銀鳳の副団長   作:マジックテープ財布

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味方である筈の者達に攻撃され、絶望感に打ちひしがれながらも懸命に毎日を生きる村人達に手をさし伸ばすべく、銀鳳騎士団は立ち上がる。

防衛力、食糧事情、住居。やることが山積みなれど、伝説の存在であるシルエットナイトと共に銀鳳騎士団は少しずつ課題を片付けていく。

全ては村人が安心して過ごせる環境を作るために。

※この番組はご覧のスポンサーの提供でお送りします。
・フレメヴィーラ王家
・クシェペルカ王家
・銀鳳騎士団
・紫燕騎士団
(その他諸々の大商家)

──嘘です。


巨人戦争編_後編
幕間(プロジェクト銀鳳 --復興者達--)


 小鬼族(ゴブリン)。太古に行われた第1次森伐軍の生き残りを祖に持ち、現在はルーベル氏族という巨人族(アストラガリ)の一団に隷属した人間達である。そんな小鬼族(ゴブリン)達だが、大まかに分けて2種類の存在に区分分けされている。貴族や幻獣騎士(ミスティックナイト)という魔獣に対抗できる魔導兵器を操る騎士といった『小王(オベロン)を中心とした政の中心』と『それ以外』だ。

 

 前者は堅牢な石造りの壁に囲われた上街と呼ばれる場所で魔獣に襲われる心配もなく暮らし、後者は下村と呼ばれる場所でいつ来るかも分からない魔獣の襲来や『御納め』という一方的な搾取に怯えながら暮らしている。これだけの情報でも、彼らの力関係は明白であろう。

 此処はそんな下村の内の1つ。先だってエルとアディが迷い込む形で交流を行っていた村は、守護騎士であったはずの幻獣騎士(ミスティックナイト)による襲撃で様々な物が吹き飛んでいた。だが、村人は『生きていればまた直せる』というハングリー精神で何とか持ち直し、崩れた家を1件1件丁寧に再建していくという途方のない作業に従事しながらもその日の糧を得ようと頑張っていた。

 

 だが、日々の暮らしもままならない中で新しい仕事というのは精神的にもきつい物がある。幾度とない諦めの言葉が村の空気を重くし、その言葉以上の励ましの言葉でなんとか村人達の精神が均衡状態に戻るが、それでも幾分かのしこりが残っていく。

 そんな毎日を送っていたその時。天から伝説の存在が舞い降りる。今日はそんな村に差し伸べられたいくつもの手の物語である。

 

***

 

 イズモ率いる主力部隊と分かれた拠点作成船団は、調査飛行時に遭難した銀鳳騎士団の騎士団長補佐であるアデルトルート・オルターの記憶を頼りに小鬼族(ゴブリン)の下村に到着する。『話を通してくる』と彼女は幻晶甲冑(シルエットギア)に搭乗すると、一目散にアサマから飛び降りる。新人がそんなことをすれば大騒ぎになるが、創設時から銀鳳騎士団に在籍している騎士団長補佐の実力から騎士達は一切騒がずに物資の投下準備に入る。

 

「急げ! アデルトルートの信号法弾の色によって投下場所が変わることを忘れるな!」

 

 アサマの船倉内でそう叫びながらも若い騎士は自身の乗機に搭乗するため、横付けられた飛空船(レビテートシップ)の船倉内に戻っていく。

 若輩そうな年嵩の中に老練の雰囲気を醸し出すこの男。何を隠そう拠点作成任務を請け負った上層陣の1人で、名をエドガー・C・ブランシェという。数多の戦場に置いて要所の守護を任されてきた拠点防衛の匠である。

 地続きになるように両船で固定されたタラップを渡ったエドガーは、船倉で既に待機している中隊員の前に立つ。彼の登場に気づいた中隊員達は、いつものように整列を行ってから微動だにせず上官であるエドガーの言葉を待っていた。

 

「第1中隊、出撃準備!」

 

 大西域戦争(ウエスタン・グランドストーム)という大戦の中でも一切落伍せずに戦い抜いた彼らは、エドガーの指揮の下で戦えば陣地防衛おいて無二の堅牢さを持つ壁となる。

 また、そこに最近まで取り組んでいた土木パッケージの力も加われば、拠点の1つや2つ作り出すことが出来るだろうと確信しながら放ったエドガーの出撃準備の号令に、中隊員達は『応!』という返事をしてそれぞれの乗機であるカルディトーレへと乗り込んでいく。

 自らの機体に備え付けられた追加装備(オプションワークス)可動式追加装甲(フレキシブルコート)であったり、土木用に両腕やサブアームに付けられたドリルや作業用のウィンチだったりと確認している中隊員達であったが、唐突に窓の外が明るくなる。

 それは、アディの搭乗する幻晶甲冑(シルエットギア)から放たれた交渉成功の合図だった。

 

「降下するぞ!」

 

 徐々に高度が下がる飛空船(レビテートシップ)の振動を感じながら、エドガーは降下に備えるよう指示する。歯車と鎖が織り成す大絶叫を背に、彼の乗機──アルディラットカンバーと第1中隊のカルディトーレが次々とボキューズという未踏の大地に向かって降下していく。

 やがて、大きな足音を立てながらも問題なく着陸を果たしたカルディトーレ。未踏の地を踏みしめた実感に浸ることなく事前に受けたブリーフィング通り小隊毎に分かれると、降下地点を起点に周囲を警戒する。

 そのままじりじりと警戒範囲を広めていき、ついに村全体は完全に調査船団の保護下へと入る。

 

 中隊というよほどの魔獣が現れない限り返り討ちに出来る戦力が村の周囲に展開された後、エドガーはアルディラットカンバーから降りて下村に住む小鬼族(ゴブリン)に軽く自己紹介を行いつつ、改めて拠点を作成する許可を得る。

 同じ種族のためか小鬼族(ゴブリン)と言うのを躊躇った彼に対し、村長は終始恐縮した態度で『住んでいただく家がない』と残念そうな言葉を漏らす。

 

 だが、そこは既にアディからの報告で周知済みである。エドガーはひとしきり村を見渡すと、一言断ってからアルディラットカンバーに戻る。既に周囲には物資が満載の輸送型飛空船(カーゴシップ)やアサマが高度を落としており、十分拡声器が聞こえる範囲だと判断したエドガーは口を開く。

 

「全員、聞こえるな? 被害は甚大を想定する! 各船は連絡を回しあってくれ、すぐに動くぞ!」

 

 復興支援の度合いを報告したエドガー。その言葉に呼応するかのように、アサマや輸送型飛空船(カーゴシップ)から幻晶甲冑(シルエットギア)に搭乗した騎士や、物資が積み込まれたコンテナが次々と下りてくる。騎士はそれぞれ圧縮大気推進(エアロスラスト)が刻まれた紋章術式(エンブレム・グラフ)を起動させながら滑らかに着陸すると、初めて踏む異界の地に感動する暇もそこそこにテキパキと予め決められた班で合流していく。

 こうして、あっという間に3班から成る騎士と1班から成る騎操鍛冶師(ナイトスミス)の集団が一箇所に集まる。そのタイミングで、彼らの目の前に緑色に塗装された幻晶甲冑(シルエットギア)が姿を現した。

 

「エドガーさんの見立てで甚大判定が出ました! なので、予め決めていただいた予定は一旦忘れてくださーい!」

 

 パーソナルカラーに染められた幻晶甲冑(シルエットギア)の兜が開け放たれると、そこには若干銀鳳騎士団の騎士団長よりも髪が長い瓜二つの顔──かの騎士団の副団長であり、この拠点作成船団の実質的なトップであるアルフォンス・エチェバルリアの顔があった。

 連絡事項を述べたアルは、まず大型の剣や重厚な盾と槍といった武装を背負う幻晶甲冑(シルエットギア)集団である第1班に視線を向ける、

 

「第1班は予定と変わらずに資材状況と偵察をお願いします。ただし、命を大事にでいきましょう。ガンガン突っ込むにはこの森は危険すぎます。危なくなる前に信号法弾で合図! 近隣のカルディトーレは合図を見たら全力で援護をすること!」

 

 森の中にある資材や魔獣の種類や位置といった情報は何よりの生命線となる。だが、一番大事にしなければならないのは人的資源。つまり、『マンパワー』である。戦死者を出すことは許さないという指示と共に周囲の幻晶騎士(シルエットナイト)にも援軍要請を話すアルの後に『応!』という力強い同意の返事が聞こえ、第1班は装具を点検してから意気揚々と森の中へ入っていく。

 

「次は第2班。瓦礫撤去よりも村とその周辺に明かりを敷設してください。まだ昼ですが、夕方から作業となると間に合わなくなる可能性があります」

 

「魔力源はイズモからで良いですか?」

 

「はい、夕方までには周囲を照らせるよう急いでください。もちろん、獣避けのかがり火もお願いします」

 

 暗闇は人間にとって恐怖そのものだ。視界が頼りない中での歩哨などいつでも襲ってくださいと魔獣側に吹聴しているようなものなので、明かり──特に魔導光通信機(マギスグラフ)のような照度の強い照明の確保は最も優先される作業だ。

 ただ、かがり火も獣を寄せ付けない効果があるのでそれも忘れずに敷設するようにお願いすると、第2班の面々は村の中へと入っていく。

 

「では、第3班は物資の調整に入ってください。まずは第2班が使用するマギスグラフ。次に食料品の準備をお願いします。……ここだけの話ですが、村人には恩を売っておかないと僕らが売られてしまう可能性も無きにしも非ずなので、香辛料といった調味料関係は大盤振る舞いしちゃってください」

 

「了解。ですが、いきなり干し肉とか重いのはまずいでしょうし、粥的なものに強めの塩を振って振舞っておきます」

 

 下ろした物資の調整を行う第3班に向かってアルは指示を行いながらも彼らとの距離をじりじりと狭めていくと、やがて『ここだけの話』をしだした。

 

 なぜそんなことをするのかと言うと、アルはザカライア達小鬼族(ゴブリン)の上層部のみならず、『小鬼族(ゴブリン)全体』を怪しんでいたからである。

 小鬼族(ゴブリン)の下村は見たところ、騎士に対して自分達が最底辺の存在であるかのように接している。だが、これはザカライア達のような『小鬼族(ゴブリン)の騎士』に対しての感情で、ザカライア達が命じれば即座に銀鳳騎士団側を捕縛する兵に変貌する可能性も大いにあった。

 

 なので、ここで銀鳳騎士団側についたほうが生活が豊かになるという印象を与えれば、仮に命じられても逃げる暇が稼げないかというアルの判断であった。

 相変わらずのマイナス思考全振りの中で立てた対策に、第3班の全員は苦笑しながらも栄養が著しく乏しい際に栄養に富んだ食物を与えると逆に体に良くないことを話しながら作業に入っていく。

 

「第4班は……ひとまず、壁を作りましょうか。とりあえず木材を切り出して丸太を並べるぐらいしておきましょう」

 

「ですね。満足な安全地帯を作らないと建築予定どころの騒ぎじゃないですよ」

 

 騎操鍛冶師(ナイトスミス)のみで構成された第4班。所謂、工兵のような立ち位置の彼らは攻撃を受けた村を見渡しながら言い辛そうに頬を掻く。

 現在、この村は小王(オベロン)の部下である幻獣騎士(ミスティックナイト)の攻撃によって半壊──否、全壊寄りの半壊といった風体であった。村を守る防壁は所々損失し、残った防壁も決闘級魔獣どころか小型魔獣の大群が向かってきたとしても幻獣騎士(ミスティックナイト)が救援に向かうまで持ちこたえるのは厳しいだろう。

 

 そうなってくると第4班の仕事はおのずと変わってくる。アルは近場で歩哨として突っ立っていたカルディトーレに声をかけ、土木パッケージを装備させたカルディトーレ全機集めるよう指示を行った。

 

「副団長、全機集まりました」

 

「まずは村を広げます。建築資材を調達がてら、村近くの森林を切り開いてかなり広めの空間を作りましょう」

 

「了解です」

 

 『かなり広め』というざっくばらんなオーダーにも拘らず、彼らはすぐさま村に近い森林を切り開き始める。樹木を伐採し、手ごろな大きさの丸太に整形。そして、腕部にドリルを装備したカルディトーレが切り株ごと砕いて地面を一気にかき混ぜては、機体の圧倒的重量で踏み固めてしっかりとした地面が形成されていく。

 

「それでは、あの丸太を数本ごとに編んで矢来として使うので加工をお願いします。後で石積みの壁も作る予定ですが、しばらくは矢来任せになるので念入りに縛ってくださいね」

 

「良かった。丸太を尖らせた防護柵とか堀とかも提案されるかと思いましたよ」

 

「子供が落ちたり近づいたら危ないでしょう」

 

 矢来。『パリセーズ』とも呼ばれる仮設の壁で新しく切り開いた区画ごと村を囲うよう指示するアルに、騎操鍛冶師(ナイトスミス)が安堵の声を漏らす。しかし、対して『危ないから』と返答したアルに彼らは『魔導兵装(シルエットアームズ)や地雷は危なくないのか?』という尤もな意見を言いながらも、土木作業中のカルディトーレが運び出してきた丸太の加工に向かっていく。

 

 こうして作業を開始した拠点作成船団。アサマやトゥエディアーネ、第1班が周囲の環境を偵察しているためなのか定かではないが、幸いなことに作業中に魔獣がやってくるというありがたくもないイベントも発生することもなく数日が経過した。

 

***

 

 先だっての戦闘でボロボロ状態の村。何時、魔獣の襲来によって全滅するかも分からなかった空間が、空から舞い降りた匠達の手によって生まれ変わった。

 

 村ということもあって広いが、それでも新たに何かを作れるほど拡張性がなかった村が──何と言うことでしょう。従来の村のおよそ4倍の広さまで広げられたのである。

 これには工事を担当したカルディトーレの騎士(たくみ)達は『拠点にするならこれぐらいはないと』と苦笑い。たしかにそうではあるが、村人は喜びながら第4班や新たに組織した建築隊と建築物について議論を交わしているのでノープログレムである。

 そんな議論の末に畑の拡張が既に内定しており、逆に小鬼族(ゴブリン)達のバイタリティの高さに銀鳳騎士団の騎操鍛冶師(ナイトスミス)達は感心していた。

 

 また、魔獣から村人を守る壁も今まで村を守っていた頼りない壁を撤去し、新たに広げられたスペースの外側に頑強な丸太を縛った矢来を設けた。矢来の外には浅い堀も掘られ、弓による射撃によって小型魔獣ぐらいなら対処可能になったことに、死と隣りあわせだった警護役を持ちまわりで行っていた男衆から笑顔が漏れる。

 

 さらに、村には新しい恩恵として『明かり』が敷設された。

 夜の間、イズモの魔力転換炉(エーテルリアクタ)から銀線神経(シルバーナーヴ)を通じて村の至る所に魔導光通信機(マギスグラフ)の照明が村に光を提供するのだ。ちなみにこれは魔導光通信機(マギスグラフ)ごとのON/OFFも可能となっており、就寝時には村の中の照明は全て消えて寝やすい環境を設えている。

 ただ、村の出入り口だけは絶えず魔導光通信機(マギスグラフ)による照明とかがり火によって十分な照明が煌々と灯っており、今宵も村の男衆と幻晶甲冑(シルエットギア)幻晶騎士(シルエットナイト)に搭乗した騎士達の夜中の村の平和を守る一助となっている。

 

 そんな劇的なビフォーでアフターな修復作業が一段階目が終わった頃。拠点作成船団はもう一度方針を話し合うために集まっていた。

 銀鳳騎士団や紫燕騎士団の騎士や騎操鍛冶師(ナイトスミス)に混じって村人や村長も混ざっていることから、未だ恐縮しきったような口調ではあるが徐々にこちら側に寄ってきているというアル達にとって良き状況といえよう。

 

「さて、まずは村の拡張と必要最低限の防備を行いました。これからは銀鳳騎士団の宿舎や壊れた家の復興といった中身を重点的に行っていきますが、異論はないでしょうか」

 

「我々は引き続き小隊に分かれて歩哨と第1班を伴った資材の調達を行おう。第1班はそれで良いだろうか?」

 

「問題ないです。ただ、木材の他に石材や魔獣素材も必要になるので狩りを行う人員も必要になるかと」

 

「第3班は下ろした物資の整頓は終わっています。1班や他の班に合流しても問題ないかと」

 

 復興や増築を満足に行えるような量の資材を調達するのは幻晶騎士(シルエットナイト)幻晶甲冑(シルエットギア)の補助ありでもかなり骨が折れる作業だ。だが、人数が増えれば相対的に作業量も減っていくのでアルは既に村の一角に倉庫を建造し、その中にイズモや輸送型飛空船(カーゴシップ)からの投下物資を入れて暇をしていると報告を受けた第3班を半分ほど第1班に編入させる。

 これで多少は楽になるのだが、彼らの報告にあった『狩りを行う』といった言葉に村長を含めた村の衆は揃って口を開けながら呆ける。

 

「あの、狩りを行うのですか? 流石にミスティック……シルエットナイト様が一緒とはいえ、生身の騎士様では魔獣は……」

 

「大丈夫です。現に1匹狩ってますよ? 昨日とか一昨日のお肉、新鮮だったでしょ? あれ、決闘級魔獣のやつですよ」

 

「いやぁ、逃げる算段をつけてから不意打ち気味で仕留めただけですよ。あまりにも無防備だったので」

 

 決闘級──守護騎士から聞いた覚えのある幻獣騎士(ミスティックナイト)1機で死闘の末に仕留められる魔獣の等級がさらっと出てきたことに村人全員が思わず噴出す。さらに記憶を一昨日あたりまで遡れば、当日は手ごわい根っこが出てきたとか何かで幻晶騎士(シルエットナイト)を一切伴わずに森に入っていったことを思い出した村人達はこれ以上の話の追求は自身の常識を粉々になるまで砕かれると危惧して止めた。

 

「話を続けますね。では、第2班と第3班のもう半分は瓦礫の撤去と合わせて家の再建に着手。建てた端から村人と相談して割り当てられた家族の引越し作業を手伝ってあげてください」

 

「そんな、騎士様方に引越しの手伝いをさせるなんて」

 

「いえいえ、住まわせてもらっているせめてものお礼です。僕らの国では村人の幸福な生活こそが僕達騎士の生きがいなのですから」

 

 騎士と言う上級階級に一般市民の手伝いをさせることを固辞した村人達だったが、アルの言葉にすっかり感動してしまった。エドガーの信条的にもアルが言っていることは概ね間違いではないのだが、まるで小鬼族(ゴブリン)の上層部に当てこすったように『僕らの国は良い所ですよ』発言をすることから、彼の底意地の悪さが窺い知れる。

 

「では第4班ですが、朗報です。こちらのトゥエディアーネが魔獣やアストラガリと一切遭遇しないので、ナイトスミスが暇をしていると各船の船長から報告がありました。なので、彼らも第4班に配属という形になります」

 

「お、それじゃあ俺達の宿舎も建てられますね」

 

 思わぬ増援に第4班の班長は歓声をあげる。手先の器用なドワーフ族が混じる騎操鍛冶師(ナイトスミス)に小回りの効く作業機械である幻晶甲冑(シルエットギア)が合わされば、文字通り何でも作れる。そして、その数が増えれば作業スピードは格段に上がっていくので、班長は近くで待機していた班員に建築計画をもう一度洗い出すように伝えると話し合いもそこそこにさっさと出て行ってしまった。

 やることが決まった途端に行動を起こすという騎士団長の気質にすっかり充てられた団員の姿に、全員は『仕方ないよなぁ』という空気が部屋の中に充満する。

 

「あー、申し訳ありません。あとで連携しとくんで」

 

「いえいえ、職人とはああいうものでしょう」

 

「職人といえば、こちらはルーベル氏族へ収める巨人の武器や防具も作成されていたとか?」

 

「えぇ、皆様にお見せするのもお恥ずかしいですが鍛冶場も御座います」

 

 本当に恥ずかしいのか自信なさげに顔を落とす村長。だが、巨人族(アストラガリ)が使用する防具が作れるほど広い空間がある鍛冶場というのは、逆説的に言えば幻晶騎士(シルエットナイト)工房に成り得る環境でもあった。

 今は復興作業や拠点化で忙しいが、いずれ見せてほしいという約束を行ったアルは早速作業を開始しようと会議の解散を提案する。解散の言葉にそれぞれが家を出てしばらくすると、村の子供達が入ってきた。

 

「アル、今日も来てやったぞー!」

 

「毎度毎度、訪ねて来てもらってごめんなさい」

 

 ガキ大将のような男の子にアルは頭を下げて謝る。しかし、その姿を見た女の子が『アルは騎士様のお付きなんだから仕方ないでしょ』と嗜めるとそそくさと椅子に座って昔話を聞くような体勢をとった。

 

「それより、今日は何についてお話する?」

 

「それじゃあ僕達の国の学園について教える代わりに、御納めについて教えてもらえますか?」

 

「良いぜ、アルの話すっげぇおもしれぇしな! だけど、御納めなんて聞いてもつまんねーと思うぞ?」

 

 言い渋る子供達を宥めながら、アルは『いつもの』ように子供達に資材が保管されている所からギンバイ……事後承諾予定でもらってきた飴玉を握らせると自身が過ごした学び舎であるライヒアラ騎操士学園の話をしだした。

 

 アルと子供達の関係の始まりは遡ること復興支援当日まで遡る。なんてことはない、アルが幻晶騎士(シルエットナイト)を興味深そうに見ながら遊びに興じている子供達の輪の中に入っていったのだ。

 子供達といってももう少しで村の大人達の仲間入りをする人物から子供達でも十分に子守が可能な幼い年齢まで様々だったが、彼らは皆幻晶騎士(シルエットナイト)という伝説の存在にすっかりお熱である。

 そこに外部からやってきた珍しい子供のような容姿のアルが溶け込むことは容易いことだった。

 

『騎士のお付きになっている子供』として子供の中に入り込んだアルは、森では一切口にすることが出来ない糖分の塊だったり、第1班が狩って手慰みで作ったジャーキーなどといった趣向品や森の外に広がる国の何気ない情報を代価にこの村の現状や文化を教えてもらう。

 

 子供とは、大人を良く見ているものだ。そして、なにかと隠したがりな村文化を弁えている大人達とは違って我先に文化や大人が隠れて話し合いをしている内容を教えてくれるので、アルにとってはかなり精度の高い情報源となっていた。

 ちなみにこれはいつもの藍鷹騎士団の親父から学んだ情報収集術なのだが、こういった子供の情操教育にかなり悪い行動を平然とやるアル側にも問題があるのではなかろうか。

 

「でね、御納めっていう日に父ちゃん達が作ってる野菜とか色々持ってっちゃうの!」

 

「ばぁばも言ってたよ。"肝心な時に守ってくれないのに、きっちり代価を奪われる"って」

 

「おい! 大人に聞かれないようにしろよ!」

 

「大丈夫、周囲に大人は居ませんよ。何かあったら僕が代わりに怒られましょう。それより、僕達が来てからの村はどうですか? 不便はありません?」

 

 話が村で言われていた愚痴にシフトしだしたので、誰かに聞かれてはまずいとアルは拠点作成船団が来てからの村の雰囲気を質問する。こちらも雰囲気と言うものは子供がより敏感に感じ取るもので、仮に『悪い』と言われたらアルは直ちに環境改善をタスクに入れるぐらい重要視していた。

 しかし、アルの心配とは裏腹に『前よりも暮らしやすい』や『暗くても明るいから転ぶことがなくなった』と嬉しい感想の連続に表情筋が思わず緩む。

 

「そうですか。では、今日はこれで終わりましょう。続きはまた明日、もちろん分かっていると思いますが──」

 

「うん、アルのことは秘密ね!」

 

「お願いしますね。今度バレたらこのお話も禁止されてしまうと思うので」

 

 明確なデメリットを提示しながら解散を告げると、子供達は慎重にドアを開けて駆けて行く。こうしてデメリットを示せば子供達も安易に秘密を喋らないのだ。

 ただ、子供達と話してから僅か数日とはいえ1回だけ『うっかり』が発生したことがあった。その時はエドガーに『アルが仕えている騎士役』をしてもらい、『次はない』と何度も言ったおかげでそれ以降は特に村の大人達にばれずに情報収集に当たることができた。

 

「予想以上に圧制を敷かれてますねぇ」

 

 思った以上にこの地は搾取側と搾取される側の格差があるらしい。しかも、搾取する側の思惑──巨人同士の戦争が始まることも彼らは分かっていないし、避難という搾取側が為さねばならない対処すらもされていない。

 今回のお話で分かったことを共有事項として書き起こしつつ、アルは考えていた腹案を本当に実施するべきか前向きに検討しだした。

 

***

 

 そこからさらに数日後。当初は半ば死んでいた村の機能が全快を通り越し、筋肉の超回復のような状態になっていた。

 立ち並ぶ家々は基礎に石材を用いたしっかりした造りになった新築。村の出入り口には幻晶騎士(シルエットナイト)すらも通れる立派で強固な門。村をぐるりと取り囲む矢来の周辺には大人の腰の高さぐらいまで積まれた石垣。既に人が住むには最上級の環境が出来つつあった。

 

「えーっと、駐機場と整備場はある。宿舎も雑魚寝だけど建ってる。飛行場でも作るか?」

 

「いや、井戸とトイレあたり増設しようぜ。大所帯だとどうにもな」

 

「宿舎も床が固いから皆、アサマやレビテートシップの中で寝てるじゃん。ベッド作ろうぜ、ベッド。ふわっふわなやつ」

 

「ふわふわ!?」

 

 宿舎の前で本日の業務を聞くために集まった騎操鍛冶師(ナイトスミス)が口々に作りたいものを言っていく。その行動から察するとおり、彼らはまだ拠点が充実とは思っていなかったのである。

 既に村の隅には帰還した幻晶騎士(シルエットナイト)を迎え入れる駐機場や、幻晶騎士(シルエットナイト)が整備できるよう補修資材が納められた倉庫も建っているのにも拘らず、さらなる生活の質の向上という燃料を元手に開発力を燃え上がらせていた。

 

「はい、流石に飛行場はやりすぎなので却下。僕達で出来ることは井戸とトイレ、後はベッドぐらいですかね。んー、……一狩り行きますか」

 

『オオォォッ!』

 

 今の宿舎に不足している物品を手に入れる行動に、銀鳳騎士団の中でも血の気が多い者は鬨の声を上げる。

 ただ、戦闘をあまり得意としていない者達も居るので、彼らに拠点内の井戸やトイレといった生活力を上げる建築をしてもらうように頼み込むと、アルは『10分後に狩り組は集合』と言ってから一旦全員に解散を命じる。

 

 団員と離れたアルは綱型結晶筋肉(ストランド・クリスタルティシュー)製の昇降機でアサマまで戻ると、自らの幻晶甲冑(シルエットギア)に武装を施していく。

 全て鋼で出来たタワーシールドに様々な紋章術式(エンブレム・グラフ)が刻まれた丸い銀の円盤、そして長い銀線神経(シルバーナーヴ)の束を用意すると、アルは再び地上へと戻って待ち合わせ場所まで急ぐ。彼の姿──というか持ち出してきた奇妙な銀の円盤と銀線神経(シルバーナーヴ)に少々嫌な予感を覚えた団員達は、思い切ってその物体の正体を聞くことにした。

 

「副団長、盾は良いんですけどそれなんです?」

 

「地雷「確保ー!」やめっ、やめろぉ!」

 

 ひたすら危ないと言って止めていたのに性懲りもなく危険物を持ち出そうとする副団長に向かって団員達は襲い掛かる。1人が銀の円盤をアルの手が届かないように掲げ、数人がかりで自らの幻晶甲冑(シルエットギア)から脱出したアルを押さえ込む姿はどこからどうみても事案であった。

 

「それは安全面も考えた地雷なんですって! 誰かに使ってもらう予定なので……貸して下さい!」

 

 ぷりぷりと怒ったアルが銀の円盤を取り返すとその上に紙を置いてから紙ごと銀線神経(シルバーナーヴ)をくくりつけると、『ちゃんと距離をとってください』と注意しながら銀線神経(シルバーナーヴ)を伸ばして銀の円盤から離れていく。やがて、円盤から20mぐらい離れた付近でアルは懐から手の平サイズの板状結晶筋肉(クリスタルプレート)の欠片を取り出すと、持っていた銀線神経(シルバーナーヴ)の先端に押し付けた。

 

 その瞬間、バチリという音と共に銀の円盤から紫電が瞬くと円盤上で固定された紙が焼けた。

 

「このようにタイミングで魔力を流すことで電流を流す罠のようなものです。巨人が相手ってことで作ってた物の一つですが、魔獣にも効きそうですしこれ使いません?」

 

「誰だ、副団長に暇与えたの」

 

 騎士団長と副団長に暇を与えたら禄でもないことをする。それが銀鳳騎士団の共通認識であり、尤も気をつけなければならない事柄である。

 今までの経験からここで断れば秘密裏に抜け出して実験を開始しそうだったので、すっかり新装備のテスト感覚で森の中へ入ろうとするアルを止められる人間は居らず、全員は少々先行きが不安そうな表情でアルの後に続いた。

 

「副団長、他に何も作ってませんよね?」

 

「え、鋭く尖らせた鉄片やクリスタルプレートをミッシレジャベリンに固定したやつなら作りましたよ。任意のところで爆散させて広範囲の敵をなぎ払うんです」

 

 ──前言撤回。騎士達はかなり先行きが不安そうな表情を浮かべて森の中へと入っていった。

 

***

 

 森の木々を犠牲にしながらも1匹の獣が大地を駆けていた。ただ、その走りはどこかぎこちなくてその証拠に獣が駆けた後に赤黒い液体が道標のように大地を濡らす。

 そんな半死半生の獣のすぐ後ろを小さな影が追いかける。幻晶騎士(シルエットナイト)を小型化したような出で立ちの彼らは血がべっとりと付いた大剣や槍を肩に担ぎながらも、息ひとつ切らさない余裕の雰囲気を出しながら話し始めた。

 

「よし、良い子だ。このまま行けよ」

 

「副団長に信号法弾。急げよ」

 

「ふわふわ……ふわふわをはやくちょうだい!」

 

 上空に向かって法弾を放ち、そのまま適当に攻撃を加えながらさらに追い立てる幻晶甲冑(シルエットギア)達。このまま一気に仕留めたいところだが、彼らの欲している物は自身が装備している獲物では大きく品質を劣化してしまう危険性を孕んでいる。

 そして、暴れている獣を相手に長時間張り付くという行為は自殺行為と同義なので彼らは返って来た信号法弾の向きと場所を確認すると獣の進行方向を変えるため、さらなる攻撃を品質に関係ない獣の足に加えた。

 

「お、来ましたね。罠隊、切断隊、鈍器隊準備!」

 

「鈍器こそ至高! 重装甲も砕けるし、相手を脳震盪に追い込める」

 

「は? 槍が一番なんだが? 間合いは正義だろ」

 

「いやいや、斧だね。遠心力で叩き切るのは爽快だよ」

 

 マイフェイバリットな獲物談義に、『第2中隊は大丈夫かな』と心配になったアル。ただ、そんな心配の最中に激しい振動が彼らを現実に引き戻す。アイコンタクトで素早く持ち場に着き、振動の正体である決闘級魔獣を食い入るように見つめる団員達。

 やがて、魔獣の足が銀の円盤──念のために複数の銀の円盤を埋めた地帯に入った瞬間。アルの激が飛んだ! 

 

「今です!」

 

「罠起動! 切断隊は切断準備! 鈍器隊はまだ入るなよ!」

 

 それぞれの銀の円盤から当たり所によっては人間を失神できるほどの電撃矢(スパークダート)という基礎術式を戦術級魔法(オーバード・スペル)クラスまで強化された電流が魔獣の体内を駆け巡る。目の前で迸る紫電と体中から湧き出る突然の痛みに苦悶の雄たけびを上げる魔獣だが、その電流攻撃はものの数秒で終了した。

 その代わり、先ほどから追いかけられていた小型の影が数人。一気にかの魔獣の前に躍り出た。

 

「行くぞ、おらぁ!」

 

「足と頭部を狙え!」

 

「魔獣が眩暈を起こす!」

 

 彼らは巨大な鉄塊に柄をつけたような不恰好な物から魔獣の硬い頭部の骨を用いた自然性溢れる物といった様々なハンマーで魔獣をタコ殴りにする。既に銀の円盤に繋がれた銀線神経(シルバーナーヴ)は途中で切断しているので、彼らは電流に巻き込まれる心配することなくボコスカと魔獣に打撃を与えていく。

 

 先ほどの電流攻撃に加えて頭部や脚部を中心に殴られ続けては、流石の決闘級でも反撃することは適わずついには地に伏せる。死んだ振りを警戒して遠巻きに待機すること数分、徐々に包囲を狭めてからようやく息絶えたことを確認した全員は勝ち鬨を上げる。

 

 その後も損耗らしい損耗を負わず、結局3体の魔獣の亡骸が2機のカルディトーレの手で運搬される。ちなみに内訳は電流後にタコ殴りによって1体。10人というどこぞの村のハンターが眼を回しそうな大人数による狩猟で1体。最後にどうしても爆散する槍の実験がしたいとゴネたアルによって1体となっている。

 地面に埋めた槍の上に獲物が通りがかった瞬間に起爆した大小様々な破片が爆風によって各々推進しながら魔獣の腹部を中心に殺到し、あっという間に魔獣の生命は刈り取られた。

 

「巨人がどの程度効くか分かりませんが、牽制にはなるでしょうね」

 

 もはやずたずたの獲物に対して満足そうに頷くアルの背中を見つつ、ミシリエの悪夢を思い出した騎士達は『絶対牽制どころじゃすまない』と感想をそれぞれの胸の内に秘めた。

 なんやかんやあっても決闘級魔獣ということだけあってか、銀鳳騎士団はまともに素材が取れた2頭でかなりの毛皮の剥ぎ取りに成功する。

 加工の手間が惜しいとあえて皮をなめさず、そのまま予め作っていたベッドに貼り付けることでめでたくふわふわな寝心地のベッドが1台完成した。当然なめしていないので、ちょっと獣臭いと指摘しながらも『78点』と微妙に高評価を与えつつ、そのふわふわな寝心地に次第に寝入りかけた騎士をベッドから落としては自身が寝転がるといったベッド争奪戦の様子を他所に、アルはベッドを作った騎操鍛冶師(ナイトスミス)達に増産を命じる。

 

「人数的にベッドが余りますよ?」

 

「村に配るんですよ。お年寄りや女子供を優先、どうせ余るものなら恩を売りましょう」

 

 ニヤリと不適に笑うアルに騎操鍛冶師(ナイトスミス)も『売っておいて損はないですからね』と同じような笑顔で笑う。──どこまでも子供の情操教育に悪い騎士団であった。

 そこからまた数日経ち、名目的な復興もそろそろ終わりそうな頃。騎操鍛冶師(ナイトスミス)は村の工房が予想以上に設備が整っているので早速イカルガを再建しようと奮闘し、その間に騎士達は細々した村のお手伝いに奔走していた。

 

「もうちょっと盛っても良いかなぁ」

 

 その間にアルはなにをしていたのかと言うと、性懲りもなく対巨人用と称した装備の作成を行っていた。

 鉄片や板状結晶筋肉(クリスタルプレート)の欠片を紙がすっぱり切れるまで鋭利にさせては魔導飛槍(ミッシレジャベリン)紋章術式(エンブレム・グラフ)を刻みながら軽く溶接していく。既に使用した物を合計すると3本目ということもあってか、その製作速度は中々速かった。

 仮にここで地震が起きたら即座にくっつけていた物が全て崩れるような微妙な固定具合のまま装備を作り続ける彼のところに、手を振りながらエドガーが走ってくる。

 

「またお前は……って違った。先ほど主力からの伝令が届いた」

 

 また作成している危険物に視線をやって呆れたエドガーだが、特に止めさせることなく伝令から渡された紙が渡される。

 そこにはこの地に住むルーベル氏族以外の巨人族(アストラガリ)が団結したことが書かれており、続けて諸氏族連合軍(エクサーキトゥス・デ・バリィスゲノス)と呼ばれる集団と共にイズモもルーベル氏族と事に当たる予定も綴られていることに、アルはすっくとその場から立ち上がった。

 

「俺達はどうする?」

 

「アサマだけ先行します。ここは拠点なので、守護はお願いします。藍鷹騎士団が帰ってくるかもしれませんから受け入れもお願いします」

 

「心得た」

 

 アルは近くに置いていた幻晶甲冑(シルエットギア)に乗り込むと、遠巻きで見つめていた子供達に手を振りながら作っていた槍を担いでアサマまで戻っていく。

 魔の森に潜む者が紡ぐ物語──『問い』とも呼ばれるその行動はついに佳境を迎えだした。




原作では各々好き勝手に作業して纏まってましたが、ちゃんとした指揮官が居たらこうなるに決まってるじゃん!といった具合です。
え、情報収集に子供を使う姑息なムーブ?全て藍鷹騎士団ってやつが悪いんですよ。

【鉄片や尖らせたクリスタルプレートをくっつけたミッシレジャベリン】
 開発コードは投げたら矢じりとなって降り注ぐ槍。ちなみにこの槍にはそれ以外の効果は一切ない。
 石突の部分にはシルバーナーヴがくっついており、スクリプトによって槍本体を爆破。爆破の推進力とくっつけた鉄片やクリスタルプレートの自重にて範囲内の敵を傷つける。 所謂、クラスターだったりキャニスターだったりフレシェットだったりする物の真似事。
 ちなみにこの着想はウエスタン・グランドストーム後期で既に思いついていたが、『人には使っちゃいけないだろ』という天啓にも似たナニカによってお蔵入りしたが、『巨人は魔獣!』という謎理論で使用に踏み切る。

 ※なお、原作にて『シルエットナイトの手から離れても、クリスタルプレートの魔力を使って魔法現象が発現し続ける』という設定が出てきたので、急遽クリスタルプレートを入れた。
 装甲強化のエンブレム・グラフによって強度を増したクリスタルプレートとただの鉄の散弾。威力はプライスレス。
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