ビルド NEW WORLD~Masked Rider Lyricar Build~ 作:ミノル
龍「プロテインの貴公子、万丈龍我は誘拐犯からすずか達を助けてからジュエルシードを探しに廃工場に向かった。そこにはとっくになのはとフェイト、戦兎達が来ていた。そこになんかいろいろ機械を取り込んだジュエルシードの異相体…だっけ?が出てきたから戦うんだけどツエーのなんの…」
な「なんで今回、龍我さんがあらすじ紹介を?」
龍「ほら、戦兎の奴ハザードトリガー使って今暴走してるだろ?それで今回来れないから代理でな。…そんでその戦兎を止めるために俺は銀色のドラゴンのボトルで銀色のクローズに変身したんだよ。」
な「一体これからどうなるのでしょうか?それでは第9話、始まります!」
俺は銀色になったボトルを使って銀色のクローズに変身した。
「ぐっ…うっ…ああっ!?」
その瞬間、身体中に激痛が走る。
強制解除から間を置かずに変身した負荷だ、けれど!!
「ぐっ…うう…はあぁっ!!」
んなもん気合いではね除けて俺は暴走したビルドに向かう。
「うおりぁぁっ!!」
そして何度も殴り合う。さっきまでは苦戦してたけど、この銀色のクローズになってからは互角だった。いや、それどころか少しずつ押し始めてる。
そりゃそうか。ビルドは…桐生戦兎は、誰かの為に必死で戦うからつえーんだ。今のハザードトリガーで自我のないこいつじゃ俺に敵うわけねえ。
「兵器のビルドじゃ…ヒーローのビルドは越えらんねえんだよ!!」
俺はビルドを思いっきり殴り飛ばす。そしてドライバーのレバーを回す。
『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!…』
ビルドの方もレバーを回し始める。
『『Ready go!』』
『ドラゴニックフィニッシュ!』
『ハザードフィニッシュ!』
俺は銀色の炎のドラゴンを右手に取り込んで、アイツは紫のオーラを右手に纏わせる。
「今の俺は…負ける気がしねえ!!」
俺達は互いにその手でパンチを繰り出す。
そして互いにのけ反り、俺は立ったまま、アイツは後ろに倒れて変身が解除される。
「はあ…はあ…万丈?」
「おう。約束通り、止めてやったぞ。」
「そうか…ありがとな。」
俺は戦兎に手を貸して立たせてやる。
そんなとき…
「そこまでだ!!」
なんか黒い格好をした背の小さいガキがんなことを言って割り込んで来た。
▼
龍我さんが戦兎さんを止めたそのとき、黒い格好をした男の子がやって来ました。
「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。詳しい事情を聞かせてもらおうか?」
「管理局だって!?」
男の子…クロノ君はそう言って私達にデバイスを向けて来ました。そんなとき、クロノ君に向かって魔力弾が飛んできました。クロノ君はシールドで防いだみたいだけど…
「フェイト!戦兎!撤退するよ。」
そう言ってアルフさんがフェイトちゃんと同じ魔力弾を撃ちます。それをクロノ君がシールドで防いでる間にフェイトちゃんがジュエルシードを回収しようとします。
「させるか!」
そう言ってクロノ君はフェイトちゃん達に魔力弾を撃ちます。
『Rabbit!』『Souziki!』
『Are you ready?』
そんなビルドドライバーの音声が聞こえた後にクロノ君が撃った魔力弾がどこかに引寄せられていきます。引寄せられていく先を見るとビルドに変身した戦兎さんが左手の掃除機で魔力弾を吸い込んでました。
「フェイト…アルフ…お前達は逃げろ。」
「そんな、戦兎!?」
「いいから…行ってくれ。」
戦兎さんにそう言われてフェイトちゃん達はジュエルシードを持って逃げようとします。
「逃がすか!」
クロノ君がフェイトちゃんに魔力弾を撃とうとしたら今度は…
「おい!いきなり出てきて何やってんだよ!!」
龍我さんがクロノ君のデバイスを持つ手を掴みました。その間にフェイトちゃん達は逃げました。
残された私達は今、すごく嫌悪でまさに一触即発です。
「ちょっと待ってもらえないかしら?」
そんなとき、女の人の映像が私達の前に現れました。
「少し、お話を聞いてもらいたいのだけど…武装を解除してくれないかしら?」
女の人がそういうと戦兎は少し考えてから変身を解除して、龍我さんもクロノ君の手を離します。そんな2人を見て、私もレイジングハートを宝石の状態に戻します。
「ありがとう。とりあえずはクロノ、お疲れ様。」
「すみません、艦長。もう一人の魔導師とその使い魔は取り逃してしまいました。」
「まあ、大丈夫よ。それで、そこの人達に話を聞きたいからアースラまで案内してもらえないかしら?」
「わかりました。すぐに戻ります。」
クロノ君がそう言うと映像は消えてしまいました。
「話は聞いていたね?悪いけど来てもらうよ。そこの君達もだ、いいね!」
クロノ君は私達に…特に龍我さんと戦兎さんに強い口調で言って私達は転移されました。
▼
俺達は気が付くとどこか機械的な場所に来ていた。話の流れでここがアースラという船の中なのだろう。クロノと呼ばれた少年も、あの女の人を艦長って呼んでたし。
「おい戦兎、どこだよここ?こいつらは何なんだ?なんか出てくるなり偉そうだしよ。」
「時空管理局って言う言うなれば警察のような組織だよ。そんでここはどうやら管理局が保有する船の中だな。」
「そんな奴等がなんで出てくるんだよ?」
「それはこれから説明されるから今はいいだろ。」
俺は万丈にそう言ってクロノについていく。
「あ、君。バリアジャケットは解除して構わないよ。」
「あ、はい。」
なのはは言われた通りバリアジャケットを解除して制服姿になる。
「それと君もだ。そっちが本来の姿じゃないんだろ?」
「あ、そうでした。ずっとこの姿だから忘れてました。」
そう言ってユーノの姿が光る。
な、なんだ?
光が収まるとそこにはなのはやフェイトと同じ位の男の子がいた。
「ふう。なのはにこの姿を見せるのは久しぶりになるかな?」
男の子の姿になったユーノがなのはにそう話し掛ける。けど、なんか様子がおかしいな?
「ユ、ユーノ君って…ユーノ君って、普通の男の子だったの!?」
「お前フェレットじゃなかったのか!?」
「あ、あれ?」
なのはと万丈がユーノのことを指差しながらそう言った。
「君達の間で何か見解の違いでも?」
「え、えっと?龍我さんはともかくなのは、僕達が最初に会った時って僕この姿で…」
「違うよ!最初からフェレットだったよ!!」
「あれ?……あ!そうだったね、この姿見せてなかったよ。」
「やっぱりそうだよね。」
「つかお前温泉の時なのは達と女湯行かなかったか?」
万丈が空気を読まずにそんなことを言いだした。ほら見ろ、なのはの奴顔真っ赤にして口をパクパクしだした。
「い、いや違うんだなのは!僕はあの時なのははちゃんと僕の事知ってると思って男湯の方がって言ったら聞いてもらえなかったから入っただけで別にやましい気持ちは…そ、それにずっと目を閉じて何も見てないから!」
なんかだんだん見苦しくなってきたな。
「君達の事情は知らないが、艦長を待たせてるんだ。早く話を聞かせてもらえないか?」
「あ、すみません。」
「ごめんなさい…」
クロノにそう言われてなのは達は謝る。あ、そうだ…
「ちょっといいか?クロノ執務官。」
「…なんだ?」
「いや、すぐ済むから…」
俺が話し掛けるとクロノが睨みつけてくる。なんか嫌われたな。まあ無理ないがな、早く済ませよう。
「おい万丈。」
「あ?何だよ戦兎?」
「いや、あの艦長さんに会う前に言っとくけど…ズボンのチャック全開だぞ?」
「…うわ!マジか!?いつから?」
「あの廃工場にやって来た時から。」
「なんで言ってくれねえんだよ!!」
「どのタイミングで言えっていうんだよ。自分で気付けバカ!」
「バカってなんだよ?せめて筋肉つけろよ!!」
そう言いながら万丈が掴みかかる。
「いい加減にしてくれないか!!艦長を待たせてると言っただろ!!」
「…すみません。」
「…悪い。」
怒られちまった…。
「艦長、クロノです。遅くなりました。」
そう言いながらクロノが入った部屋を見ると。この機械的の船内には不釣り合いな内装だった。
畳に茶器があって部屋の端には桜や鹿威しまである。
ユーノはともかく、日本出身の俺達はその部屋の様子に唖然としてた。
「お疲れ様。さあさあどうぞみなさん、楽にして。」
俺達はなし崩しに部屋に通されてお茶とお茶菓子を出される。
「まずは自己紹介ね、私はこの時空渡航船アースラの艦長で管理局で提督をしているリンディ・ハラオウンよ。ここにいるクロノの母親でもあるわ。」
「あ、えっと。高町なのはです。」
「ユーノ・スクライアです。」
「俺は天っ才物理学者の桐生戦兎です。」
「万丈龍我だ。」
俺達が自己紹介を終えるとすぐに本題に入る。
「なるほど。あのロストロギア、ジュエルシードを発掘したのはアナタだったのね。」
「はい…だから僕が回収しようと…」
「立派だわ。」
「だが、同時に無謀でもある。」
「あ?何だよ。こいつは被害が出ないようにやったんだろうが。それを後から出てきてグチグチと…」
万丈の奴が突っ掛かっていった。まあ、確かに…。
「俺もこのバカと同じ意見だな。」
「バカってなんだよ!」
「いいから黙ってろ。アナタ達はジュエルシードが地球に来た時点ではその事実を把握してなかった。更に言えばここは管理外世界だからアナタ達はこの世界に関与するのに何らかの手続きが必要だった筈だ。その間あのジュエルシードを放置してたら、たくさんの被害者が出てた筈だ。こいつの行動は誉められこそすれ、アナタ達にそれを咎める権利はない。」
「そうね、戦兎さんの言う通りだわ。」
リンディさんは素直に認める。
「あの、ロストロギアって何ですか?」
「そんだよ、何なんだよ?」
なのはと万丈が聞く。
「えっと、遺失世界の遺産っと言ってもわからないわよね。この次元空間の中には幾つもの世界があるの。それぞれに生まれて育っていくその中にはごく稀に進化しすぎるものがあるの、技術や科学、進化しすぎたそれらは、自分達の世界を滅ぼしてしまう。その滅んだ世界の危険な技術の遺産。」
「それらを総称してロストロギアという。使い方は不明だが、その使い方次第で世界どころか次元空間をも滅ぼしうる危険な技術。」
「然るべき手続きをして、然るべき場所で保管しなければならない危険な品物。」
この話を聞いて、俺はエボルトの言葉を思い出す。
「お前だって解ってる筈だ、科学の行き着く先は破滅だということを。科学が進歩すれば、それだけ人間は退化し、環境は破壊され、世界は滅びる!」
俺はそんな言葉を振り払う様に…
「…きっと滅んだ世界は、自分達の技術を正しく使えなかったんだ。科学は本来、平和利用の為に、明るい未来を創る為に有るんだから。」
そう口に出していた。
「ちょっといいか?」
そんなとき万丈が口を開く。
「何かしら?」
「いやな…さっきから、何言ってんのか全然わかんねえんだけど?」
このバカは…
「君は話をちゃんと聞いてたのか!」
「聞いててもさっぱりわかんねえんだよ!!」
クロノが万丈に突っ掛かる。リンディさんも困り顔だ。今のは子供でもわかるように結構噛み砕いて説明したんだろう。それがわからないとなるとお手上げなんだろうな。
「いいか万丈?お前にもわかるように言うとだな、ロストロギアっていうのは俺達の世界のパンドラボックスみたい物の事だ。」
「ああ、なるほど。わかった。」
万丈が理解したところで俺はリンディさんに続きを促す。
「えっと、コホン…アナタ達が探してるロストロギア、ジュエルシードは次元干渉型のエネルギー結晶体。幾つか数を揃えて特定の方法で使用すれば、空間内に次元震を起こし、最悪次元断層も起こしかねない危険物。」
「君とあの黒衣の魔導師の衝突で起こった震動と爆発、あれが次元震だ。たった一つのジュエルシードの全威力の何万分の1の発動でもあれだけの影響、複数個集まった時の被害は…考えたくないね。」
リンディさんは一息つくと抹茶に角砂糖を2個入れて飲む。って角砂糖!?抹茶に角砂糖ってこの人…
「さて、次はアナタ達2人の話を聞かせてくれないかしら?」
「話って何を?」
「全てだ。」
「わかった。」
「言っとくが万丈、生い立ちから話せってことじゃないからな?」
「じゃあ何話せってんだよ?」
「君達のあの装甲の事だ!それとそっちの君はあの黒衣の魔導師と行動を共にしてた。その事についても説明しろ!!」
クロノの奴イライラしてるな。しょうがないな、こいつがバカだから。
「私達が知る限りアナタ達の地球ではあんな物を創る技術はない筈よね?あれをどこで手にいれたのかしら?」
「あれは、ライダーシステムは俺が元の世界で作った物だ。」
俺はリンディさんにそう言った。
「ん?なんだよ戦兎、元の世界って?」
「はあ?お前、自分の置かれた状況に気付いてなかったのか?」
「ああ、俺達が過去にタイムスリップした事か?」
「…俺達が経験したのはタイムスリップじゃない。平行世界への移動だ。現に氷室首相とゲンさん、それに父さんやマスターなんかもこの世界には存在してなかった。」
「マジか!?」
「つまり、アナタ達は次元漂流者ってことかしら?」
リンディさんが確認するように聞いてくる。
「ああ、俺達はジュエルシードの力でこの世界に来てそれぞれ俺はフェイト、万丈はなのはに最初に出会ってジュエルシードの事を知って、元の世界で使ってたライダーシステムを使ってジュエルシード集めを手伝っていた。」
「そう…あの黒衣の魔導師、フェイトさんは何でジュエルシードを集めてるのかしら?」
「母親が必要としてるらしい。ただ、その母親が何でジュエルシードを必要としてるのかは…知らない。」
「そうですか。」
リンディさんがまた抹茶に口をつける。
「これよりロストロギア、ジュエルシードについては、我々時空管理局が全権を持ちます。」
「君達は今回の事は忘れて元の世界で本来の生活に戻るといい。それと、そっちの2人は次元漂流者として保護させてもらう。」
「けれど…」
「次元干渉に関わる事件だ。民間人に介入してもらうレベルの話じゃない。」
クロノがなのはに強い口調で言う。そうだよな、これが本来の形だよな。
「まあ、急に言われても気持ちの整理もつかないだろうし、今夜ゆっくり考えて、改めてお話しましょう?」
ん?
「あ?何でまた話すんだ?介入したらダメなら何も話す事はないじゃねえか?」
万丈も気づいたか…
「リンディさん、そんなずるい言い方はやめないか?」
「…どういう意味かしら?」
「簡単な事だ。次元世界を管理する組織。けれど、無数に存在する世界を管理するなんて普通に考えて手が足りない。今回の事件だって、場所が管理外世界だから最小限の人手しかないだろ?そんな時に現れた現地の才能有る人材。是非とも協力してほしいよな?だからこの人はずるい言い方をしてなのはの方から協力させてほしいって言わせたいのさ。」
「何で言わせる必要あんだよ?手を貸して欲しいならそういえばいいじゃないか。」
「組織の面子が立たないからだ。時空管理局の方から頭を下げて頼めば、俺達個人と時空管理局という組織が対等の立場だということを認めることになるからな。」
「なんかメンドクセーな。」
同感だな。
「何を言ってるんだ君達は!さっきも言ったが、民間人の介入できる問題じゃない。時間を与えるのはただ単に心の整理をつけて僕達に納得して引き継いで欲しいからだ。」
「ならこのまま帰っていいんだな?帰って、明日の話し合いにもでないで?」
「ああ、構わない。本来の生活に…」
「待ちなさい、クロノ。」
「艦長?」
リンディさんはクロノの言葉を遮ると頭を下げた。
「全て仰る通りです。私はなのはさん達の善意を利用しようとしました。」
「艦長!?」
「その上でこういうのはなんですが、それでも私達だけでは今回の事件を解決出来ないかもしれません。だからどうか、私達に力を貸して頂けないでしょうか?」
面子と事件の終息を天秤にかけてリンディさんは迷わず事件の終息をとって俺達に頭を下げる。
「私は、もうジュエルシードが誰かを傷つけるのは嫌だから…だから、喜んで協力します!!」
「僕もです!」
「俺達もだ…だろ?戦兎。」
万丈が俺に確認してくる。勿論協力はする積もりだ。だけど、どうしても釘を指さなければいけないことが有る。
「条件がある…」
「なんでしょうか?」
「俺達の使うライダーシステムについての詮索、そしてライダーシステムの事を上に一切報告しないことだ。」
「何故でしょうか?」
「かつて俺達の世界では、ライダーシステムは戦争の兵器として軍事利用された。その結果多くの人間が傷付き、死んでいった。…もうあんな悲劇を起こしたくない。今や仮面ライダーは俺と万丈だけだ。仮面ライダーについて知る人間もな…俺達がこの情報を漏らさなければ、再びライダーシステムが開発され、利用される事はない。」
「何を言うんだ!僕達時空管理局は質量兵器の使用、開発は法律で禁じている。そんな僕達がそんな事をするわけが…」
「わかりました。その条件を呑みましょう。」
「母さん!?」
クロノは思わず素になってしまうほど驚いていた。
「いい、クロノ?時空管理局も一枚岩ではないの。たった今私がなのはさん達の善意を利用しようとしたように、汚ない人間もいるのよ。覚えておきなさい。」
リンディさんにそう言われてクロノ黙る。
「それじゃあなのはさんとユーノ君は元の世界へ戦兎さんと万丈さんは私達の方で身柄を保護させてもらいます。明日改めて今後の捜査方針を話ましょう。クロノ、なのはさん達を送ってあげて。」
「…はい、艦長。」
クロノはそう言って立ち上がる。
「なのは、士郎さん達にはうまく言っといてくれな?」
「あ、はい。わかりました。」
そう言うとなのは達はクロノに連れられて帰っていった。
「ふぅ、なんか今日はいろいろな事があったな?」
「そうだな…」
俺達はその後、当面の生活スペースとしてアースラの1室に通された。
「よし、出来た。」
「おっ!早いな!」
「もう出来てるシステムを組み込むだけだからな…」
俺は万丈のドライバーに非殺傷設定のシステムを組み込んだ。
「さて…次は…」
「まだなんかあんのかよ?」
俺はビルドフォンを操作してマシンビルダーのヘルメットを電子化して収納してる要領で収納してた装置を取り出す。その装置は電子レンジに色んなコードが伸びていてその先にはゴーグル付きのヘルメットがついてる。
「なんだよこれ?」
「こいつは簡易版の浄化装置だ。」
「浄化装置?」
「ああ、こいつでこれを浄化する。」
そう言って俺は1本のボトルを取り出す。
「…何だよこのボトルは?」
「前にジュエルシードが暴走したときに放出した残留魔力が以前パンドラボックスの残留成分を入れてたボトルに入って、中で成分化した物だ…こいつを浄化してみようと思ってな。」
「あのな、いくら浄化装置を作っても肝心の美空がいないと浄化出来ないだろ?」
「そっ!だから、美空の代わりにお前が浄化するんだよ。」
「は?」
万丈が意味わかんないと言いたげな顔になる。
「美空の浄化能力はそのバングルに込められた魂、ベルナージュによる物だった。俺は前にお前の中のエボルトの遺伝子を中和して抑制するためにそのベルナージュの能力をお前に移した。だから今、ベルナージュの能力はお前がもってんだよ。」
俺はそう言って万丈にヘルメットを渡す。
「つまりだ、お前なら美空の代わりに浄化が出来るかもしれないって訳だ。わかったらこのヘルメットを被って浄化しろ。」
「わかった、わかった。まったく…」
万丈はそう言ってヘルメットを被る。
「美空から聞いたけど、浄化にはベルナージュの意思が見せる火星の文明が滅びる瞬間の映像を見てこうなってほしくないって念じると出来るらしい。」
「ふーん…けどよ、俺の中には力はあってもベルナージュの意思はねえぞ?火星の風景なんて見えんのか?」
「そこは火星を滅ぼした張本人のエボルトの遺伝子から引っ張り出してくれ。」
「マジかよ…」
「それじゃ…実験を始めようか。」
俺は浄化装置の中にボトルを入れて装置を起動させた。
しばらくして電子レンジの中で小さな爆発が起こる。
「出来た!!」
俺は装置の中からボトルを取り出す。ちゃんと浄化出来てる。
「サイッコーだな!」
「あー、シンドー。美空の奴こんなシンドイ事をやってたのかよ。もうダメだ、寝るわ。」
万丈はそう言ってベットに倒れ込む。
それを確認したら俺は出来上がったボトルを詳しく見る。色はワインレッドで表面には魔法陣にトンガリ帽子、そしてローブのレリーフが入ってる。見た目は東都のフルボトルに近い。
「これは…魔法使い?」
俺は念のためにドライバーにボトルを刺してみる。
『Mahoutukai!』
やっぱり魔法使いフルボトルだ。
「これとあうボトルは何だ?さすがにベストマッチは存在しないよな?パンドラボックス由来じゃない61…いや、エグゼイドのボトルを入れたら63本目か…だからな。」
さてと、
「魔法…封印って感じでロックボトルか?それとも不思議な物繋がりでUFO?神秘的な物だったら…ピラミッドも有りだな…どんな組み合わせがいいかな!!」
「あーもう!うるせえ!!こっちは眠てぇんだから静かにしろ!!」
万丈はそう言ってベットから起き上がると一本のボトルを持ってドライバーに刺す。
『Diamond!』
『Best match!』
「ベストマッチ?」
「これでいいだろ?もういいから静かに寝かせろ…」
万丈はそう言ってベットに戻る。
どういう事だ?ダイヤモンドとベストマッチなのはゴリラだろ?それになんでパンドラボックス由来じゃないフルボトルがパンドラボックス由来のボトルとベストマッチになるんだ?むしろ由来じゃないからベストマッチになれたのか?いや、それよりこのフォームは一体どんな技が使えるんだ?早く試したいな。万丈叩き起こして模擬戦するか?いやさすがにぶちギレるか…でも試したいし…
俺は結局この日は興奮して一睡もできずに朝を迎えるのだった。
次回予告
「観測領域内の海上にて強大な魔力反応を感知!」
海上の決戦!
「私、フェイトちゃんの事をどうしたいのか自分でもどうしてあげたらいいのかわからなくて…」
なのはの迷い
「アイツがどうなってもいいってか?ふざけんなよ!!」
第10話 伝えるべきワード
「友達に…なりたいんだ。」