ビルド NEW WORLD~Masked Rider Lyricar Build~ 作:ミノル
ここはとある町にある空き倉庫でのこと。
「帰ったぞー…」
そう言って気だるげに入ってきたこの男は万丈龍我、以前人殺しの冤罪で捕まったことのある筋肉バカだ…
「おう、お帰り、どうだった?」
そう言って万丈を迎え入れるのはこの俺、天っ才物理学者の桐生戦兎でありました。
「ダメだ、全然売れねえ…」
「はぁ!?売れねえじゃねえよ、どうすんだよ!先月の家賃も滞納してんだぞ!このままだとここ追い出されるぞ!」
「しかたねえだろ!!売りもんがこんなガラクタじゃ売れるわけねえ。よほどの物好きぐらいだぞこんなの買う奴!!」
「ガラクタってなんだよ。この俺の天っ才的発明品に向かって!!」
俺達は訳あってこの日本での戸籍がなく定職どころかバイトでも雇ってもらえないのでこうして俺が作る天っ才的発明品をフリーマーケットで売って生計を立てようとしたのだが…この馬鹿の接客の問題か全然売れないのだ。
「いっそのことゲンさんに頼んでこっそり戸籍登録してもらおうぜ。そうすりゃまともな職に着ける。」
「何度も言ったろ?ゲンさんはもちろん、他のみんなも俺たちの事を覚えてない。」
俺達は本来この新世界で存在する筈のない人間だ…実際に仲間に会ったときも誰も俺達の事を覚えていなかった。
「はぁ、なんでみんな覚えてないんだよ…」
「何度も説明したろ…この世界はエボルトが地球に来ないでスカイウォールが生まれなかった平行世界と融合して生まれた。他のみんなも前の世界とは違う十年間を過ごしたんだ…。」
「新世界の誕生で消える筈だった俺達は本来存在してはならない…」
「わかってるじゃないか。」
空気が重くなる…ダメだな。前の世界の事とかを考えるとどうしても気分が暗くなる…。今は目の前の問題について考えよう。
「それより本当にどうするんだよ…稼ぎがないとここ追い出されるぞ。」
「あー、それなんだけどな、実は帰る途中でいいもん拾ったんだよ。」
そう言うと万丈はポケットから何か取り出して俺に渡してくる。どうやら宝石のようだ。
「どうだ、綺麗だろ。なんて宝石だろうな?これを売ればそれなりの金になるんじゃねえか?」
「お前なあ、拾ったものを売りに出すつもりか?だいたい出所のわからない物買い取ってくれるわけないだろ。これはとりあえず交番に届けるぞ。」
「んだよ。せっかくいい考えと思ったのによ。」
万丈はそう言って不貞腐れる。それにしてもなんなんだコレ?宝石についてはそんなに詳しく無いけどこんな宝石は俺の知る限り存在しないぞ?俺はそう思いながら詳しく宝石を見ようとすると突然その宝石が光だした。
「おい、戦兎!?なんか光ってるぞ。どうなってんだよ!」
「わかるわけないだろ!お前が拾って来た物なんだからお前どうにかしろよ。」
「は!?ふざけんな!お前こそ天才なんだからこれくらいどうにかしろよ!…て、おい!なんか壁のパネルも光だしたぞ!?」
万丈に言われて俺も壁に掛けてある白いパンドラパネルを見ると宝石の光に呼応するように光っている。パネルの光はどんどん強く目が開けていられないほどになり、その光に包まれながら俺達は意識を失った…
気が付くと俺はうつ伏せに倒れていた。
「一体…何が起こったんだ?」
俺はすぐに立ち上がり周囲の状況を確認する。
「どこだ、ここ?」
先程まで倉庫の中だったのに、今現在、どこかのビルの屋上にいたのだ。更に一緒にいた筈の万丈がどこにもいない…。
「最悪だ…どうなってるんだよ…」
俺は星空を見上げながらそう呟いた…
次回予告
「ジュエルシードを渡しな!!」
謎の宝石を狙う謎の二人
「ここは俺がいたのとは違う世界みたいだ。」
異なる世界!?
「条件がある。」
「俺にも手伝わせろよ…」
第1話 時空規模のキャスタウェイ
『Rabbit!』『Tank!』
『Best match!』