誘われし幻想の吸血鬼   作:☆さくらもち♪

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戦闘シーンの書き方がとてつもなく下手だと分かって、以降は出来るだけ戦闘シーン出ないように進めたいです……


幻想に咲く響音の刃

 

「うぅ……がくっ……」

 

満身創痍を表すようにクーリアの目の前でボロボロに負けた門番らしき女性が倒れていた。

クーリアの片手には刀が握られている時点でやった犯人が丸わかりなのだが。

 

「……やりすぎましたね」

 

自身の力がどれほどまで幻想郷に通用するのかも分からなかったクーリアは一先ず自分の能力の制限を縛って持ちうる技術と二振りの刀で戦闘を行った結果が目の前の状態とも言えた。

そもそも何故クーリアが戦闘することになったのか。

それは少し時を遡る。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

「クーリア、いるかしら?」

 

「はい?」

 

自分の名前を呼ばれて、その声の主の場所まで行くと紫が座って待っていた。

 

「昨日貴女にこの世界の戦い方を教えると言ったでしょう?」

 

「そんなこと言っていましたね」

 

紫に連れられて幻想郷に初めて入り込んだその日に八雲家の食事に入っていたクーリア。

多少不穏な雰囲気になりながらもその後は何事もなく食事と雑談を楽しんだ。

 

「この世界は出来るだけ殺生をしないというのが妖怪でのルールなのよ」

 

「出来るだけ……つまるどころ殺してしまっても構わないのでしょうか」

 

「幻想郷に住まう全ての妖怪が守れるとは限らないもの。知性があり、己のプライドがある妖怪は人間を襲う事自体しないのだから」

 

「それは確かにありますね。妖怪というのは人間達の恐怖の象徴、恐れられなくなってしまっては存在意義に矛盾を生じます」

 

妖怪という存在が生まれる原因になったのは人間が心の深層にある恐怖心が形を持って具現化したものが妖怪。

人間が妖怪に対して恐怖を抱かないようになればいずれ妖怪は消えていくだろう。

 

「そこで私と()()()()()で考えついたものが《弾幕ごっこ》というものなの」

 

「弾幕ごっこですか?」

 

弾幕というものはどいうものか理解していながらもそれをごっこ遊びに繋げれるほどイメージが出来なかったクーリアは良く分からなかった。

 

「妖怪と人間は基本の能力が違うでしょう?妖怪は圧倒的な力を持つけれど人間は脆弱な力しか持たない。でもこの弾幕ごっこがあれば妖怪と人間でも戦えるの」

 

「……なるほど、妖怪が人間に合わせるということですか」

 

「弾幕ごっこの最も重要な部分は、()()()()()()()()()()()()()()()に尽きるの。ただ避けようのない攻撃ではつまらないでしょう?」

 

「そうですね。しっかりと避けれる部分を作りながらも、美しさを求める……意外にも難しいですね」

 

「あら?クーリアなら簡単に思いつきそうだけれど」

 

「うーん……」

 

自身でも自覚出来る戦闘狂のクーリアは唯一困り果てている部分があった。

今まで加減というものが無かった彼女にとって弾幕ですら攻撃性を持ってしまう部分。

また能力の特殊さもあり、弾幕ごっこに組み込む事が難しかった。

 

「あともう一つあるのよ」

 

「もう一つですか?」

 

「《スペルカード》。私たちが繰り出す技の名をカードに書くの。それが弾幕ごっこで使える必殺技のようなものになるわ」

 

「ふむ……なら出来るかもしれないですね」

 

スペルカードというものであれば殺傷しないように能力の調節も出来る。

こと戦闘においては無類の強さを持ちながらもそれを殺さないように抑えるというのは困難だったから。

 

「スペルカード、というのは専用のカードがあるのですか?」

 

「ええ。貴女にも渡してあげる」

 

はい、と紫が手渡してきたのは少し厚めの紙。

試しにクーリアは己の技名を書いてみる。

 

「技名を書いたら後はカードに力を込めると使えるようになるわ」

 

妖力を込めてみると、クーリアの体の中にあった妖力がとてつもない勢いでカードへと吸い取られていく。

数秒ほどして止まるとカード自体から溢れ出すぐらいの妖力が感じ取れていた。

 

「どれだけ強力なのよ……ま、まぁこれでクーリアも弾幕ごっこが出来るようになったわ」

 

「ここまで吸われるのは予想外でしたが……こんなあっさりと出来るのですね」

 

「簡単でしょう?その仕組みを作り出すまで当代の巫女と考え抜いたんだもの」

 

そしてクーリアは思いつく限りの技をスペルカードに書き込む。

おかげでかなりの枚数のスペルカードが出来上がり、全てポケットに放り込んだ。

 

「さて……紫。そろそろ私は行きたいので、お願いしてもいいですか?」

 

「ええ。直接内部に送ったら館の主に怒られてしまうから門前になるわよ」

 

「構いませんよ」

 

「じゃあ……行ってきなさい。クーリア」

 

「はい。行ってきます、紫」

 

紫が手をかざし、スキマを開くクーリアはその中へと入っていく。

スキマを通って出口を通ると一風変わって、森の中にある洋館があった。

クーリアにとっては数年しか見れなかった紅い館。

懐かしいような、新鮮なような……複雑な気分だった。

 

「今は……日の時ですか。日傘をさしながら行きましょうか」

 

目を閉じて頭の中で自分が欲しい日傘をイメージする。

妖力が多少減った感覚を覚え、右手には想像した日傘が握られていた。

 

「さて、行きましょう」

 

傘をさして館に向かっていく。

遠目から見ても大きな館は紅色なだけあり、かなり目立ちやすい。

だからだろう。

館の門の近くにいる存在がいるのを見落とすなんていうクーリアらしくないミスをやらかした。

 

「それ以上の侵入はお控え頂けますか」

 

凛とした気迫のある声はクーリアの足を止めるのに充分なものだった。

クーリアがその主を視界に入れると中華の妖怪なのだろうと理解する。

 

「あ……これは申し訳ありません」

 

「いえいえ……ここ《紅魔館》に何かご用でしょうか?」

 

「はい。館の主にお会いしたいのですが」

 

「生憎と我が主に気軽と会われますと館の主人としての品格が落ちます。どうかお引取りを」

 

クーリアとしてはここの主に会っておきたかった。

同族として、そして()()だったこの館自体も思い入れは多少なりともあったのだから。

 

「それでもなお、会いたいと言えば。どうなりますか」

 

「武力行使させてもらいます」

 

クーリアは一瞬で武器となる刀を想像する。

抑えていた妖力も僅かだけ解放して。

 

「ならば、実力でお願い致します」

 

相手に礼としてカーテシーをすると、傘を左手に持ち変えて刀を右手に現した。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

女性から感じ取れるのは《気》と呼ばれる力の一種。

それを身体に巡らせて身体能力を強化していた。

 

「ごめんなさい。一瞬で終わらせます」

 

最大限に加減をして、右手で構えた刀は少し軸をずらす。

 

「『幻想鏡花』」

 

スペルカードにて発動されたそれは、クーリアと女性の周囲だけに及ぶ効果だった。

 

「ぐっ……あぁ!?」

 

耳障りを通り越して鼓膜を破壊する高周波と共に現れる斬撃は空間そのものを斬り裂く断空剣。

クーリアの宣言通り一瞬で片がついてしまうほどに強力過ぎる技だった。

 

「うぅ……がくっ……」

 

力尽きたように倒れた女性にクーリアはやり過ぎてしまったと思いながらも、とりあえず彼女が起きるまで門番の代わりを務めることにしたのだった。

 

 

 

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