MALE DOLLS外伝集   作:ガンアーク弐式

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外伝集第四弾は、NTK氏の人形達を守るモノhttps://syosetu.org/novel/190134/以下複数との結婚式コラボです

上編は、他にもスツーカ氏の指揮官とG3がお送りするドルフロ銃解説https://syosetu.org/novel/179506/ともコラボしています


守護者達に祝砲を:上

S07地区前線基地の近くの飛行場から離陸した輸送機は俺達BB小隊とカスミ指揮官を乗せて、片道二時間ほどの某地区の某所へ向かっていた。

 

と言っても今回は鉄屑狩りや盗賊退治の任務で出撃ではなく、俺達の恩人であるDG小隊の婚式を祝うために、式場へ向かっていた。

具体的には、隊長のバレッドさんとDSR-50のアスターさん、同じくDG小隊のレストさんとノアさん、それに民間人形時代から恋人だというウェイターさんとフィオナさんの三組合同結婚式である。ある意味で常識外れだが、世の中には9人の戦術人形達(全員ボインらしい)と結婚したという指揮官もいるという……

 

ちなみに、後一人のスミスさんは、結婚する予定はまだないらしい。噂だと最近の彼女ができたらしく、スミスさんと仲良くしていた人形達は嫉妬している。

それは

 

もちろん、結婚式に出るのだから、全員がそれなりの正装をしている。男性型人形である俺やリーはスーツ、カスミ指揮官やM14さん達女性陣はそれぞれのパーティードレスに着ている。

と言っても、IOPが提供しているドレススキンに女性陣全員に、特有の物が無いから市販品の物を彼女用に仕立て直した物だけど……M14さんの顔がどこか遠い目で輸送機の窓を見ていた

 

「……バレッドさんが結婚するなんて……それもいろんな意味で相手にならないDSRさんにバレッドさんを……。終わったわ……皆の初恋は今終わったわ」

「元気だしなよ、M14。あんたにお似合いな男の人がきっと出てくるからさ」

「M14さん、元気出して」

「そうですよ……きっといいことがありますよ」

「終わった……皆は初恋はバレッドさんだったんですよ……」

 

落ち込んでいるM14さんを隣に座っているMP5Fさんとパラちゃんこと、AUGパラと俺と同じ男性型戦術人形のリーが慰めるも彼女は、頷くだけだった

 

ふと横を見るとP228さんがブツブツと小さく独り言を言っていた

 

「スミスさんはまだ結婚する予定はない……なら、ウワバミトリガーハッピーからスミスさんを奪取するはずチャンスはまだあるはずだよね

「……P228さんも冷静になりましょうね」

みょん!? ……すいません

 

俺に独り言を聞かれているとはつゆほどに思ってなかったのか、P228さんが謝るも彼女の心情は理解できた

(そりゃあ……憧れの人形が結婚すると聞いたら、こうなるもの無理ないよな)

 

さすがに、見ていられなかったのか、カスミ指揮官は額に手を当てながら、あきれ半分に言った

「お前ら……ここならともかく、式場に着いたらそのお前達の恩人達に失礼がないようにしろ」

 

 

――――――

 

そうこうしている内に、俺達を乗せた輸送機が結婚式場へ到着し、ヘリを降りてすぐに目に映ったのは、銀色にリペントされた鹵獲仕様のプロウラーが警備ロイドのように敷地内を悠々と動き回る光景だった。

 

「あれ……鹵獲機だと思うけど、鉄血のプロウラーだよね?」

「うん、確かにプロウラーだ……なんでこんなところに?」

 

まるで式場の敷地だけが蝶事件前まで時間が戻ったかのように人間を襲う事無く動くプロウラーにMP5Fさんとリーが不思議そうにそれを見ていた

 

そして、その光景は式場の受付に向かう間にも銀色のスカウターが俺達の上空を飛び交い、式場の通路の端端ではSPの恰好したリッパ―達が鹵獲の人形に混ざるように警備する姿に俺は違和感しか感じつつも式場の入り口へ向かうっていると突然、パラが立ち止まるとこういった

 

「ねぇ、指揮官……あの人も結婚式に招待客かな?」

「あの人……彼女のことか?」

 

指揮官が視線を動かした方を見ると反対側の道から正規軍の礼装に袖を通した銀髪の女性が彼女の部下官であろう戦術人形のG3と共に式場の入り口に向かって歩いていた。

そして、彼女達も俺達に気づいたのか俺達の方を見ていた

 

「だろうな……じゃなきゃ、結婚式場の下見に来たという所か」

「でも、あの人どこかで見た事があるよ」

(確かに……あの顔、どこかで見たな?)

 

指揮官がうずき、リーは彼女達を見つめながら首を傾げた。

俺も彼女のどこか半ば作り物のような顔立ちに覚えがあった……確か、S07地区前線基地恒例の座学会で見たような……

 

 

 

 

「クハハハ!! S07地区の()()()という渾名の基地があるという噂は聞いていたが、カスミ指揮官の基地だったのか」

「あなたの配信動画は私の基地の座学会で活用させてもらっているよ、アレクサンドラ指揮官」

(あの教材動画に映っていた講師指揮官だったのか……見覚えがあるはずだ)

 

カスミ指揮官は正規軍の礼服を着た女性……アレクサンドラ指揮官と雑談しつつ、式場に向かって歩いているのをみて、俺は納得できた

どこか作り物を思わせるような彼女の顔立ちに見覚えもあるはずもないもS07地区前線基地恒例の月一座学会で使用される教育動画の発信者は彼女だったからだ

 

そして、やはり俺やリーのような男性型は珍しいからか。アレクサンドラ指揮官の副官のG3さんが俺に声をかけてきた

 

「しかし、DG小隊以外に男性型戦術人形がいたとは驚きました、二人はいつグリフィンに?」

「俺がグリフィンに入社した頃はまだ、民生用人形として……蝶事件の後に戦術人形に転換しました。リーも同じくらいだったよな」

「うん、蝶事件の時に鉄血の暴走に巻き込まれてからすぐに戦術人形に」

「蝶事件……指揮官、あそこが受付のようですよ」

 

俺達の言葉を聞いたG3は申し訳なさそうな表情を浮かべるもすぐに、少し離れた所を指差した

彼女が指差した方向を俺達が見ると受付らしき長机と見覚えのある顔をした二人の男性型人形がイスに腰を掛けていた。

その二人は恩人であるDG小隊のスミスさんと鹵獲鉄血ハイエンドのリバイバーだとすぐに分かった。

そして、アレクサンドラ指揮官とG3は一足先に受付の方に向かう姿と受付の二人を見たP228さんが口を開いた

 

「DG小隊のスミスさんとリバイバーさんが受付係をしているようですね……まだ、チャンスはあるはずよね」

「じゃあ、さっさと軽く挨拶を済ませて受付を済ませて三組の新郎新婦の晴れ姿を見届けようじゃないか」

 

カスミ指揮官はそう言って歩き出すと俺達も受付に向かった。

 

 

 

 

 

そして、スミスさん達に簡単な挨拶と前回の任務でBB小隊の皆を助けてくれた事に礼を言って出席のサインを書く

その間、リバイバーはパラちゃんと話していた

 

「グリフィン本部とかで戦術人形AUGを見る事は何度かあるがよ……こんなにちっこいAUGは初めて見たぞ」

「正確には、私は戦術人形AUGパラ。パラと呼んでほしいの」

「わかったよ……次はパラ、お前さんの番だぜ」

「はい……ここですね」

 

そう言ってパラちゃんはペンを手にすると見た目から想像できないほどの達筆なサインを出席簿に書き込む。

それを見たスミスさんは「おいおい、随分と達筆な字で書くじゃないか」と言葉を漏らした

 

 

そしてリバイバーの妹と名乗る鉄血ハイエンド(?)に案内されて、式場へ向かっているとふと俺の電脳に通信が入った。

送信元は、リバイバーからだった

 

『お前さんの連れのちっさい男性型人形……リーの対応銃のMk16は、()()()()()()()()()()()の別名だよな?』

『あぁ、そうだが……それがどうした?』

『いや、面白い事になりそうだなと思っただけさ……普段は銃とは別の名前で呼ばれていたら、と案外気づきにくいのかもしれないな』

 

電脳内でリバイバーが小さく笑うと電脳通信を切ると俺は俺のすぐ前を歩いているリーに声をかけた

 

「リー、ウェイターにお前の戦術人形としての名前を教えていないけど……よかったのか?」

「僕達はM16とM14さんのオマケだからいいだよ。MP5Fもレストさんに自分が妹だという事を伝えていなかったでしょう?」

 

リーはニッコリと笑うのを見て、俺は笑みを返した。

 

(ウェイターさん……きっと驚くだろうな)

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

BB小隊とサクラが式場の受付の出席簿にサインを書いていた頃、式場から少し離れた場所にある喫茶店の一角で二人のアジア系男達がコーヒーを飲んでいた

二人共60歳程の老人で、楽しく雑談をしていた。

そして、一人の老人の頭共にスキンヘッドであり、もう一人も茶色のハンティング帽を被っている。

 

「事務所に勤めてはや40年……我々も老害と呼ばれてもおかしくない程に年を取りましたな」

「そうじゃのう……最近、部下達からも引退を進められましたがどうもね」

「正規軍の軍人でもない限り、老後の保障は確保されないのが今の時勢ですから……引退するのも勇気がいりますな」

「そうですな……だから、これからは後進の技術者の教育に重点をいれるべきでしょうな」

 

一件すると仲のいい老人達がコーヒーを片手に世間話するのどかな光景にしか見えない。

しかし、()()()()()()()()()()()()()()()()が彼らの会話を聞けば、話内容に違和感を感じたであろう

すると帽子を被った老人が腕に視線を移して、驚きの声を上げた

 

「おっと!! そろそろ孫達との約束の時間が近い……これで失礼するよ、オサム」

「そうか……じゃあな、ダイスケ」

 

オサムと呼ばれたスキンヘッドの老人がダイスケと呼んだ帽子の老人が喫茶店を出るのを見届けると彼は店内のトイレに入った

そして、便座に腰を掛けると彼のズボンのポケットに手を入れるといつの間にか入れられていた紙切れを取り出し、それを広げた

 

 

その紙切れには鉛筆らしきものでこう書かれていた

 

 

発見したマンホールの内三つはすでに施工済みで、

残り一つは花屋が営業中、

工期に影響なし

アマノジャクの頭は手足の動きに戸惑いを隠しきれていない

白の騎士は相手の手を読み、駒を密かに動かし始めている

 

 

 

それを見たオサム……元グリフィン所属旧G01地区前線基地司令官、オサム・アラマキは紙片の文章を読むと小さく呟いた

 

「ペルシカ……過激派だけを見ていたら、足元をすくわれるぞ」




結婚式の受付まででとりあえず、上編は終了です
次の下編では、他の出席者とDG小隊面々への祝いの会話を中心に描写したいですね

以下余談
後、最後でアラマキ爺さんが登場しました
アラマキ爺さんもDG小隊の結婚式をぶちこわしにしかねない奴らを警戒して、式場の近くに紛れ込んでいます

ですが、アラマキ爺さんが警戒しているのは過激派ではありません
むしろ、過激派もアラマキ爺さんが警戒している奴らのある意味で犠牲者と解釈しています

そもそもこの結婚式コラボ関連(ポンコツ指揮官の 「(過激派)ボコボコ作戦です!」とコラボ元のCode-58)を読んだ際の過激派の動きに違和感を感じたのが始まりです

そこから、「ナニカが自身の手駒を潜ませるために秘密工作に過激派を利用したのでは?」と解釈し、アラマキの手紙のシーンが出来上がりました

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