銀鳳の副団長   作:マジックテープ財布

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38話

 銀鳳騎士団が学園の施設を占拠……もとい、間借りさせてもらってから半月がたった。

 その間にアルの教官任命が終わり、本日顔見せの為に教官の詰め所──職員室のような所にいた。長いミーティングが終わり、アル自身の紹介や他の教官の自己紹介も終わると今回のミーティングのまとめ役である男が咳払いをしながらアルの方を険しい目つきで睨みつける。

 

「では、エチェバルリア教官……じゃない。アルフォンス教官。貴方の担当は高等部のシルエットナイト応用学に決定しました。銀鳳騎士団側のお仕事の都合上、副教官として5日に1-2コマ程度の授業をお願い致します。ちなみに、緊急の出動であなたが授業できない場合を想定し、あなたが授業を行う際は主担当の教官にも同席していただくのでご了承を」

 

「承知いたしました」

 

 『別にお前が居なくても授業は回るから安心しろ』と変換できるようなやや強めの言葉を聞きながら素直に頭を下げるアルに、男は不快という感情の篭った息をあからさまに吐き出した。

 

「国王陛下や学園長が推薦したので今回のような突然の教員試験が執り行われた事をお忘れなく。そして、教員になったからには自分の立場という物をしっかりと自覚するようによろしくおねがいしますよ」

 

 アルはその言葉をしっかりと心に刻み込みながら大きく頷く。

今回、兄である騎士団長から託されたミッションの最終目標は教官になることではない。アルはまとめ役の男の話を聞きながら、頭の中で作業リストを更新させた。

 

(まずはテレスターレの構造や新しく開発された部品についてを先輩方に説明しないといけませんね)

 

 アルの目的の1つ目は『テレスターレの構造を学生たちに教えること』である。テレスターレがラボに送られたので、ゆくゆくはそのテレスターレを土台にした新しい幻晶騎士(シルエットナイト)が開発されるだろう。だが、幻晶騎士(シルエットナイト)が開発されても騎操鍛冶師(ナイトスミス)構文師(パーサー)騎操士(ナイトランナー)がカルダトアしか運用できないのでは意味が無い。なのでエルやアンブロシウスは、『少なくともテレスターレを見て怖気づかないように』アルを教官として送り込んだのである。

 

(次に銀鳳騎士団の存在意義が問われるのを防ぐ為ですが……いらないと思うんですがね)

 

 2つ目は正直アルにとっては不用と思っているのだが、『テレスターレを使用した戦術の開発』である。

 銀鳳騎士団の主な任務は今の所、『ラボの鼻を明かす新型機の開発』だ。しかし、テレスターレの時もそうだが、幻晶騎士(シルエットナイト)の開発はとてつもなく長い工期が要求される。テレスターレは運よく素体であるトランドオーケスを改造する形で大幅に工期を短縮できたのだが、今回は馬型という新しい部位の開発も並行して行われる。工期は長く見積もるに越したことはないというのがエルやアルの見解であった。

 

 しかし、ここで注意しておかないといけないのはエル達は銀鳳騎士団に所属しているというところだ。

 基本的に『個人付きの騎士団』には鳥類の名前が冠される。個人、それも国王が直々に宣言した騎士団なので、『学校の施設間借りしてのんびりしていた』と言われるようなことは避けたい。

 というわけで、『新型機ができるまでの目くらましとして、とりあえず仕事してますよアピールしておくか』とエルとアンブロシウスが軽い気持ちでアルに『戦術開発』という大雑把な指示を出したのである。

 

(ま、運用方法も考えないといけなかったところですしね)

 

「それでは、本日もよろしくお願いします」

 

 まとめ役の男が締めくくると同時にアルは周りと同じように拍手を行い、男が退出したと同時に荷物をまとめて詰所から出ようと扉に手をかけた。だが、後ろから声をかけられたので扉を触っていた手を放してアルが後ろを振り返ると、そこには背面武装(バックウェポン)開発の時にお世話になった構文学の教官が片手を上げていた。

 

「アルフォンス教官、大丈夫かい? ……あの人、最後まで君が教官になることを渋っていたからさ。気をつけたほうがいいよ」

 

「いえ、あの方が言っている事は僕も感じています。本来なら僕がここに居る事がおかしいんですから。ですが、あの方も言っていたように教師になったからにはその立場に恥じない働きが早くできるように頑張ります」

 

 その意気込みを聞いた構文学の教官が『真面目だねぇ』と呆れた声を出しながら詰め所を出るとアルの横を歩く。しばらくの間、背面武装(バックウェポン)や照準に使った魔法術式(スクリプト)について改良できるか話し合ったりしていたが、階段に差し掛かると『授業があるから』と教官がアルと距離を置いて階段を登り始める。

 

「アルフォンス教官。スクリプトの授業を行うなら事前に教えてくれよ。中等部の教官と聞きに行くから」

 

「はーい」

 

 手を上げながら構文学の教官と別れたアルは工房へ足を運ぶ。本日、ようやくラーパラドスの改造が行われるのだ。陣頭指揮は親方が取るが、副団長として最初の挨拶だけはしたいとアルは工房へ向かう足を速める。

 

「あれ、アルじゃないですか」

 

「あ、ほんとだ」

 

 すると、工房へ向かう道の奥からエルと大鎧が声をかけながらアルの方へ駆け寄ってくる。アルは大鎧から聞こえてくる声にとある人物を思い浮かべ、幻晶甲冑(シルエットギア)の改造が終わったと確信する。

 

「バトっさん、マギウスエンジンの取り付け終わったんですね」

 

「ああ、さすが公爵様だよ。シルエットギアにピッタリだ」

 

 幻晶甲冑(シルエットギア)から降りたバトソンは腰の辺りの装甲を取り外すと、そこには幻晶甲冑(シルエットギア)の欠点である操縦のしづらさを解消する銀の弾丸(とっこうやく)、小型の魔導演算機(マギウスエンジン)が取り付けられていた。

 

「これもアルの成果ですね」

 

 エルが横で満足そうに頷くとアルの頭をわしゃわしゃと撫でる。

 この魔導演算機(マギウスエンジン)の送り主はクヌ-トだった。彼は、アルのモートルビートの有用性を目の当たりにし、カザドシュに帰還したエルにモートルビートの構造や操作方法などを聞き出したのだ。その会話の中で『操作性に難あり』と分かったクヌートは、以前のカルダトア改造計画の時に開発されたが、結局使わずに倉に死蔵してあった小型魔導演算機(マギウスエンジン)の存在を思い出し、急遽増産してライヒアラに配送するように手配したのである。

 

「いつの世もなんの発明がなんの役に立つか分からない物ですねぇ。そういえばマギウスエンジンの理屈は分かったんですか?」

 

「まだシルエットギアに入れただけなのでこれから詳しく調べていきますよ」

 

 そうこうしている内に工房に辿り着いた3人は、驚かせる為にバトソンを待機させてエル達だけで工房の入り口を通過する。すると実習機が無いためか、あまり活気がない工房の隅でなにやら話し合いをしている団員達が2人の目に入った。

 

「騎士団なのだから規律は大事だ。騎士団長殿と呼ぶべきだろう」

 

「いーやいや。ここはたっぷりと敬意を込めて騎士団長閣下様とだね」

 

「騎士団長君と書いてエル君呼びでよくない?」

 

「アディ、それはお前だけだからな?」

 

 どうやらエルの呼び方について話し合っているようだったので、アルは『どうします? 団長(にい)さん』と分かりづらい呼び方をしながらエルの方に小馬鹿にしたようなウザい顔を向ける。その瞬間に銃杖を引き抜いたエルは、そのにやついた顔に向かってアイアンクローをかましながら朗らかな笑みで団員達の輪の中に入っていった。

 

「そんな呼び方嫌ですよ。調子が狂うので皆いつもどおりにしてください。それより、皆さん集まっているならちょうど良いので銀鳳騎士団としての初仕事を行いましょう」

 

「それは良いが……副団長が脱力してるぞ?」

 

 身体強化込みのアイアンクローに最初に喰らってのた打ち回っていたアルが徐々に抵抗しなくなっている様子にダーヴィドが突っ込むが、エルは構わず工房の外に合図を送ると幻晶甲冑(シルエットギア)に乗ったバトソンが工房に入ってくる。

 

「うお!? エル、どうしたの? アルを吊り下げて」

 

「人のことを小馬鹿にしたので制裁中です」

 

 まるで養豚場の豚を見るような冷たい目をアルに向けながらアルをぶらんぶらんと揺らすエル。『ちょっと楽しんでないか?』と思ったダーヴィドだが、幻晶甲冑(シルエットギア)にバトソンが乗っていることが分かるとすぐに興味が幻晶甲冑(シルエットギア)に移った。

 小型の魔導演算機(マギウスエンジン)を内蔵した幻晶甲冑(シルエットギア)の話が団員全員に共有され、エルの『バトソンにも乗れるという事は鍛冶師の皆さんも乗れるということですよ!』という言葉に、ダーヴィド達が沸き立つ。

 

「あ、それならラーパラドスの仕立て直しはシルエットギアをある程度量産してからで良いですよ。その方が大きい物とか運べて作業効率上がりそうですし」

 

「おお、そうか。わりぃな副団長」

 

「僕もいつもどおりでお願いします」

 

 エルの手からするりと抜け出したアルがダーヴィドに渋顔で返答するが、横で先ほどのアルと同じようにエルが『副団長閣下殿~』と愉快そうな顔で言ってきたので、銃杖を手に持ちながらエルの顔にアイアンクローをかます。

 

「それはそうと、昨日までアールカンバーやグゥエールの修理をやってたんだが……アールカンバーもテレスターレ型に仕立て直すか?」

 

 ダーヴィドがアールカンバーとエドガーを交互に見ながら問いかけると、エドガーは真面目な顔で『頼む』と頭を下げる。エドガーの様子にアルは安堵の表情を見せるが、ふと先ほどのダーヴィドの発した言葉に頭の奥底でとある記憶が蘇った。

 

「親方。グゥエールで思い出したのですが、グゥエールに頭部兵装付いてませんでした?」

 

「ん? おお、付けたぞ。副団……銀色小僧から頭部兵装について色々話してもらったからな。俺なりにくっつけてみた」

 

 そう言いながらダーヴィドは改装したグゥエールの図面を会議室からもってくると机の上に広げる。それは頭部のこめかみあたりにカンカネンで作ったような外付けタイプの物ではなく、小さい魔導兵装(シルエットアームズ)を文字通りくっつけただけの簡素な物だった。

 

「俺としてはデザインも考えたかったんだが、時間がなくてな」

 

「私も同感だが……あれは良いな! 手数も増えるしなにより片手間で撃てるのが良い!」

 

 ダーヴィドは納得いかないように顎に手をやるが、実際に使用したディートリヒは使用した当時のことを思い出すと興奮しながらグゥエールを見やる。頭部兵装については情報封鎖云々は聞いていない。扱い方にしても背面武装(バックウェポン)と同じ弱点を抱えていて、かつ狙いのつけ方も完全に頭部依存な『背面武装(バックウェポン)の粗悪品』のような物なので、『別につけても良いか』という考えに至ったアルは、エルの頭からようやく手を離す。

 

「そういえばアルフォンス。この前言ったがシルエットナイトの操縦訓練もしないといけないな」

 

「動かしても! 良いんですか!」

 

 エドガーの話を聞いたアルは飛びつく勢いで反応した。騎士団に席を置いている副団長が幻晶騎士(シルエットナイト)を動かせない。いや、既存の操縦方法では動かせないのは明らかにまずい。まずいのだが、アルの反応からエドガーは少しだけ嫌な予感が頭を掠めた。

 

「ああ、それなら高等部で行う他の訓練もしないといけないね」

 

「エル君やキッド君、アディちゃんとか中等部から銀鳳騎士団に入った人もしないといけないわね」

 

 だが、ディートリヒやヘルヴィが続けた言葉にアルの様子は『修学旅行直前のテンション』から『夏休み終了直前に宿題を終わらせているテンション』へ下がっていった。ちなみにそれを聞いた団長であるエルも同じようなテンションになり、アルと一緒に地面に体育座りをして落ち込んでいる。

 

「シルエットナイト動かすだけの騎士団に入りたい」

 

「シルエットナイト動かして開発するだけの騎士団作りたい」

 

 子供の夢のような馬鹿げた言葉を呟きながら落ち込む2人だが、当然騎士になったからにはそこらへんの訓練もしなくちゃいけないのは分かっている。分かっているが、幻晶騎士(シルエットナイト)と比べるとどうにも気分が乗らないのだ。

 

「訓練は嫌だろうが、必要な事だ。日程はまた決めておこう」

 

「そうね。じゃあ一旦エル君まとめてくれる?」

 

「分かりました。じゃあ今日もよろしくお願いします。アルはなにかありますか?」

 

 どうにも適当な騎士団長の挨拶に周囲はずっこけかけるが、副団長が何か言いたそうにしているので姿勢を正す。咳払いをしたアルは『復唱お願いします』と言うと、自らも姿勢を正して大きく口を開けた。

 

「今日も1日ご安全に! 注意一瞬、ケガ一生!」

 

『今日も1日ご安全に! 注意一瞬、ケガ一生……?』

 

 思わず復唱したが、意味が分からない言葉。いや、フレメヴィーラの公用語なので意味は分かるのだが、どういう意図で言ったのか分からないといった様子にアルはクスリと笑うと『標語ですよ』と答えた。

 

「銀鳳騎士団は今は人員が少ないです。なので、注意するだけで回避できるつまらないケガでリタイアなんて許しません。それを心がけようっていうスローガンです」

 

 幻晶騎士(シルエットナイト)は巨大な部材を運んだり、槌を打ったりと怪我をする要素を多分に含んでいる。少ない団員をその魔の手から守る一助とするためにアルは先ほどの言葉たちを選んだのである。理由を聞いたダーヴィドはにやりと笑いながら、自身の部下である鍛冶師隊を見やると腕を高く上げた。

 

「確かにそうだな。お前ら! 今日も1日張り切ってケガしない様にすんぞ!」

 

「親方のゲンコツはケガにはいりますかー!」

 

 ふざけて手を上げた鍛冶師の頭にダーヴィドのストレートが入る瞬間を捉えたアルは無常に『はいりませーん』と答え、笑いが巻き起こる。そして、自身の手を強く叩きながら『作業開始してください』と短く指示を出すと、各々が仕事を開始しようと散らばっていった。

 

「アル、まとめるの上手くないですか?」

 

「副団長でもあり、教官ですからね。自分の立場をしっかりと認識した振る舞いを意識しないと」

 

 先ほど言われた言葉を言いながら突っ立っていると、重量感のある足音と共にバトソンがなにやら抱えてエル達のほうに走ってきた。何事かと待っているとエル達の前に辿り着いたバトソンが1丁の異質な魔導兵装(シルエットアームズ)、アルの使っていた『タネガシマ』を机の上に置いた。

 

「アル、タネガシマの調子見ようとクリスタルプレートに繋いで引き金引いてみたけど法弾が出ないんだよ」

 

「とりあえず分解しましょう。兄さん、周りに小規模のハイプレッシャーウォールの準備をお願いします。僕は手袋持ってきますので」

 

 触媒結晶が半分ほど溶解しているタネガシマだが、暴発の危険性も考えてアルは革の手袋を人数分工房から拝借し、そのついでに原因について聞こうとダーヴィドも連れて先ほどの場所に戻る。全員揃ったことを確認したエルは大気圧壁(ハイプレッシャーウォール)を展開し、万が一の場合に備えた。

 

「では、開けますね」

 

「傍から見た感じだと触媒結晶の不具合ですかね?」

 

 アルが手際良くタネガシマを分解し、中の構造をあらわにする。機構としては引き金を引くと、火縄代わりの銀線神経(シルバーナーヴ)が銃身内に埋め込まれている銀線神経(シルバーナーヴ)に接触し、銃口部分にある紋章術式(エンブレム・グラフ)まで魔力が通るという単純な物だが、銃身内の銀線神経(シルバーナーヴ)の一部が断線しているのをダーヴィドが見つける。

 

「法弾の熱が原因ではなさそうですね」

 

 エルが断線した部分を持ち上げながら考察する。法弾による熱ならば紋章術式(エンブレム・グラフ)まで溶けているはずなのでエルは原因から除外する。そこからさらに考えようとしていたエルの横でダーヴィドはぼそりと『熱断線だな』と呟いた。

 

「熱断線ですか?」

 

「ああ、一定以上の魔力負荷がかかったシルバーナーヴが溶解する事があるんだが、それと同じ症状だなこりゃ。大方、クリスタルプレートの貯まっていた魔力に銃身のシルバーナーヴが耐え切れなかったんだろうな」

 

 確かにあの時、テレスターレから大き目の塊を拝借したなぁとダーヴィドの見解を聞いたアルは当時のことを思い出しながら対策を講じるために頭を捻った。

 

「となるとストランドタイプみたいに捻って耐久性を上げたほうが良いですかね?」

 

「まぁ、それが一番確実だな。銀色小僧、こいつは一応試作シルエットアームズの叩き台ってことで……聞いてんのか?」

 

 エルの発言にダーヴィドは、それ以外に打つ手なしと顎に手をやりながらアルを見る。だが、アルは頭に両手の人差し指を置いて考えている。なにやらアルの背後で木魚の音が聞こえるようなポーズにエルは微妙な顔をしていたが、やがて目を開いたアルは自身ありげに口を開いた。

 

「銃身に水をぶっかけましょう!」

 

「あほか! 熱した金属に水なんてぶっ壊れるに決まってるだろうが!」

 

 ダーヴィドのゲンコツが飛ぶ。

 この世界に物体を直接冷やす魔法は存在しない。熱力学も『さてはおめー理系だな?』とふざけて言うぐらいに理系科目に疎いアルは当然知らない。ならばやる事は一つ、『冷たい物ぶっかけりゃよくね? つまり水だ!』と思って発した一言なのだが、熱された金属を急激に冷やすと脆くなるのは鍛冶師達の常識だった。

 

「それに戦場でいつでも水が確保できるとは限らないでしょ……」

 

「それ以外は風吹かせて空冷しかないですよー」

 

「アル、なんでそれ最初に言わなかったの?」

 

 バトソンが呆れながら言うが、魔法術式(スクリプト)を組んでいないので冷却性能も魔法術式(スクリプト)の量も把握できていない机上の理論なのでアルは黙っていたのだが、水冷方式を予想以上にこき下ろされたのでアルがつい言ってしまっただけである。

 

 結局銀線神経(シルバーナーヴ)を捻って対処する事になった試作魔導兵装(シルエットアームズ)は、いよいよ大きさを変えて幻晶騎士(シルエットナイト)に搭載されるということになり、作業は翌日からの予定を変更して幻晶甲冑(シルエットギア)の作成と並行で行われる運びになった。

 

 なお、幻晶甲冑(シルエットギア)を着込んだダーヴィドが『鍛冶仕事にも使えるんじゃねぇか?』とエル達に提案した時、『こいつ何言ってるんだ?』と普段エル達の無茶振りにダーヴィドが思っていることを寸分違わず思ったのだが、それのおかげで作業は弓から放たれた矢のような速度で進んでいった。

 

***

 

「アルフォンス教官、銀鳳騎士団で使用している鎧についてなのだが……建築学科にも回してもらえないかね?」

 

「あ、うちも」

 

「こっちも回してください」

 

「錬金学科が何に使うんだよ!」

 

 そしてその数日後、幻晶甲冑(シルエットギア)の操作改善をどこからか聞いた教員達が『身近に居る関係者』に詰め寄り、幻晶甲冑(シルエットギア)の講習をまた開く事になったどこかの副団長が校舎裏でヤケ猫をキメているのを王直属の密偵集団『藍鷹騎士団』の団員が見つけたとか見つけなかったとか。




皆さんも熱が篭っているPCの吸気口に水スプレーしゅっとやるのやめようね!
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