模型戦士 ガンプラビルダーズビギニングC   作:にくキャベツ

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Cパーツ キャスバル専用ガンダム

「爆熱! ゴッド……」

 

「アッガイフィンガー!」

 

 ゴッドフィンガーを放とうとしたゴッドガンダムをシャイニングアッガイ風のカスタムをしたアッガイが殴り飛ばす。きりもみ回転しながら岩場に突っ込んだゴッドガンダムは爆散した。しかしゴッドガンダムを倒したアッガイは背後の海辺から飛び出すマーメイドガンダムに気付かなかった! 奇襲により頭部を粉砕されたアッガイはそのまま大海へ投げ捨てられ撃破された。

 

「上手くいってくれよ!」

 

 その頃雪山では重武装に改造されたザクⅡ改がバックパックに搭載されたミサイルポッドでホワイトディンゴ隊仕様のジム二体を吹き飛ばす。が、その隙にジムスナイパーⅡに接近されビームサーベルでバックパックを破壊されるも、ステイメンから移植したフォールディングアームでヒートホークのリーチを伸ばし、ジムスナイパーⅡを叩き斬る。宇宙ではブレイヴとリゼルが壮絶な機動戦を繰り広げる。放たれるビームライフルの光線を避け宙返りのような軌道で振り向いたブレイヴがドレイクハウリングから放たれる極太ビームの一撃でリゼルの変形機構を破壊し、GNキャノンで蜂の巣にして破壊するも、その直後に現れたデンドロビウムにブレイヴは無慈悲に蹂躙され撃墜された。

 

「これが……ガンプラバトルの大会か……」

 

 それをパソコンに映された映像から見ていたシャアは驚きの様子で言葉を漏らす。

 

「大尉、これに参加するなら付き合いますよ? 僕の仕上げてきたZガンダムを見せてあげます」

 

「……いや、いい。私はソロで出る。一人でアムロを倒さない限り私はガンプラを極めたとは言えんからな」

 

「それなら、僕はファとエマ中尉あたりと一緒に出ますよ」

 

「あぁ、奮戦を期待している」

 


 

 ガンプラバトル選手権会場。そこはお台場ガンダムベース東京のバトルゾーンの中でももっとも巨大な部屋であるAルームで行われる。その他、Aルームのみでは筐体が足りなくなった場合他の部屋のポッドとも同期が行われる。そんな巨大な戦場の一角では、ウィンダム風の改造が施されたストライクとアストレイレッドフレームが戦闘を行なっていた。ガーベラストレートを振るうレッドフレームだが、ストライクに容易にかわされ胴体に蹴りを受け、怯んだ隙に胴体にサーベルを受け真っ二つにされ、撃墜される。勝利を収めたストライクだが、編隊を組んでやってきたメビウスゼロに抵抗する隙もなく穴だらけにされ爆散する。そんなメビウスゼロも先ほどブレイヴを蹂躙したのと同じデンドロビウムのメガ・ビーム砲にまとめて吹き飛ばされる。そんなデンドロビウムに対抗すべく現れたのはサイコガンダム。拡散ビーム砲を放つもI・フィールドに防がれ、爆導索により撃破される。さらに放たれたマイクロミサイルコンテナにより必死に抵抗を続けていたトールギス、トールギスⅡ、トールギスⅢがまとめて吹き飛ばされ、追い討ちのように放たれるメガ・ビーム砲でクシャトリヤとクィンマンサのコンビが消し飛される。このデンドロビウムだけでどれだけ殺戮してるんだってものだがそれに対抗するように現れたザクレロの口のの中にザクが入ったザクレロザクとでも言うべき謎の機体がミサイルを放ちオーキスのコンテナを破壊、さらに接近して本体を破壊しようとするもオーキスを乗り捨てたステイメンがザクに組付き殴りかかる、しかしそれを振り払ったザクがすぐさまにヒートホークでビームサーベルを持ち斬りかかるフォールディングアームを斬り落とし、そのまま本体を真っ二つに斬り裂き撃破する。が、周りの機体共々ライザーソードを受け爆散した。

 

「今回は俺のダブルオーライザーも完璧だ、行くぞ沙慈」

 

「……なんで僕を連れてきたんだよ刹那……」

 

 ライザーソードを放ったのはダブルオーライザーに搭乗した刹那だった。どうやら今度は前回の敗北を生かし様々な改良を施しているようだ。

 

「次はあいつをやるぞ沙慈!」

 

「……本当にアレ倒せるの?」

 

 続いてダブルオーライザーはネオジオングに挑み掛かるのだった。

 


 

「クワトロ大尉はまだ来てないのか?」

 

 その頃カミーユのチームはファのメタス、カミーユのZガンダム、エマのガンダムMk-Ⅱ、そしてカツのGディフェンサーという掟破りの四機編成で大会に臨んでいた。四機編成が許されたのはGディフェンサーがMS、MA扱いではないためである。この類の支援機は基本の三機の他に一機エントリーすることが可能だ。と、そこで謎のモビルスーツが襲来する。ヅダだ! 

 

「ファ!」

 

 ヅダの高機動に翻弄されるメタス。それを助けるためウェイブライダー形態に変形するZガンダム。が、ウェイブライダーではヅダを捉え切ることは出来ずシュツルム・ファウストで変形を強制的に解除させられる。

 

「カミーユ! 下がって!」

 

 ヅダを撃破するためMk-Ⅱに合体しスーパーガンダムとなるGディフェンサー、ロングライフルでヅダに対し射撃するも当たらない。あらゆる手を尽くしても攻撃が当たらないようなヅダに対してカミーユが取った手は……

 

「ビームコンフューズ!」

 

 サーベルを使いビームを拡散させるビームコンフューズだった。流石にこれは避けきれずヅダは怯み、その隙に放たれたロングライフルに撃ち抜かれ撃墜された。ヅダを撃破したカミーユのチームは次の戦場へ向かおうとするも……カツの乗ったGディフェンサーのコアファイターがビームの濁流に飲み込まれ爆発する。

 

「あれは……クワトロ大尉の!?」

 

「待たせたなカミーユ。私に見つかった不幸を呪うがいい」

 

 そこに現れたのは赤いRX-78。それに加え各所にクリアパーツが配置され、カスタムされている。

 

「そのパーツは!?」

 

「私が一からスクラッチしたクリアの新パーツ……その名もサイコ・フィールドユニット! これを作るために徹夜したぞカミーユ!」

 

 赤いRX-78、キャスバル専用ガンダムのライフルから緑色の暖かな光に包まれたまったく暖かくない殺意しかないようなビームが放たれる。メタスを一撃で破壊し、その後ろで戦っていた大量の機体も同時に消し飛ばす。

 

「ファがやられた!? 大尉、仕上げて来たか……!」

 

 Zガンダムの左腕のミサイルランチャーから放たれるミサイルをサイコフィールドで弾き飛ばす。同じように放たれるロングライフルも光に弾かれキャスバル専用ガンダムには届かない。

 

「ロングライフルが効かない!?」

 

「今度は私の番だ!」

 

 そしてライフルに力を溜め……その先端からビームの濁流を発し、鞭のようにしならせ振るう。それにより周りのモビルスーツ、モビルアーマーがゴミのように蹴散らされていく。エマのスーパーガンダムもその波に飲み込まれ撃破された。

 

「どうだカミーユ、後はお前だけだ」

 

「なんて威力だ……当たったらひとたまりもないな」

 

 変形しビームを振り切るZ。一瞬で変形しビームサーベルで斬りかかる。が、それをライフルから放つビームをサーベルがわりにしたガンダムが防ぐ。振り払われサーベルを落とすZガンダムを巨大なビームで撃ち抜き、Zガンダムは爆散した。

 

「……やられたか……クワトロ大尉があんなパーツを用意していたなんて……」

 

「一瞬でも気を緩めればやられていたな……」

 

 カミーユチームを撃破したシャア。続いてアッシマーとジムスナイパーⅡ、Ez-8が強襲する。

 

「覚悟しな、赤い彗星!」

 

「あの時の三人か……!」

 

 アッシマーが大型ビームライフルで攻撃するも、その攻撃は全てサイコフィールドに防がれ、Ez-8のマシンガンも、ジムスナイパーⅡのスナイパーライフルも軌道が逸れる。

 

「何!? ビームも実弾も効かないのか!?」

 

 そしてサイコフィールドにより束ねられたビームを鞭のように振り、三機をまとめて撃墜する。

 

「これならアムロにも……」

 

「呼んだか?」

 

 それに惹かれるようにフォーエバーに搭乗したアムロも現れ、サイコフィールドに包まれたキャスバル専用ガンダムにビームライフルを放つが、通用しない。反撃に圧縮されたビームを放ち、フォーエバーのシールドを破壊する。

 

「成る程、小手先だけじゃないようだな」

 

 それを受けアムロはフォーエバーの背部にある砲台を切り離し、ファンネルとして射出。それによるIフィールドバリアで鞭のような攻撃を弾く。

 

「なるほど、それはサイコフィールドか! ……ならこれでどうだ!」

 

 ガンダムハンマーを取り出すフォーエバー。強力な質量兵器のためサイコフィールドを突き抜け、ガンダムの盾を破壊する。盾がなくなったところを見計らいファンネルが攻撃を仕掛けるも、サイコフィールドで形成したシールドで防ぐ。

 

「サイコフィールドはなんでもありか?」

 

「あぁ。ほとんどなんでもありだな」

 

 そのような会話を交わしながらこのエリアの中心であるア・バオア・クーに向かう。サイコフィールドで光の翼のようなものと球体状のバリアを生成し、岩肌を削りながら飛ぶキャスバル専用ガンダム。それにより巻き上げられた岩を躱しながら接近するフォーエバー。

 

「もらった!」

 

 ビームを圧縮するためにバリアを解除した一瞬の隙にファンネルのビームがキャスバル専用ガンダムに直撃する。それを受けたキャスバル専用ガンダムは爆発しパーツが飛び散る……が。その飛び散った装甲の中から現れたのは、シャア専用ザク。

 

「何? 中からザクが……!」

 

 飛び散るガンダムのパーツがそれぞれサイコフィールドを纏い、周りの参加者やフォーエバーのファンネルに激突し爆発していく。

 

「アムロ!!」

 

 叫びながら、唯一残ったガンダムのパーツであるバックパックからサーベルを抜くシャア。それに対し、腕からサーベルを抜くアムロ。

 

「ここまで楽しいのは久しぶりだぞ、シャア!」

 

「あぁ、ガンプラというのは楽しいな! それにこんなにも奥深く、そして面白い!」

 

 お互いのサーベルがぶつかり合う。そこに、宇宙世紀にあったしがらみなどはなかった。ただそこには、目の前の勝負を楽しむ男たちの姿があった。そして大会の巨大なモニターにはその勝負が映し出され、ビルダーが、そしてギャラリーがその熱い戦いを見守っていた。

 

「アムロ!!」

 

「シャア!!」

 


 

 一年後。ガンダムベーストウキョウのビルダーズゾーンには、シャアのシャア専用ザク、アムロのフォーエバーガンダムが並べられるようになった。

 

「……これを……シャアが? 僕にも作れるか?」

 

「……もちろんだ、ガルマ。今度はララァやハマーンも呼んで、みんなにガンプラの面白さを教えてやろう。私も一年前は初心者だったんだからな。ガンプラの栄光を、君に」




模型戦士ガンプラビルダーズビギニングC
堂々の完結!

〜次回作予告〜

「俺たちがガンプラの王になる。これはこれ以上ない俺たちの上がりじゃねえのか?」

鉄血のビルドファイターズ・開幕!
マジメだったビギニングCとは心機一転!
全力でふざけていく方針でいきます!
原作ビルドファイターズとは異なり、ビギニングCと時系列が繋がる予定です。次回作も、君は生き延びることができるか?

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