私は
霊が見える、話せる、触れる、以外はいたって普通の高校生だ。
「ただいまー」
空座第一高校から真っ直ぐ帰宅。
「おかえり、お姉ちゃん」
と、弟の
「今日、お父さん遅くなるって」
「そう」
太一は小学二年生である。
「じゃ、今日はお姉ちゃんが太一の好きなハンバーグ作ってあげる」
「やったー!」
「それじゃ、着替えてくるね」
私は階段を上り、自分の部屋へ。
「……?」
部屋の真ん中に黒い袴姿の女が立っている。
「誰?」
「近い」
「近いじゃねえよ!」
私は女に蹴りをお見舞いした。
「どわ!?」
女は尻餅をつく。
「貴様、私が見えるのか!?」
「見えるから蹴り入れたんだろ!? ていうかあんた何よ!? ここ私の部屋なんですけど! ははーん、さては泥棒ね?」
「泥棒ではない。私は死神だ」
そう言って、女は腰に携えている刀を抜いた。
斬られる、そう覚悟した私だったが、女は刀の向きを変え、私の背後にいた霊の額に柄を当てがった。
「いやだ、私はまだ地獄には」
「案ずるな。お主の向かうところは尸魂界だ。地獄と違ってき気安いところぞ」
「な、何したの?」
「魂葬したのだ。お主らの言葉では、成仏と言ったか」
「なんかよくわかんないけど、除霊してくれたのね。いることには全く気づかなかったけど」
「そんなことより……!?」
階下から爆発音のようなものが聞こえた。
「なんだ!?」
私が階段を駆け下りると、食卓の壁が倒壊していた。
「うわああああ!」
太一の悲鳴。
壁の穴から外に飛び出すと、仮面で顔を覆った、胸に穴のある怪物が、太一を食べようとしていた。
「太一!」
怪物は私に気づくと、太一を放り投げ、こちらに接近してきた。
やられる! そう覚悟した刹那、先ほどの死神を名乗る女が、私を庇って怪物の攻撃を受け止めた。
「ぐわ!」
右肩を負傷した女は、左手で光弾を発射し、怪物を吹っ飛ばした。
「くそ、右腕をやられた。このままでは……」
「あいつ、私を狙ってる?」
「ああ。貴様の霊圧が異常なほど高いからだろう」
女が私を見る。
「貴様が生き残るための方法が一つだけある。試すか?」
「その方法を取れば、あいつを倒せんだな?」
「成功すればな。どうする? このままだとお互い犬死にだ」
「やってちょうだい」
「いいだろう」
その時、怪物が光線を放ってきた。
「危ない!」
女が力を振り絞って私を突き飛ばす。
「うわ!」
女は光線の直撃を受け、吹っ飛んだ。
「死神!」
私は女に駆け寄った。
「おい、しっかりしなって」
「く……」
「さっき言ってた方法を!」
だが、女は意識を失ってしまう。
くそ。どうしたら?
怪物が接近してくる。
私は女の刀を取り上げた。
「ああああ!」
怪物に駆け寄り、刀を振るう。が。
「うわ!」
カウンターを受けて私は吹っ飛んだ。
地面を転がる私の体。
覚束ない足取りで立ち上がった瞬間、怪物の手が私の霊体を肉体から押し出した。
「が!」
壁にめり込む。
「こ、これは!?」
私の霊体は、女と同じ姿をしていた。
「よくもやってくれたな!」
私は背中の大刀を抜き、怪物に迫った。
「はあ!」
一撃で怪物の額を貫き、消滅させる。
私は自分の肉体に近づく。
抜けたってことは、死んだってこと?
「いや、貴様は死んでなどおらん……」
「へ?」
「まさか、貴様が死神だったとは」
「え、私が?」
「とりあえず、肉体に戻れ」
「あ、うん」
私は自分の肉体に入った。