらM14、BB小隊は私が見る限り全員無事です」

「M16A4、バレッドさんとSDMR共に健在……周囲に残敵確認できず」

「ファルコン、G28、クリークと共に健在だよ」

「ギャパパパ、AGSのチビ達も無事だぜ」

「P228、Gsh-18さんと共に健在」

 

各々の人形達が無事を確認するとサクラはすかさず指示を飛ばした

 

「了解、今から指定するポイントで合流後……撤収する。ジン、西行号を出せ」

 

サクラの指示を聞いたジンが西行号のアクセルを踏み、エンジン音を響かせながら旧市街地を走らせる

車内で揺られながらサクラは砲手席に備わったモニターに視線を向ける

 

モニターは廃墟となったタリンの街並みと戦術人形達、そして、パラデウスの残骸だけが延々と写っていた

それを見たサクラが車内にいる全員に向かって戒めるようにこう言った

 

「今回は勝ったが……これで終わったと思うな」

「え……どういう事っすか?」

 

ハクが不安げに質問するとサクラはどこか憂鬱そうな表情を浮かべた

 

「敵もただ殴られるだけのサンドバックじゃない……今回の借りを返しに必ず行動を起こすはずだ。リヴァイルはどう考えているか知らんが」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

リヴァイルさんの戦闘勝利宣言後、俺とSDMRは集合地点へ急いでいた

だけど、ついさきほどの出来事を思うと勝利への余韻に浸る事ができなかった

 

『咎人M4A1(ルニシア)のメンタルモデルは、ルニシアという人間の娘の心魂を加工して作られた物だ』

 

鉈男モドキの言葉が俺の脳裏から離れる事ができなかった

人間をパーツにしているパラデウスの兵器ならまだ理解できるが、M4姉ちゃんは違う……まったく意味が分からない

 

「M4姉ちゃんが……元は人間ってどういうことですか」

「お兄ちゃん……」

「猫耳おばさんも一体どういうつもりで……うん?」

 

俺の通信モジュールにM4姉ちゃんから通信が届いている事を感知している事に気づき、回線を開いた

 

『A4、話があるのだけどいいかしら?』

「うん……いいですけど」

「分かったわ。話と言うのは私のことについてよ」

「ッ!?」

 

M4姉ちゃんの言葉に俺は言葉に詰まった

姉ちゃんの様子からして、きっと自分が元は人間だったという事に気づいているのは分かった

彼女にどう言えばいいのか分からない俺に変わって、SDMRが口を開いた

 

「M4さん、元は人間だったことを気づいていたの?」

「いえ、私も気づいたのはダンドリ……私に宿っていたOGASが現実世界にアイソマーの身体を得た時に、人間だった頃の記憶を思い出したわ」

「姉ちゃん、その……猫耳おばさんの事を怨んでいない?」

 

俺の質問に姉ちゃんは首を横に振った

 

「いいえ、私はペルシカさんの事を怨んでいないわ。むしろ、自分だけが人形を指揮できる理由が分かったくらいよ」

「姉ちゃん……」

「じゃあ、なぜあのナタ男達があなたを咎人と呼んだ理由も分かるの?」

 

SDMRの言葉に姉ちゃんは半ば確信を持ったようにこう言った

 

「その理由も分かるわ……だからこそ、確証を持つためにペルシカさんに問いたださないといけないわ」

「なにを?」

 

予想外の答えに俺は驚くと姉ちゃんははっきりとこう言った

「私のオリジナルとなった少女の脳データを誰かに渡したのか?と言う事を」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

タリンから遠く離れた地に存在するパラデウスの拠点の一つで男は一台のブラウン管式テレビを半ばつまらなげに見つめていた

そして、テレビの画面が荒い男のシルエットを映し出すと半ば落胆したような声を響かせる

 

「完敗だな……」

「まったくだ……失敗作共とはいえ、グリフィンの手に渡らせたのは大きな痛手だ」

「あぁ、教授の策も私が扇動した処刑人共もことごとく潰されたな」

 

テレビの男の言葉に教授と呼ばれた男は皮肉めいた言葉をテレビに向かって投げかけた

 

「お前の力を使えば、奴らを狂わせる事を容易ではないのかね?」

「確かに、制約が無ければ私も参戦して戦況は大きく変わっただろう」

 

テレビの男は無念をにじませた言葉を漏らすと遠い目で教授の顔を見た

教授はテレビの男ほど残念に感じていないのか、どこか他人事のようにこう言った

 

「つまり、制約すらなければこちら側が勝っていたかもしれないということか?」

「そういうことだ……私が本格的に干渉できれば、ヤツラを発狂させるコトも同士打ちも精神崩壊も自由自在な上に、同士達を増援として万単位で送り込む事も可能だった」

「グリフィンには例の悪魔もいるとの報告がいるぞ」

 

教授の指摘にテレビの男は不愉快な表情を浮かべた

 

「あのヨソモノ共か……少なくともヤツラの好きにはさせなかった」

「だが、現実は貴様らがやった事は、処刑人の扇動と観測機に強度の心理迷彩をかけたことぐらいらいだ。お前らはこの後どうするつもりだ?」

 

教授の苛立ちを込めた言葉にテレビの男は断言するようにこう答えた

 

「今回の一件と概念殺しの屍人の一件で我ら■■■■■■の制約が大規模な改定が行われると主様から託が来た」

「そうなるとどうなる?」

「我らが動きやすくなり、教授への支援の制約も大幅に軽くなる……奴らに教えてやるつもりだ」

 

テレビの男……アブノーマル:異常放送(イリーガルメディア)は白黒の画面からもはっきり分かるほど目を開いて断言する

 

「彼女らの身柄の代金は決して安くないということを教えてやる」

 

 




今回で今コラボ編は終了です
リアルとの兼ね合いで投稿が上手く行かなったのはちょっとした反省点ですね
もう少し頻繁に投稿できればいいかな?と思いましたね

で、コラボで感じた事としては終始パラデウス側がサンドバックにされているという印象を感じました
NTK氏が開催した以前のスミス奪還作戦コラボの時は、化け物にはバケモノをぶつけるんだよ!!的な対応でチートを相殺していたので目立ちませんでした

ですが、今回はグリフィン側に戦力バランスが偏っていたのとパラデウスの打開策が出オチ同然に潰されたせいで悪い意味でチートが目立ったという印象を感じました


最後にオマケとして、ある輸送機内での会話ログを乗せて締めくくろうと思います

会話ログを再生します


機内で二人の老人が映し出されている

??「どうやら、タリンの戦いはグリフィン側の勝利で終わったようだな」
??「じゃな……蜘蛛列車の討伐依頼さえなければ、ワシらも参戦したというのに……タイミングが悪い」
??「オサム、例の作戦だとブラッディマンが目撃されているとの情報もあるぞ」
??「おかしい……ブラッディマンの遭遇場所は刑務所か住宅地であって戦場に目撃された例はほとんどない」

片方の禿げ頭の老人が首を傾げる

??「奴らの狙うのは主に犯罪者……特に死刑の判決が下されなかった殺人犯ばかりだ」
??「上位者が関わっている可能性があると俺は思うぞ」
??「ワシも同じ意見じゃな」
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