ビルド NEW WORLD~Masked Rider Lyricar Build~ 作:ミノル
フェ「一方その頃、仮面ライダークローズこと万丈龍我は翠屋の住み込みのバイトとしての生活をしていた。…こんな感じでいいの?」
戦「ああ。そんな中、街中でジュエルシードが発動。街に甚大な被害が出る。ジュエルシードの存在に気付いていた筈のなのは今回の件を酷く後悔し、自分の意思でジュエルシードを集める事を決める。そんななのはに自身の実体験を話す龍我。その言葉になのはは気持ちを切り替えるのだった。」
フェ「次の日、私がジュエルシードの探索をしてジュエルシードを発動させた大きな猫を発見。回収の為に攻撃をするとそこに同じくジュエルシードを集めるなのは、そして戦兎と同じ仮面ライダーの龍我と出会うのでした。」
戦「はてさて一体どうなる第4話。」
俺はなのはとなのはの兄ちゃんの恭也と一緒にすずかの家に来てた。なんで恭也も一緒かっつうとすずかの姉ちゃんと付き合ってんだとよ、こいつ。
つか、スゲーデッケー家だな。本物のメイドとか初めて見た。なんでもすずかもアリサも家が金持ちなんだとよ。すずかの奴が喜ぶかと思ってドラゴンの奴もつれて来たんだけど、すずかの姉ちゃんの忍までドラゴンを見てテンションをあげてよお。ほんとに似てるなこの姉妹…さすがにドラゴンを分解されそうになったときは全力で止めたけどな。
今はすずかの部屋でユーノの奴が猫に追いかけられてるのを眺めてた。ちなみにドラゴンの奴は他の猫とじゃれついてる。…猫多いなこの家。
「へぇ、万丈って元格闘家なんだ?」
「まあな。色々あってやめちまったけどな。」
アリサとすずかに俺の事を少し話した。つっても仮面ライダーとかの事は伏せてだけどな。
「なんでやめちゃったんですか?」
「だから色々だよ。そこはあんまり聞かないでくれ…」
すずかにかやめた理由を聞かれたけど言えるわけねえよな。八百長やって追放されたなんてよ。
「ふーん、だけど万丈なんて格闘家あたし知らないけど?」
「それはあれだよ…あんまり有名じゃなかったんだよ。」
そりゃ、10年前なら俺は14才だからな。まだ格闘家じゃねえんだから知ってるわけがねえ。
「なんだ、やっぱりあんまり勝てなくてやめただけじゃない。なんか重たい事情がある風に言っちゃってさ。」
…勝手にそう思うのはいいんだけどよ、やっぱりってなんだよやっぱりって。
そんな風に話してるとユーノの奴が急に部屋を飛び出して行きやがった。
「あれ?ユーノ、どうしたの?」
「あはは、何か見つけたのかも。ちょっと探して来るね」
そう言ってなのはの奴も部屋を出る。
ジュエルシードか…俺はドラゴンの奴に目配せするとドラゴンは頷いてなのはの後を追いかけて行った。
「おい!?どこ行くんだよドラゴン!?おい!…仕方ねえな。悪い、俺もちょっと探して来るな。」
俺はそう言って部屋を出るとなのは達を追いかけた。
「たく…なんでこんなにバカみてえに広いんだよここは!」
俺はなのはを探して走り回ってると庭の方からデッカイ猫がいるのが見えた。
「あれか!」
俺は窓を開けて外に出ると猫の方に走って行く。そしたら途中、猫に向けて攻撃が飛んで行くのが見えた。
なのはじゃねえ!あいつなら猫が傷つかないように封印しようとする筈だ。
俺は急いで駆けつけると金髪の黒いガキが手に持った鎌でなのはの奴に襲いかかっていた。
「あぶねえ!」
俺は飛んで来たドラゴンの奴にボトルを刺して急いでドライバーを着けて変身する。
『Wake Up!』
『Cross-Z Dragon!』
『Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』
『ビートクローザー!』
俺はなのはと金髪のガキの間に入ってビートクローザーで鎌を受け止めた。
「おい!いきなり何すんだよ!?」
金髪のガキは驚いた顔をしてやがった。そして次に言った言葉を俺は、聞き逃さなかった。
「仮面…ライダー?」
▼
間違いない…この人は戦兎の仲間だ。戦兎と同じ仮面ライダーだし、何より同じビルドドライバーを使ってる。戦兎はビルドドライバーは自分が作った物って言ってたからそれを持ってるってことはこの人は戦兎のはぐれた仲間。
そんな風に考えてると、私は目の前の仮面ライダーに押し返されてしまった。
「おい!なんでお前が仮面ライダーを知ってんだよ!?」
「それは…」
戦兎に会ったから。ただそれを言えばいい筈なのに言葉がでない。
「ニャー…」
その隙にジュエルシードを発動させた猫がその場を逃げようとする。
「チィッ、なのは!こいつは俺が押さえておくからさっさとジュエルシードを封印しろ!!」
目の前の仮面ライダーが白い女の子に指示を出す。このままだとこのジュエルシードも盗られる!
「分かりました…」
「おっと、そうはいかないよ!!」
白い女の子が封印をしようとしたらアルフが駆けつけて女の子を殴り飛ばした。そのまま、女の子は気を失ってる。
「仲間がいたのかよ!?」
「あれは使い魔!やっぱりこの子は僕と同じ世界の…」
「フェイト!ここはアタシに任せてジュエルシードを!!」
アルフに頷き返すと私は猫の方に飛んで行く。
▼
「させるか!」
「おっと、アンタの相手はアタシだよ!!」
アタシは目の前の仮面ライダーに殴りかかる。
「邪魔すんじゃねえ。」
仮面ライダーのパンチがアタシの腹にめり込む。
「あっ!?悪い、つい手加減すんの忘れてた!」
これが仮面ライダーの力、戦兎にフェイトが負けたのがよくわかったよ。アタシは腹を押さえながらその場にうずくまる。
仮面ライダーはアタシに一言謝るとフェイトの元に、向かおうとする。
「まちな…アンタの相手はアタシだって言っただろ…」
アタシはなんとか立ち上がってそう言った。
「お、おい…無茶すんなって。ふらふらじゃねえか!?」
「ふらふらかどうか…確かめてみな!?」
アタシはそいつに向かって思いっきり殴りかかる。
「うぉ!?」
アタシの攻撃は仮面ライダーに当たってそのままそいつは吹っ飛ばされる。
戦兎のとこからこっそり持ってきたこいつが役にたったよ。
「そういや戦兎?」
「なんだ?」
「初めてあったときフェイトのフォトンランサーをかわしてアタシ達から逃げ切ったけど、あれはどうやったんだい?」
「あれか?あれはラビットボトルを使ったんだ。有機物の成分のボトルは振って活性化させるだけでもその成分の効果を引き出せるからな。ラビットなら素早い身のこなしってわけだ。」
「ふーん…」
アタシは戦兎との会話を思い出しながら手に握りしめた茶色のゴリラの模様のボトルを見た。
「なんだよ…今の。」
仮面ライダーがこっちに戻ってくる。
「さあ、始めるよ!」
アタシは拳を前に突き出しながらそう言った。
▼
私はジュエルシードを取り込んだ猫に近づいてライトニングバインドで足を拘束した。
「急いで封印しないと…バルディッシュ。」
『Axe Form』
バルディッシュをアックスフォームに変えて封印魔法を使う。
「ジュエルシード、シリアルXIV…封印!」
『Sealing.』
封印魔法でジュエルシードは封印されて猫は元に戻る。少しグッタリしてるけど少し休めば大丈夫…
私はアルフの方を向くとボロボロになりながら仮面ライダーと戦ってた。
「アルフ!封印したよ!!」
大声でアルフに呼び掛けながら飛ぶ
「わかったよ!!はっ!」
アルフは最後に仮面ライダーを殴ったらそのままその場を飛び立つ。
「あの白い魔導師に言っときな!またおいたするようならガブッとやっちまうよってな!!」
「待ちやがれ!おい、降りてこい!!」
よかった、この人は飛行ができないみたい。
私とアルフはその場を後にした。
▼
「チクショウ、逃げられた!」
俺はそう言いながら変身を解除する。
「すみません、僕がサポートに回れるほど回復していれば…」
「いや、お前のせいじゃねえよ…っとそれよりなのは!!」
俺は犬耳の女に殴られて気絶したなのはに駆け寄る。
「おい、なのは!?しっかりしろ。なのは!!」
「んっ…龍我…さん?」
良かった、目が覚めた。
「私…?そうだ!ジュエルシードは!?」
「悪い…盗られちまった。」
「そうなんだ…」
なのはは俯きながらそう言う。
「何だったんだよ?あいつら…」
「使い魔をつれて、魔法に手慣れてる様子から見て、僕と同じ世界から来た魔導師で間違いないと思います。」
「使い魔?」
「魔力によって動物をベースに作る魔法生命体、製作者である魔導師のサポートをする存在です。それにあそこまで感情豊かな物になると相当高精度な使い魔だ。使い魔は使役してるだけでそれの精度が高ければ高い程魔力を消費する。あれだけの物を使役してあそこまで魔法を使えるとなると…」
「相当ベテランな魔法使いって訳か?」
「はい…」
そんな連中までジュエルシードを集めてんのかよ。
「あの子…」
なのはがぽつりとしゃべり出す。
「あの子、なんであんなに寂しそうな目をしてたのかな?」
寂しそうだった?どう言うことだ?
なのははそれっきり黙り混んじまった。
▼
私はアルフと一緒にマンションに帰ってきた。
「出来たー!!」
そんな声が聞こえて来たのと私が玄関のドアを開けるのは同時だった。
私が部屋に入ると戦兎がビルドドライバーを手に持って立ち上がってた。
「戦兎?」
「おお、帰ったか!!」
私が声を掛けるとすごい勢いで戦兎が詰め寄ってくる。よくみると髪の毛の一部が上にピョンって跳ねてた。
「見ろよフェイト!遂にライダーシステムに非殺傷設定を実装したぞ!!すごいでしょ?サイコーでしょ?天才でしょ!?」
「う、うん…」
「ちょっと、落ち着きなって。」
前にビルドドライバーの説明をしてくれたときと同じテンションになってた…
「あー、早く試したい…」
戦兎はそう言うとビルドドライバーを着けてじわじわとこっちに近づいて来た。
「えっ?」
「試したい…試したい…」
戦兎はうわ言のように試したいといいながらボトルを振り始める。
「せ、戦兎?落ち着いて…」
『Rabbit!』『Tank!』
『Best match!』
戦兎は構わずボトルをドライバーに刺した。
「や、やめて…」
「試したい…試したい…」
ダメだ、全然聞いてくれない。戦兎の手がドライバーのレバーを回そうとしたとき…
「だから落ち着きなって言ってんだろ!!」
アルフが戦兎を殴り飛ばした。
「イッテー、何すんだよ!?」
「アンタが暴走するからだろ!見なよ、フェイト涙目になってるじゃないか!!」
アルフに言われて初めて私は自分が泣いてることに気付いた。
「悪かったよ…けれどせっかくの発明品は試さずにはいられないだろ?」
「だからってあんなじわじわと近づきながら問答無用でやろうとしなくてもいいだろ!?」
「わかったって…仕方ない、これは次の機会に試すか。」
そう言って戦兎はビルドドライバーを外してくれた。よかった~…
「あっ、そういえば…」
そう言うと戦兎はアルフに向かって手を出しました。
「なんだい、コレ?」
「惚けるんじゃないよ。ゴリラボトル、勝手に持ち出したろ?返しなさい。」
「あー、あれね。悪かったね、けどこれのおかげで今回は助かったんだよ。」
「何があったんだ?」
私達は戦兎に今日のことを説明しました。
「なるほどな、もう一人のジュエルシードを集めてる奴の所に万丈がね…」
「うん、そうなんだ。」
「とりあえずよかった。」
戦兎はほっとしたような顔をした。
「アンタも仲間の無事がわかって安心したかい?」
「それもあるけどな、万丈の奴が手を貸してるって事は少なくとももう一人のジュエルシードを集めてる魔導師は悪い奴じゃないって事だ。アイツは自分から悪人に力を貸す様な奴じゃないからな。」
本当に信頼してるんだ、あの人の事…
「ねえ、戦兎…その万丈って人の所に行っても良いよ…」
「フェイト…?」
「せっかく見つかったんだしその方が良いよ。戦兎がいなくなるのは少し寂しいけど、元々私とアルフの二人だけだったんだから平気だよ?だから…」
それ以上は言えなかった。戦兎とはほんの少し一緒にいただけだったけど、毎日美味しいご飯を作ってくれて、ジュエルシードの探索から帰ったらお帰りって言ってくれて、なんだか、久しぶりに家族を感じることが出来て、そんな戦兎がいなくなるって思うとなんだかとても苦しくなる。けれど、戦兎には戦兎の仲間がいるから…
「何言ってるんだ?まだジュエルシードの件が終わってないだろ?前にも言ったけど万丈の事より今はお前達の事が見ていられない。それに俺がいなくなったら、またお前達前の食生活に戻るだろ?育ち盛りがあんなものばかり食べて言い訳ないだろ。」
戦兎はそう言うと私の頭に手を起きました。
「お前の気持ちはうれしいけどな、子供がいらない気を使うな。」
戦兎のこの言葉を聞いて私は思わず泣き出した。
▼
俺は泣きつかれて眠ったフェイトを抱えて寝室につれていった。
「ありがとうね、フェイトの事。」
アルフが話しかけてくる。
「別に当たり前の事をしただけだ。」
「そうかい…正直に言うとね、アタシはアンタの事信用してなかったんだよね。」
「やっぱりか…」
「気付いてたのかい!?」
「まあな。」
実際、フェイトの前や俺が見てる時は言葉では信用してる、期待してるって言ってたけど、フェイトがいないときや俺が見てないときは睨み付けてたからな。変な事したら承知しないって感じで。
「フェイトはこれまでずっと寂しい思いをしてきたんだ。そりゃアタシも側にいたけど、アタシの場合はフェイトの使い魔だから、義務だから一緒にいるって風にこの子は感じてるんだ。アタシ自信はフェイトの事が好きで一緒にいるんだけどね。」
アルフがぽつりぽつりと話始める。
「だから、アンタが来てこの部屋で一緒に暮らすようになってから本当に楽しそうだったんだ。義務でも無く一緒に居てくれる人ができてさ。フェイトはアンタの事、家族の一人って思ってるんだよ。」
その気持ちはわかる。記憶喪失だった頃、マスターに拾われて一緒に暮らすようになった時。帰ったらお帰りって行ってくれる場所が有ることに、迎えてくれる人がいることにどれだけ救われたか。例え、それが偽りの関係だったとしても、あの頃の俺はマスターの事を本当の家族の様に思った。
「だから、アンタが仲間とフェイトとで迷わずフェイトを選んでくれて本当によかった。だから、アタシはそんなアンタだから信用することができるよ。これであの女の言いなりにならずにいてくれたら1番いいんだけどね。」
アルフがそう言うがそれは無理だろう、フェイトの異常なまでの母親への依存を考えるとこいつが一番欲しいのは…
「いくら俺達がこいつと一緒にいても、こいつが一番求めてるのは母親の愛情だ。俺達にはこいつの寂しさを慰めることは出来ても、完全にその心を埋めることはできない…」
「それはわかってるさ。あんな女でも、この子にとってたった一人の母親だってことは。」
アルフが苦虫を噛み潰した様な顔で言う。俺はここで思いきって聞いてみることにした。
「なあ、フェイトの母親ってどんな奴なんだ?」
「プレシアかい?はっきりいって鬼婆だね!フェイトがどんなに誉めて欲しい時も誉めない、一緒にいて欲しい時も一緒にいてやらない、どんなに頑張ってもその頑張りを見てやらない。最低な母親さ!!昔は優しかったってフェイトは言うけどアタシには信じられないね。」
アルフは不愉快そうにそう言った。そんな人物が急にジュエルシードを求め出した、何の為だ?アルフから聞いた人物像の限り、あまり良いことじゃなさそうだけどな…。
俺はまだ見ぬフェイトの母親について思案するのだった。
▼
「なのは、入るぞ。」
俺は、昼から様子のおかしいなのはの事が気になってあいつの部屋に来た。
「あっ、龍我さん…」
「昼のあいつらのこと考えてるのか?」
「…はい。」
「あの金髪の奴が寂しそうな目だって言ってたな、あれはどういう意味だ?」
俺は昼から気になってたことを聞いた。
「あまり、うまく言えないですけど…あの子の目を見てるとなんだか、昔の私を見てる様な気分になるんです。」
「昔のなのは?」
「はい…実は私の小さい頃、お父さんが事故で意識不明の大怪我をしちゃって入院したんです。」
「士郎さんが!?」
そんな風に見えなかったけどな…
「お母さんもお兄ちゃんもお姉ちゃんも、みんなお見舞いとか看病に行って…その間、私は一人ぼっちだったんです。あの子の目を見てると、そんな頃の私を思い出してしまって。きっとこの子も寂しい思いをしてるんだろうなって…」
「それでほっとけないって訳か?」
そう言うとなのはは黙って頷く。
「そうか…。悪い、そのことについては俺にはよくわかんねえからなにも言えねえ。」
「いえ、いいんです。私が勝手に悩んでるだけですから…それに、あの子のことを考えているのは龍我さんもですよね?」
バレてたか…
「なあ、ユーノはいるか?」
「はい、いますよ。」
ユーノの奴が机の上の寝床から顔を出した。
「うお!?お前いつからいたんだよ。」
「いや、初めからずっとここでなのはの話を聞いてたんですけど…」
マジか!?気付かなかった…
「まあそれならちょうどいい…なあ、お前の世界に俺みたいな仮面ライダーっているか?」
「いえ、僕も龍我さんが初めて見る仮面ライダーでしたから、少なくとも僕が知る限りいません。」
「だよな…」
「どうかしたんですか?」
なのはの奴が聞いてくる。
「いやな、あの金髪の奴が俺を見て仮面ライダーって言ったんだよ。だからユーノの世界にも仮面ライダーがいんのかなって思ったんだけどよ…」
けれど、そうなるとな…
「もしかしたらあいつら、戦兎の事を知ってるのかもしれねえ。」
「えっ、戦兎さんのことを!?」
「ああ、それにあの犬耳の奴も途中から急にパンチが強くなったんだけどよ…フルボトルを使ったのかもしれねえ。」
「フルボトル?」
あっ、こいつらにフルボトルのことを説明してなかった。俺はドラゴンのボトルを取り出す。
「こいつだよ、ビルドドライバーを使うライダーはこれを使って変身するんだよ。」
「これで…」
「俺はこのドラゴンボトルだけで変身するんだけど、戦兎の変身するビルドはボトル2本を組み合わせて変身するんだ。」
「でもこれってビルドドライバーが無いと使えないじゃ…」
なのはの奴がそう言う。まあこれだけの説明だとそう思うか…
「いや、ボトルには有機物と無機物の二つのボトルがあるんだけどよ、有機物のボトルは振るだけでもそのボトルの力が使えるんだよ。ほら、初めてあった時生身であの変なのと戦ったろ?あの時もこのボトルを振ってたんだよ。」
「そうだったんですか。」
なのはとユーノは理解したみたいだな、俺も説明がうまくなったな。もうバカとは言わせねえぞ戦兎!!
「じゃあ、あの使い魔がボトルを持ってるとしたら…」
「ああ、戦兎のことだから昔ならともかく今のアイツがボトルを奪われるとは思わねえけどよ、何かしらの手がかりを知ってるかもしれねえ。」
「けれど…」
ユーノの奴が言いづらそうに話かけてくる。
「もしかしたらその戦兎さんが彼女達に協力してる可能性もあるんじゃ…」
「なんだ、そんなことかよ…もしそうだったら安心じゃねえか。」
「どういうことですか?」
「あいつが手を貸してるってことは、あいつらが悪い奴じゃねえってことだよ。」
「どうしてそう言いきれるんですか?」
ユーノもなのはも俺の話ちゃんと聞いてたのか?俺のいってる戦兎の性格を考えればすぐわかるじゃねえかよ。
「あいつはな、誰かの力になりたい、誰かの助けになりたいって本気で考えてる様な奴なんだよ。ラブ&ピースなんて恥ずかしげもなく言ってのける様な正義のヒーローなんだよ…だから、あいつが悪党に手を貸すことは絶対にありえねぇ。」
「信頼してるんですね。戦兎さんのこと…」
「ああ、あいつはいっつも難しいことばっかり言って、何のこと言ってんのかさっぱりわかんねえけどよ。けれど、あいつの言うことなら…信じられんだよ、俺は…」
あいつが俺の明日を作ってくれたからな。
「私、なんだかその戦兎さんにすごく会ってみたいです!」
「僕も是非。」
「そうか。けど、もし会っても俺が今のこと言ったて言うなよ?あいつのこと面と向かって誉めるのは癪だからな…」
「もしかして、照れてます?」
「は?照れてねえよ!」
俺はこの時思っても見なかったんだよな、こいつらが案外早く、戦兎の奴と会うことになるなんてな。
▼
フェイトが万丈の奴と会ってから一週間たった。その間、特にジュエルシードの反応は感知できなかった。
「どうだい?」
「…うん、見つけた。」
「どの当たりだ?」
俺は地図を拡げてフェイトに見せる。
「この当たり一体から感じる。」
「どれどれ?」
俺はフェイトの指したところを見てみる。
「ん?温泉街じゃないか。」
「おんせん?」
「なんだいそれ?」
「知らないのか?簡単に言うと地面から湧き出る風呂だよ。ちょうどいい、ジュエルシードの回収ついでに骨休めするか。俺はともかく二人は疲れてるだろ?」
よし、そうと決まればすぐに旅館に連絡だ。今から部屋とれるか?
「…あっ、もしもし。明日一晩泊まりたいんですが?…はい、はい…大人二人に子供一人です。はい…桐生と言います。はい…お願いします。…ふう、部屋とれたぞ。」
「なんで明日なの?今日にでも…」
「いやよく見ろよ、ここからだとバスでも結構かかるぞ明日朝一番で出発した方がいいんだよ。」
「転移魔法を使えば…」
「それこそ却下。温泉街は人が大勢いるんだぞ。そんな中に転移なんかしたら大騒ぎだろ?」
「けど…」
なかなか引き下がらないな…仕方ない。
「あとで卵焼き作ってやるから。」
「…わかった。」
これでよし。
「フェイト、そんなにあの卵焼きがいいのかい?」
「戦兎の卵焼きはおいしいよ?」
「いや、あんなのただ甘いだけじゃないか。」
よし、アルフは明日まで飯抜きにしよう。
アルフへ死刑執行する事を決めて俺達は明日の準備を始めた。
次回予告
「今までお前どこに行ってたんだよ!?」
ついに再会する戦兎と万丈
「それより、ちょっと実験に付き合えよ。」
「マジかよ…本気なんだな?」
ビルドVSクローズ!?
「そいつらの事はお前に任せるぞ、万丈。」
第5話 再会するベストマッチな奴等
「だから…私に戦い方を教えて下さい。」