ビルド NEW WORLD~Masked Rider Lyricar Build~   作:ミノル

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戦「天っ才物理学者の桐生戦兎はフェイト達とジュエルシードの回収をしていたけど、そこに時空管理局の執務官クロノ・ハラオウンが介入。フェイト達を逃がしてなのは達と一緒に管理局の船アースラにて艦長のリンディ・ハラオウンと会談する。管理局と協力関係を結んだ俺は万丈の中のベルナージュの力でジュエルシードの魔力を取り込んだボトルを浄化して魔法使いボトルを作るのでした。さあ、どうなる第10話!」


第10話 伝えるべきワード

「また派手にやってるね…」

 

アタシは次元転移に使ってるビルの屋上から望遠鏡でアタシ達のマンションの部屋を捜索する管理局を見て呟く。その後、アタシはビルの一階に降りて近くの消化栓の戸を開ける。そこには本来あるはずのホースとかが無くて、代わりに下に続く階段がある。

アタシはその階段を降りてそこに置いてあるベットに横になるフェイトに話し掛ける。

 

「今、管理局の連中がアタシ達の部屋を調べてるよ。」

「そっか…」

 

フェイトはただそれだけ言う。

この隠し部屋は戦兎が用意してた物だ。戦兎は合間を縫ってこの部屋を作ってたらしい。あの管理局の執務官からアタシ達を逃がす時に戦兎はアタシにこっそりとメモを渡してきた。アタシはそのメモを読み返す。

 

「もしも、管理局が出てきて俺が彼らと行動を共にする場合、あのマンションの部屋の事を話す事になる。だから、俺が管理局に行ったらすぐに部屋の荷物を纏めて初めて会ったビルに行け。そこにはいざって時のために隠し部屋を作ってる。そこに拠点を移せ。隠し部屋の場所は…」

 

アタシ達は戦兎のこのメモにしたがってこの部屋を探し出した。

 

「戦兎の言うとおりになったね…」

「フェイト…もうやめようよ。管理局が出てきたらもうどうにもならないよ!!あの鬼婆もフェイトに酷い事ばかりするし…戦兎だってもう捕まっちゃったし…」

「アルフ、母さんの事を悪く言うのはやめて…」

 

フェイトはアタシにそう言ってくるけど…アタシは…

 

「言うよ!初めて会ったときから、フェイトはアタシにとって一番大切なご主人様なんだ。それなのに…」

「それでも、私は母さんの娘だから…それに、戦兎の方も大丈夫。戦兎は次元漂流者だから、管理局も悪いようにはしないよ…それに、戦兎の仲間も一緒だし。…心配かけてごめんね、アルフ。」

 

フェイトはアタシの頭を撫でながらそう言った。

 

 

 

 

 

 

俺達は管理局と一緒にジュエルシードの回収を行っていた。

今はジュエルシードの発動で巨大化した鳥と戦闘中だ。

 

「さあ、実験を始めようか!」

 

俺は万丈に浄化させた魔法使いボトルとダイヤモンドボトルを振ってドライバーに刺す。

 

『Mahoutukai!』『Diamond!』

『Best match!』

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

『ウィザード!』

『Please』

『ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー』

 

いつもと違う音声と共に俺はビルドとは全く違う仮面ライダーに変身した。

 

「これは…?エグゼイドのボトルと同じような物か?…まあいい、いくぞ!」

 

俺はこの姿の武装の銀色の銃とドリルクラッシャーを両手にそれぞれ持つと巨大な鳥に向かって行った。空へと飛び上がる鳥に向かって銀の銃を撃つ。鳥はその弾丸を避けようとするが、その弾丸は俺の思い描いたとおりに飛んで鳥に当たる。

 

「おお!結構使えるなこれ!」

 

俺は今度はドリルクラッシャーとガンモードの2丁拳銃で鳥を撃つ。その銀の銃の弾丸で鳥を追い込んでドリルクラッシャーの弾丸を当てていく。けど、

 

「あー、やっぱり図体がデカイ分タフだな。これじゃ埒があかない。だったら、今度はこの技を試してみるか。」

 

俺はドライバーから魔法使いボトルを抜くとドリルクラッシャーをブレードモードにしてフルボトルスロットに魔法使いボトルを刺す。

 

『Mahoutukai!』

『Ready go!』

『ボルテックブレイク!』

 

ドリルクラッシャーが回転しながら炎を纏う。それを銀の銃で鳥を追い込んだところを前に突きだすと螺旋状の炎が鳥目掛けて飛んで行き。直撃する。鳥は一瞬体制を崩したがすぐに立て直し、空高くに逃げようとして翼を広げる。

そこを緑色と青色の鎖とピンク色の輪が鳥を押さえ込む。

 

「悪い!遅くなった!」

「今のうちです戦兎さん。」

「お願いします。」

 

遅れて来た万丈とユーノとなのはがそれぞれロックボトルのミリオンスラッシュとバインドで鳥を拘束する。

 

「お前ら、最高のお膳立てだな!よし、トドメはこの正義のヒーローに任せろ!!」

 

俺はドライバーのレバーを回す。

 

『Ready go!』

『ボルテックフィニッシュ!』

 

俺は右足に炎を纏わせてライダーキックを放つ。途中で魔法陣が現れてそれを通過すると炎の火力は更に上がり、そのキックが鳥に当たると鳥は元の大きさに戻り、その体内からジュエルシードが出てきた。

 

「ジュエルシード、シリアルVIII。封印!」

 

なのはがジュエルシードを封印して回収する。

こうして俺達は少しずつジュエルシードを回収していった。

そしてそんなある時…

 

「あの…戦兎さん。」

 

なのはが話しかけてきた。

 

「どうした、なのは?」

「いや、その…フェイトちゃんの事なんですけど…あの子、何であんなに寂しそうなのかなって…」

「なんだって?」

 

この子はそんなにフェイトと話が出来てないのに見ただけでフェイトが寂しそうだと気づいたのか?

 

「どうしてそう思ったんだ?」

「えっと…実は私も昔は一人ぼっちな事が多くて、その頃の私に似てたから…それで、ほっておけないんですけど…私、フェイトちゃんの事をどうしたいのか自分でもどうしてあげたらいいのかわからなくて…」

 

そうか…フェイトの寂しさをどうにか出来るのはプレシアしかいないと思ってたけど…同じ孤独を知ってるこの子ならきっと…

 

「そうだな…どうしたらいいかわからないって言ってたけど、なのはがその頃に一番欲しかった言葉をかけてあげたらどうだ?」

「私が一番欲しかった言葉…あっ!…戦兎さん、ありがとうございます。おかげでなにかわかった気がします!」

「気にするな、迷える子羊に道を示すのも正義のヒーローの努めだからな。」

 

俺はそういってその場を後にする。

そのとき…

 

「エマージェンシー、観測領域内の海上にて強大な魔力反応を感知!」

 

艦内にそんなアラートが響いた。

 

 

 

 

 

 

私とアルフは今海の上にいる。残りのジュエルシードは海の中、正確な場所はわからないから魔力流を流して強制発動させる。ここなら発動しても被害は出ないから…

 

「うっ…くぅ…」

 

もっと、もっと魔力を流さないと…母さんの為に!

 

「うっ…はあぁぁぁっ!!」

 

私が海に魔力を全力で流すと6つの水柱が上がる。発動は出来たけどもう魔力が…だけど

 

「母さんの為に…行くよ、バルディッシュ。」

『Yes sir.』

 

これを回収して、母さんのところに戻るんだ!

 

 

 

 

 

 

俺が管制室に駆けつけるとモニターに海上で戦うフェイトの姿が…

 

「フェイトちゃん!」

 

なのはとユーノも駆けつけてモニターのフェイトを見てなのはが叫ぶ。

 

「私、すぐ現場に…」

「その必要は無い。」

「え?」

「このままいけば彼女は自滅する。自滅しなくても封印を行って疲弊したところを捕獲すればいい。捕獲の準備を進めて。」

 

クロノの言う事はわかる、確かにこちら側の被害が少ない最善の方法だ。

けど…

 

「ふざけんじゃねえ!!」

 

今の話が聞こえてたのか、そう叫んで万丈が入ってきてクロノの胸倉を掴む。

 

「自滅させて捕獲だと!?本気で言ってんのか!!」

「落ち着いて下さい、万丈さん。残酷なようだけど我々は常に最善の選択を…」

「最善だあ!?これのどこが最善だ!現にフェイトが傷付いてるだろ!!ジュエルシードが回収出来たらアイツがどうなってもいいってか?ふざけんなよ!!」

 

リンディさんに対して万丈が突っ掛かる。

 

「落ち着け!個人の感情で考えるな!いいか?ここで人を向かわせたら向かった人間もただじゃすまない。あの魔導師とも交戦になるだろう。人を向かわせて負傷者をだすくらいなら彼女だけに封印させれば被害を最小限に抑えれるんだ。個人の感情と事態の迅速な収拾、どっちが大事だと思ってる?」

「決まってんだろ!さっさと事件が解決する事だよ。」

「なら!」

「だから、それじゃあアイツが被害にあってるだろ!!最善ってのは、初めから被害が出ねえことなんだよ!!」

「そんな綺麗事を…」

「それが一番いいもんだから綺麗事なんだろ!!」

 

全くこいつは…俺が言いたくても言えなかったこと全部言いやがって…それにいつだったか俺が言ったのと似たようなことを言ってるな…

 

「それで立弥が死んでもいいっていうのか?ふざけんなよ!!」

 

あんなに自分の事しか考えてなかったアイツも今じゃ本当にヒーローしてやがる。

そうだな、今は戦争をしてる訳じゃないんだ…時には感情的に動いてもいいか。

俺がそう考えてるとなのはが転移ゲートに入りこむ。

 

「なっ!?まて!」

「ごめんなさい。高町なのは、指示を無視して勝手な行動を取ります!!」

「戦兎!お前も行け!!」

 

俺は万丈に頷き返すと同じように転移ゲートに入る。

 

「あの子の結界内へ、転送!!」

 

ユーノがゲートを開き、俺達はアイツのいる海上の上空に転送される。

 

「行くよ、レイジングハート。」

「さあ、実験を始めようか。」

 

俺はドライバーを着けてボトルを、なのははレイジングハートを取り出す。

 

「風は空に、星は天に、輝く光はこの腕に、不屈の魂はこの胸に!レイジングハート…」

 

『Taka!』『Gatling!』

『Best match!』

『Are you ready?』

 

「変身!」「セットアップ!」

『Stand by ready,Set Up.』

 

『天空の暴れん坊、ホークガトリング!イェーイ!!』

 

俺達はそれぞれ変身してゆっくりと降りて行く。

 

「フェイトの邪魔をするな!!」

 

アルフがなのはに殴りかかる。

 

「違う!僕達は戦いに来たんじゃない!!」

 

ユーノが駆けつけて魔法陣でそれを受け止める。

そこへジュエルシードの魔力で操作された水流が襲いかかる。

 

「危ない!」

 

俺はすぐに対処しようとするが、それよりも早く巨大な炎がその水流を相殺した。

俺はその方向を見ると見たことがない…けれど魔法使いボトルで俺が変身した仮面ライダーに似ているライダーがいた。頭は俺の変身した物より装飾が派手で、全身のロングコートのような部分は黒から赤に、そして胸と両腕と背中にはそれぞれ赤いドラゴンの頭、爪、翼、そして尾がついていた。だけど…

 

「ば、万丈?」

 

腰のビルドドライバーと装填されたクローズドラゴンが、そのライダーが万丈であることを物語っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「君達は自分が何をしたのかわかってるのか!?」

 

クロノの奴がそう叫んでるけど知ったことじゃねえ。

 

「俺達は何も間違った事はしてねえよ。それに前に俺達に協力してくれって頼んだのはそっちだろ?それって戦兎の奴も言ってたけど俺達とお前達は対等って奴だろ?それなら何しようが勝手だろ!!」

「何を…」

「やめなさい、クロノ。こうなってしまえば仕方ないわ。それに万丈さんの言ってる事も事実、こっちがお願いした以上は彼らの行動を咎める事は出来ないわ。」

「艦長…わかりました。」

 

リンディさんに言われてクロノは引き下がる。

 

「…行きたければ勝手に行け。こうなったら人手が多い方が確実にジュエルシードを止められる。」

 

そういってクロノは俺達に背を向ける。

 

「よし、ユーノ行ってこい!!」

「龍我さんは?」

「俺は今、空飛ぶ事できねえから…」

 

そう言ったところにドラゴンの奴が何か咥えてやって来た。

 

「ドラゴン?…ってそれ俺が浄化したボトル!戦兎が持ってた筈なのにいつの間に…」

 

ドラゴンは咥えたボトルを自分に入れると俺の手の上でドライバーに刺す為の形態になった。

 

「使えってのか?よし、やってみるか…」

 

俺はドライバーを取り出してドラゴンを刺してレバーを回す。

 

『Cross-Z Dragon!』

『Are you ready?』

 

「変身」

 

『スペシャルラッシュ!』

『Please』

『フレイム!ウォーター!ハリケーン!ランド!』

 

変身するとなんか戦兎が変身した奴に似たライダーになった、けどこっちのが強そうだな。それに羽根がある。

 

「これなら俺も行けそうだな。行くぞ、ユーノ!」

「え?あっ、はい!!」

 

そう言って俺達も戦兎達のいる結界の中に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「よっ!待たせたな戦兎。」

「万丈、お前…何、人のボトル勝手に使ってんだよ!しかもサブキャラの癖に俺より強そうだし!!」

「知らねえよ。ドラゴンが持ってたの使ったらこうなったんだよ!」

 

俺は万丈に突っ掛かるけど正直この増援はうれしい。ジュエルシードは6つ、なのはとフェイトのサポートをするにも俺とアルフだと手が足りないと思ってたところだ。

 

「よくクロノが行かせてくれたな?」

「なんかこうなったら人が多い方が確実なんだと。」

「なるほどな…だったら期待に応えますか!」

 

俺はそう言って今度はフェイトの方を向く。

 

「フェイト、前と同じだ!なのはと二人で封印しろ!アルフとユーノは俺達と2人のサポートだ!!」

 

俺はそう言って6つの水柱に向き直る。

 

 

 

 

 

 

戦兎の言葉の後に私の側にあの白い子がやってくる。

 

「フェイトちゃん、2人でジュエルシードを封印しよう。」

『Divide energy.』

 

そう言ってこの子はデバイスを私に向ける。

これは、魔力譲渡?

 

Charging completed.(魔力が完全回復しました)

 

バルディッシュの言うとおり、私の尽きかけてた魔力が回復した。

 

「2人できっちり半分こ!」

『Cannon Mode.』

 

その子はそう言ってデバイスを砲撃形態にしてジュエルシードに向き直る。

 

『Grave Form,set up.』

「バルディッシュ?」

 

バルディッシュが私の意志に関係なくグレイブフォームに移行する。やれってことなの?

 

「ディバインバスター、フルパワー。みんなが隙を作ってくれたら一発で封印。行けるよね?」

Of course,master.(当然です)

 

あの子が砲撃の準備に入る。

どうして敵の私にそこまでするのかはわからないけど、今はジュエルシードを封印しないといけないのは同じだから。

私は魔力を全開にしてバルディッシュをジュエルシードに向ける。

 

 

 

 

 

 

 

「2人の封印が成功するまでジュエルシードを押さえないと…手伝って!」

 

目の前の子は、あの魔導師の使い魔はそう言うとジュエルシードの水流にバインドをかける。

なんでなんだい?なんでそんなすぐに隣にたてるんだい?おかしいじゃないか。アタシ達はジュエルシードを取り合う敵同士なのに。そんな敵にどうしてそこまで…

 

「もう一人のジュエルシードを集めてる魔導師は悪い奴じゃないって事だ。」

 

アタシは前に戦兎が言ったことを思い出すと気が付いたら一緒になってバインドをかけてた。

 

 

 

 

 

 

 

「万丈、アルフとユーノがバインドでジュエルシードを押さえてるけど、まだ発動の余波が飛んでくる。俺達でその余波を相殺するぞ! 」

 

『ホークガトリンガー!』

 

「任せとけ!」

 

俺はガトリングフルボトルの武装、ホークガトリンガーを取り出すとその弾倉を回す。

 

『Ten.Twenty.Thirty.Forty.Fifty.Sixty.Seventy.Eighty.Ninty.One Hundred.Full Bullet!』

 

全弾丸の発射準備が整うと今度は万丈がドライバーのレバーを回す。俺は万丈の攻撃に合わせられるようにトリガーに指を掛ける。

 

『Ready go!』

 

その音声が聴こえると同時にトリガーを引く。

 

『ドラゴニックフィニッシュ!』

『ボルテックブレイク!』

 

ホークガトリンガーから100発の鷹の形をしたエネルギーの弾丸が発射され、万丈の方は胸のドラゴンの頭から炎を吐き出す。

それらはジュエルシードの発動の余波のエネルギーとぶつかりあって相殺される。

 

「今だ!!」

 

そう言ってなのはとフェイトの方を見ると2人は頷く。

 

「ディバイーン、バスター!!」

「サンダー、レイジー!!」

 

2人の砲撃魔法がジュエルシードに飛んでいきすごい爆発が起こる。

 

爆発が治まると6つのジュエルシードがその場に浮かんでいた。2人の方を見ると互いに向かいあってる。

 

「私、やっとフェイトちゃんに言いたいこと纏まったよ…私はフェイトちゃんともっと話した、もっと互いのことを知りたい。」

 

なのはがフェイトに話しかけてる。

伝えろ、お前の真っ直ぐな気持ちを…

 

「一人ぼっちの時に一番かけてほしい言葉、大丈夫?とかごめんね、とかじゃない。ただ、一緒にいてほしい。私はフェイトちゃんと友達に…なりたいんだ。」

「…っ!」

 

息を飲む声はフェイトか、それともそれを見守ってるアルフか、または両方か。敵だと思ってた相手にそんなことを言われて戸惑ってるようだった。

それが、お前の答えか…なのは。

その場の全員がフェイトの答えを見守る。

そんな時…

 

「ん?な、なんだ?この観測結果は!?」

 

左側の複眼に付いてるウィングフェイスモジュールが妙なデータを拾った。このモジュールは飛行中の高度や姿勢、対気速度を自動速度を自動計測して変身者に伝える観測装置だが、同時に大気の状態を観測してこれからの天気を予測することができる。

それが、この雲が晴れ始めている今、雷の発生を観測してる。けれど空には雷雲は一つもない…まさか!

 

「戦兎?お、おい!どうしたんだよ!?」

 

俺は万丈の言葉を無視してすぐに2人の元に飛ぶ。

その途中でガトリングボトルを入れ換える。

 

『Diamond!』

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

俺はタカダイアモンドになる。

 

「フェイト!」

 

俺がフェイトとなのはの側に来るのとすぐに頭上に巨大なダイアモンドを形成する。ダイアモンドの形成と同時に空から紫色の雷が落ちてきた。

 

 

 

 

 

 

戦兎さんがいきなり飛んで来たと思ったらその瞬間に大きな雷が落ちて来て、戦兎さんが私達をその雷から守ってます。

なんでこんな事が起きてるのか分かりませんでした。

 

「…母さん…」

 

え?フェイトちゃん、今なんて…

 

「フェイト、なのは。」

 

戦兎が話しかけて来ました。

 

「早く…ジュエルシードを回収しろ。」

 

その言葉を聞いて私達はすぐにジュエルシードの元に行きました。半分この約束だから、私が3つ取って、フェイトちゃんが残りの3つ取ります。フェイトちゃんは一瞬戦兎さんを見ると、そのまま行ってしまいました。フェイトちゃんがいなくなると同時に雷は無くなりました。

 

「フェイトちゃん…お母さんって…どういうことなの?」

 

私はただ、そう呟くだけでした。

 

 

 

 

 

 

アタシはあの海の上から撤退した後すぐに時の庭園に行った。

 

「プレシア!!」

 

乱暴に扉を開けて部屋に入る。

 

「なんであの時攻撃した!」

「いきなり何かしら?あれは私なりの娘への援護よ。おかげで管理局の機能が停止して追跡されることなくあの場を離脱できたでしょ?」

「ごまかすな!あの時の雷はフェイトを狙って撃ってたじゃないか!!戦兎がいなけりゃどうなってたか…」

「……別に、あの時相手の言葉に惑わされて動きが止まってたあの子の目を覚まさせてあげただけよ。あの男ならフェイトを庇うと思っていたしね。」

「ふざけるな!それが…それが親のすることか!!」

 

アタシはプレシアに殴りかかる。

 

「あの子は使い魔を作るのが下手ね…余計な感情が多すぎる。」

 

プレシアは私の拳をシールドで防ぐとそのままアタシに電撃を撃ってきた。

 

「ああぁぁぁっ!!」

 

これがプレシアの電撃かい…フェイトとは桁違いの威力だ。

 

「あの子にはもっと有能な子を与えるわ。だから、あなたは消えなさい。」

 

プレシアの奴は本気だ…ごめんね、フェイト。もう力になれそうに…

 

「私はフェイトちゃんと友達に…なりたいんだ。」

 

そうだ…あの子なら、戦兎も信用しててフェイトに友達になりたいって言ってくれたあの子ならきっと…ひどい事をたくさん言ったから力になってくれるかわからないけど、フェイトの為なら。

アタシは最後の力を振り絞ってその場から逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

 

「まったく君達は勝手な行動ばかり…」

「ごめんなさい。」

 

私達はクロノ君からお説教を受けてました。

 

「まあまあクロノ、落ち着いて。…今回の件は私からは咎めません。けれどよく覚えておいて、一人の勝手な行動が全員を危険に晒す事があるの、指示を聞くのはそういう事が無いようにするためなのよ。分かりましたね?」

「はい…」

「それじゃあ次に本題ね。エイミィ!」

 

リンディさんに呼ばれたエイミィさんはすぐに機械を操作し始めました。

…そういえば今まで空気だったの…

 

「なのはちゃん…今失礼な事考えなかった?」

「い、いえ!考えてません!!」

 

うう、エイミィさん鋭いの…

そして、1人の女の人がモニターに映し出されました。

 

「プレシア・テスタロッサ…かつては大魔導師と言われていたけど、危険な魔力炉の起動実験を強行して事故を起こし、その責任を問われ解雇。その後消息が途絶えてる。」

「テスタロッサって…」

「フェイトさんにジュエルシードの回収を命じてる母親とは彼女の事でしょうね。テスタロッサってそんなにいる姓ではないし。」

「…フェイトちゃん、あの雷を見てお母さんって…お母さんがフェイトちゃんを攻撃したなんて…」

 

そんなの…酷い…

 

「…あの時、アースラの方も攻撃を受けて一時的に機能が停止した。その為彼女達の追跡ができなかった。これ程の次元魔法も主犯が彼女なら納得出来る。」

「これからプレシア・テスタロッサとフェイトさんの行方を捜索します。なのはさん達はその間家に帰ってゆっくりしてらっしゃい。」

「けど…」

「何かわかったら至急連絡する。」

「…分かりました。」

 

こうして、少しの間だけ私達は家に帰ることになりました。




次回予告

「一騎討ち!?」

なのはvsフェイト

「勝つんだ…勝って母さんのところに…帰るんだ!!」

譲れぬ思い

「これが私の全力全開!!」

第11話 最後のデュエル

「本当の自分を始める為に!!」

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