BLEACH - 神崎沙織の日常   作:桂ヒナギク

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Episode 2

「わああああ!」

 ベッドの上で目を覚ます。

 恐ろしい夢を見た。

 食卓の壁が破壊され、太一が襲われる。

 そして私が死神になり、怪物を倒すという。

 空腹を感じた私は、階下へ降りる。

「何じゃこりゃあ!?」

 私は食卓の破壊された壁を見て驚いた。

「あ、お姉ちゃん。これ、昨夜トラックが突っ込んできたんだよ」

「トラック?」

「うん。でも幸い人的被害はなかったんだ」

「そう。……って、太一怪我は?」

「だから被害……」

「じゃなくて、怪物に襲われた時のだよ!」

「怪物? 何言ってんの?」

 だめだ。混乱して頭の整理が追いつかない。

 そういえば、あの女どうしてるかな。

「お姉ちゃん、ご飯まだ? 早くしないと遅刻しちゃうよ」

「ああ、そうだったね」

 私は大急ぎで朝食の支度をした。

 食べ終えた私は、太一を見送り、壁の修繕作業をしてから学校に向かう。

 学校に着くと、例の女を見かけた。

 うちの制服……。

 女が振り返る。

「あら?」

 疑問符を浮かべた。

「あなたが神崎 沙織さんですの?」

「神崎、こちら今朝編入してきた春原(すのはら) 紗子(さえこ)さん」

 と、クラスメイトの男子が言う。

「あ、あんたこんなところで何してんのよ?」

「あれ? 知り合いだった?」

「ちょっと来て!」

 私は紗子を屋上に連れ出した。

「あんた何やってんの?」

「力を回復させてるだけだが?」

「そう。てか、なんでみんなに見えてんの?」

「義骸に入ってるからな」

「ギガイ?」

「ああ。極端に力が下がった時に回復させるために使う仮の肉体のことだ」

「なるほどね。それで、なんでうちの高校なの?」

「貴様のことを尸魂界に報告したのだが、そしたら監視を頼まれてな」

「監視?」

「尸魂界にとって有益となるか判断するための材料が欲しいらしい」

「さっきから言ってるそのソウル……ってなに?」

尸魂界(ソウル・ソサエティ)だ。貴様らの言葉では天国、といったところか」

 ピピッピピッ……。

 紗子の懐から電子音が鳴る。

「伝令か」

 通信端末を取り出し、画面を見つめる紗子。

「なに?」

「どうしたの?」

(ホロウ)だ」

「虚?」

「貴様が昨晩倒した怪物だ」

「あんなのがまだうろついてるっていうの?」

「絶え間なくな」

 紗子が悟魂手甲(ごこんてっこう)という手袋状のものを手にはめる。

「いくぞ!」

「え?」

 油断していると、紗子が私を突き飛ばし、霊体を肉体から押し飛ばした。

「うわ!」

 ひっくり返ると同時に、私の肉体が倒れる。

「ついてこい」

「は?」

「いいからこい!」

 紗子に引き()られ、私は公園にやってきた。

 男の子の霊が化け物に襲われている。

「やつを倒してくれ」

「あんたがやればいいじゃん」

「何を言っておる。私の体力はそこまで回復してはおらん」

「へいへい」

 私は斬魄刀という刀を抜き、怪物に迫る。

 虚はこちらに気づき、方向転換して襲ってきた。

「うぉりゃ!」

 私の刀が虚の額に突き刺さり、光の粒子となって消滅する。

「ありがとう、お姉ちゃん」

 と、男の子の霊は言う。

「魂葬してやれ」

 私は霊の額に斬魄刀の柄を当てがう。

 男の子は天に昇っていった。

「いい働きだ」

 と、紗子。

「帰るぞ」

 私たちは学校へと戻るのだった。

 


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