I・IS《イフ・インフィニット・ストラトス》 作:嘘つき魔神
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あれからしばらくして、暑さが目立つ季節になってきた。そんな今でも、一夏は春馬によってけちょけちょにされている。そもそも、向こうの機体は一夏でも「卑怯だぞ!」と言いたくなるくらいのチート満載、これにどうやって勝てと?幸いなのはセシリアや鈴、箒達や一部のクラスメートが仲良くしてくれていることだろう。だが、それでも一夏の気分は晴れなかった。いくら自主練をしようと、鈴やセシリアに代表候補生の受ける訓練をつけてもらっても、どれだけやっても春馬に追い付けない。
おまけに、皆の前ではあの夜見せた一面は出ていないが、誰もいないところになるとやれ覚悟が足りないだの、やれやる気がないだの、挙げ句の果てには虫けら扱い。こういうのもあって、一夏のメンタルは一向に回復の目処を見せなかった。
さて、この時期に一夏のクラスの副担任の山田先生が珍しい話を切り出した。
「えっと……今日は、転校生が2人います……」
……ひどく疲れた様子で。一体全体何ゆえこんなことになっているのか一夏には皆目見当もつかず、むしろ、その転校生に興味が湧いてきた。山田先生がドアの向こうに声をかけ、転校生2人が入ってくる……片方は、男子用の制服を着て。
「フランスから来ました、シャルル・デュノアです、よろしくお願いします」
「「「「「「……」」」」」
何の反応もなかったことに首を傾げるシャルル。何かを察し、耳をふさぐ一夏。依然変わらず椅子に背を預け、おまけに、机に足までのせている春馬。そして、数秒後……
「「「「「「きゃぁぁぁぁぁ!」」」」」
「ふ、二人目の男性操縦者!」
「しかも守ってあげたい系!」
「ウス=異本が厚くなるわね!」
……これを聞きながら、一夏は哀れシャルルと思った。ここに来たら最後、そうせざるを得ないと言うのに、何故かホモだの何だのの不名誉極まりない称号がつくんだから。さて、一夏的に気になったのが、片方の銀髪で眼帯の転校生だ。先の女子の悲鳴にも周りが二次被害を受ける中、一人顔色一つ変えず入ってきてから止まった位置に佇んでいる。
「……えっと、ボ、ボーデヴィッヒさん?自己紹介してもらっても……?」
そして、山田先生がそう言う。そして、ボーデヴィッヒと呼ばれた少女は自己紹介をする。
「ラウラ。ラウラ・ボーデヴィッヒ」
……自らの名前を告げただけの、簡素なものだったが。もっと濃い自己紹介を期待していた女子達に、困惑が生まれる。そして、ラウラは、教室を見渡し、一夏を見つけると、まるで人が変わったように叫ぶ。
「貴様か!」
そのまま一夏の席の前に来たと思ったとき、一夏は吹っ飛んでいた。その脳裏には、彼自身の青春が!流れるわけないんだよなぁ……ともかく、ここ最近自分が受けた暴力の何よりも痛いということだけを、一夏は認識したのだった……
春馬に箒達が惚れなかった理由
箒:普段の態度や物言い。
セシリア:上に同じく。
鈴:上の上に同じく。