執事が大好きなお嬢様は、どうにかして執事に構ってもらいたい。 作:龍宮院奏
朱那:「何だ?」
みさ:「あの小娘達の中でどの子が好みなの?」
朱那:「ぶっ!は、はぁ!な、なな、何でイキナリそうなるんだよ!」
みさ:「あら、そんなに慌てふためくこと?」
朱那:「いや、お前の口からそんな言葉が出てくると思ってなかったから」
みさ:「ふ〜ん、で、誰なの?」
朱那:「いや、誰って…。相手はまだ高校生だぞ」
みさ:「そう…、なら大人にして考えてみたら?」
朱那:「う〜ん…、そうだな」
朱那(心の声):「湊は直感的に何か怖そう、今井は家庭的そうだから良いだろうな」
「大和は気配りできそうだから良いな、瀬田は…イケメン……」
「氷川姉は何か厳しそう、日菜は言うまでもないな……」
(二人の時のかまってアピールが激しそう)
朱那:「結論から言って、今井か大和だな」
みさ:「そうなのね…。ねぇ、私は?」
朱那:「え、掃除が頑張るなら考えるけど」
みさ:「何でそう否定的なのよ!」
朱那:「え、駄目なの?掃除さえ出来れば後は良いと思う、って意味だったのだが…」
みさ:「(顔発火)こ、このバカ!」
朱那:「だから何で怒られるの!」
朱那*みさ「本編スタートです」
みさに言われれるままに、逃げるように風呂に入った。脱衣所に有ったみさの洗濯物を洗濯機に放り込み、洗剤と柔軟剤を入れてまわす。
「っつ……」
体を入念に洗い、『雌の匂い?』を落とす。入念に何回も洗った後に、張っておいた湯船に浸かる。浸かると共に体の疲れがほぐれていく感覚と、右頬に先程のビンタの衝撃の残像を感じた。
「俺は悪くないのに……、あんな所に下着を置いておくのが悪いんだから……」
湯船に潜り、ぶくぶくと泡を立てながら体を温めた。
「こ、これを俺に着ろって言うのか……」
風呂から上がると、タオルと一緒に大きな布が被せられたカゴが置かれていた。被せられていた布上には、
『着替え置いておくわ、これを着て来なさい』
と大きく書かれた紙が一枚乗せてあった。
体を拭きながら中身を確認してみると……。
「あら、どうやら上がったみたいね」
ルナが綺麗に掃除してくれたリビングで、小娘達と待っていると風呂場からドライヤーの音が響き渡る。
「小娘、これが《本当の契約者》の関係だから出来るのよ」
先程から私を睨む小娘・日菜を睨みつけながら言う。
「朱那は私の執事です、貴女のものじゃありません」
すかさず反論が帰ってくるも、私には痛くも痒くもない。だって……。
・・・
「ネェ!どうしてアタシがこんな格好をする必要があるのよ!」
廊下から勢いよく踏み込んでくる足音と、朱那の声が聞こえてくるけど……。なんだか何時もと違って、口調がおかしい……。
扉が勢いよく開かれ、そこに現れたのは、
「みさ様の執事、グ○ル・サトクリフでごさいマス★」
真っ赤に染まった腰まである長い髪、黒の瞳から透き通る黄緑の瞳になって赤の縁取りのメガネ、赤のジャケットをだらしなく羽織った状態の執事服の……。
「なぁ……、もう良いか……。日菜はまだしも、氷川姉やみんなの視線が辛いんだが……」
そう朱那が登場しました。
「アハハハ!最高過ぎる…ちょっと待ってアハハハ!」
俺が頑張って、頑張って渾身の演技で、恥をしのんで演ってきたのにコイツ……。
「朱那……」
あ……、やばい、今度はこっちのお嬢様の瞳から光がシャットアウトされてる。やめて、そんな瞳のまま近づかないで!
「何今の?何で今『みさ様の執事』って言ったのかな?ねぇ、ねェネェネェネェ?」
グッと腕を掴んで顔を極限までに引き寄せられる。
「そ、それは……」
こっちのお嬢様にも恐怖を覚えて居ると、
「おい小娘、何私の契約者に触れてるんだよ……。離れろ、イマスグ・・・」
助け舟は助け舟だけど、みさからも殺気が飛んできた。
「だから…、何度言ったら分かるんですか。朱那は私の執事なんですよ、貴女の契約者じゃありません」
みさからの殺気に、同じく殺気を飛ばす日菜。
近づいてきたみさにいきなり腕を引かれ、よろけたところを捕まえられた。
・・・
「コイツは『私の契約者』なの、貴女みたいな小娘がルナをものに出来るとでも」
捕まえられたのだが、耳元で、
『これ以上手間を掛けされるなら……、私にも考えがあるわよ』
「何を……」
『別に……、貴方は気にしなくて良いのよ……』
囁いた後に、ペロッと耳を舌で舐められた。舌の感触と、恐怖で全身の毛が逆立ち、武者震いが走った。
「朱那……」
振り返ると、日菜から今まで以上のどす黒いオーラが出ていた。
「さてと……、ルナ。私、お腹が空いたわ」
「唐突だな」
今の今まで殺気を飛ばし、俺をおど……頼んでいたのとは真逆の言葉が出てきた。
「分かったよ。じゃあ今から作るか」
「口調はグ○ルのままでね」
「何でこうなるのかしら……」
溜め息を付きながら、言われ通りにする。
「よろしい……」
満足したのか、久しぶりに笑顔を見せる。
「じゃあ、アタシは今から作るから。何かすることがあるんでしょ」
「えぇ……、仕事が残っているもの」
仕事をするなら一回みさが部屋を後にする、それで一度日菜と話し合いを、
「でも、今は仕事をする気が起きないから。ここでゆっくるしてるわ」
神様、今回の試練は厳しすぎませんか。ねぇ、日菜のオーラがどんどん暗黒化してるよ。
「わ、わかったわ……。それじゃ、何か飲み物でも入れるわね。日菜達は何が良いの?」
「何があるの……」
瞳が変わらずブラックホール状態のまま。
「コーヒーか……、紅茶なら……」
「じゃあ紅茶……」
「わ、分かった……」
普段が天真爛漫、太陽のような笑顔をしている日菜であるだけこういう風に黙られると怖い。
「湊は?」
「私は紅茶で」
この格好でも湊は変わらずに接する。
「今井は?」
「私は友希那と同じので紅茶でお願いします」
苦い笑いを溢しながら、答えを返す。
「大和と瀬田も紅茶か?」
「自分はコーヒーでお願いします」
「私は紅茶で」
「大和はコーヒー、瀬田は紅茶な了解」
全員分のコップを出し始めながら、
「氷川姉は?」
「では私もコーヒーで」
日菜ほど不機嫌では無いようだが、何故か氷川姉からも不穏な空気を感じる。
「ねぇ、私の分は無いの?」
自分の分だけ飲みの物のリクエストを聞かれないことを不満に思ったみさが口を開く。
「貴女は何時もので良いんでしょ…」
お湯を沸かし、紅茶とコーヒーを作りながら別の容器を取り出す。
「分かってるじゃないの、なら何時もどおり美味しくね」
「はいはい、分かっているわよ」
変わらずに注文が多いな、と思いながらも全員分の飲み物を出す。
「日菜、湊、今井、瀬田は紅茶だよな。一応、砂糖か蜂蜜な」
淡い緑色のカップに入った、ほんのりと赤い色の香りが良い紅茶が出された。自然と一緒にシュガーポットと、蜂蜜の入った瓶も出された。
「それで、こっちは氷川姉と大和のコーヒーな」
お姉ちゃんとま〜やちゃんには深みがかった青のカップに入った、真っ黒で香ばしい香りのコーヒーが差し出された。
「砂糖とミルクは置いておくから」
そう言うと、カフェとかで付いてくる小さなミルクの入った容器まで出されたのだ。凝っている……。
「それで……、みさはこれで良いのよね……」
不満げな顔しながらカップを出す。
「ルナ特性カフェラテ・クリーム増し増しVer.CATね」
「ありがとう、あら?」
出されたカフェラテを見て驚きの声が上がる。
「今日は猫なのね……、相変わらず上手いものね」
「…誰だよ、俺にやれって言ったの…」
スマホでラテアートの猫を写真に収めていた手が止まり、
「何か言ったかしら…?」
目だけが笑っていない、満面の笑顔を向けられた。
「あ…、何でも無いです…」
この地獄耳め……、デ○ルマンかよ……。
「ルナ、貴方あとで罰ね」
「え、何でよ!」
流石に理不尽すぎやしませんか!
「今心の中で私の悪口言っいたでしょ」
何故バレた……、というか人の心を読むな!
「ほら、また言ってる……」
「い、言ってな、無いからな……」
適当に目線を反らしながらごまかし、このままだと拉致が開かないので、
「じゃあ、アタシは料理作っちゃうから」
早めにキッチに逃げることにした。
「あ〜あ…、行っちゃった……」
少し虐めすぎたかしら?でも、これは契約者として当然のことなのだから。
それにしても、ルナが作るカフェラテは何時も甘くて、疲れた体を優しく癒やしてくれるのに……。全く癒やされない。それどころか、イライラしてくるわ。分かってる、原因はきっと……。
私の目の前に座っているこの小娘・日菜のせいだ。
全く持って理解できない、私という契約者が居ながら何でこんな小娘何かの執事に成っているのかしら。本当に腹立たしいは、どうしてやりましょうか……。
「あの〜……、日菜さん……」
「何?ま〜やちゃん?」
朱那の入れてくれた紅茶を飲んでいると、ま〜やちゃんが心配そうな顔で話しかけてきた。
「あの『みささん』から凄い殺気のような物を感じるんですけど……」
一度視線をみささんに向けると、声には出さないけれど怖がっていた。
するとみささんは突然立ち上がり、部屋を後にしてしまった。
「「「あ〜……、怖かった……」」」
部屋からみささんが出ていった瞬間、キッチンから朱那のうめき声が上がる。重なるようにして、りさちーとま〜やちゃんも声を上げる。
「ごめんな、最初から色々気まずくて……」
キッチンからフラフラと朱那が歩いてくる。
「あ”〜……」
椅子に座ると共に、よほど疲れていたのか凄まじいうめき声を出しながら、自分の分のコーヒーを飲み始めた。
「何時もは”もう少し”優しいんだけどな」
コーヒーを一口飲むと、すぐに『みささん』の話を始めた。
「今日はどうにも機嫌が悪いな……、まぁ俺の所為なんだろうけど」
「朱那の所為じゃないよ」
慰めになるようにと声を掛けながら、机にうつ伏す朱那の背中を擦る。
「おぅ……、ありがとう……」
先程よりは元気があるように聞こえるけど、やっぱり覇気がない。
「あの一つ聞いてもいいですか?」
ま〜やちゃんが飲んでいたカップを置いて、朱那の事を真剣な眼差しで見つめ、
「ここに来てからみささんが言う《契約者》って一体何なんですか?」
私も気になっていた事を聞いてくれた。
「え、あぁ……。う〜ん……」
ま〜やちゃんの質問を受け、少しだけ考え込むように間を置いてから、
「簡単に言えば《仕事のパートナー》って意味だけど……。
それじゃ格好良くないから《契約者》ってしただけだよ」
あまりにも気の抜けた回答が帰ってきて、全員が飲み物でむせ返った。そんな私達の反応を見て、クスッと笑みを浮かべる。残っていたコーヒーを飲み干して席を立ち、
「じゃあ、夕飯作るから。今井達も来たんだから食べていくだろ」
真っ赤な長髪を頭のてっぺんとはいかないが、割と高めの位置に結びながら聞いてきた。
「良いんですか?だって、私達が居たら何かと」
今井が早速提案をやんわり断ろうとするが、
「多分、今下手に帰れば『これで邪魔者は居なくなったわ』って言いながら何しでかすか解らないから……」
自分の身の危険もあるので、帰るのを呼び止めてしまった。
呼び止めに、一瞬驚いたようだったが、
「わかりました、漆月さんの生存率を上げるために残りますね…」
「本当に、本当にすまん……」
何とか了承を得て、俺の生命の危機は少しだけ回避された。
「それじゃあ、今から作るから。日菜」
「何…?」
不機嫌そうなのは一向に変わらないものの返事をする。
「このカツラ、毛量多くて暑いからさ。結ってくてくれるか?」
自分でもやろうと思えば出来るんだが、どうにも上手くいかないのだ。
「……、仕方ないな〜」
不機嫌そうな顔が少しばかりほころび、日菜の顔に笑顔が宿る。
「これヘアゴム」
服のポケットに入っていたゴムを渡し、俺の後ろに回り込んで髪を結う。
「あ、そうだ朱那」
「何だ?」
「帰ったら、オシオキネ……」
「……」
来ました、本日二回目のお仕置きの脅迫文。ねぇ、俺が悪いわけ?まじでさ!
心の中で、声に成らない叫びを上げ続けていると、何時の間にか、
「はい、出来た!料理、楽しみにしてるよ」
「お、おう。ありがとうな……」
しっかりと頭の上で髪を綺麗に結うのが完成していた。日菜の機嫌をなだめるために、頭を撫で回す。
「はぁ……」
満足したようで、先程よりは笑顔が戻る。
「じゃあ、作ってくるわ」
撫でる手を止めて、リビングからキッチンに向かった。
朱那が頭を撫でるのをやめて、料理を作りにキッチンに向かっていってしまった。本当だったら、もうちょっと頭撫でてほしかったけどな……。でも、帰ったらちゃんと教え込んでおいた方が良いのかな。
それとも先にあの邪魔なみささんを消したほうが良いのかな?まぁ、どっちにしても……。
「朱那は私の執事なんだから……」
料理を作る間、度々日菜達の方を見ていたけれど、ずいぶんと仲が良いんだなと思った。氷川姉は湊と今井とバンドの話をしていたり、日菜は大和と瀬田とある人物の話で盛り上がっていた。
「楽しそうで何よりだよ……」
そんな日菜達を見て、心の何処かで羨ましいと思ってしまう自分が確かに居た……。
料理が大分終盤に近づき、後は盛り付けるだけなので一旦みさの様子を見に行くことにした。
「みさ、入るわよ」
扉をノックしてから、返事が無いのは何時もの事で勝手に部屋に入る。
部屋に入ると、電気を点けていなかったようで部屋中が真っ暗だった。慌てて携帯を取り出そうとすると、
「あんな小娘の何処が良いのよ……」
「えっ?」
背後から声が聞こえたと思ったら、何かに背中を押されベッドであろう物に倒れ込んだ。
「ルナ、貴方言ったわよね。私と契約する時に、誓ってくれたわよね!」
仰向けに倒れ込むと同時に、腹の辺りに急激な重みを感じ、みさの声がぐっと近づいて聞こえた。
「なのに、ナノに、ナノニ!どうして、どうして私だけ見てくれないの!」
「私の絵に惚れ込んだんでしょ、私の努力の結晶に惚れ込んだんでしょ、私の全てを注ぎ込んだモノに惚れたんでしょ……」
暗闇の中からみさの腕が現れ、胸ぐらを掴んで引き寄せられる。
「だけど……、何度も何度も、私が貴方を『怖がって』、『信用出来なくて』、試すように突き放して……」
引き寄せられる手が小刻みに震える、同じようにみさが紡ぐ声も震える。
「それでも、それでも、来てくれて……。『俺は、俺はお前のイラストが良いんだ』って言ってくれたじゃない……」
掴みかかる手の上に涙の粒が、一つ、二つ、次々に零れ落ちていく。
「ねぇ、朱那……。私は、私はもう要らないの……」
「俺にとってお前は史上最高の神絵師だ。俺が見てきた中でも最高に、最高に、キャラに輝きを持たせてる」
「一目見て解ったよ、『あぁ、この絵の中の子は生きてる』って……。今にも声を発して、元気よく動き出しそうだって」
「だからお前と契約を結んだ。初めて本を出版するって成った時も必死にお前に頼み込んだ」
「何度も、何度も突き放されて、ダメ出しを食らって、馬鹿にしたような口を叩かれて……」
見えてしまったんだ、暗闇の中ではっきりと……。泣いて、大粒の涙を零す、俺の契約者を……。
「それでも、何としてでもお前に描いて欲しくて諦めなかった……」
「なぁ、みさ……。俺は、俺にはお前が必要だ……」
静かに、そして暗闇の中でも見えるみさの目を見ながら告げた。
「じゃあ何で、あの小娘の執事に成ってるの……」
膨れた顔で、今日ここに来た時よりも、落ち着いた声で聞いてきた。
「う〜ん、何か誘拐してまで俺の小説を読みたいって言われたから?」
日菜からの提案を聞いた時の心情をそのまま伝える。
「貴方、本気で馬鹿なの?」
呆れた声で、睨んでくるみさ。
「あはは……、だって何か面白そうだったから。ネタに成りそうだし……」
呆れるみさを放って、笑ってしまう。
「何で私はこんな奴を……」
言葉の最後の方に何か別の言葉が続いているような気がしたが、上手く聞き取れなかった。
だから聞き取れる範囲の言葉に対して、
「そっくりそのまま返してやるよ」
と、今まで散々扱き使われた恨みつらみを、仕事で詰まったりした時に励ましてくれた事を思い出して。
「な、なな……。貴方、本気でそう思ってるの!?」
急に顔を赤く染めるみさ。
「何がっ!」
「解ってないなら、言うな馬鹿!」
言葉を遮るように、掴んでいた胸元を手放し急に倒される。押し倒されると、みさの顔が首筋に向かってい……。
「っつ!」
突如として、痛みと得も言われぬ感覚が伝わる。
「マーキング……、キスはまだ無理でも、歯型なら私のモノって証明できるから。しっかり残させて貰ったわ」
マーキングされた(噛まれた)所を触ると、微かに血が付いていた。
「お前……、血が……」
「えぇ、美味しかったわよ」
悪びれもせずに、指を口元に当てて悪戯な笑みを浮かべる。
「これで貴方の血は私の中で巡る……、本当の意味で《契約》が完了したわね」
「おいおい、まじかよ……」
日菜に耳を食われて、今度はみさに血を吸われるとは……。
「それじゃ、改めてよろしくね。私の《***契約者》」
頭の中でマーキングされた事を考えて居たのだけれど、最後に言った契約者の前の言葉だけが聞き取れなかった。
「みさ、お前今何て……」
尋ねようとすると、部屋の電気を点けられた。暗闇の中でやり取りをしていたので、突然の明かりは目にしみる。
明かりに目が慣れ、ようやく何時もどおりの調子を取り戻すと、
「ほら、何時までも私のベッドの上で寝てないでいくわよ」
扉の前でえらく上機嫌で、あの頃の笑顔を見せていた。
「やっぱ……、お前はその方が良いって……」
決してみさには聞こえない、ただ自分だけに聞こえる声で呟いた。
「ル〜ナ〜!」
「はいはい、今行きますよ」
俺が《契約》した『もう一人のお嬢様・茨姫』は、ほんの少しだけ棘を無くしたようで、
「ふふっ!」
俺が側によると、何故か左腕にしがみつき、幸せそうに笑うのであった。
湊:「今回の後語りは私達みたいよ」
今井:「わ〜緊張する〜、友希那は緊張しないの?」
湊:「私?緊張するも何も、まずここでは何をすれば良いの?」
今井:「(おっと、そこからか…)基本的は本編について語るとか?」
湊:「本編について…わかったわ」
今井:「良かった〜、それじゃあ今回はだいぶと漆月さん大変そうだったね」
湊:「えぇ、あれでよく《契約》が成り立っていると思うわ」
今井:「あの二人、本当に仕事だけの意味で《契約》してるのかな?」
湊:「さぁ、それは本人達以外は知らないほうが良いということじゃないのかしら?」
今井:「友希那がそう言うなら」
湊:「それより、リサはあれを見たのかしら」
今井:「え、何を?」
湊:「あのラテアートの猫よ!」
今井:「そう言えば有ったね」
湊:「私が見たのは、ほんの一瞬だったけど…。あれは神業よ」
今井:「そ、そんなに!」
湊:「えぇ、絶妙なまでの配色具合、毛並みの艶、瞳の潤いまで再現されていたわ」
今井:「友希那、それ話盛ってない?」
湊:「そんな事はないわ、あれは完璧な猫だったわ」
今井:「そんなに凄かったんだ…。今度作って貰おうよ」
湊:「まぁ、リサがそう言うなら…」
今井:「じゃあ、今度二人で頼みに行こうね」
湊:「えぇ、そうしましょう」
湊*今井「「それでは次回もお楽しみに」」
ご閲覧していただきありがとうございました。
感想などお待ちしております。。