「わああああ!」
ベッドの上で目を覚ます。
恐ろしい夢を見た。
食卓の壁が破壊され、太一が襲われる。
そして私が死神になり、怪物を倒すという。
空腹を感じた私は、階下へ降りる。
「何じゃこりゃあ!?」
私は食卓の破壊された壁を見て驚いた。
「あ、お姉ちゃん。これ、昨夜トラックが突っ込んできたんだよ」
「トラック?」
「うん。でも幸い人的被害はなかったんだ」
「そう。……って、太一怪我は?」
「だから被害……」
「じゃなくて、怪物に襲われた時のだよ!」
「怪物? 何言ってんの?」
だめだ。混乱して頭の整理が追いつかない。
そういえば、あの女どうしてるかな。
「お姉ちゃん、ご飯まだ? 早くしないと遅刻しちゃうよ」
「ああ、そうだったね」
私は大急ぎで朝食の支度をした。
食べ終えた私は、太一を見送り、壁の修繕作業をしてから学校に向かう。
学校に着くと、例の女を見かけた。
うちの制服……。
女が振り返る。
「あら?」
疑問符を浮かべた。
「あなたが神崎 沙織さんですの?」
「神崎、こちら今朝編入してきた
と、クラスメイトの男子が言う。
「あ、あんたこんなところで何してんのよ?」
「あれ? 知り合いだった?」
「ちょっと来て!」
私は紗子を屋上に連れ出した。
「あんた何やってんの?」
「力を回復させてるだけだが?」
「そう。てか、なんでみんなに見えてんの?」
「義骸に入ってるからな」
「ギガイ?」
「ああ。極端に力が下がった時に回復させるために使う仮の肉体のことだ」
「なるほどね。それで、なんでうちの高校なの?」
「貴様のことを尸魂界に報告したのだが、そしたら監視を頼まれてな」
「監視?」
「尸魂界にとって有益となるか判断するための材料が欲しいらしい」
「さっきから言ってるそのソウル……ってなに?」
「
ピピッピピッ……。
紗子の懐から電子音が鳴る。
「伝令か」
通信端末を取り出し、画面を見つめる紗子。
「なに?」
「どうしたの?」
「
「虚?」
「貴様が昨晩倒した怪物だ」
「あんなのがまだうろついてるっていうの?」
「絶え間なくな」
紗子が
「いくぞ!」
「え?」
油断していると、紗子が私を突き飛ばし、霊体を肉体から押し飛ばした。
「うわ!」
ひっくり返ると同時に、私の肉体が倒れる。
「ついてこい」
「は?」
「いいからこい!」
紗子に引き
男の子の霊が化け物に襲われている。
「やつを倒してくれ」
「あんたがやればいいじゃん」
「何を言っておる。私の体力はそこまで回復してはおらん」
「へいへい」
私は斬魄刀という刀を抜き、怪物に迫る。
虚はこちらに気づき、方向転換して襲ってきた。
「うぉりゃ!」
私の刀が虚の額に突き刺さり、光の粒子となって消滅する。
「ありがとう、お姉ちゃん」
と、男の子の霊は言う。
「魂葬してやれ」
私は霊の額に斬魄刀の柄を当てがう。
男の子は天に昇っていった。
「いい働きだ」
と、紗子。
「帰るぞ」
私たちは学校へと戻るのだった。