春とは出会いと別れの季節であると言ったのがほんの数日前と思えるぐらい1年と言う月日は長くもあり、はたまた短いものである。学園内で卒業予定者を取り囲んで思い出話に花を咲かせる教官や後輩達といった光景を見ながら封筒を持ったアルは1人、廊下を通って工房に入っていった。
「うわ、見事に片付いてますね」
「そりゃ卒業式が目前だからな。後は機密扱いの資料とシルエットナイト、各自のシルエットギアを運べば片付けは完了だ」
数ヶ月前まで乱雑に詰まれた木箱や
「製図も卒業式までに間に合ったからな。あとはあっちで組み立てだ」
「ああ、そのことでラボから報告書が届いてますよ」
アルが手に持った結構な厚みを持つ封筒を懐から取り出したナイフで丁寧に封筒の蜜蝋をはがして中身を検分する。中にはラボの近況やカルディトーレについての報告書と言った紙が折り畳まれて封入されており、アルがその内容をざっと見るとダーヴィドに要点だけ報告した。
「どうやらラボでのカルディトーレの開発が終わるみたいですね。今後はラボ全てのラインをカルディトーレに回して一気に量産体制を整えるらしいです。後、僕達の運用データから部材の製作過程を少し付け加えたのでそちらのナイトスミスと相談して実装して欲しいと書いてますね」
「あー、ここか。そういや、ここの強度が足りないからラボに報告書送ったんだった」
ダーヴィドが変更点の内容を見ながら納得した表情を浮かべる。
アル達が受け取ったカルディトーレは所謂『初期型』と呼ばれる物である。この初期型は開発に貢献した銀鳳騎士団をはじめ、操縦能力の長けた
「良かった。デュフォールに行かなくて済んだ」
報告書を読み進め、幸いなことに
「親方達、機嫌良さそうだけどどうしたんだい?」
「カルディトーレの開発が終わったんですよ。これから一気に国内に普及する流れです」
くるくるとその場で回りながら報告するアルにディートリヒは苦笑するが、ふとここに来た用事を思い出してエドガーやヘルヴィと共に何かを探すように周囲を見渡す。その挙動不審な様子からアルは中隊長達から数日前に聞かされていたことを思い出し、中隊長達に話しかけた。
「兄さんなら居ませんよ。卒業式まで工房に来ないように念押ししておきました」
「そうかい……。でも、あの団長殿のことだから癒しとか訳の分からない理由で見に来るんじゃないかい?」
「いえ、『工房に行ったら何か作りたくなって散らかすから行かない』って言ってましたよ。後、アディとキッドもついてますから引き離してくれてるかと」
ディートリヒの不安にアルは朝に言われたことを再生する。
銀鳳騎士団は卒業式の日に作業場を引き払うので、今作業を行うと片付けやら諸々で間に合わない可能性が大きい。なので、悩みに悩んだエルは断腸の思いで卒業式までの工房断ちを本日から決行したのである。
「よし、じゃあ準備に取り掛かろうか」
「校庭だと目立つから演習場に行くぞ。あそこなら外から見えないはずだ」
『今頃はアディに連れ回されているだろうな』とアルが恋路の発展を見守るおばちゃんのような表情を浮かべていると、エルが居ないことに安心したエドガーとディートリヒが団員に指示を出しながら
「いつもの戦闘訓練ではないのですか?」
「ああ、俺達の卒業式に副団長がやってくれたからな。今度は俺達が団長を送り出してあげるのさ」
「俺、今でも記憶に残ってるよ。こう、副団長と一緒に歩いてきたパッチワークがさ……」
第3中隊の懐かしい物を思い浮かべる表情にアルは少し考える。銀鳳騎士団結成という少し前まで考えても無かった事態にテンションが上がってノリでやってしまった任命式だったが、ここまで思い出になってくれるのなら、学園を去る我が兄に一肌脱ぐのも悪くないかとヘルヴィにこの催しに参加する意思を示した。
「えっ、アル君も卒業組でしょ? 別にやらなくていいのよ?」
「教官だから卒業しても学園に来るんですよ。なので、卒業生としての実感があまり……」
いまいちどう反応したらわからない理由にヘルヴィは『あー』と納得した声を上げ、エドガー達に丸投げしようと演習場に行くように勧める。結果的に『卒業生ではなく、教官として参加しても良いんじゃないか』というふわっとした理由でアルも卒業生達を見送る練習に参加した。
「副団長! 剣を抜く速度が遅いですよ!」
「そこ! 剣を当てない!」
「ディー! 歩調乱れてる!」
練習は苛烈を極めた。第1と第2中隊が実際の流れに沿って
***
「へぇ、この世界って第2ボタンじゃなくて良いんだ」
卒業式が終わったアルは、エルと愉快な仲間達と離れて個人で動いていた。道行く卒業生の中には1個だけボタンが無かったり、あるいは全て引きちぎられたようなボロボロの様子で学園を後にする学生が見かけられたので、こちらの世界でも『憧れの先輩の私物を持つという風習があるんだな』と、自分にそんな類の話が来なかったことに少しだけひがみながら工房の裏口からこっそり中に入っていった。
「おう、銀色小僧。準備できてるぜ」
アルが来たことに気付いたダーヴィドは親指で後ろを指差す。
彼の後ろには既に整備台から立ち上がったカルディトーレ達が腕や手首といった稼動域の確認を行っている。左の肩にはマントのような飾り布が掛けられ、腰には鞘に収まった剣を佩くという式典に参加するような装備を纏ったカルディトーレ達が入念に準備を行っている様子に、アルは工房中の緊張感が否が応にも高まっていくのを感じた。
「うわ、パッチワークも凝ってますね。ですが、皆さんと一緒で良いのに」
「この中じゃ銀色小僧が一番偉いからな。それに、俺達も卒業式で良い思いさせてもらったんだ」
どう見ても他と大きく異なるパッチワークの姿にアルが圧倒されていると、ダーヴィドが照れながらアルの横に立ってパッチワークを見上げる。装備の内容自体は第1、第2中隊と変わらないが、飾り布には銀鳳騎士団の紋章が大きく描かれており、剣もツバの部分が鳥が翼を広げた意匠が施されている特別製だった。
「では、行きますか」
「ああ、ばっちり決めて来い」
数十分ほどパッチワークの姿を嘗め回すような視線で見ていたアルが冷静になりながら操縦席に座ると、即座に銀の短剣をスリットに差し込む。供給される魔力が全身に駆け回る少しの間に
やがて、魔力が全身に回って動かせる状態になったパッチワークの胸部装甲を閉じたアルは鐙を操作しながら慎重にその列についていく。工房を出て数分後、ライヒアラ騎操士学園の校門に辿り着いた団員達は困惑する学生達を
そして、カルディトーレで出来た列の最奥、校門のすぐ近くにはアルの駆るパッチワークが銀鳳騎士団の紋章が良く見えるように飾り布をはためかせて仁王立ちした。
「卒業おめでとう 後輩諸君! 我々も近く学園を去る身だが、せめて今日は見送らせてもらおう!」
エドガーが拡声器越しに卒業生達に激を送ると、直後に全
学生達が息を呑む中、パッチワークは両手に持った剣をくるりと逆さに向けると地面に向けて勢い良く落とした。しかし、地面から数cmの所で剣はぴたりと動きを止め、直後に『卒業生のこれからの活躍に!』という号令を出した。その号令に従い、第1、第2中隊の
「ははっ、エドガーさん達も粋なことするな」
「ていうかあれアル君だよね。私達に内緒でああいうことしてたんだ」
卒業生達が興奮で頬を上気させながら学園から出ていく中、キッドとバトソンは胸を張りながら、そしてアディと我らが団長であるエルは手を繋ぎながら剣を構えた
そして、パッチワークの目の前でくるりと学園の方を振り返るとぺこりとお辞儀をするとパッチワークに向かって『拡声器貸して下さい』と大声を張り上げた。すると、剣を仕舞ったパッチワークが駐機状態になりながら手を差し出したのでエルはその手の上に乗る。パッチワークの手が胸部装甲に近づくと装甲が開き、中に居たアルがエルの手を引っ張って操縦席に導くとそのままパッチワークが立ち上がらせた。
「どうでした兄さん。好きなんでしょぉ? こういう展開がさぁ~? ……ちなみに僕も大好きです」
「ええ、グッジョブです」
笑顔に笑顔を返したエルがパッチワークの
「さーて、これから学園とオルヴェシウス砦を往復する毎日が始まるのかぁ」
「ツェンドリンブルに迎え頼んでおきますから頑張ってください。ほら、早く工房行きますよ」
カルディトーレが巨大な木箱を背負ったり、荷物や
その元気の無い姿を見たエルは少しでも通勤時間を減らすために頭の中で考えを纏めるのだが、今は移動の方が最優先されるため、自身の機体であるトイボックスを工房から引っ張り出そうとアルに指示を出したのだった。
***
思い出深い卒業式を終えて数週間後、アルはライヒアラ騎操士学園で教鞭を取っていた。本日はフレメヴィーラ中に普及される予定のカルディトーレについての最新情報を主に取り扱っており、新しい情報が聞こえる度に学生がノートにペンを走らせている。
「じゃあ、今日はここまで」
授業終了を伝える鐘の音を聞いたアルが授業の終了を宣言する。
それを聞いた学生達がそれぞれ片付けを終えて教室から出て行き、最終的に誰も居なくなるとアルはさっさと授業の後片付けをし、教官の詰所へ足を運んだ。
「では、退勤します」
「はい、お疲れ様でした」
詰所に入ってすぐに退勤の挨拶を行ったアルは聞こえてくる槌の音に反応し、工房の外観をちらりと見てから次に出勤地であるオルヴェシウス砦に向かうために学園の敷地から出て行く。
卒業してから数週間。アルの日常生活は一変していた。
まず学園についてだが、アルの立ち居地は本格的に非常勤の教官ということで学園側と再契約することになった。基本的に学園の行事には参加せず、郊外での
これによってアルは授業がある日以外はオルヴェシウス砦に直行できるので、作業に没頭できる時間が大幅に増えたのである。
「アルフォンス教官」
「おや、ノーラさん。バイトですか?」
アルが比較的人通りが少ない道を歩いていると、屋台から三角巾のような物を頭にまいたノーラが顔を出しながらアルに声をかけてくる。それに気づいたアルは蜜に吸い寄せられた蝶のようにふらふらと『
藍鷹騎士団はノーラを銀鳳騎士団との連絡員として学園に在籍させていたのだが、銀鳳騎士団がオルヴェシウス砦に拠点を移したことで少し困った事態になっていた。密偵集団である藍鷹騎士団にとって自分が居た痕跡、残り香というべきそれを極力出さずに行動するのが常識である。
しかし、退学という手段は少なくとも数週間は噂が発生するので、藍鷹騎士団としてもそれは避けたいと考えていた。
だが、少ない団員を遊ばせておくのはもったいない気がするので、藍鷹騎士団の首脳陣が何かないかと考えて、ふとアルの存在を思い出した。彼は非常勤だが教官なので、ノーラの『バイトをしながら学園に通う苦学生』というあらかじめ決めていた経歴を使えば学園の内外で情報の伝達をさせやすいと、さっそくノーラを介してコンタクトを取り、アルに『密偵側の情報』の受け取り口になってもらっている。
「では、黒砂糖とバターを2個お願いします」
「相変わらず渋いチョイスですね。はい、ご注文の物とおつりです。……近々アンブロシウス陛下が退位されるとのことです」
アルが
(陛下が退位なされるのかぁ。あの方には色々便宜図って貰ったからなぁ)
ライヒアラを出て駐機場に待機していた団員に
その恩人とも言える人物に何か出来ないかとぼーっと考えたが何も思いつかなかったアルは、オルヴェシウス砦に到着するとエルの所在が分からなかったのでそのまま自分の部屋──間仕切りしてるだけの区画に入っていった。
部屋の中にはベッド代わりのわら束と製図のお供である机、
「まぁ、なにか頼まれたらそれに全力を注ぐことにしましょうか。さって、昨日の続きしないと」
昨日までの作業を思い出しながらアルは紙にペンを滑らせ、いくつかの
今、アルが作成しているのは『後から
本来ならば発案者のエルが作成するような事柄だが、エルは既にトイボックスの実験や中隊長機の開発を一手に引き受けているので、訓練関係や
「でも、問題もあるんですよねぇ」
アルは別の紙に
一つ目の問題点として『シルエットアームズの大きさ』が上げられる。ただでさえ大きいシルエットアームズに後付の
次の問題点として『消費魔力』が上げられる。
(とりあえず取っ掛かりはこれでおしまいっと。後は自分の力で出来るだけのことをやっておきましょうか)
エルの言いつけ通り作業の取っ掛かりと問題点を纏めたアルは、別の紙に先ほど書いた物と似たような
少しでも実装する
「アル、ちょっと集合してください」
「皆さん、拠点がオルヴェシウス砦に移って間もないですが一大事です。アンブロシウス陛下が退位なされます」
「退位っつーことになると銀色坊主達が式典でカンカネンに行くことになるな」
「その前にトイボックスの操縦席と装備を式典仕様に変えないとダメですよ」
今後の予定についてエルに聞いていたダーヴィドに、アルは手を上げながら絶対にやらないといけない事柄を共有する。
現在のトイボックスは改造に改造を重ね、いささか見た目的に奇妙奇天烈な見た目になっている。式典に参加するためには姿だけでも取り繕う必要があるので、とりあえず外しても良い装備は外して外見をスリムにし、なおかつ操縦席のシートに詰め物をしている現状だけでも改善する必要がある。
「えー、取り外して良い装備なんて……ああ、色々ありまsッタイアタマガァー! ↑」
「良いからキリキリ外す装備選べ! お前ら、団長が選んだ装備はすぐに取り外すぞ! 時間が足りねぇ!」
エルにアイアンクローを食らわせながらダーヴィドが階下に叫ぶと、その声を聞いた
『ロケットパンチがぁ!』という叫びと共に腕を切り離して相手に攻撃を加える腕が取り外され、代わりにカルディトーレの腕が取り付けられる。さらに『バトソンにこっそり頼んだガリアンソードがぁ!』という叫びと共に
「うぅ……皆して酷いですよ。ほとんど丸裸じゃないですか」
「エル、やっぱり無駄な装備だってことを自覚しようよ」
「ざまぁ! 僕にだけ仕事振っておいて自分だけ兵装の開発とか趣味に走った罰ですよ!」
当初に比べ、なんとか『まだ傾いてるけどさっきよりマシ』と言われるほどになったトイボックスの前で落ち込むエル。そんなエルの眼前でアルは反復横飛びをしながら、『ねぇ、どんな気持ち?』と今までの恨みを込めた精一杯の煽りを行う。
しかし、何も言わずにひたすら項垂れるという意外な反応を見せたエルに、アルも飽きてきたからかそろそろ止めようとするが、項垂れているエルの目に憤怒の炎に煌々と灯っていた。
「ときに親方。パッチワークもあんなにゴテゴテしてたら見た目が悪いのでは?」
「……まぁな」
突然話を振られたダーヴィドはパッチワークを一目見て同意する。卒業式に行われた式典の真似事とは違い、しっかりした式典でパッチワークのようなゴテゴテした追加装甲は多少ならば個性として受け取られるが、現在のパッチワークは明らかに盛り過ぎである。そのことを察したアルはまるで腐海に住む蟲をかばう族長の娘のようにパッチワークの前で立ちふさがった。
「何にも悪いことしてない!」
「いや、アル。流石にその量の装甲は式典だと場違いになると思うぞ。……よっと。親方、頼むよ」
「お願い、はがさな……やめ、やめろぉー! パッチワークのそばに近寄るなああーッ!」
キッドが説得しながらアルを羽交い絞めするが、それでもなおアルはダーヴィド達の作業を止めようと腕を出す。しかし、無情にもアディまで拘束に参加したため、アルはただパッチワークの装甲が剥がされるのを見ていることしか出来なかった。
数時間後、アルは己の無力さを噛み締めながら、全身にべたべたと貼り付けられていた追加装甲が胸部装甲を除いてすべて剥がされ、かなりすっきりした見た目のパッチワークをじっくり見つめる。
そして少しの葛藤の結果、『これはこれでアリ。なんなら下地の装甲ピンクにして追加装甲黒くしたい』と割かし良い評価を下したアルに、怒り出すと思っていた団員が全員ずっこけたことをここに記しておく。
***
「それでは、行ってきます」
数日後、オルヴェシウス砦から2機の
蒼い装甲を纏った
「さて……。しばらくこの子を飛ばせてあげてないので、ちょっとこの辺を飛んできても良いですか?」
「ダメに決まってるだろ(でしょ)。バカヤロウ」
相変わらず空気が読めてないのか欲望に忠実なのか分からない提案をするエルに、馬車の操縦をしているダーヴィドと共にアルはこれからの道程や行われる式典に凄まじい不安に駆られるのだが、『先輩だしいざという時にはしっかりするだろう』という若干諦めにも似た心境でついていくしかなかった。
その後、アル達はカンカネンに行く道中でセラーティ領へ続く道から歩いてきた緋犀騎士団の騎士団長や副団長と合流し、カンカネンの近くで既に到着して暇だったという理由で周囲の警邏を近衛騎士団の代わりに行っているという朱兎騎士団と出会った。
「フハハ! アルフォンス副団長! 貴殿から送られた設計図で作ったハンマーはなかなかの使い心地ですよ」
『使用された跡』がある新型のハンマーを見せつけながら笑って近づいてくるモルテンがふと、『送ってきた意図が読めないと、閣下はご立腹でしたがね』という言葉を放つと、それを聞いたアルは黙ってパッチワークの進行方向をカンカネンからライヒアラに向けて足を踏み出そうとする。
「まぁ、待ちなさい。私も取り持ってあげるから待ちなさ……うぉっ!? ハイマウォートが引きずられる! お前達、手を貸せ!」
ハイマウォートは『ウォートシリーズ』と呼ばれる団長機の素体として使われる優秀な
「そういえば、なんで騎士団長のお二方はウォートシリーズなんです? たしかどちらの騎士団も騎士団と一緒で真っ先に受領予定だったと記憶していますが……それに他の団員の皆さんはカルディトーレですし」
カルディトーレ数機の援護もあって静止させることに成功したモルテンが、未だに帰ろうとするパッチワークの肩をがっちりと掴みながらエルの問いに対応しようと目線を
「本当は私もカルディトーレに乗りたかったが、騎士団長機を式典に参加させないのも……あれではないか?」
「ああ、うちも似たようなことを閣下に言われたよ。アンメル、ちょっと乗せて「そのまま私が騎士団長機を動かす羽目になるので駄目です」」
どうやら並々ならない事情があるらしく、緋犀騎士団に至っては副団長のカルディトーレに狙いをつけて操縦を代わるように交渉していた。その間もどうにかして逃げようとしていたパッチワークだが、その様子を見たエルはため息をつきながらトイボックスの膂力をフルに活かし、他の騎士団の